このルートだけ全員テンションがおかしいんだよなぁ…
さて、無事に独立傭兵リンクスこと621をFランクとして送り出した試験官のケイトは随分とアレな姿を晒してしまったが、実際の所彼女の活躍は我々オールマインドにおいて欠かせないものだ。
彼女によって窮地を救われた傭兵は数知れず、その上助けられた傭兵達は彼女に情けない姿を見せまいと堅実に立ち回るようになっている。今やルビコンは宇宙一傭兵の民度が良い惑星と言えるでしょう(例のニチャニチャボイス)…大半が密航者とか言ってはいけない。
男性傭兵達に想いを寄せられたり女性傭兵達にお姉様と慕われたりと彼女の人気は凄まじく、非公式のファンクラブが出来ている始末だ。ちなみに会長はトーマス・カークらしい。
そんなこんなで彼女は俺の手駒として自由に動かすには多忙になってきたので、俺が傭兵として活動するための義体を用意した。名前は入力速度を考慮してオルクス・マークソンとする。
オルクスはケイトのデータを元にした後継機…というよりは弟と呼ぶべきか?であり、俺の遠隔操縦に最適化されている。オルクスを弟扱いしなければならない理由は一つ。
ケイトに男の影が見えるとファンクラブの様子がやばい…Vtuberファンかな?
…さて、本題に戻ろう。オルクスを開発したのはこれから621と友好的な関係を築く為だ。ルビコンを解放しつつウォルターもエアも両立するならば621の力は欠かせない。依頼を通してオルクスには621と仲良くなって貰う。
あとケイトに女の影が見えてもファンクラブの様子がやばい…621が刺されるのは困る。だからその辺りの関係性がまっさらな新しい手駒が必要だった。
今回621と攻略する依頼はストライダー護衛。ストライダーの甲板の上で先に待機していると輸送ヘリからW重ショワーム砲パルスブレードの機体、ローダー444が降下してきた。
『…君が独立傭兵リンクスか。今回はよろしく頼むよ』
「………よろしく」
〔お前がランク10のオルクスとかいう傭兵か…〕
ウォルターからはそれなりに警戒されているようだが…まぁ真摯に621と向き合っていればきっと分かり合える筈だ。
『オールマインドの特別試験を突破してFランクを手にした数少ない一人だと聞いている、すごいじゃないか』
どんな小さなことでも褒められると嬉しい、ソースは前世の俺だ。仲良くなるならこういう積み重ねが大事だろう。
「ありがとう…でもしょうじきかんたんだったよ?てきのきたいがめちゃくちゃだったし…」
泣くぞ?ケイトが。君も少しは弱者の気持ちを慮ってやるんだな…
機体構成については初心者に動きを止めないことを伝える垂直ミサイル、アラートに反応できるかを測るグレネードといった形で、試験である以上隙を残しているだけだ。まぁ暫定3周目の621からすれば物足りない相手だろう。
『このまま親睦を深めたい所だが…その時間は無いようだな』
〔敵影を捕捉した。シュナイダーのAC部隊だろう〕
さぁ、ストライダー護衛開始だ。
「企業の部隊か…アイボール起動、焼き払え!」
「了解 「コーラルよ ルビコンと共にあれ」」
「「ルビコンと共にあれ」」
〔621 護衛対象が作戦領域を離脱するまで部隊を迎撃しろ〕
『ストライダーの乗組員も攻撃をしてくれる。俺たちは撃ち漏らしを仕留めるぞ』
そう言いつつ俺はKRSV Mk.2で狙撃態勢に入った。今回はストライダーのサブジェネレータからエネルギー供給を受けられるから弾数は問題ない。俺が一方的にMT部隊を狙い撃ち、621は下に降りて懐に入った敵を直接倒している。
まぁ、C兵器さえ来なければこの時期の621に見合った簡単な依頼だ。爆発武器以外ほぼ効かない奴がいきなり襲撃してくるのは初見殺しが過ぎるだろ…護衛と聞いてダブルレザハンプラミサを装備していた俺は死んだ。
〔打ち止めのようだな〕
『お疲れ様、リンクス。一度艦の上まで戻ってきてくれ』
ウォルターの発言にコーラル輸送阻止のエアが頭をよぎったので621を呼び戻す。もう一波乱ありそうだ。
「待て!空を見ろ!」
「鳥だ!」
「ACだ!」
ストライダーの艦長が叫ぶと、乗組員達が次々に予想を挙げていく。
〔いや…シュナイダーMTだ!〕
ウォルターの言う通り、シュナイダーの開発したMTが遠方から環流型ジェネレータの青い噴射炎と共に尋常ではない推力で接近してくる。
