「あら、あららら……?」
彼女は私に向けた銃を下ろし、仮面で表情は見えなかったが驚いているように見えた。必ずしも撃たれないとは限らないので、私は少し警戒しつつ彼女に近づく。
「………。」
「………?」
「あ、あぁ……」
ワカモは私の顔を見て固まっていた。私の顔に何か付いているのかと思い、聞こうと近づいた途端。
「わ…ワカモ?私の顔に何か付いて―――。」
「し、失礼いたしましたー!」
ワカモは構えていた銃を片手に持ち、うろたえながら一目散に逃げようとした。ここで逃がしてしまえば、再び最悪の結果になりかねないと思い、とっさにワカモの手を掴んだ。
「………?!」
「…ぁ、え〜っと……。」
私は言葉に詰まってしまった。何せとっさに手を掴んだので、どう説得すればいいのかなど何一つ思い浮かんでいなかった。どう考えてもセリフが思いつかないので、とりあえず私はパット出たセリフを口に出した。
「え〜と、とりあえず……私の傍にいて欲しいな…?」
「……はい!?」
何故かワカモは仮面の下で顔を赤くし驚いていた。今回のこともそうだったが、ワカモは1人にさせておけば大変なことになりかねない。それならばいっそのこと、私が監視しておけばいいのではないかと思ったためのセリフだった。だが何故かワカモは
「わ、私でよければ……よろしくお願いします…。」
「う、うん…よろしく…?」
ワカモは私の手を握り頬を赤らめている……気がした。
どんな表情をしているのかと思い、仮面を外して欲しかったが先にリンに連絡をしなければと思い、通信機に話しかけた。
■■■
「お待たせしました。」
「あ、ううん。大丈夫だよ。」
しばらく待っていると、リンが階段を降りてきて私に声を掛けてきた。……が、私の手を握り怪訝そうな顔をしているワカモを見て普段の無表情なリンの顔が驚きとも怒りとも取れる表情に変わった。
「なっ…狐坂ワカモ!? 先生、どういうことですか?!」
「ま、待って!大丈夫だから、ワカモは私が監視することに……!あっ、ワカモも威嚇しないで!?」
リンに対して銃を向け威嚇するワカモを何とかなだめつつ、リンに説明をする。ワカモが「私と先生の邪魔をするなら―――。」と言い出したので全力でなだめつつ説得をしていると、小一時間ほど経っていた。最終的に双方の同意を得られたので良かったのだが、私の体力と手は限界に達していた。
「……分かりました、今回は良しとします。ですが、何か一つでも問題を起こせば……。先生もタダでは済みませんのでご注意を。」
「う、うん……ありがとう、リン。 ワカモも、ごめんね…?」
「いえ、そんな…!あなた様が謝ることなど!…むしろあなた様の為であれば私はなんでも…!」
そう言ってワカモは私に抱きついてくる。一瞬首が危なかったが何とか大丈夫だった。その様子を見たリンが咳払いをし、話を続けたいと言わんばかりに視線を送ってくる。
「……それでは先生、こちらを。幸い、傷一つなく無事なようですね。」
そう言ってリンは、タブレット端末を私に渡した。
連邦生徒会長が前回も私に残してくれたもの……。
【シッテムの箱】だ。
「……連邦生徒会長に会っているのであれば、説明は不要ですね。」
「うん、手間をかけてごめんね。リン。」
一応、苦しい言い訳ではあるがここに来る前に、連邦生徒会長とは1度会っているということにしているのであまり怪しまれなかった。……と、思いたい。
「……では、先生。お願いいたします。邪魔にならないよう、離れています。」
「……うん、ありがとう、リン。」
私がリンと話している間、ワカモが構って欲しそうにこちらを見ていたので、頭を撫でつつシッテムの箱を起動させた。
「………。」
起動が完了すると、画面中央に、数字の「8」にも似たようなマークが表示された後、英文が表示される。
『…Connecting To Crate of sittim…』
『……システム接続パスワードをご入力ください。』
私は迷いなく文章を入力して行く。
【我々は望む、七つの嘆きを。】
【我々は覚えている、ジェリコの古則を。】
数秒後、画面にはパスワードが認証されたという文が浮かび上がってくる。しばらく待っていると、1部の壁が崩れた教室が映し出される。そして私は、机の上に伏せて居眠りをしている1人の少女に話しかける。
「……久しぶり、アロナ。」
………その間も、刺さるようなワカモの嫉妬やその他諸々を含んだ視線が痛かった。明日以降、時間があればワカモと散歩にでも行こうと思った。
こんばんは!
4話目です!!
今回は平日と言う事で半分くらい短くなってしまいました……
少ないとは思いますが楽しみにして下さっていた皆さん申し訳ございません……。
明日は早めに帰宅が出来るので普段通りの文字数かければと思います!
頑張ります!寒い!指が動かない!