16年度の卒業生   作:Ray May

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Act.4.5 幕間
サクラチヨノオーの場合


Scene

東京競技場 控室 昼

 

Actor

サクラチヨノオー:チヨノオー

サクラチヨノオーのトレーナー:トレーナー

実況:実況

 

 

-Act Out-

 

 

チヨノオー「……えっ?」

 

-チヨノオー、控室で頓狂な声を上げる。

-トレーナー、気まずそうな顔で、彼女に浅く頭を下げている。

 

チヨノオー「あ……あー……あはは。そっか。わかりました!」

チヨノオー「冗談。冗談ですよね、トレーナーさん! あはは。そっかそっか。私が緊張してるから、面白い冗談で解してくれようとしてるんですよね!」

チヨノオー「もー、大丈夫ですよトレーナーさん! チヨはそこまでしなくても、全然緊張してませんから!

チヨノオー「心配は無用です!」

トレーナー「……お嬢」

 

-爛漫に笑うチヨノオーに、トレーナー、頭を下げ続けている。

 

トレーナー「……冗談ではありやせん」

 

-トレーナーの言葉に、チヨノオー、硬直する。

 

トレーナー「うま娘ぷりてぃだーびー、二次創作、16年度の卒業生……」

トレーナー「次章で、『最終局面』(くらいまっくす)でございやす」

 

-チヨノオー、絶句する。

 

 

チヨノオー「――は、はぁぁぁぁッ!?」

 

 

-チヨノオー、絶叫する。

 

チヨノオー「ち、ちょっと、ちょっと待ってくださいよっ!! そんなことって、そんなことってありますか!?」

チヨノオー「確かに私、最近までトレーニングと遠征でものすっごく忙しくて、例の『捜索』にも参加出来ませんでしたけど!!」

チヨノオー「でも、でも私、最後に出演したの、三章の冒頭ですよ!? そこでミザールさんの噛ませ犬やらされて、意味深になんか言ったのを最後にようやく出られたと思ったら!!」

チヨノオー「次で、次で『最終局面』(クライマックス)!? はぁ!? はぁぁぁぁッ!?」

トレーナー「お嬢。お嬢。落ち着いてくだせぇ」

 

-トレーナー、激昂するチヨノオーを宥めるが、チヨノオー、収まる気配がない。

 

チヨノオー「だって、だってだっておかしいじゃないですかっ!! 見てくださいトレーナーさんこれっ!!」

 

【挿絵表示】

 

 

チヨノオー「私一応、これでも一応!! タグの一覧に名前載ってんですよ!! ほら!!」

 

【挿絵表示】

 

 

チヨノオー「ほらっ!!」

 

【挿絵表示】

 

 

チヨノオー「ほらぁーっ!!」

 

【挿絵表示】

 

 

トレーナー(見事に見切れていやすね……)

チヨノオー「なのにっ、なのにこんな扱いっ!! こんなの、こんなのってあんまりですよーっ!!」

トレーナー「お嬢。お嬢。落ち着いてくだせぇ。あんまり『めたい』こと言うと、他媒体に掲載出来なくなってしめぇます」

 

-チヨノオー、一頻り騒ぎに騒ぎ、ようやく落ち着く。

 

チヨノオー「……、……」

チヨノオー「……わかりました」

チヨノオー「せめて……せめて今日のレースで、相応の結果を出してみせます!!」

トレーナー「その意気です、お嬢」

 

-二人、力強く頷き合う。

 

トレーナー「……全ては、『らいばる』を越えるためです」

チヨノオー「うん。わかってる。だから本当に、トレーナーさんには感謝しています」

 

-そこで、スタッフが控室を訪れる。二人、地下バ場道に到着する。

 

トレーナー「お嬢、」

 

-トレーナー、腰を落とし、両膝に手を突いて、チヨノオーに恭しく頭を下げる。

 

トレーナー「いってらっしゃいませ!!」

チヨノオー「……」

 

-チヨノオー、それに笑顔を浮かべる。

 

チヨノオー「――行ってきます!」

 

-チヨノオー、競技場内に入場する。

-はち切れんばかりの歓声が、彼女を迎える。

 

実況『――さぁ! 舞台は鮮やかな紅葉の彩る東京競技場! 天皇賞・秋、出走が近付いてまいりました!!』

チヨノオー「……」

 

-チヨノオー、立ち止まり、目を閉じる。

-しばらくして目を開け、ゲートへと向かう。

-その瞳には、それまでの可憐な姿とは裏腹の、闘志の炎が燃え滾っている。

 

チヨノオー(……待っていてください、ミザールさん)

チヨノオー(これまで何度も……苦い思いをしてきました。今度は……今度は、そうはいきません)

チヨノオー(私は……私は、あなたに)

 

 

チヨノオー(絶対に、)

チヨノオー(勝ってみせる――!)

 

 

-ゲートインが済み、一瞬の間ののち、ゲートが開く。

-チヨノオー、見据えた未来に向けて、勢いよく駆け出す。

 

 

-Scene End-

 

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