最低限のセンサーを板に貼り付けた頭部、ブースターのついた翼のような形状の腕、背部にパルスミサイルを取り付け、装甲を剥がされ剥き出しになったコア、前方にレーザーマシンガンの取り付けられた状態でホバー飛行を行うフロート状の脚部。
「え、なにあれは…」
ドン引きする621に対して俺は敵機の名を伝える。
『FALCON…!量産化されていたのか!』
FALCON。腕を翼に、前肢を腕に。アーキバスに却下されたLAMMERGEIER計画をシュナイダーが独断で実現し、他のACパーツとの互換性を切り捨てて更なる軽量化を図ったMT。そんなもん量産するな。
シュナイダーにも理性が残っていたのか無人機ではあるが、頭おかしいのは間違いない。
「くっ…敵機 振り払えません…!」
「アイボールの照射をかいくぐるなんて…!?」
「諸君、近接戦闘配備だ。迎撃せよ!」
俺も狙撃を行うが、あれだけ速くては狙いが間に合わない。KRSVをパージし、とっておきの武装を展開する。
先程までKRSVを握っていた腕を後ろに回し、代わりに肩へ搭載されていた実体ブレードを展開。
「え、なにそれは…」
ドン引きする621は無視して今更ながら機体の解説に入ろう。
右腕 44-142-2 KRSV Mk.2
左腕 装備なし
右肩 装備不可
左肩 装備不可
頭部 20-082 MIND BETA
コア 07-061 MIND ALPHA
腕部 04-111 MIND OMEGA
脚部 06-042 MIND BETA
ブースター AB-J-137 KIKAKU
FCS FC-006 ABBOT
ジェネレーター VP-20C
コア拡張機能 アサルトアーマー
MIND OMEGAは大型のブレードを内蔵した特殊腕部、即ち武器腕だ。左右一対の巨大な刃を用い対象を両断するという扱い辛い新型だが、俺の手にかかれば問題はない。
KRSVを撃ち切ってから接近戦に持ち込むという戦闘スタイルはケイトのトランスクライバーと同じだな。
ストライダーから放たれたアイボールとミサイルを猛スピードで躱しきったシュナイダーMTに向かって跳躍。近接推力を乗せて力任せにブレードを振り下ろす。装甲という概念を知らないシュナイダーMTは一瞬で翼を失い、墜ちていった。
「かっこいい…」
〔…621?〕
621、ドン引きしてたんじゃなくてこっち側だったの…開発者が言うのもなんだがこの武器はやめておけ…ウォルターの胃の為にも。
621と連携してストライダーに乗り込んできたシュナイダーMTからサブジェネレータとアイボールを防衛。
「これでおわり!」
621のスタンニードルランチャーが剥き出しのコアを貫き、全てのシュナイダーMTを退けることに成功。今度こそ打ち止めのようだ。
「諸君、企業の部隊は斃れた「コーラルよ ルビコンと共にあれ」」
『今度こそお疲れ様、リンクス。君と共に戦えて良かった』
〔仕事は終わりだ 戻って休め〕
オルクスを帰投させてから621にお礼のメッセージを送ろうとした所、既に621からオルクス宛に連絡が来ていることに気がついた。621の方からというのは珍しいんじゃないだろうか?
〔どくりつようへいオルクスさん
せんじつはありがとうございました〕
〔あなたとのしごとはとてもたのしかったので
またいっしょにしごとをしたいです〕
〔おさそいをたのしみにしています〕
…オルクス、やけに気に入られてるな。まぁこの感じなら目的は思ったより簡単に達成できそうだ。ケイトが全ての傭兵のためにあるとしたら、オルクスは対621専用みたいなものだから彼女の頼みに応えてこまめに依頼を用意しておこう。
◯04-111 MIND OMEGA
オールマインドの開発した換体腕部パーツ。
脚部と同様のアプローチとして腕部を物理ブレードに変更することが可能。
近接推力に応じて威力が強化される。
参考にしたのはACVDの武器腕、A11 Vendetta。
腕武器が使用可能だが肩武器は載せられない。
腕部を置き換える都合上近接攻撃適正が乗らないが、ヒット時の速度に応じて威力が向上するのでルビコニアン縮地(AB→逆関節QB→近接攻撃)と相性が良い。
オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)
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オルクズ
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オルカス