ルビコンわくわく傭兵ライフ   作:おーるどあっくす

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皆が幸せにしてるだけのエピローグです


盃は満たされた

 戦いが終わり、バスキュラープラント増設計画も完了したルビコンは、コーラルの脅威が無くなった可能性が高いとして惑星封鎖が暫定的に解除された。

 

 

 コーラルに手が出せなくなった上に壊滅的な被害を受けたアーキバスとベイラム等の企業は撤退し、今はルビコン解放戦線側の企業や中立企業が残るのみとなっている。

 

 

 傭兵の仕事といえば、コーラルがなくなったことに憤慨するドーザー達の鎮圧や企業の警備ぐらいなものだ。

 

 少し前までのように稼げなくなったことで、傭兵達は次の夢を追いかけ別の金になる惑星へと去っていった。

 

 

 コーラル焼却計画において嬉しい誤算だったのがルビコンの温暖化だ。汚染によって進んだ寒冷化が止まり、少しずつ50年前のルビコンに戻りつつあるのだという。

 

 

 

 

 現在俺は、ルビコン管理システム「オールマインド」に雇われ、ルビコンの土壌汚染の改善やコーラル増殖の抑制についての研究、そしてルビコニアン達の復興支援をしている。

 イグアスが同僚かと思っていたが、どうやらレッドガンの方に行ったらしい。

 

 一応バスキュラープラント警備という建前でオールマインドには雇われているんだが、基本的にプラントはオルクスレプリカ:KRSV部隊が居るので問題無いと雑用を引き受けているという訳だ。

 

 仮にバスキュラープラントに近づこうものなら、360度からカラサワに撃ち抜かれ、ルビコン神拳で嬲られ、最終的にSOLと ALLMINDとの戦闘を切り抜けなくてはならない。

 時間をかけ過ぎるとSOLの操縦権がエアに移り、俺も到着する。

 …クソミッションかな?

 

 

 

 

 

 

 今日は傭兵としての仕事は休んで友人と待ち合わせをしている。

 相変わらず到着が早すぎた俺に対して最初に声をかけたのは…

 

 

「やあオルクス、君の頼れる戦友ラスティだ」

 

 

 ラスティとは空越えのときの約束通り真剣勝負を行い、最終的に引き分けることとなった。ここまでの戦いを経て俺はラスティに戦友として認められたようだ。

 

 

『元気そうだな戦友。解放戦線の方はどうだ?』

 

「ようやく手に入れた自由だ。

 皆復興に向けて力を尽くしている。

 オルクス、君はどうだ?」

 

『朗報だ、土壌汚染解決の目処が立った。

 ルビコンの土でも野菜が育つようになるぞ』

 

「早いな、ルビコンにはまだ広大な土地がある。

 上手く育てば特産品として星外へ輸出していけるだろう」

 

 

 この世界の自然から野菜を作れる星は少ない。ラスティの言う通り、これはルビコンの名物になるだろう。

 

 

『名物といえばシュナイダーレースだな。

 前回もオルトゥスで優勝してきたんだろ?』

 

「誰より速く飛ぶのもまた私だ。

 見届けてくれたのだな」

 

 

 空力バカ企業ことシュナイダーは、撤退するアーキバスには同行せず、ルビコンに根を張ることになった。

 

 彼らは最速のACを作る為にその試作品の数々を販売していた所、誰が言い出したかそのパーツでレースを開催し始める。

 やがてエルカノやファーロン、ファンファーレとしてタキガワ・ハーモニクスに面白がったRaDまで加わり…

 

 

 ルビコンはコーラルとレースの聖地となった。

 …なんでやねん。

 

 

 レースならば戦闘における最低限の防御力すら必要ないという事実に気がついてしまったシュナイダー社が、今度はレースをするにあたって最低限の耐久を追求しているらしい。

 

 ちなみに、レースのデータを集積して開発されたナハトライアーの後継機は、傭兵達の間でも高い評価を受けている。

 

 

「君もシュナイダー製品の乗り手だっただろう?

 参加はしないのか?」

 

 ラスティはルビコン復興を進める合間に、大人気レーサーとしても活躍している。

 

『今の仕事で稼げなくなったら考えるよ』

 

「そうか、君と競い合う日を楽しみにしている」

 

 

 

 ラスティと雑談をしているうちに、カーラやブランチ、そして警備会社を立ちあげたレッドガンやカフェを経営しているオキーフ、一般ルビコニアン達も集まり周囲が賑やかになってきた。

 

 

 これだけの人々が集まったのには理由がある。

 今日は再手術を終えて621が帰って来る日なのだ。

 

 

 レイヴンに対して人々は感謝の念を込め、バスキュラープラントをルビコンの平和と自由の象徴、「レイヴンの灯火」と呼ぶようになった。

 

 要するにレイヴンはルビコンの人気者なのだ。

 これは崇拝とか盲信じゃなくて有名人が空港に来た!くらいのノリである。

 

「来たぞ!」

 

 誰かが叫び、黄色い歓声が響き渡る。

 

 

 俺たちを見つけてとてとてと駆け寄って来るレイヴンを見て、自分の足で走れるようになったのだと再手術の恩恵を実感しながら俺は手を振る。

 

 …なんでラスティ俺から一歩退いた?

