Z/X Ignition00   作:小津之 辰世

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リアルがマジでヤバい《◎》ω《◎》


PHASE02(修正済み)

PHASE02

 

 

 

ゲートに穴を開けたその先は巨大な通路となり、奥から感じる威圧感が俺達の意識に迫ってくる。

中へ侵入した俺達はマニピュレーターに内蔵された特殊硬化トリモチ弾でゲートの穴を埋めてお互いの行く道へ進んだ。

 

 

暫くして移動すると、通路の先から光が見え始め、それを通り過ぎるとそこに出て来たのは、 六機の巨大なMSが聳え立っていた。

 

「やはり完成していたか、アルティメットガンダム…クロスボーン!」

 

「分かっている、今からこいつらにウイルスを流し込んで使えなくする。」

 

「私達はこの人を護衛します!」

 

 

 

「エクシアとヴァーチェは博士をお願い!」

 

 

クロスボーンは近くの端末を操作して、ABCマントの懐からUSBメモリーを取り出して、スロットに差し込む。

ZとZZは藤原刹那を守りながら辺りを警戒する。

 

 

「分かった…、行ってく…」

 

「それはちょっと困るんだよねぇ~エクシアく~ん?」

 

 

「「「「!!??」」」」

 

 

「誰だ。」

 

 

後ろを振り返ると、其処にいたのは俺達でも信じられない存在が目の前に立っていたからだ。

 

 

「うそ・・・、どうして生身の身体で?」

 

「あの人が・・・なんで・・・?」

 

「まさか、あの男は」

 

「馬鹿な!?有り得ない!お前は死んだはずだ!!数万年前、カタストロフデイズの日に!!」

 

 

Z、ZZ、クロスボーン(X1)は信じられないと風に声色を変えて目の前にいる人間に釘づけになった。

 

隣に居たヴァ-チェが珍しく感情を発露して狼狽える。

 

俺も知っている、嘗てこの男はカタストロフウイルスによって崩壊・灰化していく俺を、このMRという鋼の身体に移して助けた男、その名を・・・

 

 

 

ジャッカル・マース

 

 

 

人間のいた時代、奴は得体の知れない蛇のように、狡猾で残忍、悪魔の策謀を働かせる危険分子で有名な男だった。

 

 

俺は最初期で開発されたプロトMR、0ガンダムをベースにしたセブンソードに自分の意識を移植される、数分経って漸く身体を直ぐに稼働させた。

 

俺は奴が居た場所を見渡すと、其処には炭素鉱物と化して、笑いながら粒子状になって崩れ、遂に砕け散ったジャッカルの身体とスーツと靴姿があった。

 

確かにあの時、灰となった身体を残して死んだ筈だ。

 

もし、俺の予測が正しければ、この男はもしや・・・・

 

 

「まあ確かに俺は一度死んだよぉ・・・、でも俺はそんなウイルス風情に、何度もクタバルようなガタイはしてねえよ。」

 

「何度も、やはりジャッカル、お前が・・・龍の巫女が言っていた境界の観測者なのか?」

 

「何だと?まさか奴が・・・」

 

 

クロスボーンは俺の言っていた言葉に耳を傾け、奴に目を向ける。

 

 

「ああ、時を超えて過去の世界から来た、龍の巫女に話を聞いたことがある。

 

俺たちの世界を観測し、この世界の覇権を担う者を選定する存在、観測者という人類の上位存在、【星の意思】の端末がいると・・・・」

 

 

ジャッカルのケタケタと笑っている姿は、俺たちが人間の肉体を持っていたならば、生理的嫌悪を催す、悍ましい、汚らわしい邪な貌を浮かべていた。

 

コレが到底観測者とは思える筈が無い。

 

 

 

「ひィィィィゃはははははははははははは!!!!うぇははははははははは!!!!!ぶぁあはははははははははははは!!!!!いいねえ!!お前最!高!!だよ!!!」

 

 

 

奴の耳障りな笑い声は格納庫の全体に響き渡り、俺たちの意識をざわめかしている。

 

