やったね、2日連続投稿だよ!!
2/26 14:13編集
文章を一つ追加しました。
ドンッ!!
ビナーの頭に1発の銃弾が打ち込まれ、ビナーは仰け反る。
「はぁ…はぁ…くそっ」
満身創痍のウルカが見たのは仰け反った上半身を戻し、ウルカを睨みつけているビナーの姿だ。
額には銃弾が深くまでめり込んでいるのが見える。
「足りなかった、か…」
ビナーはウルカに標準を当てアツィルトの光を放つためにエネルギーを溜める。
ウルカは動くことなくその姿を見続ける。
しかし、ビナーの動きが少しずつ鈍っていく。
アツィルトの光を最後まで溜めることなくビナーは一鳴きして地面へと潜っていく。
「賭けに…勝った」
銃弾は『神秘』によって威力が高まっていた。
しかし、それ以外に『神秘』によって一つのプログラムが書かれていた。
『自らの居場所に戻り休眠する』と。
もしも、威力の高まった銃弾によってビナーを倒すことができなければこのプログラムが起動するようになっていた。
ビナーが機械であればプログラムが正しく使われてビナーは休眠する。機械でなければウルカがビナーによって殺される。
まさに命を賭けた賭けだった。
「ユメ、先輩…」
ウルカは壁を支えに立ち上がり、壁をつたいながらユメ先輩の元へと歩く。
ユメ先輩のいたところはビナーとの戦闘の範囲外のため無事のはず。
──────────────────────────
ユメ先輩は壁に寄りかかったまま眠っていた。
顔は青白く血の気がない。
「ユメっ、先輩!!」
ウルカは走り出す。
ユメ先輩の側に倒れこみ、ユメ先輩を見上げる。
その顔には生気がなく死んでいるようだった。
ウルカは溶けていない腕に触れる。
脈はなく冷たい。
「うわぁ、あっ、ユメ先輩…」
ウルカの頬に涙が流れる。
「ユメ先輩は死んじゃいけないのに……なんで」
ウルカの慟哭が辺りに響き渡る。
ウルカの声に反応する人はここにはもういない。
ウルカの涙が頬をつたいユメ先輩へと落ちる。
奇跡が起きた。
ウルカの体から無くなっていたはずの膨大な『神秘』が溢れ出した。
その『神秘』はウルカとユメ先輩を包み込み光を放つ。
ウルカのヘイローが砕け散り、その破片が一つに纏まる。
そして破片はユメ先輩の頭上に向かうとユメ先輩のヘイローを形取る。
光が収まる。
「なんだったんだ、今のは」
ウルカは意思とは関係なく起きた事象に困惑する。
ウルカはもう一度ユメ先輩の腕に触る。
脈はなく、冷たい。しかし、ウルカは生きていると確信した。
「ユメ、先輩…!?」
ウルカの背後から声が聞こえる。
ウルカが背後を振り向くとそこには愕然としたホシノが立っていた。
「ユメ先輩!!」
ホシノは勢いよく駆け寄り、ユメ先輩を抱きしめる。
ウルカはいきなり来たホシノにただ茫然とするだけ。
「え…?ユメ先輩?ユメ先輩!?」
ホシノはユメ先輩を抱きしめるがユメ先輩はうんともすんとも言わず、ただされるがままだった。
ホシノはユメ先輩が冷たいことを感じ取ると名前を叫ぶ。
「ウルカ!!なんで、なんでユメ先輩は…」
ホシノはユメ先輩を抱えたままウルカへ呼びかける。
ホシノは錯乱したままのためウルカの様子に気づかない。
「……大丈夫」
「何が大丈夫なの!?ユメ先輩は、こんなにも冷たいのに!!」
「何してたの!?ウルカは、ユメ先輩がこうなるまで!?」
ウルカが答えるとホシノは堰を切ったように捲し立てる。
ウルカの様子には未だ気づかない。
「…ごめん」
「……グスッ、もういい」
ホシノはユメ先輩を抱えたままアビドス高等学校の校舎へと向かう。
