無貌の少年は何を想う   作:月ノ蛇

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今回はギリギリなので問題ないですね。


生きるか死ぬか 1

「あ゙がっ…ぐっ…」

 

ビナーのアツィルトの光はウルカの体全てを飲み込んではいなかった。

だが、ユメ先輩を突き飛ばし避けきれなかった右腕は消え失せた。超高温の熱線によって傷口は焼かれグチュグチュと爛れている。

焼かれたことにより止血され腕からは血は流れていない。

さらに、そのアツィルトの光の余波はウルカの右眼を消失させた。運良く瞑っていた左眼は無事だが右眼は眼窩から消失し、血の涙が流れている。

右腕、右眼の消失、それによる神経の損傷はウルカに想像を絶する激痛を与える。

ウルカは呻き声をあげるも当初の目的のユメ先輩をその狭まった視界で探した。

ユメ先輩は砂に腰をつきウルカを見つめていた。

 

「え…うそ……なんで」

 

ユメ先輩はウルカの右腕を右眼を交互に見ながら普段の明るい雰囲気を漂わせない程の弱気な声で呟く。

表情は凍りつき、顔は真っ青に変化している。

ウルカはユメ先輩に近づき声をかけようとする。

 

「GYAAAAAAAAAAAAAA!!」

 

しかし、ビナーはそれを見逃してはくれない。

ビナーの横側から多数のミサイルが飛び出す。ミサイルは誘導されたようにウルカたちの元へと飛ぶ。

ウルカは咄嗟にユメ先輩に覆い被さる。ミサイルはウルカの背中や周りの砂地に着弾する。

 

「がぁ…」

 

「ウルカくんっ?!」

 

ウルカから悲痛の声が漏れる。

ウルカの背中からは血が溢れ出ており、いくつもの火傷痕がつく。

辺り一面に砂煙が舞い出す。

 

「…ユメ先輩……僕が囮になるので……逃げてください」

 

「っ!?…嫌だよ。一緒に行こ?」

 

「ごめんなさい」

 

ウルカは痛む体を無理矢理起こし、もしもの為と懐に入れていたデザートイーグルを取り出す。

そしてデザートイーグルをビナーがいた方向に2発打ち込む。

反動で倒れそうになるのを抑え、彼は向かって左へと走り出す。

 

「くっ、はっ……」

 

走るたびに軋む身体。

右腕が無く平衡感覚を取りづらくなり左側に転びそうになる体を鞭打ち、ウルカは走り続ける。

ビナーはウルカを追いかけるように体を這わせていく。

それはユメ先輩を逃す為、そしてホシノや校舎へと向かわせない為であった。

 

砂煙が収まり、1人残ったユメ先輩はウルカの走っていった方向を見つめていた。

 

 

─────────────────────────

 

砂煙が舞い、辺りがボコボコになっているところにビナーは佇む。

アツィルトの光を当てミサイルを当てた対象の死亡を確認していないからだ。

ビナーはただただ機械的に次弾の装填をしていた。

 

砂煙の中からドンッ、ドンッと二発の弾丸が飛び出す。

それらはビナーの胴体に突き刺さる。が、致命傷にもなり得ない。

弾丸がビナーに当たったと同時に砂煙から一つの人影が走り出す。

ビナーはその姿をその4つの目で追う。

 

その人影は倒れそうになりながらも懸命に走っていた。

ビナーはその姿をただ無機質に追いかける。

 

その人影は広い砂地から多くの建物のある住宅地へと入っていく。

ビナーはその姿を視界に収めつつ、小さい故の妥当な行動。と認識して同じく住宅地へと入る。

 

 

──────────────────────────

 

ウルカは何度か背後を確認し、ビナーがついてきていることを確認すると建物の影に身を隠す。

壁に背を当てズルズルと壁伝いに座り込む。壁にはウルカの血がベッタリとつく。

 

(銃弾を当てても怯みもしない。意味がないのか?)

 

ウルカは今、思考を巡らせていた。

右腕右眼欠損。背中にはミサイルによる傷。手元にある武器はデザートイーグルのみ。残弾数は7発。

相手には弾丸が効いた様子はない。誰がどう見ても絶望的であった。

 

(いや、見た感じめり込みはした。硬いだけ?)

 

ウルカはそこまで考えると近づいてくる身体を引き摺る音に意識を向ける。

ビナーはウルカに放ったミサイルやその巨体、尻尾を用いて住宅地を破壊しながら進んでくる。

そして確実にウルカのいるところへと向かっている。

 

(もう少しでここにくる。どうする?逃げるか?)

