「…全ては消えゆく余燼に過ぎない」
「だが…それでも、例えルビコンに未来が無いのだとしても…我らには守るべき今がある」
「灰被りて我らあり!脅かされ、搾取されてきた同志達よ!耐え忍ぶ時はここまでだ!錆びついた誇りを今こそ研ぎ澄ませ!反撃の時は来た!」
「コーラルよ ルビコンと共にあれ!」
決戦前夜、ドルマヤンの演説に共鳴して同志たちが雄叫びをあげる。開幕余燼モードかと焦ったがまさかドルマヤンがそんな言葉を続けるとは…
621からなんとか逃げ帰った俺は体勢を立て直すために一旦ウォッチポイント・アルファから地上へ撤退。その後技研都市はアーキバスが抑え、独立傭兵レイヴンはハンドラー・ウォルターの元から消息を絶った。
一方ルビコン解放戦線はといえば、特に大きな動きはない。アーキバスは技研都市の管理にかかりきりで大規模な襲撃もなかったため、水面下で反撃の機会を伺っていることを悟らせないように時折嫌がらせのような小規模攻撃を仕掛ける程度。ただひたすら、ALBA完成までの期間を凌ぎ続け…遂に時は来た、という訳だ。
初代アングレカムを組んだ時を思い出して苦い顔をするソフィーはダナムのバーンピカクス、ツィイーのユエユーのアーキテクトを勤め、「そのアセンの…何を知っているというのだ…」と言わんばかりのドルマヤンは解放戦線の戦力を実力、精神共に引き上げた。
オーバーシアーはザイレムを浮上させ、現在アーキバスはそちらの迎撃に気を取られている。灼けた空の向こうでは、いずれレイヴンもオールマインドに起こされて動き出すだろう。
…さぁ、最終決戦だ。アーキバスを再起不能に追い込んで…レイヴンを止める。
「いくぞ同志たち、企業勢力を打ち払え!今の我らにはラスティとアクスという双翼がある…彼らに続け!その空力を信じろ!」
フラットウェルさん!?お前も空力キチかよ!?ここにきて本性露呈するの!?俺の機体を満足げに見てたのってそういう…
まぁ良いでしょう…ウォッチポイント・アルファを突破した俺たちは技研都市に突入。
〔いよいよ企業勢力撃破作戦の最終段階だね…ラスティがオキーフと最前線に出るから、アクスはまず遊撃を!〕
『分かった。サポートは任せたぞ、ソフィー!』
逆関節の機動力を活かして戦場を飛び回り、苦戦している同志達の救援に駆け付ける。それが今の俺の役目だ。コーラルオシレーターとナパーム弾でMT、SGを一掃し、パルスブレードでLCを叩き落としていく。
〔ダナムと六文銭が高起動型LCと接敵、援護お願い!〕
『了解!急行する』
「聞こえるか 強欲な侵略者ども!我々ルビコニアンが屈することはない、鉄の棺桶で送り返してやる!灰かぶりて 我らあり!」
「やあやあ我こそは六文銭なり!ツィイー殿に施された一宿一飯の恩義に報いるため参った!」
『六文銭、それじゃシノビじゃなくて鎌倉武士だ…』
まぁ、解放戦線とアーキバスの関係は元寇みたいなもんかもしれないが…
「むぅ…?そうか…アクス殿は古典芸能にも詳しいのだな」
「同志アクス!救援に感謝する!共に侵略者を退けるぞ!」
「三途の渡しの六文銭、しかと受け取れい!」
