16年度の卒業生   作:Ray May

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Act.1.5 幕間
ミスターシービーの場合


 ミスターシービーは、食堂にて、側頭部を机に押し付ける形でうつ伏せになっていた。

 

-◆◇◆-

 

Scene

トレセン学園 食堂 夕方

 

Actor

カツラギエース:エース

メジロラモーヌ:ラモーヌ

ミスターシービー:シービー

 

-Act Out-

 

-エースとラモーヌ、共に頬杖を突きながら、ミスターシービーを見つめている。

-ミスターシービー、項垂れたまま微動だにしない。

 

エース「……なんだあれ」

ラモーヌ「干からびたシービーよ。ここ数日家に帰れてないから」

エース「あー」

 

エース「やっぱ寮生活が肌に合わないんだな」

ラモーヌ「そうね。最低限の調度品は貸し出されてるということだけど。やっぱり住み慣れた我が家が一番ということでしょう」

 

-二人、話していると、窓の外で雨が降り始める。

 

エース「あ。雨だ」

ラモーヌ「そういえば、雷雨になると言ってたわね。あんまり長くならないといいけど」

 

-瞬間、シービーが荒々しく立ち上がる。その目は虚空を見つめている。

 

シービー「あ、あ、あ、――」

エース「?」

シービー「ああああ雨が降る、雨が降る、雨が降る! 虹が立つ!」

エース(それ別の漫画*1じゃね?)

シービー「こうしちゃいられないっ!!」

エース「あ、シービー……」

 

-エースの呼びかけに目もくれず、シービー、一目散に駆け出す。

 

エース「……」

ラモーヌ「……」

エース「……まぁ、元気そうで何よりだ」

ラモーヌ「同感ね」

 

-Scene End-

 

-◆◇◆-

 

Scene

トレセン学園 エントランス付近 夕方(雨)

 

Actor

名も無き男A:男A

名も無き男B:男B

ミスターシービー:シービー

 

-Act Out-

 

-二人の男、正門前に立っている。

-カッパを着ているものの、激しい雷雨でその用を為せていない。

 

男B「お、おい。やっぱ帰った方がいいんじゃねーか!? 雨すげーことになってきたぞ!」

男A「バカ! こういう時こそ活動しなきゃならねーだろ! 雨になんか負けてたまるかよ!」

男B「いや、でもそれで体調崩したら世話ねぇ……ん?」

 

-男B、何かに気付く。

 

男A「あ? なんだどうした」

男B「いや、今なんか……そこに何かいたような」

 

-男Bが言った時、雷光がひらめく。

-瞬間的な光の中で、シービー、怪しげに佇みながら、彼らを見る。

-男たち、びくりと跳ね上がる。

 

男A,B「で、出たぁーーーーっ!!」

 

-男たち、一目散に逃げだす。

 

シービー「……ん? 今なんかいた?」

 

-シービー、疑問に声を漏らす。

 

-Scene End-

 

-◆◇◆-

 

 ……そして、全ての騒動が収まり、しばらくして。

 トレセン学園に伝わる七不思議に――

『雨の中佇む濡れ髪女』の伝説が追加されたとか、されてないとか。

 

*1
蟲師 / 漆原友紀

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