腕と背中の武器を一々入れ替えなくても同時に使えるのありがてえ…
我が師、我が導きのACフィードバック…
『…V.IXオルクス、ACヴァーミリオンレイ現着した』
「オルクス…生きていてくれましたか…!」
スネイルと621の間に割って入ったようなこの状況でアーキバス側の人間と思うなんて随分とおめでたい野郎だ。この機体構成からして…いや、ラスティが許されるならギリギリ通るか。フレームはシュナイダー欲張りセットにアーキバスの派生パーツだし。
「話を聞かない第9部隊…裏切り者の第4隊長…頭の悪い上層部…そして何より我々を欺いた駄犬…どいつもこいつも…この私を苛立たせる…!ですが、貴方が無事ならば全ては些事…」
友軍タグを621の側に移し、スネイルをロックオン。
「行きますよ、オルクス…私たちこそが企業だ!」
『ごちゃごちゃ煩い』
オープンフェイスの顔面にプラズマ機雷を思いっきり叩き付ける。
「…は?オルクス…なにを…?」
『あはは…!』
呆けた声を出すスネイルが馬鹿みたいで思わず笑ってしまった。
『それなりに楽しかったですよ…第2隊長閣下との主従ごっこ』
まぁ、スネイルと関わるのは微塵も楽しくなかったが。こう言った方が精神ダメージも入るだろう。
「…オルクス隊長、やっぱり生きていたんですね」
アーキバス鹵獲改修型のHCに乗っているのは俺の専属オペ子さんだったのか。まぁ第9部隊の副隊長みたいなポジションだったわけだし妥当なポジションだな。
『第9部隊の皆んなも元気そうで驚いたよ。1人くらいは暴走して再教育センター行きになると思ってたんだが…』
「解放戦線に行くなら連れてって欲しかったー!」
「せめて教えて欲しかったー!」
「そうだそうだー!」
「ちくわ大明神」
「寂しかったー!」
「裏切り者めー!」
「誰だ今の」
第9部隊は今日も賑やかだねぇ…
『君たちが暴走してアーキバス混乱させてくれないかって利用するつもりだったんだ。すまない』
「扱いがひどい…」
「…裏切り者を捕獲して皆で再教育する方針に切り替えましょうか?」
「再教育(意味深)…じゅるり」
『勘弁して下さい…』
「ん、今なんでもするって」
「言ってないねぇ…」
本当に賑やかだねぇ…おかげで全く話が進まん。
『それでお願いがあるんだが、こっち側についてくれないか?』
「つきます」
「当然」
「右に同じ」
「以下五名同文」
即答して即座にスネイルへ武器を向ける第9部隊。やっぱりスネイルに従うのは嫌だったか。本当に部下には恵まれたな…俺のこと性的な目で見てくるけど…!
『ありがとう…それじゃ、第9部隊攻撃始め!』
「了解しました、オルクス隊長」
「おー!」
「らじゃー!」
「あいあいさー!」
「リンチだ!」
「いくぞー!」
「処す!処す!」
「ん、スネイルを殺す」
アーキバス鹵獲改修型HC、LCHM、LCHF、支援タイプLCそれぞれ1機ずつとAC4機の合計8機が気の抜けた返事と共に殺意に満ちた総攻撃を開始。
「き、貴様ら…企業である私よりもオルクスを優先するのか…!」
「そりゃそうでしょ…」
「実験台にされた恨み忘れてねぇぞ」
「むしろなんで選んで貰えると思った?」
連装、垂直、分裂、プラズマ、パルスといった夥しい量のミサイルがスネイルを包囲。スタッガーした所にバズーカやグレネード、プラズマライフルによる火力が集中されていく。これはひどい。
「これ、わたしたちいる?」
やっと621が喋ったな…俺も同感だ。下手に近づくとLCHFのグレネードで消し飛ぶので621は分裂ミサイルを、俺は拡散レーザーキャノンを撃ち続けるしかない。せっかくの新機体が…
「最新の「調整」を幾重にも重ねた このスネイルが…実験台の第7世代共に劣るだと…!?だがプランはまだある…二重三重にな…!」
集団リンチでコアをレーザーランスに抉り取られ、無惨にも爆散するオープンフェイス…これだと生死が判別出来ないな。断末魔からして奴がこれで終わるとは思えない。警戒を続けよう。
「ビジター…V.IXに再教育でもされたかい、残念だよ。だが、落とし前は付けさせてもらう」
カーラとは閉所での戦闘になる為、大人数で挑むのは得策ではない。第9部隊にはザイレムの掌握を任せて621と共にカーラの元を目指す。再教育についてはノーコメントで…