あの時は何の目的で俺達を助けたのかは知らない。

 

碌な事ではないだろうから、今奴と事構えるのは得策ではない。

 

生身だからと云って、奴は何かを仕掛けている。

 

俺の意識の勘がさっきから訴えている。

 

【戦えば確実に負ける】と危険信号を鳴らしているのが解る。

「いやはや…うぇあはは…、まさかあの巫女の嬢ちゃんが来てたとはなぁ…いひぃえひぇひぇひぇひぇひぇ……、俺の許可なくこっち来て、挙げ句にネタバラしだああああ、あの腐れ巫女があああ!!?」

 

 

 

狂笑しだしたと思えば、今度は掌返しに怒り狂う始末だった。

 

 

「まぁいい、折角のサプライズが台無しになったが、予定は順調だから善とするか…」

 

 

何やら意味深なセリフを吐いているが、奴は俺達が此処に来るのが分かっていた。

 

観測者だから当然なのだろう。

 

 

「そうそう、テメエラが探している華秋博士だけど、もう探さなくても此処にいるぜ。

 

そこゴツい嬢ちゃんが見つけたのは唯のダミーだから……」

 

 

 

ジャッカルは親指を突き立てて、乗っていたアルティメットの頭に下へそのまま向ける。―――まさか?―――

 

頭によぎる最悪の想像が量子思考インターフェースから離れない。

他の皆も同様だった。

エクシアはジャッカルが云わんとしているモノに…、目を向けて漸く悟った。

 

 

「コレが………このアルティメットが…、華秋…博士…なのか…?」

 

 

奴は不気味な威圧感を漂わせると、歯肉が丸見えになる程に唇を開けて、人の身体を持っていたら身の毛がよだつ位のおぞましくも、醜い邪笑を浮かべているではないか。

 

 

「御名答ぉぉぉぉぉお~~!!

 

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチィ~!!!

 

そうだよ!

コレぁあ!成れの果てになった、お前とソイツの父親の哀れな姿だよぉお!!」

 

 

その言葉に、俺達はほんの一瞬だけ、思考が停止した。

 

奴はそれをお構いなく、続け様にしゃべりだし、次の言葉で俺の中で失ったはずの怒りという感情を甦らせるには、充分だった。

 

 

 

「ああ、そうだよぉ!

 

こいつらを完成させるには、このオッサンの脳味噌が必要だったからなぁ…!

 

苦労したぜぇ、息子が拷問されても何処までも頑なに拒むもんだから」

 

 

次の言葉で、量子カメラアイが白濁と明滅し、気づけば奴に吶喊していた。

 

 

「引きずりだして中身の設計図だけ頂いたんだわぁ~。」

 

「ううぅぅおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

 

 

この男を生かしては置けない!!

 

俺を中で甦った感情がサイコフレームに反応し、今まで以上の動きを見せる俺の姿に皆も動揺してるが、そんなのは些細な事でしかない。

 

俺は取り出す動作なしで、GNロングブレイド、ショートソードを構え、奴の首をかっ捌こうとしたその時だった。

 

 

 

「でも残念時間切れえぇ~~~。」

 

「っ!?」

 

 

 

突如、ジャッカルの足元が小刻みに揺れ、下がれと瞬時に警告を鳴らす己が勘に従って脚部を前面に出し、内蔵されたGNバーニアによる逆噴射で下がったその直後。

 

 

 

――ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオー!!!――

 

 

 

「くぅっ、ウゥオオオオオオオオオオ!!」

 

 

先ほどまでいた所からビームが下に放たれた。

 

 

 

「お目覚めの時間だぁ、アルティメテット…いや、デビルガンダム!!!」

 

 

 

その破壊力を示すかのように、爆音と共に特殊複合金属装甲の天井に巨大な風穴を広げ、赤く染まった空を露わにした。

 

そこへ駆け付けた、ヴァーチェ達が現れ、エクシアの方へ移動する。

 

 

 

「何があったエクシア!!

