なんか、いっぱい感想をいただいてありがとうございます!!
めっちゃ励みになります!!
ホシノが攫われた。
それを聞かされたのはブラックマーケットにいった次の日だった。
朝、アビドスへと行く前に少しだけ書類整理をしていた時、アヤネから電話が入る。
「先生!!ホシノ先輩が学校に来ないんです。もしかしたら誘拐かも……」
セリカのことがあった後だ。そう思ってもおかしくない。
「っ!?急いでそっち行くから!!」
先生は身支度もそこそこにシャーレ専用のヘリを操縦してアビドスへと向かった。
ガラガラガラ!
ホシノたちがいつも使う教室のドアが開かれる。
その中には悲壮感たっぷりの生徒がいた。
「あ、先生」
「ホシノが攫われたって本当!?」
息が切れていながらホシノのことを心配する先生。
アヤネがみんなを代表して説明する。
「それがですね。ホシノ先輩が今日休んでるんです。届もなくて…さっきみんなでホシノ先輩の部屋へと向かったんですけど誰もいなくて…もしかしたら攫われたんじゃないかって」
涙を浮かべながらアヤネは説明する。
「っ!?アロナ、昨日から今日に至るまでのアビドス全域の監視カメラを調べて!」
『はい!』
先生はシッテムの箱を取り出すとその中のアロナに命令をする。
それと同時にシッテムの箱の画面にいくつもの監視カメラの映像が現れる。
先生はその光景を無視して電話を起動する。
相手は無貌だ。
コール音が教室に鳴り響く。
数コール後、電話が繋がる音がする。
『なんだ?』
「無貌!!ホシノが攫われた!!」
『は……は!?』
電話の奥から驚きの声が聞こえる。
「それで…」
『わかってる。居場所だろ?今すぐ探す』
少し怒気の孕んだ声が聞こえ、カタカタとキーボードを叩く音が聞こえる。
「先生、大丈夫?」
「大丈夫だよ。シロコ。今すぐホシノを探してあげるから」
「ん、ありがと」
数分、誰も話さない静かな時間が流れる。
ただひたすらにアロナち無貌の作業が終わるのを待っている。
『見つかりました!!』
『見つかったぞ!!』
その報告が聞こえたのはほぼ同時だった。
はじめにアロナが説明をする。
『昨夜の0時頃。ホシノさんが誰かと会っている映像がありました。残念ながらそれ以降はどの監視カメラにも映っていません』
『同じく。それとその人物に心当たりがある。ちょっと待っていてほしい』
無貌がそういうと電話が切れる。
「この人?なんか頭が真っ黒なんだけど。あと目から青い炎が出てるね」
『はい。トリニティの生徒ともゲヘナの生徒とも特徴は合いません。恐らくキヴォトス外からの人かと』
先生が机の上に置いたシッテムの箱をみんなが食い入るように見つめる。
その中ではホシノが黒服とどこかへと向かっている様子が映っていた。
二人はアビドスにある廃ビルから出ているところだった。
アロナは二人が移動した先の映像を出す。
しかし、どの映像にも二人は映っていなかった。
唐突に消えたように。
─────────────────────────────────
そんな中、無貌は黒服へと電話をしていた。
「おいっ!!なんでホシノとお前があってるんだ!!??2度と関わらない約束だろうが!!」
『クックック、私は悪くありません。ホシノさんから会いましょうと連絡があったのでね』
「チッ!!それでホシノは無事なんだろうな!?」
怒りを滲ませた声でホシノの心配をする。
黒服は飄々とした様子で説明する。
『はい、五体満足ですよ。それと実験などもしていません。もう少しでアビドスにお返しします』
「信じていいんだろうな?」
『はい。こういったことには嘘はつきませんので』
無貌は吐き捨てるように言う。
「チッ、そうか。次接触してみろ!潰すからな」
『クックック、それは怖い。いい関係を保ちましょう』
電話が切られる。
無貌は椅子にもたれかかる。
「はぁ…」
ガンッ!!