六文銭のACであるシノビについては特に言うことはないが、実力のアレなダナムはその武装の全てをミサイルに置き換えられ、後方支援に徹することになった。悲しいけどパイロット適性はやる気とアセンじゃどうにもならないから仕方ないね。
ダナムの放ったミサイルはLCの機動力の前には無力だが、回避を強要できる時点で無駄にはならない。ミサイルに気を取られれば六文銭の爆導索に絡め取られ、ショットガンが撃ち込まれる。衝撃力に優れる連続攻撃によりACS負荷限界に陥った敵機のコックピットを、コーラルオシレーターの照射で焼き払った。
〔高機動型LCの撃破を確認!同志達がプラントを包囲したから、このまま前線を押し上げるよ!〕
「助かったぞ、アクス!」
「アクス殿、助太刀感謝する」
『ああ、ここは引き続き任せたぞ!』
「頃合いだな…シュナイダーACを投入する!地を這うばかりがルビコニアンではないと、新たな翼で証明してやれ!」
「行こう、同志たち…出撃だ!」
シュナイダーACも投入されたか…フラットウェルの言動的にラマーガイアーも投入されているような気がするが気にしないことにする。
「次はツィイーとアーシルがHCと交戦開始!助けてあげて!」
『初陣のアーシルには厳しい相手だろうな…任せてくれ!』
『邪魔して悪いね、おふたりさん。援護するよ』
「アクスも来てくれたか…行こうツィイー!」
「頼りにしてるよ!アーシル!」
すっかり2人の世界だな…苦笑しながらアーキバス改修型HCへエツジンを向ける。馬に蹴られる前に片付けて離脱させてもらおう。
「くっ…!なぜルビコニアン共がシュナイダー社の試作機を…!?」
ツィイーのユエユーは大きくその武装を変えており、多少は異なるがまるでアストヒクといった有様だ。これまでは前線に出ないようにという配慮で強いとは言えない機体に乗っていたが、どうやら近接戦闘に適性があったらしい。ドルマヤンの指導もあり、メーテルリンク以上のアリーナランクも納得出来る才能を見せた。
一方アーシルはそんなツィイーが心配だったのか、彼女と戦うことを決断。ラマーガイアーにツィイーのグレネードを装備し、撃ち下ろしでの火力支援を担うことになった。ピーキーな機体ではあるが、素人には移動しているだけでも攻撃を回避できるラマーガイアーも悪くない。
ツィイーと俺、2方向から迫るパルスブレードがパルスシールドを貫通してHCを叩き落とした所にアーシルのグレネードが連続で降り注ぐ。ACS負荷限界に陥ったHCにコーラルオシレーターを照射。ツィイーのパルスブレードが、HCのコックピットを切り捨てた。
「HC機体の撃破を確認!」
「見てた?アーシル!」
「ああ!見事だツィイー」
…俺が入る余地は無さそうだな。次に向かおう。
「バスキュラープラントの根本、コーラル集積地を抑えるぞ!」
「ジャガーノートで轢き潰せ!」
ジャガーノートまで持ち込んでいたのか…よくウォッチポイントの通路を通ったな。
「アクス、帥父の方に何かが向かってる!あれは…封鎖機構のバルテウス!?」
アーキバス・バルテウスか…スネイルはレイヴンに殺されているだろうし、適当な兵士が乗っているのか?
『分かった、救援に向かう!』
「司令部に報告!V.IIペイター、現着した!」
お前かよ!?えっなんで…?レイヴンに殺された筈じゃ…!?