「流石に小細工が通用する相手じゃないね…チャティ!機体の準備をしな!」
《カーラは…この先に…》
ここに来るまでに621の方の状況は聞いたが、やはりカーラ達との和解は出来なかったらしい。時間があるならばもしかしたらと期待はしていたんだが…仕方ないか。
ベリメトルプロトコルでザイレムの推進ベクトルをオールブロックされる前にスキルミオンジェネレータとラムジェットエンジンを破壊することも考えたが、カーラ達を野放しにしておくリスクを負うよりは本編の流れを辿った方が確実だ。
隔壁が開いたと同時に貯水ドームに突入する。
「ビジター、私のモットーを教えてやる。「生きてるなら笑え」だ。V.IXと手を組んで何をするつもりかは知らないが…あんたの選択、楽しませてもらおうか」
…戦闘開始だ。
「チャティ!相手が誰かは分かってるね…手分けしていくよ!」
[了解だ、ボス。ビジターは任せろ]
天井までアサルトブーストで上昇し、接近するカーラを迎え撃つ。チャティに621を足止めさせ、ミサイルの物量で薄い装甲を確実に削っていくつもりらしい。ただでさえ閉所での戦闘は不利な機体だってのに厄介だな…だが、チャティの援護がないならやりようはある。
「ウォルターが言ってた友人ってのはあんたのことかい」
『彼女が選んだ友人は俺だけじゃないさ』
「…選ぶのはいいことだ、選ばない奴とは敵にも味方にもなれない」
エツジンの有効射程を維持しながらカーラの周囲を高速で旋回…いわゆるサテライト戦法で俺を包囲しようと動くミサイルからすれ違うように振り切り、拡散レーザーキャノンでダメージを蓄積させていく。
「チャティ!まだいけるか?」
[問題無い、まだ「笑える」状況だ]
「流石はヴェスパーの番号付きだね…だがまださ、あんたにも私のフルコースを楽しんでもらうよ」
アサルトアーマーを受けて俺の機体がスタッガー。ミサイルが着弾するまでの時間稼ぎとしてブーストキックによるスタッガー延長を受けるがここでパルスアーマーを展開。ミサイルの同時着弾はなんとか避けて攻勢を再開する。
[ボス、厳しい状況だ。フッ…やはり只者ではない]
「チャティ、あんた笑ってるのかい?…礼を言おうか、ビジター…こいつを笑わせたのは…あんたが初めてさ」
ENが尽きた為一度着陸している内に621はチャティを追い詰めたらしい。俺も負けていられないと急速回復を終えたジェネレータで再び飛び立ち、プラズマ機雷でカーラを迎撃。レーザーキャノンのチャージを開始して隙を伺う。
[ボス…俺はここまでだ…笑っ…て…]
「チャティ…!」
そこだ。チャティに気を取られた一瞬にチャージレーザーキャノンを放ってスタッガー。すかさずプラズマ機雷投射機による打撃で追い討つ。
「…まだだ…まだ終わらないよ…!こういうときこそ…それでも笑うのさ!」
後一押しだ。そしてそれは…
「ごめんなさい、カーラ」
…621が押し込んでくれる。
「ビジター…あんたたちの勝ちだ…だが…私らの負けでもない…」
赤色灯が点灯し、貯水ドームにアラート音が響き渡る。
《これは…!?ザイレムの制御がブロックされて…!》
「この船はもう…止まらない…チャティ…最後の仕事だよ…」
[オーナー シンダー・カーラ生体反応消失]
[ベリメトルプロトコル発動]
チャティの音声がシステムの起動を告げ…
[ザイレム推進ベクトル固定]
[オールブロック]
予定通り、カーラの秘策によってザイレムは制御不能となった。
◯ヴェスパー第9部隊
第9世代強化人間の部隊長オルクス、第8世代強化人間のオペレーター、第7世代強化人間7人とその他事務員で構成
事務員もMT乗りとして戦力に数えられる
スネイルによる調整の生き残りである彼らはスネイルに強い敵意を抱いているが、オルクスの仇討ちをするため一時的に服従…
していたものの、オルクスとレイヴンが仲間だったので最早アーキバスに居る意味はなくなった
オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)
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オルクズ
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オルカス