キヴォトスの実力者になりたくて!   作:誰か続き書いてくれ

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600人も見てくれたのか。
誰かが似たようなの書いてくれないかな(/ω・\)チラチラ

何か思ってたのと違うのになっちゃった。

主人公視点→ホシノ視点


ちょっと前の出来事

「やっぱ砂漠かな〜。廃れていく学校を裏で支えていく地味な生徒とかもちょっとロマン感じるし」

 

 陰に潜むようにコートを羽織ながら辺りを見渡すが一面の砂景色しか広がっていない。

 アビドス学園は数年前から砂漠化が進んでおり、転校していく生徒が後を絶たない気の毒な学園である。

 そして現在の生徒は驚異の二人。この時点で入学した場合モブ生徒扱いはされないだろうが候補の一つだ。

 

「想像以上だ……この土地に潜む闇は」

 

 神秘でわざとコートをバサバサとし意味深に呟く。後ろから感じる気配の主にわざと聴こえるように。

 

「君は……誰かな? 取り敢えずこんな夜中に出歩くのは危ないよ」

 

 声を掛けてきた少女は心配そうな視線を向けてくる。アビドスの制服を纏った水色髪の少女。

 彼女がアビドスの生徒会長であるユメという人物か。

 余程自分の腕に自信のある者か、それとも類を見ないほどのお人好しか……まぁ後者であろうが。

 何故ならば相手を警戒させないために銃も構えず隙だらけな姿でいるからだ。治安が悪化しているこのアビドスで。

 

「貴様はこの土地に何をみる? この土地にはもはや希望は無い」

 

 ともあれ相手の質問はスルーだ。ここで普通に答えてしまっては陰の実力者としての格が落ちる。

 

「あはは〜。君、ホシノちゃんみたいなこと言うんだね」

 

 たははーと軽く笑いながら頬をかく彼女からは敵意を感じなかった。

 

 凄いな彼女は。

 正直失礼な事を言った自覚はあった。この状態のアビドスに残っているということはこの土地、学園に少なからず愛着を抱いている筈だからだ。赤の他人にいきなり侮辱じみた事を言われれば誰だって何かしらの敵意を見せる。

 たまにいるのだ。彼女のような底抜けの善人は。

 

「あっ、ホシノちゃんっていうのは私の後輩でねこんなにちっちゃいのに私よりしっかりしてて頼りになる後輩なんだよ!」

 

 自慢げに語っていく彼女は見ていて微笑ましくはあるが今の私は陰の実力者なのだ。悠長に相手の話を聞いているわけにもいかない。

 神秘を放出し私を中心に砂埃が起こる。空気がピリつき彼女の顔つきが変わる。

 

「再度問う。貴様はこの土地に何をみる?」

 

「未来」

 

 簡潔に悩む素振りすら見せず彼女は答える。先程まで後輩自慢をしていた無邪気な笑みからは想像出来ない程の覚悟を感じる。

 

「未来……か。先程も言ったはずだ。この土地には希望は無い。アビドス学園、いやアビドス全体が十年も経たないうちに砂漠と化し誰も住み着くことは無くなるだろう」

 

「それでも未来はある……それに私が出来なくてもホシノちゃんがいるから」

 

 揺るがない意志の宿った強い瞳。後輩への信頼。

 これがアビドス学園の生徒会長。

 入学は無理そうだな。絶対主要人物になってしまう。可愛がられる未来しか浮かばない。

 

「そうか……それが貴様の」

 

 アビドスの現状と学園の生徒会長。それら二つを知れたから今日の収穫としては十分だ。

 

「さらばだ」

 

 ありえない仮定だが私がもし、陰の実力者に憧れていなかったらアビドスに入学をするのだろう。

 それくらい、私はユメという人物を気に入ってしまった。

 

 

 

 ユメ先輩との会合から暫くの事。不自然な神秘の乱れ。アビドスからだろう。今まで感じたことの無い異常事態に私の胸は高鳴っていた。

 チャンスだ。私の実力を試せる強敵がいるかもしれない。

 

 陰のセットに身を包み全速力で砂漠を駆け抜ける。周りから見たら何故か砂埃が発生しているという様思えるだろう。

 そして走り続けて数十分……不自然な血痕がある事に気がついた。

 

 おかしいな。人なんて滅多にいないのに。

 

 方向がたまたま目的地と一緒だったので跡を辿る様に走る。

 

 そしてそこ(目的地)にいたのはユメ先輩だった。

 

「あっ、え?」

 

 おびただしい量の出血。人体にはこんなにも血が流れていたのかと漠然と思ってしまう。

 

 違う! 今すぐ何とかしなければ! 

 

 彼女の出血は凄まじいが何より酷いのが神秘の消耗具合い。ヘイローも点滅しており今にも消滅しそうだ。

 

「ちょうどいい実験体だ」

 

 自身を落ち着かせるため陰の実力者という仮面を被る。

 私の神秘は無色透明。であれば他人の神秘として代用も可能な筈。

 

 慎重にユメ先輩の身体に神秘を混ぜていく。彼女の特性が主となるよう少しづつ私の神秘を溶かしていく。

 私の神秘が彼女の神秘を塗り潰さないように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──

 

「流石に今朝は言い過ぎましたかね。今度好物でも奢ってあげましょう」

 

 今朝の自分の言動を振り返りつつユメ先輩への今後の対応を考える。

 初めに感じたのは僅かな違和感だった。

 

 あれ? ユメ先輩が帰ってこない。……まったくあの人はどこで寄り道してるんだか。

 