ウルカはその場に佇んだまま。
何分経っただろうか、いや数時間経ったのかもしれない。
ホシノに拒絶され、悲壮に暮れていたウルカはホシノとは反対側へと歩き出す。
ホシノとは2度と交わらないかのように。
「ホシノは優しいな。ごめんね、ホシノ」
ウルカにとってホシノは恨む対象にいない。
ウルカはいつまでもホシノを思っていた。
ウルカはどこかへと電話をかける。
Prrrrrrrrrrrrrrrr
「ウルカさんから電話してくれるとは意外ですね」
「黒服、取引をしよう」
アビドス高等学校校舎。
ホシノはユメ先輩をベッドへ寝かせる。
ホシノはユメ先輩を失ったことで悲しみに暮れていた。
「なんで……なんでだよ。ウルカ」
ユメ先輩を守れなかった苦しみを吐き捨てるためだけにウルカへと当たった。
ウルカなら大丈夫だろう。帰ってくる。と勝手に考えてホシノはユメ先輩の元へと残っている。
ホシノがユメ先輩の元を離れようとすると、ユメ先輩から光が溢れた。
溶けていた腕がまるで時間が巻き戻るように再生していき、体にある全ての傷は同じように再生する。
ホシノがその現象に茫然としているとユメ先輩の頭にヘイローが宿り目を覚ます。
「あれ、ここは…?」
「ユメ先輩…ユメ先輩!!」
ホシノがユメ先輩へと抱きつく。
「も〜、どうしたの?そんなに慌てて」
ユメ先輩はいつものようにホシノの頭を撫でる。
ユメ先輩はひと通り撫で終わると、ホシノに1つの質問をした。
「ウルカくんは?」
その質問はホシノを固まらせる。
「…………あ、えっと」
「病院にでもいったの?」
「え、それは」
「私のせいで腕と目を無くしたのに……」
「…え?」
ホシノは記憶を辿る。
ウルカに怒鳴ったあの時、確かにウルカには腕がなかった。
ユメ先輩たちを発見した時、ウルカの背中は火傷と傷でボロボロだった。
思い返せば思い返すほど、ウルカはいつ死んでもおかしくなかった。
あの時ホシノはそんなボロボロのウルカに心無い言葉を吐き捨てた。
「あ、へぁ………ゔぉぇぇぇぇ」
吐いた。ホシノは胃の中の全てを戻す勢いで吐いた。
あの時の言葉、態度、その後のウルカなら大丈夫だろう。という考えがホシノを蝕む。
ユメ先輩が驚いてホシノの元へと行き介抱する。
ホシノが吐き終わり、まともに話せるようになるまで数十分かかった。
ゲマトリア。
ここはキヴォトスの中かどうかもわからない。
黒服を呼び出し連れてこられたところ。
「それで、どうしてここにくると決めたんですか?」
「ホシノは僕がいると悲しむと思う。ホシノの言葉が心からでもそうでなくても、僕がいたらそれを思い出してしまう」
「くっくっく、素晴らしい友情ですね」
「そんなことはもういいだろう?早く取引といこう」
黒服とウルカは机を介して向かい合う。
机の上には1枚の書類が置かれている。
「では、ウルカさんからこちらに提供するものは左足と一度だけありとあらゆることに協力するということでよろしいですか?」
「そうですね。研究するなら綺麗な方がいいでしょう?」
「それはそうですね。あぁ、それに加えて血液を少々いただきたいと思います。ウルカさんのことは拘束もしませんので私が取りに行くまで定期的に血液を採取してくれればいいです」
「それくらいなら大丈夫です」
「では、こちらからはアビドスに借金の半分を支払うことと、義手義足義眼の提供でよろしいですか?」
「それでいいです。あと、キヴォトスに戻る時はブラックマーケットにお願いします」
「くっくっく、それではこの書類にサインを」