 

 疑問に思いラスティの方を向いた俺の元に…

 

 

〈オルクス〜!お義姉ちゃんですよっ!〉

 

 爆速で飛び込んできたエアに受け身も取れず押し倒される。

 

『痛ァ!なんで今なんだよ!状況的にここで俺に飛びつくのは後輩じゃないの!?』

 

〈もう…オルクスはツンデレさんですね…口ではそう言いつつ私の居ない夜に声を押し殺して泣いていたんでしょう?かわいい義弟ですね。本当に私の義弟はかわいいです。いい匂いもします〉

 

『エアが居ない夜の方が多いからな!?』

 

 というかツンデレとかどこで覚えてきたんだよそんな言葉。

 

〈…?気付いてなかったのですか?レイヴンが寝た後はいつもあなたのそばにいたんですよ。オルクス〉

 

『………ぇ?』

 

 かなり恐怖を感じた。

 

 

 621の広げた手が行き場を無くしている…

 

 

「エアばっかりずるい。

 わたしもオルクスをだきたい」

 

 

 言い方ァ!

 ウォルターも頭を抱えているぞ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「御託は要らん!楽しめ!

 愉快なパーティの始まりだ!!!」

 

 そんなこんなで賑やかな再会を終えた俺たちはルビコン3独立とレッドガン警備会社設立とキング、シャルトルーズ結婚とラスティのシュナイダーレース優勝とレイヴン退院とその他諸々というレイヴンが帰って来るまでの出来事を記念したパーティが開かれた。

 

 621はウォルターと共に祝い祝われといった感じの挨拶回りをしている。

 

 結局男の身体は取り戻せなかったイグアスがまた621に喧嘩売ってる…

 

 

[どんな人間でも料理と酒があればこの程度…

 人を楽しませるとはやはり容易いものです]

 

『オールマインド、準備ありがとう。

 おかげで後輩たちも嬉しそうだ』

 

[オールマインドはルビコンの人々の為にあります]

 

 

 

 オールマインドと話しながら料理を楽しむ。

 

『このローストビーフ美味いな』

 

[それはミールワームです]

 

『へぇ…!こんな美味いのかミールワーム』

 

[…嘘です

 貴方はもう少し人を疑うべきかと]

 

 オマちゃんにだけは言われたくない。

 

『嘘だったかぁ…』

 

 

 

 

 

「オルクスー!」

 

 挨拶を終えた621が俺の元にやってくる。

 

 今度こそ、エアより先に俺に抱きついてきた。

 

「無事に手術が終わって良かったな」

 

「うん!」

 

「固形物も食べられるんだろ?

 このローストビーフも美味いよ」

 

 

 621に料理を勧めたりしながらウォルターたちとこれまでの思い出話や、これからのことについて話す。

 

 

「オルクスはこれからなにしたい?」

 

『これからか…ま、仕事があるうちは傭兵を続けるよ』

 

「そうなんだ、わたしはなにしよう…」

 

『時間はあるし、エアやウォルターと話し合えばいいさ』

 

〈レイヴン!やることがないならオルクスを婿に迎えましょう!〉

 

 エアちゃんさぁ…

 

「エア、62…レイヴンはまだ未成年だ。

 それにそういうことはあいつ自身が決断すべきだろう」

 

 ウォルターがエアに苦言を呈している。

 

 

『そういえば』

 

 ふと思い出した。

 

『乾杯がまだじゃないか?』

 

「そうだった」

 

 俺たちはコップにそれぞれ飲み物を注いでいき…

 

 

『「「〈乾杯!〉」」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 盃は満たされた。

 溢れんばかりの幸福と笑顔で。

 

 

 

 

 




目が覚めると4周目が始まっていた。



なんてことはなく完結です。
無事に完結させられて良かった…!


自己満足の小説をここまで閲覧して頂きありがとうございました。
よろしければ評価、感想をよろしくお願いします。


番外編とか書き終えたら今度は617書きたいな…

今後文字色とか使う可能性があるかもなので聞きたいのですが、ハーメルンは

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