そちらもよろしくお願いします
さてさて、無事に暗黒コーポであるアーキバス・コーポレーションから無断退職することに成功し、621もオーバーシアーに送り届けることができた。
レイヴンの火とルビコンの解放者。621がどちらのルートを選ぶのかは分からないが、俺の自惚れで無ければ結構有利な条件に持ち込めた筈だ。
…本当に、ここまで長かったなぁ…本当は再教育センターから621とウォルターを連れ出して終わりのはずだったのにウォルターは助けられなかったし、621は…うん、大変なことになってしまったし。
621に撃墜してもらってからルビコン解放戦線に回収された俺は現在、ラスティと合流する為に拠点内を移動中なのだが…
まぁ、視線が痛いのなんの。最初からスパイとして送り込まれたラスティと違い、解放戦線から逃げ出してアーキバスでぬくぬくと飢えることなくルビコニアンたちを虐げていたオルクスもといアクスの評価は当然のことながら裏切り者だ。
どちらにせよ憑依転生者である俺からすればルビコンに思い入れもクソもない。ストライダーとか顕著だけど解放戦線はノリがキツいんだよね…
ラスティに誘われたからこちら側についているけど、もし誘われなかったら621を届けたあとそのままオーバーシアーの仲間入りして一緒にルビコンを燃やしていただろう。
そろそろラスティ達の待っている部屋に着きそうだn…
「あっ…同人誌のひと…」
えっ…
『ラスティ!!これはどういうことだ!?!?』
「!?」
ルビコン解放戦線の幹部達が待つ部屋へ扉を蹴破る勢いで突入する。
『なんで…』
「…戦友?どうしたんだ急に?」
『なんでメーテルリンクの同人誌がルビコン解放戦線に出回ってるんだよ!?おかしいだろ!?』
「…落ち着け、戦友」
『V.VIの本だぞ!?ルビコニアン達はアーキバスが憎くないのか!?』
「…ルビコニアン達には娯楽が無い。そんな彼らにとって同人誌は劇薬だった…」
遠い目をするラスティ。そういえば俺とラスティのBL本もあったね…
『…そうか』
もうおれしらない!何も期待しない!部下にセクハラされてる時点で諦めるべきだった!俺はルビコンの生ける性的コンテンツです!バーカ!滅びろアーキバス!
…本題に戻ろう。現在アーキバスは技研都市でバスキュラープラントを修復している。コーラルを食料及び星外への輸出品として扱いたいルビコン解放戦線的にはこのままバスキュラープラントの延伸まで取り掛かって貰いたい所だ。アーキバスに攻勢を仕掛けるなら工事完了後になるだろう。どちらにせよオルトゥスの完成にはまだ時間がかかるしな。
ところでコーラルの輸出ってドルマヤンとエアが許さないと思うんだよなぁ…コーラルよルビコンの内にあれから外れるし、エアからしたら実質人身売買だし…
621は六文銭以外は殺害していないので、俺が加わったことで戦力は十分。戦意も「灼けた空の上でレイヴンが戦っている」でバフがかかるので問題無いだろう。スウィンバーンが命乞いさえしなければ六文銭は無事だったのにな!そうそう、戦力といえば…
「オルクス、武装及び資金の横流しに感謝する」
『値は張るがFIRMEZAコアとYABAを組み合わせてやれば解放戦線でもEN武器が運用できる筈だ。あとはFCSを…』
俺に礼を伝えて来たフラットウェルに対してアセンを説明しておく。YABAは地味にEN射撃適正が95あるんだよな…
俺も621の扱いにガバっているうちにしっかりやることやってる訳でして。会計担当としてスウィンバーンの着服した金に紛れて軍資金を頂戴したり、ホーキンスの代わりに輜重部門責任者を引き継いだペイターが仕事に手間取っているうちに輸送機のルートを流し、解放戦線に襲撃させてレーザーライフルやハンドガン、ダガーあたりを提供してきた訳だ。ルビコニアン陣営に近接武器がチェーンソーしかないのバグだろ。
攻め時良し、戦力増強良し、あとは防衛だが…ベイラムが居ない以上アーキバスはルビコン解放戦線の相手に集中出来てしまう訳だ。隠し玉であるラスティと俺はまだ戦場に出られない。
…以前話したが、ヴェスパー第9部隊は元々問題児を厄介払いする為の窓際部署だ。彼らは基本的にスネイルの受ける「調整」の安全性を保証するための被害者達だ。
俺が努力して不満を解消したり不本意ながら欲の捌け口となることで彼らの手綱をなんとか握ったが、その俺はレイヴンによって撃墜された。彼らのヘイトが向かうとすれば…
…俺を墜としたレイヴンとその作戦を指示したスネイルだ。彼らはアーキバス…というかスネイルに反乱を起こして鎮圧されるか、スネイルに一旦服従の姿勢を示してレイヴンへ仇討ちの機会を伺うだろう。どちらにせよ第9部隊が機能を停止し、アーキバスに混乱をもたらすのは確実だ。
…彼らの行動が稼ぐ時間なんてたかが知れている。それだけの為に彼らの信頼を利用した俺もやっていることはスネイルとそう変わらないな。
ルビコン解放戦線に合流してからしばらく経った。この期間中に俺はルビコン解放戦線の戦士達のAC乗りを訓練したりアセン相談に乗ったりして過ごしているうちにまぁ戦力としては解放戦線にも受け入れられてきた。
ついにスティールヘイズ・オルトゥスが完成し、それとほぼ同時期にバスキュラープラントも完成。
盤面は整った。後は621の選択を待つだけなのだが…アーキバスはルビコン解放戦線を襲撃することはほとんどなく、第9部隊が動いた形跡もないのが気にかかる。俺の仇討ちをダシに丸め込まれたのか?