「貴様は…ウォッチポイントで交戦した…アクスだな!?」
どうなってるんだよお前…いくらなんでも生き汚過ぎるだろ…
「来たか…アクス。私がお前に合わせよう、共に征くぞ」
「ありがとうございます、帥父ドルマヤン。フレディもよろしく頼む」
「では私は帥父に合わせます…!」
駄目だこいつ俺の話聞いてねぇ。ひとまずここはドルマヤンに援護を任せ、プラズマライフルを切り抜けながらまずはパルスブレードとバーストマシンガンでパルスアーマーを剥がす。ドルマヤンはブレードを温存してライフルとミサイルを放ち、フレディの連装グレネードがアーマーを破った。
俺はコーラルオシレーター、ドルマヤンはパルスブレードを振るい姿勢を崩したペイターを攻撃。
「もはやヴェスパーも第1隊長殿と私を残すのみとなってしまった…!スウィンバーン、メーテルリンク、ホーキンス…見ていてくれ!そしてスネイル…貴方の遺してくれた機体で、私は更なる高みを目指す!」
ペイターくんはさぁ…!主人公みたいな雰囲気でなんてこと言っているんだ…
キチゲ発散レーザー乱舞はやらせない…!パルスアーマー復活の瞬間にドルマヤンとアサルトアーマーを同時展開。コーラルとパルス、おまけのグレネードによる3つの爆発が、パルスアーマーを一瞬にして消し飛ばした。
コーラルオシレーターを振り下ろしてスタッガーを延長。パルスブレードを2度振るい、ドルマヤンの方へ吹き飛ばす。
「…アクスよ、見ておくが良い」
ドルマヤンは吹き飛ばされてきたバルテウスを見据えながらブレードを展開せずに構えると…
「ブレードとは…こう振るうのだ!」
直撃の瞬間にブレードを展開。すれ違いざまにコックピット部分を切り捨てた。ブレードが展開される瞬間…即ちエネルギーが最も集中する瞬間を狙う居合斬りじみた一閃。まさに剣聖、神業というべき一撃だった。
張り切り過ぎだろおじいちゃん。まさかそういう方向性で俺の尻を狙いに来るとは…でもそれで呼び起こされるのはメスの顔よりも男の子のロマンだと思う…
「改修型バルテウス撃破!後の目立った戦力はV.Iフロイトだけだよ!もうすぐ出て来るはずだから、ラスティと合流して!」
『…了解!』
最前線でフロイトを迎え撃とうと待機しているラスティの元へ急ぐ俺の目の前を、紫電が貫く。
[見つけたぜ…!あいつらの言ったとおりだ…死ね!土着野郎!]
『G5…イグアス…!?』
[てめえに勝つため…俺はあいつらの一部となった。今度こそ…死んでもらう!]
AC//マインドγ…そういえばダムとかヴォルタとかで、イグアスともそれなりに因縁があったな…
イグアスには少しでも621を削って貰いたかったんだが…これは俺のガバか。仕方ない。
『ソフィー、ラスティに向かうのが遅れると伝えてくれ…!』
「…うん、分かった」
[土着野郎…てめえには何度もやられたなあ…また機体を変えたようだが…今度こそてめえも、野良犬も殺してやるよ]
まずは牽制だ。ナパーム弾ランチャーを散布し、コーラルオシレーターの照射で薙ぎ払う。逆関節の跳躍力で炎上地帯からは逃れたが、水平跳躍力の乗らない空中において推力特化ブースターであるSPDのクイックブーストでは照射から逃れられない。
[チッ…またそれか…!てめえの側にいると耳鳴りが治らねえ…!]
んな人をCパルス変異波形みたいに…コーラルオシレーターが命中したくらいで鬱陶しいぞ。
『悪いが、俺には行くべき所がある。そこを退いて貰おうか…!』
[まただ…!土着風情が下に見やがって!眼中に無いなんて言わせねえ…俺を見ろ!]
イグアス…そういうセリフはね、ガン盾プラズマぺちぺちしながら言っても情けないだけだと思う。
「…戦友、調子はどうだ?V.Iは…そうだな、何とかするさ」
『悪いな、ラスティ。そっちは頼んだぞ』
「あぁ、任せてくれ」
大丈夫だ、あっちにはいずれ同志たちも合流する。解放戦線が一丸となれば、フロイトが相手でもきっと通用する。結局のところ、個人に出来ることには限界があるのだから。
[雑談とは余裕そうだなあ!土着野郎!]
一段チャージのレーザーを回避し、構えで足を止めた所にパルスブレードで急襲。バーストマシンガンでスタッガーに追い込み、冷却完了したコーラルオシレーターを振り下ろす。
[うるせえんだよ…ゴチャゴチャとよ…!さっさと黙りやがれ!]
『さっきから俺は何も言ってな…い…ッ!?』
背後からレーザーウィップが叩きつけられスタッガー。俺の機体が停止する。ゴーストまでいたのか…!?
[これで終わりだ!土着野郎…!]