黒服は机の上の書類を差し出す。
ウルカは左手で辿々しくもサインを書く。
黒服はサインが書かれたことを確認するとウルカを別室へと向かわせる。
「では今から左足を切り落とします。麻酔はないので我慢してください」
「っ、わかったよ」
ウルカは部屋の中の手術台へと固定される。
黒服は外からその様子を確認すると壁に設置されたボタンを押す。
ボタンが押されると天井からノコギリが現れウルカの左足の太ももにあてがわれる。
ノコギリが動きウルカの左足を鮮血に染める。ブチブチという音とともにウルカの太ももの繊維が斬れ神経を焼く。
「うぐっ、あぐぁっ」
ウルカの口から悲痛な声が溢れる。
その声に関係なくノコギリは何度も前後し、ウルカの左足の骨を断つ。
「ぐぇあぁぁぁぁぁぁ」
ウルカの口から苦悶の声が溢れる。
それでもノコギリは止まらずウルカの足を切り落とそうとする。
それから何時間経っただろうか、ウルカが気づくと左足が綺麗に無くなっていた。
「くっくっく、素晴らしいです。麻酔なしでその痛みを耐え気絶もしないとは」
「そうですか。早く止血をして欲しいのですが」
それから数分後、ウルカの足には新たに金属製の義足があてがわれた。
同じく右腕にも金属製の義手が、右の眼窩にも金属製の義眼が付けられた。
「どうですか?我々の技術を詰め込んだ義足たちです。使いやすいでしょう?」
「ありがとうございます。細かい部分は自分で調整できるので、これで十分です」
「そうですか。では、ブラックマーケットへ行きましょうか」
「くっくっく、驚きましたね。ウルカさんに角と羽があるなんて」
時間は戻ってアビドス。
ホシノは胃の中のものを全て出すまで吐いた。
ユメ先輩がその吐いたものを片付け、まともに話せるようにったホシノにユメ先輩はもう一度ウルカについて尋ねた。
「それで、ウルカくんはどこにいるの?」
「…ご、ごめんなさい。ユメ先輩、ウルカが、ウルカが」
「大丈夫だからね。少しづつ話そう」
「はい……」
ホシノは話すたび目に涙を浮かべた。
ホシノはユメ先輩に宥められながら一つ一つ話していった。
ウルカに対して心無い言葉を吐いたこと、今どこにいるかわからないことを。
「そう…」
ユメ先輩は1人考える。
「探そう」
そう提案した。
「あの怪我だったらそう遠くに行ってないと思う。だから今から行けば見つかるはず」
そういうとユメ先輩は戦闘が起きていたところに向かった。
ホシノは涙を拭うとユメ先輩についていった。
結果としてウルカが見つかることはなかった。
ユメ先輩とホシノが手分けして何時間もかけて隅々まで探してもウルカは姿形も見つからなかった。
それどころかウルカに手がかりすら見つかることはなかった。
「ウルカぁ、ウルカぁ、どこなの?ねぇ、私が、私が悪かったから出てきてよぉ」
ホシノをどうやって曇らせるかが課題でした。
案としては作品にしたやつ以外に「ホシノがいった時にはもうオリ主は居らずユメ先輩に戦闘のことを聞くんだけど死んだとも思えなくてずっと探すやつ」がありました。
どっちが良かったのか…
作中に収められなかった話。
ユメ先輩のヘイローは少し形状が変わります。
ヘイローの外周の円の部分にウルカの01の形が加わります。
キー!!黒服の口調はこんなんじゃない!!直せ!!という黒服ガチ恋勢の方はコメントにでも書いてください。直しときます。
次は水曜日に投稿する気がする。
あ、これで過去編は終わりです。
次からは元に戻ります。
勝ったものが生き、負けたものは死ぬ。それが運命。