奴が何故こうも早く起動している!?」

 

「あの男が、藤原博士を殺害し、脳髄だけを取り出してアルティメテット…いや、デビルガンダムのブレインコアにして起動を早めたんだ。」

 

 

「「「「「「「っ!?」」」」」」」

 

 

「まさか、他の機体にも…」

 

 

「分からないが、恐らくは…が。」

 

 

 

GNソード改二式を取り出し、ソードモードに切り替え、ビーム刃を展開する。

 

 

「今はこれを破壊するのが先だ!」

 

「了解や、エクシアはん!ううぅおおおおおおおお!!!」

 

「私たちが、デビルガンダムの動きを止めるから!」

 

「皆は他の六機を!」

 

「させると思うか?」

 

 

 

エクシアに続き、シャイニングは精神エネルギーを燃焼させ、自らの奥の手を発動させようと。

 

バンシィやユニコーンは、デビルガンダム達の動きを止める為、禁じ手の鬼札を切ろうとしたその時だった。

 

 

 

――言ったろう?もう時間切れだと――

 

 

「!?あれは!!」

 

 

クロスボーンが格納庫の奥に発生した重力異常を検知し、それをズームアイで覗いた先には…

 

 

 

「あれは…、ディメンションゲート…!?」

「嘘!?」

「そんな…」

 

 

 

エピオンとゼロは起こってしまった事態に愕然としていた。

 

すると、ドラゴンとアルトロン、デュナメスの様子に違和感を覚えたZZが、彼らに声を掛けてみる。

 

 

 

「どうしたの!」

 

「身体が…崩れて…」

 

「いや量子化しながら、身体もろともあのゲートに吸い込まれていく。」

 

「みんな…、早く逃げて」

 

 

 

だが、現実は何処までも無情だった。

 

時既に遅く、彼らに続いて他の皆も、ゲートに吸い寄せられながら身体を量子化らされていく。

そして、最初にゲートに飲み込まれる者が現れる。

 

 

「クソッたれぇぇええええ!!」

 

「シャイニング!!ぐぅううあああ!!」

 

 

シャイニングに続いてクロスボーンも、数秒遅れて飲み込まれ、他の仲間も次々と飲まれていく。

 

 

残るはエクシアと藤原刹那を抱えたZのみとなった。

 

だが、それも時間の問題、このままではいずれ、自分達も完全にあのゲートにのまれてしまう。

 

残る手は一つ

 

 

 

「残るはてめぇらだけだぁ!、さっさと飲まれちないなぁぁ!!」

 

「それはどうかな?」

GNソード改二式を六体のデビルガンダムに向けて突き出し、GNドライヴ、各部ジェネレーター、コンデンサーをフル稼働させ、数ある奥の手を一つ使う。

 

 

 

 

「てめぇっ!」

 

「トランザム!」

 

 

 

ジャッカルがすぐさま、デビルガンダムで仕掛けてくるがもう遅い、終わりにさせる!

 

 

 

「ライザーァアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

 

発生した巨大なビームの奔流は、何十もの地下施設の壁を突き抜く。

 

900mに達すると、ゲートに入り込もうとする6体のデビルガンダムに向けて振り抜いた。

 

「クソが!!させっかぁあああ!!!」

 

 

 

ジャッカルは咄嗟の瞬間、フィールドを展開してデビルガンダム達を庇ったが、それでも守り抜けなかったのか、奴が頭の上に乗っていた一体を除いて大破していた。

 

 

「仕留め切れなかったか…」

 

 

 

全部までとは行かなくても、せめて一、二機だけでも破壊できれば御の字と云えたのに、全部大破ではすぐ復活してしまうから意味がない。

 

その時だった。

 

 

「うああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

ゼータが急に苦しみ悶え、身体の末端から量子化していく。

しかも悶える際に抱えていた藤原刹那を離してしまい、下に落としてしまう。

 

マズい!