KRSVから、複合レーザーが放たれる。軽量機故に元より低い耐久の中でも、更にEN防御に欠ける俺の機体にとってはあまりにも致命的な一撃。
しかし、その紫電が俺の機体に届く事はなかった。
「…全く、アクスはすぐひとりで無理するんだから」
『…ソフィー』
ソフィーのACが展開したパルスプロテクションが、攻撃を防いだのだ。
「お待たせ、アクス。やっと…見てるだけじゃなくて、一緒に戦えるね」
『…そうだな、背中は任せた!』
実戦が初めてとは到底思えない動きでゴーストに紅月光を振るっていくソフィーに背後を任せて、KRSVをオーバーヒートさせて無防備なイグアスに突撃。
パルスシールドの展開を諦めてマシンガンとレーザーオービットで迎撃してくるが、アサルトブーストで強引に突破してアサルトアーマーを展開。スタッガーに陥った所をナパームで炙り、コーラルオシレーターとパルスブレードで追撃する。
「アクス、こっちは終わったよ!」
『あぁ、仕上げに入ろうか』
[なんで…なんで届かねえ…!俺とお前で…何が違う…!]
…仲間の有無、なんだろうな。ヴォルタは…俺が殺してしまったから。
KRSVとマシンガンを闇雲に撃ちまくり、弾切れを起こしたKRSVを投げ捨てたイグアスはそのまま右腕を振るう。しかしマインドγのブースターではALLMINDのような速度は出ず、ソフィーも俺も追いきれない。仮に追いつけたとしても、大した脅威にはならない。
隙を晒した所にパルスミサイルが降り注ぎ、背後からふたつの高誘導ミサイルが命中。スタッガーしたイグアスへ、コーラルオシレーターと光波、紅い3つの刃が降り注いだ。
『…助けてくれてありがとう、ソフィー』
「うん、アクスの力になれて良かった!」
「終わったか、戦友。こちらも…どうにか片付いた」
「同志諸君!企業勢力は打ち払われた!我々の…勝利だ!」
ラスティとフラットウェルが解放戦線の勝利を告げる。
…だが、まだ俺の戦いは終わっていない…レイヴンが残っている。
『ソフィー、機体修理の手配を頼…』
「…その必要はないよ。準備は整ったから…ついて来て」
◯ドルマヤン
現場指揮担当
アクスの尻を諦めていない
◯フラットウェル
後方指揮担当
アプデで唐突に頭空力疑惑が生えてきたことに習ってこのタイミングで空力キチカミングアウト
◯六文銭
古典文化ごった煮おじさん
忍者が名乗りを上げるな
◯ダナム
ミサイルを撃つことしか許されなくなった
でもインフラ的には重要人物だから…
◯ツィイー
ジェネリックサム・ドルマヤン
アーシルと戦場でイチャつくな
◯アーシル
解放戦線エンブレムの服装した男の娘概念好き
頭空力機体に乗せられたが、この戦いが終わったら…を言わなかったので助かった
◯フレディ
かっこいいドルマヤンしか見えていない
アクスは恋敵
◯ソフィー
忘れがちだが本編では芭蕉腕チェーンソーを振り回す超武闘派
頭空力機体だが寿命とラスティとレイヴンの火以外では死なない
この女621とエノメナが欲しいもの全部持ってる…
◯ミューソティス
【挿絵表示】
元々はもっと前に出す予定だったが、ここまで引き延ばすことになったので残念ながら一回使い捨て機体
「この4脚、ホバリングモードが女の子座りみたいで可愛いよね?アクスもそう思わない?」
『そうかな…そうかも…?』
◯イグアス
戦闘において中身がCパルス変異波形のオルクスとは相性が悪い
常に調子を崩され続けたせいで覚醒出来ないまま終わってしまった
[我々の…計画が…人類と生命の…可能性が…]
《そのトリガーは、私たちが代わりに引きます》
ここまで、辿り着いた。トリガーを引けば、オルクスを取り返せる…!いつも通りに…正しい在り方に戻して…!?
《レイヴン!後ろです!》
わたしを切り刻まんと回転して迫り来る青い双刃を咄嗟に回避。
レーザースライサー…だけど、ラスティ…じゃない…?
『…追いついたぞ、レイヴン。やはり君は…』
【挿絵表示】
『…ルビコンを脅かす脅威に、なってしまったんだな』
オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)
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オルクズ
-
オルカス