 次見たのは異常事態だった。

 

 おかしい。砂埃が凄い勢いで起こっている。まるでどこかへ向かう様に。

 

 じっとりと嫌な汗が止まらない。身体は震え僅かな可能性が導き出される。

 

 そして視た。

 

血だらけでヘイローの無いユメ先輩。虚ろで二度と光の戻ることの無い美しい瞳。小さい身体ながら先輩を全力で抱き締め嘆く私。

 

 

 気づいた時には銃を手に取り走っていた。明らかに怪しい場所に向かって脇目も振らず全力で。

 

 そこには血だらけのユメ先輩とそれを見下すかのように見つめている謎の人物。

 

「どっけぇぇぇ!」

 

 言葉は必要ない。不審人物に向かってショットガンをぶっぱなす。意外な事にあっさりと吹っ飛んで行ったがそれどころでは無い。

 

「ユメ先輩! 先輩!」

 

 良かった。明らかに重症そうな彼女だが顔は安らいでおりヘイローも浮かんでいる。

 

「なるほど。貴様が小鳥遊ホシノか」

 

「っ!」

 

 一撃で仕留めるつもりだった不審人物はいつの間にか何事も無かったかのように立っている。

 

「お前! ユメ先輩に何をした!」

 

 何が起こっているか分からない状況ではあるがこれだけは分かる。目の前にいる人物は強い……多分私と同等なそれ以上に。

 

「それを言う必要があるのか小鳥遊ホシノ……いや、キヴォトス最高の神秘。暁のホルス」

 

「黒服ゥゥゥ!」

 

 相手が誰であろうと構わない。どうせろくでなしの関係者だ。

 

 全力で駆け寄りショットガンを向ける。超近距離での戦い。少しでもユメ先輩から相手を離すため、注意を逸らすためのインファイト。

 

 銃口を相手に向けると奴は避けようとはせず私の銃を掴もうとする。その手を払い落とし、今度は銃口をフェイクに蹴りを叩き込む。キヴォトスにおいて銃を用いない意識外の攻撃。

 

 だがそれをくらっても奴は効いた素振りを見せず悠然と立っている。

 

「はっ?」

 

 回る視界。同時に感じる浮遊感。そして腹に感じる痛み。 ぐるぐると転がりながら今起きたことを把握する。

 奴は銃を捨て私を殴ったのだ。

 

 愚策中の愚策。ユメ先輩という明らかな弱点をつける物を自らで捨てるという愚策にして奇策。

 

「ふむ、貴様とは遊んでやりたいが時間も時間だ。手荒にいくぞ」

 

 奴の動きが変わる。決して拙くは無い私の体術だが奴は全てを理解しているように私の動きに反応、いや動く前から行動している。

 

「感応。心と身体を一致させ世界の流れを感じ取る。地味だが使えるだろう」

 

 腕を締め上げ私を地面に拘束しながら奴は説明する。もがこうと動くが足掻くほど拘束は強まり私の行動を制限する。

 

「これで終わりだ」

 

 後頭部に走る痛み。暗転していく視界。私は……私はユメ先輩を守れない。

 

「……名前は?」

 

 残る意識で少しでも情報を引き出す。

 

「ムメイだ」

 

 

 

 

「……ノちゃん。ホシノちゃん!」

 

 鬱陶しいほど響く馬鹿みたいに明るい声。動かない身体を強引に揺さぶられる。

 

「ユメ……先輩」

 

 目を開けると涙目でこちらを見つめる先輩がいた。

 

「うぁぁぁん! ホシノちゃん! よがっだよぉぉぉ!」

 

「ふぐっ」

 

 ユメ先輩が生きているという安堵と嬉しさを押しつぶすように先輩の無駄にデカイ胸に呼吸を塞がれる。

 

「あっ、ごめんね」

 

「まぁ、いいですよ」

 

 ユメ先輩を引き剥がし素直に許してやれない自分に嫌気がさす。

 

「あれ? ホシノちゃん? 泣いてるの?」

 

「え?」

 

 そう言われて自分の頬に冷たい水が流れているのを感じた。

 目の前にユメ先輩がいる。生きている。

 実感と共に溢れ出す感情。滲み出す視界。私は思わずユメ先輩を抱き締める。

 

「ごめんなさい」

 

 今までの言動。今朝の砂祭り。ユメ先輩の希望を夢を否定するような態度。

 

「今までごべんなざい」

 

 一方的な謝罪。相手の事を考えていないただの自己満足。たが、それでも私は言葉を重ねる。

 

「ホシノちゃん!」

 

 少し呼吸が落ち着き涙がおさまってきたのを感じたのか先輩は私の肩を掴み目を合わせてくる。

 

「許します。私は貴方。小鳥遊ホシノを許します。……だからアビドスの砂祭り、一緒にやろ?」

 

先輩は泣きながら言った。私は泣きながら答えた。

 

その日、アビドスは昼にも関わらず流星群が見えたという。まるで二人の少女を祝福するかのように。

 

 




ホシノは先生からムメイの話を聞き暁のホルスに一瞬だけ戻ったとかなんとか

主人公はシドのほど倫理観が欠落しているといった事はありません。なので普通に人の好き嫌いはあります。

ていうかシドが極端すぎるだけで主人公も必要に駆られれば全てを切り捨てる覚悟はあります。

それでもまだ主人公は子供なので本当に捨てられるかは分かりませんが……。
それを先生と一緒に探せたらいいね!



何かおかしくても独自設定なので許してね
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