《…始めましょう、レイヴン。これからも…私があなたをサポートします》
…わたしは選択した。エアの守りたい可能性…人とコーラルの共存の可能性を。そして、オルクスとラスティが求めたルビコンの明日を。
《カーラは左舷エリア貯水ドームで指揮を執っているようです。企業とオーバーシアー、その双方を敵に回すことになります…どうか 気を付けて》
今回はオルクスのお陰でこれまでよりも時間に余裕があったから、オーバーシアーの所有するコーラルについての資料を読んで破綻を止める手段を探したけれど、結局カーラを説得出来るほどの情報を集めることは出来なかった。本当ならカーラたちにも生きて欲しかったけれど、カーラにも譲れない使命がある。
「ルビコンの猿どもが…邪魔なんですよ!」
RaDのMTとアーキバスの運用する封鎖機構の鹵獲機を退けながら先を急いでいると、聞き慣れた腹立たしい声が聞こえてきた。
「あれは…V.IIスネイル…技研都市であなたを陥れた相手です。どう対処するか…判断はお任せします」
「貴様は…!?」
当然、ここで潰す。MT相手に手間取っているオープンフェイスの背後から分裂ミサイルとブーストキックで奇襲。先制攻撃であることも相まって重量2脚にも関わらずACS負荷限界。
「尻尾を巻いて逃げたものと思いましたが…駄犬がまだ歯向かうつもりですか…オルクスを裏切った上でよくもまぁ姿を現せたものですね…!」
裏切られたのはお前の方だというのにまだ状況が分かっていないらしい。おめでたい奴だ。レーザーダガーによる3連撃からレーザーショットガンのチャージを放ち追撃。MT相手にアサルトアーマーを消費した状況でこの連携を抜け出す術はない。
「ああ…貴方の再教育はもう諦めましたよ。上層部が間抜けなせいで無駄なことに労力を払った上にオルクスまで失った…!」
ごちゃごちゃ煩い。まだオルクスに裏切られた自覚がないのなら知らないまま死んだ方が幸せだろう。すぐに楽にして…
「…ヴェスパー第9部隊に通達します。ザイレムの街区にて独立傭兵レイヴンを発見、急行しなさい」
スネイルが通信を入れた直後、わたしを取り囲むように第9部隊が集結…どう考えても機体スペックを超過した集結速度だ。ACやLC、HCで構成されている。
「よくもオルクス隊長を…」
「ガキが…舐めてると潰すぞ」
「私より胸部装甲が厚いからって調子乗りやがって…」
「処す…処す…」
前にも聞いた発言だが、今度は冗談ではなく確実に殺意が籠っている。いくらなんでもACやHCを含むこの数は厳しい…
「アーキバスを裏切るということがどういうことか、思い知らせて………これは…?友軍反応…識別名は…」
わたしを取り囲みながらじりじりと距離を詰める第9部隊とスネイルの前に、眩い程の紅い光と共に朱色の機体が舞い降りる。
『…V.IXオルクス、ACヴァーミリオンレイ現着した』
◯ソフィー
行方不明になった幼馴染似の男が男といちゃついてる同人誌を読んで性癖が歪んだ
帰ってきた幼馴染とどんな顔して再会すれば…
◯オルクス
スネイル殺す
◯ヴァーミリオンレイ
【挿絵表示】
空力!実弾!技研!
アーキバスの抑圧から解き放たれた第9世代強化人間の朱き機体
オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)
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オルクズ
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オルカス