無貌の少年は何を想う   作:月ノ蛇

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天啓が降りてきたので初投稿です。

唐突ですが、皆さんは救いのある曇らせと救いなんてない曇らせのどっちがいいですか?
ハッピーエンドがあるから曇らせが良く感じる人や曇らせながらバットエンドに直行するのが好きな人もいると思うので、この作品をどっちにしようかめっちゃ悩んでる。


やりなおし

「すまない、電話が来てしまったようだ」

 

「いいよいいよ、私達ここで待ってるから」

 

無貌はスマホを取り出すと路地裏へと向かった。

先生は生徒たちの方を向いて説明する。

 

「それじゃあ、皆。ちょっと軽食でも食べてようか!!」

 

先生は生徒たちの方を見渡す。

人数がひとり足りない。

 

「あれ、ホシノは?」

 

「ホントです。いないですね⭐︎」

 

「ん、ちょっとトイレに行くっていってた」

 

「そう……それならいいんだけど」

 

 

 

路地裏へとついた無貌はスマホを耳に当てる。

スマホの先からはどちらかといえば男性と捉えられる声が聞こえる。

 

「クックック、突然電話してすみませんね。ビナーについて進展があったもので」

 

「それで、何があった?黒服」

 

電話の相手はゲマトリア所属の黒服。

無貌と協力関係を築いている人物だった。

 

「そうですね、ビナーが起動される時間が早まりました。数日ほどですが伝えたほうがいいと思いまして」

 

「っ!?何時だ!?黒服!!どれくらい早まったんだ!?」

 

無貌は唐突な発言に取り乱す。

これからのプランが変化するかもしれなからだ。

 

無貌は気付いていなかった。

その会話を影から聞いている人物に。

 

無貌が取り乱して質問をしているところに一人の少女が現れる。

その少女は無貌に掴みかかると路地裏の壁へと押し付けた。

 

「どういうこと!?なんであんたが、黒服と繋がってるの!?」

 

それはピンクの髪をした何時ものほほんとした少女。

小鳥遊ホシノであった。

ホシノは鬼気迫った表情で問い詰める。

無貌はいきなり壁に押し付けられた衝撃でスマホを落とす。

ゴトッ

という音がやけに大きく響いた。

 

「済まないが、離してくれないか?」

 

その力に耐えながら無貌は優しく問いかけるようにいう。

しかし、ホシノの力は強まったまま離れることはない。

 

「うるさい!!なんで黒服と繋がっているか。それだけ答えて!!」

 

ホシノは更に力を強めて壁に押し付ける。

力に耐えきれなくなった壁に放射状に罅が入る。

無貌の口からは少し呻き声が上がる。

 

「はぁ、黒服とは協力関係だ。これでいいか?」

 

「…っ。どうして!?」

 

「利害が一致した。それだけだ」

 

無貌は淡々と答える。

その発言はホシノを怒らせるのに十分だった。

 

「そんなことで……。お前もあいつの仲間なんでしょ!?その仮面剥ぎ取ってやる!!」

 

ホシノの手が無貌の仮面へと向かう。

無貌は咄嗟に両手でホシノの手を掴み阻止する。

無貌がどれだけ力を入れてもホシノのては止まらない。

 

「やめろっ!」

 

無貌の静止の声にも関係なくだんだんとホシノの手は仮面へと近づく。

力の弱い無貌はその両手を持ってしても止めることができない。

 

「素顔を見せろ!!」

 

ホシノの手が仮面を捉える。

仮面の顎の部分に手をかけたホシノはそのまま横に手をはらう。

仮面はホシノの手によって難なく弾き飛ばされ地面に転がる。

無貌の口から「あ…」と言う声が小さく漏れる。

 

ホシノはようやく捕えた黒服の手がかりに少しだけ興奮していた。

しかし、その素顔を見て一瞬で凍りついた。

目を見開いてその顔を見続ける。

 

カランカラン

時間の止まったような空間で仮面が転がる音だけが響く。

 

「………………………な、なん、で」

 

ホシノが目にしたのは紛れもない自身が2年間も探し求めた人物の顔であった。

あの日からほとんど変わることなく成長した顔。

ずっとホシノの懐にあり、何度も見ては涙を流した水族館での写真。何時も記憶の中で笑いかけていたあの顔。

それが今、眼の前にあるのだ。

 

唯一違うのはその右眼。

右眼全てにかかるほどの大きな火傷痕。

そして、その右眼はいつも見た色とは…左眼の色と異なっていた。

温かみがなく何処か機械的な眼。

その眼がホシノを避けることなく捉えていた。

 

「ぅ……………ウル、カ?」

 

ホシノは無意識にその片手を無貌の頬に当てる。

掌から伝わる無貌の体温。

それはまさしく目の前に存在していることを示していた。

 

 

ホシノはふと無貌の後ろに視線を向ける。

そこには先程自分で押し付けてできた罅があった。

その中心に自分が追い求めていた人物がいる。

 

「…ぁ」

 

一歩、後退りする。

無貌は拘束を解かれて壁により掛かる。

しかし、その眼はホシノを捉えている。

 

「ぁ…………………ごめん、なさい。…押し付けて…………ごめんなさい」

 

ホシノが弱々しく謝る。

地面に膝をついて涙を流す。

アスファルトにはいくつもの水滴が落ちる。

無貌の拘束はとっくに解けていた。

 

「ごめん、もう行くよ」

 

無貌はそう一言だけ言う。

無貌が落ちたスマホと仮面を手に取る。

 

「あ…待って……………いかないで」

 

「ごめん」

 

「ウルカ?……ウルカぁ、まって……まってよぉ」

 

無貌は何も言わない。

無貌は仮面をつけ直すとホシノに背を向けて路地裏の奥へと歩いていった。

 

「あ、あぁ………………うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ホシノは無貌の歩いていった方向を見て絶叫する。

ホシノは追い求めていた存在をまた自ら手放したのだ。

 

数分後、心配して探していた先生に見つかるまでホシノは嘆き続けていた。




文才が無さすぎて2000字しか書けなかった。
もっとたくさん描写を書いて心にぶすりと差し込みたかったのに。

ホシノはこの後2、3回曇らせる予定。
ついでに殆どの生徒と先生を曇らせます!!

ホシノを救いたいと思っている皆さん!!
大丈夫、安心して。ホシノが救われるルートが1つあります!!
救われないルートは5、6個あるんだけど…
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