 

幾つもの可能性を考える。

このまま逃げればあいつはついてくるのか。はたまたユメ先輩の方に行くのかわからない。

 

(いや、このままならユメ先輩やホシノに被害が出てしまう。どうにかしないと)

 

ウルカは壁に手を当てつつ立ち上がる。

壁から顔を出してビナーの位置を確認する。

丁度50m程離れた位置にいるのが見える。

確認し次のマークの地点へと逃げようとした時、ウルカの本能が何かを察知した。

 

咄嗟にウルカは横に飛ぶ。

 

ウルカの元いた地点にアツィルトの光が走る。

コンクリートの壁は融け、車線上にあった車は爆発を起こす。

地面の砂も融けて結晶化する。

 

ウルカはギリギリのところで当たるのを防いだ。

ウルカが改めて攻撃の強さに呆然としている間にビナーはウルカの元へと進む。

 

「─ッ、くそっ」

 

ウルカはビナーの方向へと銃を発砲する。

銃弾はビナーには当たらず、ビナーの近くにあったガスタンクへとぶつかる。

ガスタンクにはガスが残っていたのかビナーのすぐ隣で大爆発を起こす。

 

「し……ぬわけないよな!!」

 

爆発による煙が晴れる。ビナーは少し煤けているがダメージが入った様子はない。

ビナーは仕返しとばかりにアツィルトの光を放つ為にエネルギーを集める。

ビナーは立ち止まり口元に多くの光を集まっていく。

 

「くそ、がっ」

 

ウルカは悪態を吐きボロボロの肉体を無理矢理動かす。

ビナーに背を向けて走るのでは無くビナーを起点に円状に走る。

何度も転びそうになりながらウルカは走り続ける。

 

「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAA !!」

 

ビナーは走り回るウルカに狙いを定めアツィルトの光を放つ。

しかし、走るウルカの真横を通るだけでウルカは当たらなかった。ビナーは埒が明かないと考えたのか攻撃をミサイルに変え、10発打ち出す。

ミサイルは軌道を変えながらウルカの元に着弾する。

 

「がッ!?」

 

ウルカはギリギリで避け切る。しかし、爆風を受けゴロゴロと砂地を転がる。

ウルカは直ぐに立ち上がろうとするも身体が硬直して上手く立ち上がれない。その間もビナーはウルカに近づく。

残り数mのところで止まるビナーはウルカに向けてアツィルトの光を放つ為の準備をする。

その間もウルカは立ち上がろうとするも脚が震えすぐに転んでしまう。

 

「くそ……」

 

アツィルトの光が放たれウルカの視界が光に包まれる。

ウルカが光の奔流に飲まれる瞬間、目の前に人影が現れる。

水色の髪でアビドス高等学校の制服を着て大きな盾を持った人。

 

ユメ先輩だ。

 

「ぐうぅぅ!!!」

 

ユメ先輩は真正面からアツィルトの光を受け止める。

盾は丈夫でアツィルトの光ですら融ける素振りを見せないが、その盾を持つユメ先輩の腕は熱に飲まれ融け始める。

それでもユメ先輩は盾を前に出し続ける。

 

光の奔流が収まる頃にはユメ先輩の両腕は肘から融けていた。

 

「大丈夫?ウルカくん……」

 

ウルカに寄りかかるようにユメ先輩が倒れる。

 

「なんで…ユメ先輩が」

 

「そんなの、大切な後輩を守るためだよ」

 

ユメ先輩はいつもの笑顔でウルカに語りかける。

 

「ごめんね。ちょっと眠いや」

 

ユメ先輩のヘイローがチカチカと点滅する。

そして、消えた。

 

ウルカは足の震えを無理矢理止め、ユメ先輩を抱き抱えて立ち上がる。

ビナーがこちらを見ている中、ユメ先輩をまだ壊れていない建物の影に寄りかからせる。

 

「お前を殺す」

 

ビナーを真正面に捕らえウルカは宣言する。

ビナーによる答えは1発のミサイル。

ウルカはデザートイーグルを構え、ミサイルを撃ち落とす。




戦闘描写ムズい。
戦闘描写メインにすると地の文がめちゃ多くなるんだよなぁ。

できるなら後書きに曇らせ描きたい。
戦闘終わったら書こうかな?

あ、評価と感想待ってます!!
これぞ完璧な誘導やな。
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