ダイワスカーレットの場合
Scene
トレセン学園 食堂 昼
Actor
ウオッカ:ウオッカ
ダイワスカーレット:スカーレット
サイレンススズカ:スズカ
ゴールドシップ:ゴルシ
ウオッカ「はぁ!?」
-ウオッカ、食堂にて、唐突に絶叫する。
ウオッカ「高速道路を走ったぁ!?」
スカーレット「みたいよ。噂だけどね」
ウオッカ「な、なんだよそれ……!! 最高にクールじゃねぇか!」
スカーレット「あんた……それマジで言ってんの?」
-スカーレット、呆れたように言う。ウオッカ、依然興奮している。
ウオッカ「だってよ! お前だって憧れたことあんだろ!? ウマ娘には踏み込めない不可侵領域……!! 誰にも邪魔されない世界で好きなだけ好きな速度で走れる!! そんなの最高に気持ちいいに決まってんだろ!!」
スカーレット「普通に走る分には車も走ってるのよ……警察に見つかったりしても洒落にならないし」
ウオッカ「だったら、見つかってもいいようにハンドル握って走ろうぜ! それならあっちも車と勘違いするだろ!」
スカーレット「しないわよ何言ってんの! 全世界の乗用車に謝りなさい! もう……」
スズカ「……」
スカーレット「? スズカ? どうしたの黙り込んで。おーい」
-スズカ、答えずに頭の中で考える。
スズカ(ハンドルを握って、ヘルメットとゴーグルを着けて……)
スズカ(車両を率いて爆走する私……)
スズカ(……アリね)
スカーレット「いやナシよ!! どうしちゃったのよアンタまで!!」
ゴルシ「よーしわかった。そこまで言うならアレだ。みんなで着火したジャケット着て高速道路走るんだ! そうすりゃ何も怖くねーだろ!」
スカーレット「ゴー●トライ●ーじゃないのよアタシたちは!! ってか見た目の問題じゃないのよ!! そもそも最初から走れないって話よ!」
ゴルシ「お堅いなぁスカーレットは」
スズカ「お堅いわねスカーレットは」
ウオッカ「お堅いぜスカーレット」
スカーレット「なにこれ!? どうなってんの!? アタシの感覚がおかしいの!?」
-まぁまぁ、とゴルシ、スカーレットを宥める。
ゴルシ「わかってる。アタシはちゃんとわかってるぜスカーレット」
スカーレット「何もわかられてる気がしないし嫌な予感しかしないんだけど」
ゴルシ「お前も盛りたいんだろ!! そのための相応しい姿になるために!!」カシャッ
スカーレット「絶妙に何言ってるかわかんないわよ! って何勝手に撮ってんのよ!!」
-ゴルシが携帯電話をいじり始め、その周りにウオッカとスズカも集まる。スカーレット、一人だけ画面が見えない。
ゴルシ「ふむ……やはり顔がイイ……どんな服でも装飾でも似合いそうだな……!!」
スカーレット「え……ちょっと待って。なんかすっごく嫌な予感がするんだけど」
ウオッカ「つっても今回のテーマはハイウェイだからな。ちゃんとライダーらしい恰好させなくちゃな……」
スカーレット「恰好!? 今恰好って言った!? ちょっと!! 変な悪戯だけは止めなさいよ!!」
スズカ「ちょっと静かにして。集中できないわ」
スカーレット「そしてアタシが怒られんの!? さすがに理不尽過ぎない!?」
-スカーレット、介入は不可能と見て大人しく待つ。
ゴルシ「よし! 出来たぞ!」
ウオッカ「ふっ……我ながら完璧な出来だぜ……」
スズカ「これなら公道でも高速でも文句なしよ」
スカーレット「えぇ、もうわかったからさっさと見せてもらっていい? 正直すっごい怖いけど」
ゴルシ「なぁに、そんな怯えるこたぁねぇ! アタシらの腕、疑ってるわけじゃねぇだろ!?」
スカーレット「そうね。今これ以上ないくらい疑ってるわ」
-けらけらと笑う一同。スカーレットは仏頂面をしている。
ゴルシ「では発表いたしましょう! 第一回! ゴルシちゃんグランプリ・イン・ザ・スカーレットハイウェイ、優勝作品は……!」
スカーレット「もうツッコむのも疲れたわ」
ゴルシ「こちらになります!!」
-ゴルシ、自信満々に携帯電話をスカーレットに渡す。
ウオッカ「見ろよ、スカーレットのあの顔……あまりの出来に絶句してるぜ……」
ゴルシ「悪いな……アタシのセンスが迸り過ぎたぜ……」
スズカ「大丈夫よ二人とも……あれは心底に嬉しがってる時の顔だわ……」
スカーレット「……アンタたちねぇ……」
-スカーレット、わなわなと震える。
-三人、依然としてどや顔をしている。
スカーレット「駄目に決まってんでしょこんなのー!!」
-食堂に、スカーレットの怒号が響き渡る。
……その後。
スカーレットのいじりにいじられた加工画像が秘密裏に学園中に出回り。
一部でコアな人気を博したとか、博してないとか。