 

性能低下に陥っていた瞬間、咄嗟に身体を捻って反転し、最後に隠していた切り札を展開する。

 

 

「アヴァランチダッシュ!アクティブ!!」

 

 

 

手っ取り早く、アヴァランチダッシュを換装させて急降下際にGNバー二ア、スラスター全基を展開して驀進する。

 

 

鋼鉄の床へ叩きつけられる寸前に彼の腕を掴んで掬い上げる。

 

 

何処にも外傷が無いと確認すると、自らの鳩尾から肩まである胸部装甲をノズルを回して上部に開放し、コクピットのような隙間へ押し込んだ。

すぐ態勢を立て直して、瀕死の五体に留めをさそうとしたその時だった。

 

 

 

 

「残念だがテメェも時間切れだぁ!!」

 

 

「此処まで来て…」

身体が徐々に量子化していき、それがゲートに呑み込まれる。

 

 

 

「予定がちょっと狂ったが、俺の勝ちだぁ。

あばよ!次に逢うときは楽しく殺し合おうぜ!!」

 

 

 

奴の反吐がでる声のを最後に意識が真っ白になった。

 

 

 

ー◆◆◆ー

 

 

 

とある暗い闇の世界、その中心に立つ白袖と赤袴を纏い、側頭(かわこうべ)に稲走りを象る角を保つ巫女が佇んでいた。

「これで土台は整った。

 

後は種を蒔く時期を待つだけ…」

 

 

ふと、後ろから闇紫邪(あしや)に輝く5つの眼孔を放つ無貌の蒼き影が顕れた。

その者が放っている身の毛もよだつ、おぞましい神氣は無に満ちた空間を汚染し、世界法則さえも陵辱していく。

 

にも関わらず、汚染された世界に何も動じる所か汗一滴も出す事なく、己が後ろにいる邪悪な影に淡々と言の葉を紡ぐ。

 

 

 

 

『おいおい、そんなんじゃテメェの望む先にはまだ届かねぇぜ?

 

龍の巫女ちゃんよぉ…。』

 

 

「主か…何用じゃ。」

『灰黒点(アッシュブラックポイント)はギアナ高地と、日本にあるあの広がり続けてる小笠原諸島・西之島に出現した。

 

ガンダム共を除くMR共が雪崩れ込むぜ。』

 

 

「そうか、それが世界を第7の世界、◆◆の未来への架け橋となってくれるなら」

 

 

『そうかい。

 

ああそうだ、言い忘れたな。』

 

「なんじゃ。」

 

『《水銀の蛇》がこっちに来る。

目的は須髪柳晴…イヤ、藤原刹那に御執心のようだ。』

 

「………」

 

 

 

龍の巫女は眉を僅かに顰めるも、眼を閉じて思案に集中する事ほんの刹那に眼を開いた。

今すべき事は世界を滅び行く運命から救い出してくれるだろう、このイレギュラーを、どこぞの得体の知れない連中に、おそらく一度キリだろう二度とないこの機会を奪われる訳にはいかない。

 

「◆◆◆、足止めにはどれ程稼げる。」

 

 

『以て種が芽を出す位だな、たくっ!

 

余所モンが土足で人の家に踏み込みやがって!!』

 

 

「構わん、それだけ稼げれば重畳じゃ。」

 

 

『そうかよ、そんじゃ俺はデビルガンダムのコアの様子を見に帰るぜ、それと人様の楽しみ奪ったんだから後で埋め合わせろ、じゃあな。』

 

 

 

 

影はふと蜃気楼の様に姿を消した。

 

 

「最早…時間は残されていないと云う事か…。」

 

 

 

龍の巫女は右の掌を目の前に翳し、光の球体を生み出すと、 球体から何かが写り出すのが見える。

 

 

 

其処から映りだしたのは、一糸纏わぬ姿で眠りについてる藤原刹那の姿があった。

 

 

 

「頼んだぞ、藤原刹那。

妾達の最後の希望」

 

 

 

see you next Igninition

PHASE03

 




次回はリアルの都合上、二週間後位になります。
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