左腕で机を殴る。
左手から血が滲む。
「くそっ」
無貌は先生へと電話をする。
──────────────────────────
シッテムの箱に着信が流れる。
無貌からだ。
「どうだったの!?」
『大丈夫だそうだ。今日中には返すとのことだ』
怒りと悔しさを混ぜたような暗い声が聞こえる。
「よかったぁ…」
「ん。」
「そうですね⭐︎」
「はい」
「うん。そうなんだけど、なんで無貌は誘拐犯と知り合いなの?」
セリカが質問をぶつける。
それはごもっともで全員が心の中で思っていたことだ。
無貌は観念したように言葉を紡ぐ。
『なぁに。前に仕事で知り合ったんだ』
「本当に?」
『そうだよ。先生は疑うのか?』
「そうじゃないけど…」
『それなら、俺は仕事があるから。切るぞ』
無貌からの電話が切れる。
「ん、無貌のことって信用していいのかな?」
「どうなんだろうね。アロナ、無貌についてわかったことってある?」
『すみませんが、無貌がブラックマーケットで頭角を表した以前のことはわかりません。巧妙に消しているようです』
「そっかぁ」
アロナが『でも』と言葉を続ける。
『無貌は背丈や体格から男性。しかも18歳あたりの年齢ではないかと推測できます』
「18歳…ホシノと同じかぁ」
18歳で男性。
先生の頭に一つの人物が浮かび上がる。
「宵闇ウルカも…18歳くらい」
『そうなんです。無貌がブラックマーケットで頭角を表し始めた時期も宵闇ウルカが失踪した時期と重なります。これって偶然でしょうか?』
「ウルカが無貌?」
先生の頭の中で一つの式が出来上がる。
しかし、ウルカ=無貌であるなら不可思議な点がいくつもある。
「ウルカはヘイローがあったらしい。あと、なんでホシノに自分の正体を明かさないんだろう」
『そこなんです。キヴォトスでヘイローを無くすと言ったことは理論上できませんしもしできたとしてもそれは廃人同然です。ヘイローは所有者の精神の表れですから。死んでいるか思考能力もない廃人でしかないです。それなのに無貌はまともに会話ができる。これはおかしなことです』
「そうだよね」
「ん、先生。そんな難しい話は後で。今はホシノ先輩が帰ってくることを喜ぼう」
「あぁ、そうだね」
午後4時。
空が赤くなり始めた頃、アビドス高等学校の門に人影が現れる。
遠くから見ても誰かわかる。ホシノだ。
先生やシロコたちは急いでホシノの元へと走る。
「ホシノ先輩!!大丈夫でしたか!?」
「先輩!!無事だったんですね!!」
「よかったです⭐︎」
「本当に、本当に良かった」
ホシノが埋もれるようにみんなが抱きしめる。
「うへ〜、みんなどうしたの?」
「どうしたの?ってホシノ先輩が攫われたからみんなこんなに心配してるんですよ!!」
「ごめんね〜。おじさん、連絡忘れてたよ〜」
「もう!真っ黒な人と一緒にどこか行ってるのはわかってるんですよ!!もう危ないことをしないでください!!」
「何処も怪我してないよね!?」
先生がホシノの体を見渡して質問する。
ホシノは左脚を摩りながら答える。
「大丈夫だよ〜〜。ほら、何処も怪我してないでしょ」
両手を横に広げて見せる。
見たところ何処にも怪我はなさそうだ。
「よかった〜。先生、ホシノがいなくなったって聞いた途端、急いで来たんだからね」
「心配させてごめんね〜」
「ん、ホシノ先輩。教室行こう」
「そうだね〜。みんな心配させてごめんね」
ホシノはシロコやノノミに手を引っ張られながらアビドス高等学校の校舎へと向かう。
その様子を先生は眺めながら後ろを歩いてついていく。
(ホシノにはまだ伝えないでおくか)
先生は無貌のことやウルカのことをホシノには話さないと決意する。
話すのは全てが分かってからでいい。
ホシノは五体満足(移植したとはいっていない)。
嘘は言ってないから問題ないな(真実も言っていないが)。
