ブルーアーカイブ―変わらない君を―   作:しめさばの味噌煮

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変わらない君に

 D.U.外郭地区・シャーレ部室付近に到着してすぐの事、

そこは既に戦場と化していた。ロケットランチャーでも使っているのだろうか、目の前からはロケット弾が飛んできていた。

 

「な、なに、これ!?」

 

ユウカの叫び声が聞こえるが、そんなのはお構い無しにスケバン達は私たちに銃を向け乱射してくる。

 

「さっきも言ったけど、やっぱりなんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの!!」

 

「仕方ないですよ、代行の命令ですし……。それに、サンクトゥムタワーの行政権を取り戻すためにはあの部室の奪還が必要ですから……。」

 

「それは聞いたけど……!私これでも、うちの学校では生徒会に所属してて、それなりの扱いなんだけど!なんで私が……!」

 

ユウカが愚痴をこぼしているとスケバンの1人がユウカに向けてARを撃ってきた。

 

「いっ、痛っ!!痛いってば!!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」

 

「伏せてください、ユウカ。それに、ホローポイント弾は違法指定されてはいません。」

 

「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡がのこるでしょ!」

 

「今は先生が一緒なので、その点に気をつけましょう。先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です。」

 

「みんな、話してる場合じゃないよ!次に敵がリロードをしてる間に私が指示を出すから!」

 

 そう言ったはいいもののやはり圧倒的に数が多い。どうしたものかと考えているうちに敵は攻めてくる。今は何とか4人に凌いでもらっているが、このままではいずれ全滅する。

 

「……! 敵がリロードを開始した!ユウカは前衛で敵を牽制、ハスミ、スズミの2人は中衛から敵を殲滅! その間、チナツはユウカの回復を!」

 

「……っ、了解!」

 

 4人に指示を出した後、次の指示を急いで考える。敵は、前衛にSMGが3人、中衛にミニガン持ちが4人。

そう考えている間に3人は敵のSMG持ちを倒していた。

………次の指示は決まった。

 

「ユウカはシールドを展開、引き続きミニガン持ちを牽制! ある程度引き付けたら私の合図で下がって!それと同時にスズミは

敵の真ん中に閃光弾を投擲!!」

 

「……了解しました!」

 

 スズミとユウカが指示通りに動く。スケバン達は集団戦に慣れていないのかあっさりと全滅してくれた。

 

「まだ奥に敵がいる、行くよ!」

 

 スケバン集団は全部で10人ほど。やはり主格、狐坂ワカモがいるに違いない。彼女は単独でも戦闘能力が高い、気をつけなければ。

 

「なんだか、戦闘がいつもよりやりやすかった気がします……。」

 

「……やっぱり、そうよね?」

 

「そうかなぁ……?私はただ指示を出しただけだよ?」

 

「先生の指揮のおかげで、普段よりずっと戦いやすかったですよ。」

 

 そんな会話をしながら次の現場に向かっているが、正直軽くでも走らないで欲しかった。何せ身長が低くなったので歩幅が小さくなり、ただの人間なのでついていけないのだ。

 

「先生!もうシャーレの部室は目の前よ!」

 

すると、指揮用に付けていたワイヤレスイヤホンからリンの声が聞こえた。

 

『たった今、この騒ぎを巻き起こした生徒の正体が判明しました。』

 

しばらく間を開けた後、リンは続けた。

 

『ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。』

 

 その瞬間、場に緊張が走った。私の心臓は大きく鼓動し、額に汗が滲む。皆にとってはただの危険人物でしかないが、私は違う。私にとっては最大の後悔であり、皆と同じ大切な生徒なのだ。

 

「ーーー先生!次の戦場に到着しました!ボーっとしてないで、次の指示をお願いします!」

 

ユウカにそう諭され、戦況を瞬時に把握し指揮を送る。

 

「ユウカとチナツの2人はさっきと同じ、ハスミとスズミは……。今回は遮蔽物がある!そこに隠れて敵を殲滅!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

 先程より苦戦はしたものの、4人も先頭に慣れてきたのか正確に敵の弱点を狙い撃ちあっさりと敵を殲滅した。

シャーレオフィスまであと数百メートルというところで、スケバン集団の中心に一際目立つ、赤と黒の花柄の和服姿に狐の面をかぶり、首の後ろに長身の銃を掛けて立っている少女がいた。そう、ワカモだ。

 

「騒動の中心人物を発見!対処します!」

 

「フフ、連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛らしいこと……。」

 

