戦え!超ロボット生命体ユメパイセン   作:クソザコぎつね

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こんなのACじゃないわ、ただのメタルギアよ!


不法占拠者排除

 

 

依頼主 ムラクモ

目標 自社基地を占拠したヘルメット団の殲滅

 

ご存知の通りヘルメット団はキヴォトスに多く点在するならず者集団です。砂漠地帯の資源を狙う我々にとっては正に害虫。本来この基地に価値は殆どありませんが、敵対企業を抑える為には必要不可欠です。

敵方には戦車が10台と幾つかのオートマタが確認されています。派手に壊してくれるなら、彼女達にとってもいい見せ物でしょう。

独立傭兵レイヴン、失礼ながらこれはあなたの試金石でもあります。

確実なミッション遂行を期待しています。

 

──────

 

『通信は聞こえているな。最初の依頼だ、勘を取り戻す事を第一にしろ』

 

(ははは……頑張ってみるね)

 

ヘルメット団相手など久方振りだ。

ヘリから降りた私は速やかに目標を見下ろせる崖となっている箇所へと移動する。あのヘリもラナの持ち物らしいが、どうやって手に入れたのだろうか?気にしても仕方ない為、眼帯のズームをオンにする。

 

(人数は大体26……、戦車の数も変わりなし。依頼にあった通りだね)

 

特に警戒した様子もなく、仲間たちと談笑したりしているようだ。現在時刻は夜の2時。眠そうにしている団員もちらほら見受けられる。

 

(こんな銃で戦車壊せるのかな……?)

 

3日前の鬼畜試験で猛威を奮ってくれたこの拳銃だが、戦車相手に効くという保証がある訳では無い。

 

『私のシュトルヒを瞬殺した威力なんだ、信用してやれ』

 

(そんなに?)

 

『手早く終わらせてくれたようだが、あんな見てくれでも性能はそこらのゴリアテ以上だぞ』

 

(え、ほんとにマネージャー?)

 

『マネージャーだ』

 

そう言うからには一応信じてみることにする。対人性能については…まあ、相手の耐久力を信じよう。

指揮所らしき建物がひとつに弾薬庫が2つ。休憩用のテントも点在している。オートマタは偵察に向かったのか見受けられない。

ムラクモ社の旗の代わりに自分達の旗を掲げているのが滑稽だな。

 

(最初に処理するべきは見張りかな?)

 

崖から走って移動し、木でできた見張り台の真下までたどり着いた。

音を立てないよう慎重にハシゴを登ると、がら空きの背中がご対面だ。

 

(おやすみ)

 

いくら頑丈なキヴォトス人と言えど絞め技はそれなりに利く。声を出させないよう気道を丁寧に潰し、気絶させる。

見張り台から降り、今度は戦車へと向かう。10台横並びに停められており、その内1つのハッチをこじ開ける。

 

(目立つだろうけど、仕方ないよね)

 

ピンを抜いたグレネードを投げ入れ、すぐさま退散。テントの裏に隠れた。

派手な爆発音と共に戦車の鉄の肉体が激しく揺れ、黒煙を吐いた後大破。

団員達も突然の異常事態に戸惑い、慌てふためいた。

 

「何の音だ!」

 

「分かりません!戦車が突然爆発を!」

 

状況を確認しようと残骸に向かう4人。私は裏から飛び出し、最後尾の奴を右手で後ろから掴んだ。

影から伸びた手に手足をジタバタさせる姿はカブトムシの様で少し趣がある。

 

(そぉい!)

 

無駄な力を抜き、遠心力に任せてぶん投げると前方を走っていた3人に命中。ダメ押しに2トリガー分撃ってやり、意識を刈り取る。

 

「いたぞ!侵入者だ!」

 

(ありゃ、バレちゃったか)

 

ポジションを変え、最大の危険要素である戦車を盾に迎え撃つ事にした。こうする事で戦車に乗らせないようにしつつ、遮蔽物代わりにするという算段だ。相手の頭上や壁際など立ち位置を変更しながら一人一人順番に捌いていく。

持っている武器は金がかかっているが、使い手が素人である。タイミングを見てこちらから撃ってやれば、ろくな連携も取れず瓦解していった。

 

適当なやつを捕まえ、銃口を相手に向けながら盾にする。非道かもしれないが咎める人物は今居ない。

 

「きっ貴様!」

 

声を荒らげる相手に容赦なく引き金を引き、手元の団員もすぐさま地面に思いっきり叩きつけた。脳震盪を起こしたようでフラフラしているその手足に蹴りを放ち、姿勢が崩れた所に至近距離から弾丸を放つ。

 

今ので最後の一人だったのだろう。動く人影はとうに消え去っている。

 

弾代節約の為弾薬庫に潜入。見立ての通りグレネードが大量に置かれていたので拝借。あとはポイポイっと1つ残して8台の戦車の中に投げ込んで完成だ。

夜の闇に光る爆発は、その匂いさえなければ綺麗であった。

 

残した1台は試し撃ち用である。弾をフル装填し、一回一回効果を確かめながら戦車の装甲に撃ち込む。

 

(大体……マガジン一本分位か)

 

拳銃にしてはとんでもない火力だが、真正面から挑むのでは普通に不利だろうな。そんなに撃たせてもらえるわけが無い。

今後の立ち回り方に修正を加えながら弾倉を交換し、スライドを引いた所でラナから通信が入ってきた。

 

『敵のオートマタが6体そちらに向かっている。速やかに撃破しろ』

 

(りょーかい)

 

見張り台に再度登り、四方を見渡していると東の方角からそれらしき部隊が走ってきていた。

 

(試しにここから撃ってみるか)

 

眼帯によると目標までの距離は約350mと言ったところだ。距離の表示機能もあるとか高性能すぎる。

両手で構え、緑に光るサイトに米粒程の大きさをした標的を捉えた後、発射。

 

(うそぉ……)

 

届いてしまった……、というか撃破してしまった。距離があった為、どのような軌道を描いているのかも確認できた。弾は全く落下していない。

 

(絶対おかしいよこれ)

 

とか考えながらも残りの5体もあっさり撃破してしまった。どうやら思わぬ魔改造品らしい。

月明かりに照らされたバレルがニヤリと笑うと、また通信が来た。

 

『目標の全滅を確認、ミッション完了だ。久々の実戦にしては、まぁ上出来だったぞ』

 

(……ラナってそういう事言ってくれちゃうんだ)

 

『……次からは言わん』

 

(あ〜ごめんって!もっと言ってもっと言って!)

 

少しステップを踏みたくなるその言葉を反芻しながら私はランデブーポイントへと歩き始めた。




アビドス3章を読み終えたら再開しますね。
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