ゲヘナ学園風紀委員副長、レイジです。 作:QAAM_M1911
「……エデン条約前に行うゲヘナ・トリニティ・ミレニアムの合同イベントですか。」
「はい。またあのタヌキが変な事を言い出して……まぁ今回に関しては一概に悪くは言えませんが。」
「ここで2校の方針を大々的に打ち出して、威信を見せ付け……ついでにミレニアムも巻き込んで潤滑油とするのですか。と、考察しましたがまぁマコトの事です、どうせ自分の事しか考えてませんよ。」
とは言え、これは我々の練度の高さを確認するイベントにもなる。正義実現委員会を凌ぐ実力を見せれば……と言いたいが。
「何故開催1週間前に言うのですか……!しかもこの情報はイブキさんからではないですか!」
「まさか3日前まで情報を隠す予定だったとは思わなかったわね。で、何をやるの?」
「それが……まず平委員の演習を行い、ヒナ委員長と剣先ツルギの模擬戦闘。あとはどうやらブースも展開しなければならない様です。」
「ブース展開……勧誘パンフレットの内容から一歩踏み込んでみます!」
「えぇ、ある程度であれば許可します。ですがこれでは少々足りないですね。皆の意見を。」
「……そうですね、何かこう……風紀委員会が親しみやすい事をアピールするのが良いのでは?」
「親しみやすくするって……校則違反者はどうするんですか?」
「別に我々は誰彼構わず再教育する訳ではありません。普段はそこら辺のお巡りさん程度で良いのです。」
「……ゆるキャラ、などはどうでしょうか?あぁすみません!」
「続けなさい。」
「では……イブキさんもハマっているモモフレンズなどのキャラクター、そんな風に売り込めばある程度親近感は得られるのではないかと考えました。」
イブキの……ペロロ?とやらは良く知らないが、確かに何かキャラクターを発案するのは悪くない発想だ。特に俺の訓練のせいでかなり堅っ苦しい組織だと思われている節はある。確かに規則は厳しめに作っているが、それは出動態勢などに関してだけであり日常生活などで影響を及ぼす事柄はほぼない。強いて言えば、祝日出勤も割とあるくらいか。
「……一考の余地はありますね。他に何か良い意見は?」
「どうでしょう、ヒナ委員長の写真集などは?」
「却下。」
「只今より今会議におけるアコの発言権をはく奪致します。」
「えっ」
「さて……意見が無ければ多数決を取ります。イメージキャラクターの作成、これを1週間内で行う。ただし、原案は明日まで。よろしいですね?」
手元の得票でも全員賛成、採用だ。
「よろしい、では風紀委員会総員に通達します。各分隊で一つずつ案を出し、その後其々の番隊で代表作を決定。明日の夜に会議を行い、明後日から制作開始です。」
「可愛いカッコいいの種類は問わない。皆んなのセンスに期待する。以上、解散。」
「……これ著作権とか諸々大丈夫なのか?えっ、なんで俺に着せる事になってんの???」
“合同の演習会かぁ……”
「はい、先生もいかがでしょうか?ミレニアムはターゲット役ではありますけど、ドローンの性能を見せる良い機会なので参加しました。」
“うん、行こうかな。”
「あ、あの〜、私もちょっと行きたいな……なんて」
「コユキはそこで反省してなさい!!」
「ぴぃっ!?」
先日、トリニティにて補習授業部を受け持つことになった。再テストの結果……二次テストを受ける事になってしまったが。その後ユウカからミレニアムに呼び出されて、C&Cの生徒と共にとある任務を遂行したその直後の話になる。
「それで先生、どういたしますか?その……良ければ私が案内しますが……」
“じゃあお願い!”
「分かりました!私がしっかり、案内させていただきます!」
ユウカと共に、三校合同演習を回る事になった。
“凄いね!風紀委員会のパワードスーツも良かったけど、ミレニアムのオートマトンも捨てがたい……!”
「気に入ってもらえて何よりだよ、先生。」
「さて!この自動警備ロボ“雷ちゃんMk-Ⅱ.Ⅴ”は“雷ちゃんMk-Ⅱ”の移動手段を確保したモデルです!」
「だからってなにもタコにしなくても良いじゃない!?色々気持ち悪いわよ!?」
うねうねと動く雷ちゃんMk-Ⅱ.Ⅴを前に、ユウカが悲鳴を上げるが、このタコ型メカも中々良いセンスだ…!何処となくスーパー8*1に似て小型なのが可愛いんだ……!
「しかし、ゲヘナの副長はあんな良いモノを開発していたなんて……!」
「そろそろ見たいね。」
“じゃあ、一緒に行く?”
「それなら!是非ともご一緒させてください!!解説が出来るなら、張り切ってやりますから!!」
「ねぇ!!登ってきたんだけど!?足から引きはがして!??」
“……”
「先生!?笑ってないで取ってください!!?」
エンジニア部の皆も合流して、ゲヘナのブースへと歩いて行く。エンジニア部は使われている技術の高精度さを考察し、ユウカはレイジの資金繰り能力の高さを長々と喋る。
「そりゃ、あの節約術と騙しが出来るならミレニアムの決算なんて簡単に出来るはずです。シャーレに来て頂ければ、私が来れない時でも……いや行きますけど、凄く助かる筈です!」
“そうだね……でも本人がやんわりと拒否してるんだよね。シャーレに出向出来るほど、今は暇じゃないみたい。”
「まぁそうですよね……」
「えぇと、多分なんですけど!」
“コトリ、どうしたの?”
「“ヴェスパー”って、副長さんが楽をする為に生まれたのではないでしょうか!」
“えぇ……”
「でも、そう考えれば委員会全体の水準を上げただけで終わっていない説明も何となくつく。突出した個では当人が不在の時、大きく荒れる。しかし、全体を引き上げれば多少なりとも暴れ出す生徒は少なくなる。それだけでもゲヘナでは万々歳というわけだ。」
「そこで、特殊部隊の存在……うちのC&Cみたいな組織を編成したって訳ね。しかもそこにミレニアムでも通用する様なパワードスーツの開発……ホントにどう資金運営してるのかしら。」
と、ゲヘナのブースが見えて来た。途端に、皆の口があんぐりと開けられた。
“……コトリ、あれは解説出来る?”
「いやいやいや無理ですって!!?なんですかアレ!?というかあれ本当に大丈夫なんですか色々と!!?」
“だよね……”
皆が向いた先に居たのは……黒色のずんぐりむっくりなボディに紅白の水玉模様のズボン。本を開いたままの様な形をした白い頭部に生えた二つの黒い耳、そしてゲヘナ学園の校章をそのまま紫色のモザイクにした“世界一有名なネズミに喧嘩売ってるような”着ぐるみだった。
『ハハッ!!僕フッキ―坊や!!不良生徒共はみんな細切れにしてやる!』
「「「「“アウトーーー!!!!”」」」」