 そう言って4人は戦闘を開始した。

私には気づいてないようで、正直今すぐにでも彼女に近づき説得をしたかった。だが今近づこうとすればスケバン達に蜂の巣にされてしまう。

ワカモはこの後、シャーレオフィスに入り込むはずなのでそこで説得をしよう。

 

「戦闘、開始します!」

 

 ハスミの声で色々考えていた頭をしっかりさせる。

指示は先程と同じでいい、ワカモは数分後には確実にシャーレオフィスに逃げる。

 

「指示はさっきと同じ!弾にだけ当たらないように気をつけて!」

 

 返事こそなかったものの指示通りに動いてくれた。

スケバン達はすぐに倒せたが、やはりワカモは強い。

 

「くっ、わかってたけどやっぱり強い……!」

 

ユウカのシールドは即座に破壊され、遮蔽物も壊されてしまった。

 

「……私はここまで、後は任せます」

 

「えっ、ちょっ、リーダー?!」

 

 そう言ってワカモは、やはり建物に向かって走り出した。

仮面で顔は見えなかったが、クスッと笑った気がした。

スケバンはリーダーが居なくなったことにより統率が取れず焦っていた。銃声に紛れて「もうあれを出すしかない!」という声が聞こえた。

 

「みんな、追うよ!たぶん、戦車が来る!」

 

「戦車……?!」

 

 そう言った瞬間、地鳴りのような音がしたかと思うと横の建物の壁を突き破り、大型戦車が現れた。

 

「あれは……クルセイダー1型……! 私の学園の制式戦車と同じ型です!」

 

「やっぱり、不法に流通された物に違いないわ!PMCに流れてたのを不良が買い入れたのかも!」

 

「……つまりガラクタってことだから、壊しても構わないわ!行くわよ!」

 

 そう言ってユウカは前衛でシールドを展開し、敵のヘイトを集める。装甲の分厚い巡航戦車は通常弾では太刀打ちできない、そうなると対処法は一つ。

 

「ハスミ、貫通弾は持ってる?」

 

「……えぇ、もちろんです。」

 

「よかった、そうしたらハスミ。私がユウカに合図したのと同時に砲口を狙って撃ってくれないか?誘爆を狙う、そうすれば搭乗者諸共行動不能にできるはずだ。」

 

「…了解しました。」

 

 ハスミは短く返事をすると貫通弾を銃に装填した。

しかし砲口を狙うのはかなり難しい。そうなれば少しでも狙いやすいようにこちらもアシストするまでだ。

 

「ユウカ、再度シールドを展開。ハスミの左斜め前で戦車の注意を引き付けて。その後、私の合図で後衛に移動!スズミは後衛に移動して遮蔽物に隠れて待機!」

 

 私の言う通りのポジションに移動したものの、やはり戦車相手に1人はキツかったらしく返事はなかった。

 

「先生!こっちに狙いを定められてるけど!? まだ!?」

 

「よし、ユウカ! 避けて!!」

 

「っ、はいっ!!」

 

「………!」

 

 ユウカが避けた瞬間、私の指示通りにハスミが砲口を狙い撃つ。すると狙い通りに砲弾に当たったのか、中に残っている砲弾が誘爆し、戦車が内側から吹き飛んだ。

搭乗者は何とか無事のようだ。

 

「……みんなは入口付近で待機、私は中にいるワカモを説得してくる。」

 

「えっ、ちょっ!先生!危険です!」

 

「大丈夫。ワカモは、そんなことはしないはずだ。」

 

 そう言って私は走り出し、躊躇いなく建物の中に入る。

電源が落ちているのか中は薄暗く、不気味だった。

…だが、ワカモは地下にいる、ぜったいに。

 

 

■■■

 

 

「うーん……これが一体何なのか、まったく分かりませんね。これでは壊そうにも……。」

 

 ワカモはこれが何なのか分からずに困っていた。

不思議なオブジェクトにワカモが近づこうとした時、誰かが階段から降りてくる音が聞こえた。上に居た下っ端達が全滅し、全員で追いかけて来たのかと思い咄嗟に銃を構える。

…が、そこに居たのは女先生1人だけだった。

 

「……あら?」

 

「こんにちは、ワカモ。」

 

私は、ワカモの退路を塞ぐようにして立ち止まった。




 はい!3作目です!
やぁっとワカモが出ました!!

毎日投稿!大変!折れそう!
でも続けたいから頑張る!

ということで次回はワカモ&先生回!
頑張って書きます!ビャアタイヘンッ!(?)
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