でもドヒャドヒャするの楽しい
『お疲れ様、相棒!』
「…?おつかれさま、おるくす」
これは違うか。
『よくやってくれた、戦友』
「…?ありがとう…?」
これも違う。
『華麗なステップだったな、ご友人』
「?????」
これは迷走しすぎか。
《…オルクス?何故レイヴンの呼び方を毎回変えているのですか?》
621、G13、野良犬、駄犬、戦友、壁越えの傭兵、レイヴン、ビジター、ルビコンの脅威、ワーム殺し、害獣、ルビコンの戦火、ルビコンの解放者、イレギュラー…強化人間C4-621には多くの名前がある。
(少し試してみたいことがあってね)
前の周で俺と621に縁があるのならば、何か621の名前を増やしていてもおかしくはないだろう。それで色々と迷走している訳だが…安易に猟犬呼びしたせいで「わん」しか言わなくなった時は今度こそトドメをさしたかと思って肝が冷えたぞ…
まぁこれはコツコツ探していくとして、試しているのはもう一つ。
「おるくす…わたし…」
『あぁ、ちょうど良かった。少し書類整理を手伝って貰いたいんだが良いか?』
「…まかせて」
『ありがとう、助かるよ』
使われたがりの621を素直に頼ってみることにした。彼女の発言は俺への依存もあるのだろうが、だからといって突き放すのは状況が取り返しのつかない方向に傾くような気がする。これで少しでも自己肯定感なんかを取り戻してくれると良いんだが…少なくとも精神面は安定してきたように思う。
「オルクスに駄犬、貴方達に任務を与えます。私の立案した作戦行動に臨めること、光栄に思いなさい」
「こうえいです、すねいる」
「…駄犬が…閣下をつけなさいと言った筈ですが?」
『私の管理が行き届かず、申し訳ございません、第2隊長閣下』
…621、スネイルのことナメてないか?
「まぁ良いでしょう。ここはオルクスに免じて大目に見ることにします」
チョロ…なんでも無いです。俺も大概だったわ。
「…本題に戻りましょう。ベイラム残存戦力の潜伏地点を発見しました。随分と手間をかけさせてくれましたがそれもここまで…貴方達には連中を殲滅して頂きます」
前回621の試験投入で襲撃したように、てっきりベイラムは星外に出たものと思っていたが…あれは囮だったのか。虎視眈々と反撃の機会を伺っていたらしい。
どうせ上層部の指示なんだろうがあれほどの人材を捨てておいて物量による制圧が出来るのか?まぁここで露呈した以上どっちみち反撃は絶望的だ。
『了解しました、第2隊長閣下』
「りょうかいです、すねいるかっか」
ベイラム残存部隊の基地へ621と共に到着。
『MTばかりの楽な仕事だな。分担して片付けるぞ、後輩』
本日の呼び名は後輩にしてみた。まぁ621がヴェスパー所属の俺の後輩になる機会なんてこんな状況でしかないだろうから数撃ちゃ当たるの一環でしかないが。後輩を試したなら次は先輩かなぁ…お姉ちゃんとかもやっておくか?
「!」
『…後輩?どうかしたか?』
「…わたし、オルクスの後輩?」
「…第9部隊に後から入ったなら後輩と言えるんじゃないか?」
『そっか…頑張るね』
…明らかに雰囲気が変わった。まさか…数撃ったら本当に当たった?というか後輩呼びって前周の俺は本当にどういうポジションだったんだ?
621と共に基地に奇襲。外部の警備部隊をプラズマミサイルとネビュラのプラズマ爆発で一掃し、内部に突入する。
「敵襲!ACが2機!」
「どうしてこの拠点が…!」
621はブーストキックで4脚MTを固めてから前もって発射しておいた分裂ミサイルで追撃。スタッガーした敵機にレーザーダガーの連撃を放ち、収束レーザーで貫く。
「こいつは…またG13だ!」
「ヴェスパーの番号付きもいるぞ!」
621が大型を相手しているうちに俺はMT部隊を射撃武器とプラズマライフルで撃ち抜いていく。まだこれほどの数が残っていたとはな…レッドガン部隊迎撃ほど数が多い訳では無いが逐次投入ではなく一斉に襲い掛かってくるのは面倒だ。
別にベイラムに恨みは無いんだが…ルビコン解放戦線としてはここに残られる訳にはいかない。アーキバスに勝利した後に漁夫の利でコーラルを奪われるなんて御免だ。
『畳み掛けるぞ、後輩』
「あわせるね、オルクス」
分裂ミサイルの展開直前に4脚MTに向けてチャージネビュラを発射。プラズマ爆発から逃れようとする敵機に621の収束レーザーが突き刺さりスタッガー。レーザーダガーによる3連撃の終わりに俺がレーザーキャノンを放って撃破。
『お疲れ様、後輩』
「…うん!」
帰還。621と人目につかないところで話をする。
『…目は覚めたか?』
「うん」
『…すまなかった。俺は最初から君を利用するつもりで近づいて…君の尊厳を酷く傷つけてしまった』
「…わたしがわるいの。わたしは…あなたのとなりにたちたくて…でも、あなたはアーキバスで…」
『…』
「さいきょういくされてしまえば、すくなくともあなたのそばにはいられるかなっておもっちゃった…」
俺への執着は再教育関係無しの自前なのか…本当に前周の俺は何したんだ?
「わたしのわがままで、ウォルターがくれたいみも、エアのこともすてかけて…」
『ウォルターの事も、助けてやれたら良かったんだが…すまn』
《本当です!貴方がコーラル代替技術の手術を受けると言った時本当に焦って…》
うぉ…おっも…エアが俺の言葉を遮って621に激重感情をぶちまけ始めた…
「ごめん、エア。ちょっとまって」
《もう十分すぎるほど待ちました!大体…》
「…きもちよくなっちゃうから、やめて」
『《………はい?》』
…一度目覚めた
俺は頭に手を当て、ルビコンの灼けた空を仰いだ。
…621の性癖はともかく、精神面は無事に戻った訳だ。
『俺には、このルビコンで為すべきことがある…そして後輩、君にもまだやるべきことがある筈だ』
「うん」
『だったら、いつまでもここに居る訳にはいかない。随分と予定が狂ってしまったが…君を自由にしよう』
「また…あなたのとなりでたたかえる?」
『分からないが…君が俺たちにとって戦友となることを祈るよ』
もはや、アーキバスに用は無い。
オルクス、お前はウォルターに殺された方が良い(コーラルライフルチャージ開始)
オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)
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オルクズ
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オルカス