ホシノは ウルカの左脚を 手に入れた 。
先生は ウルカと無貌の共通点を 発見した 。
全然、カイザーコーポレーションが出ていませんが今後出ます。
あと、ウルカが潰します。
私がこの作品で決めていることはカイザーとベアトリーチェは必ず潰すと言うことです。
怪文書タイム。
みんなこれを気に入っているらしい。
完全記憶能力っていいよね。
とあるのインデックスやカゲプロのシンタロー、アンデラのニコさんが持っているやつ(知ってる人いるかな?)。
こう言うのの1番いいことってなんでも覚えているから忘れられないんだよね。
大切な人の死に顔とか。
ノアの前で大切な人が死ぬんだ。病死でも事故死でもなんでもいい。目の前で死ぬんだよ。そして、ノアに『生きて』とか言ってさ。ノアはそれ以降ずっとその顔を思い出すんだよ。目の前で死んだ大切な人の絶望していてもノアを気遣ったあの顔を。匂いを。音を。ずっと思い出すんだよ。そのせいで仕事に手がつかないでほしい。部屋にこもってもずっとその声が耳に聞こえる。匂いを感じる。目の前は机なんだけどそこに大切な人の死に顔が映る。どれだけ発狂しても忘れようとしても記憶には残り続ける。忘れることなんて能力が許さないんだよ。唯一の忘れる方法として自殺があるんだけどそれは死に際に放った大切な人の『生きて』って言う言葉によってできないんだよ。大切な人はノアを思って言ったんだろうけどノアにとっては呪いのように纏わりつく。死のうとしたら声が聞こえて生きていたら声や匂い姿を思い出してしまう。寝ていてもその顔が夢に出て来る。別のことをしていてもふとした時に記憶から現れる。ノアは一生その記憶に縛られながら生きるんだ。
後は、あれかな。例えば学校。ノアに幼馴染がいる。ヘイローがない男の子ね。
ノアは完全記憶能力のおかげでいつもテストは満点。でもその幼馴染は頭が良くないのか30点台しか取れないんだよ。ノアは優しいからその幼馴染にいつも勉強を教えている。それが中学、高校と続くんだよ。高校1年の時、平凡で変わり映えしない日々で同じクラスの幼馴染に勉強を教えている。ノアはこれが普通でこれからも続くものだって思っていた。夏休みが終わった新学期。幼馴染が学校に来ない。ノアは幼馴染に勉強を教えてはいるが家が近いわけでもないので夏休み中に遊びに行っているわけでもない。不思議に思いつつも1日は続く。1週間がたったある日。幼馴染の机の上に花瓶が置かれていた。ノアは驚くだろうね。花瓶って言ったらその人が死んだ時に置くものだから。その時ノアはクラスメイトが話す会話を耳にする。幼馴染が夏休みの間に自殺をしたって。死体が見つからないで1週間経って川の下流付近に死体があったってことを。ノアは絶望する。大切な幼馴染の死すらわかっていなかったから。そして、思い出す。学校から少し歩いたあたりまでは一緒に帰っていた時、幼馴染がどこか思い詰めた表情をしていたことを。それが1日ではなく何度も見ていたことを。自分のせいだと思い詰めるよね。それでも学校にはちゃんとくる。毎日机の上に置かれている花瓶の水を取り替えて新しい花にする。それが自分の贖罪だと思っているから。そんな時、クラスメイトの会話をまた耳にする。みんな、幼馴染のことを忘れ始めていた。それもそのはず、人は全員が全員完璧に人を記憶できるわけではないから。忘れることで悲しみを乗り越えようとするから。しかし、完全記憶能力を持っているノアは違う。今でも鮮明に幼馴染の声を顔を匂いを思い出せる。それがさらにノアの心を締め付けた。いつしかノアは学校に行くのをやめて一人部屋に引き篭もる。そして部屋の中でずっと幼馴染のことを思い続ける。
因みに二つ目は如月シンタローの話をノアに置き換えただけです。
完全記憶能力の曇らせは先例があったのでね。