Mimic:模倣能力不定形型魔偽禍   作:千歳 瑠為

7 / 14
流石に今の投稿頻度にしては話のテンポが悪すぎるので


7.At the library

図書館に着いた。

ガラス張りの引き戸からは、いくつもの本が見え、その文字はやはり何と書かれているのか全く分からない。

今日中に、ある程度理解出来れば良いのだが。

私は扉を引くと図書館の中に入った。

 

中に入ってすぐに図書館の受付カウンターが目に入る。

司書の人と目があったので、ぺこりと頭を下げ、そのまま本棚の方へと進んだ。

 

図書館の中は、カウンターの近くに、本を読むための椅子やテーブルの並べられたスペースがあった。

二階はフロアの真ん中の辺りが楕円形に空いていて、落下防止のガラス製のフェンスに囲まれ、二階から一階を見下ろすことが出来る構造となっている。

さらに、一階の奥の方にある階段の壁の部分も本棚となっていて、そこにもぎっしりと本が収められていた。

 

まず、文字を理解するにあたって、私は比較的読みやすい本を探すことにした。

本棚は掲示によってそのジャンルが分かるようになっているのであろうが、私はまだ全く文字が分からないので、とりあえず片っ端から本を探していく。

一つの棚全体を見ては次の本棚へ、それを繰り返す。

 

しばらくそれを繰り返していると、あまり厚さの無い本達が並べられた本棚へと辿り着いた。

その中から一つを取り出すと、いかにも子供向けといった感じの優しい絵柄の絵が表紙に描かれていた。

その本を開くと、ページの大半が一つの絵によって埋められていて、文量は少なめになっている。

これなら理解もしやすそうだ。

そう思い、私は絵本を読み始めた。

 

 

 

 

この世界の絵本、及び童話は、精霊がよく登場する傾向があるようだ。

物語の節々でその種類は違えど、何らかの精霊が出てくるのだ。

この世界は精霊信仰のようなものが盛んなのだろうか。

 

それはさておき、いくつもの絵本を読み進めていく内に、段々と文字の意味が理解出来るようになってきた。

文字と発音の法則も今まで学んだ会話から大体分かった。

なので、今まで聞いた言葉、読んだ言葉は会話にも文を書く時にも使えるようになった。

 

後は、出来るだけ多くの言葉を知っていくだけだ。

そうすれば、言語関係で私が悩まされることもなくなる。

多くの言葉を知るとなると、辞書が適しているだろうか。

 

しかし、本のジャンルを示す掲示は未だに意味が分からないものも多く、片っ端から探すのも面倒だ。

たまたま絵本のコーナーを見つけた際には、特に何を読むか考えていなくて、ただ読みやすい本を、としか考えていなかったので、手当たり次第に探しただけだ。

だが、今は何を読みたいのかが決まっている。

 

受付カウンターに目を向ける。

そこには先程目があった司書の人がいた。

辞書の場所を聞くことにするべきか。

 

「すみません」

「はい、どうしましたか?」

 

私が声をかけると司書の人は少し屈んで私と視線を近づけ、微笑む。

優しい雰囲気の人だ。

 

「あの、色んな言葉の意味が載ってる本が読みたいんですけど、場所を教えてもらってもいいですか?」

「ああ、辞書のことですね、もちろんですよ」

 

辞書という言葉はまだ知らないので、遠回しに辞書を探しているということを伝える。

私の質問に対して、少しだけ意外そうな顔をしながら、司書の人は笑顔で答えた。

そして、司書の人はカウンターから出ると、目的の本棚へと私を連れて歩き出した。

 

「こちらですね、この辞書とかわかりやすくておすすめですよ」

「ありがとうございます」

 

辞書のある本棚へと到着した。

分厚い本がいくつも並べられている。

 

「いえいえ、ごゆっくり」

 

お礼の言葉を伝えると、司書の人は嬉しそうにして、ついでに、現在の身長では届かなそうな位置に配置されていた、おすすめだという辞書を手渡してくれた。

 

早速、私は椅子に座ると辞書を読み始めた。

 

 

 

 

パタン、と辞書を閉じる。

辞書を読み続け、私が読み終わった頃には、外はすっかり暗くなってしまっていた。

 

「読み終わったの?」

「はい」

 

私に辞書を渡してくれた司書の人は、何時間経っても黙々と辞書を読み続ける私に対して、途中から心配そうな表情をして、私の横の椅子に座り続けていた。

良い人ではあるのだが、それ故にこんな心配をさせてしまっていることが少し気まずく感じられた。

 

まぁしかし、辞書に出てくるような主要な言葉は全て理解した。

次からは、このように心配をかけるようなこともしない筈なので多分大丈夫だ。

 

今日は図書館を出ることにし、次来た時はこの世界について色々調べることにしよう。

 

「じゃあ、さようなら、色々ありがとうございました」

「いえ、ご利用ありがとうございました」

 

私は司書の人に頭を下げ、図書館を出た。

そのまま、図書館から少し離れた物陰へと移動する。

 

そして、指先から一滴、私の身体の一部を切り離す。

切り離した私の身体の一部は、地面に染み込み、魔力をその土と同質のものへと変化させ、他者からは分からなくなった。

 

これで、ここにある身体の一部から転移することが可能になった。

ただ、毎回同じ場所から現れると不自然なので、転移するごとにその場所は変えていくつもりだが。

やるべきことを終え、私はその場で身体をスズメへと変化させると飛び立つ。

 

さて、今日もかなりの進歩があった。

まず、この世界の言語をほぼ完全に理解したことだ。

今日で、そのある程度を理解出来ればいいと思っていたが、想像以上の結果となった。

 

さらに、私が図書館にいる間も飛ばしていたスズメ達による、模倣可能なものの大幅な増加だ。

新たな生物や金属類などの様々な素材、そして機械類の機構の模倣だ。

スマホなどの精密機器も模倣出来たのだが、まだインターネットには繋げられないので調べるのには使えないが。

 

これらの成果によって私の出来ることはさらに広がった。

そして、どうにかしてインターネットに繋げられれば、さらに便利になるだろう。

 

そんなことを考えながら、私はなんとなく、ある場所へと到着していた。

昨日の夜に居た、お姉さんに声をかけられた公園だ。

 

孤独を感じていた私は、心の何処かで期待しているのだろうか。

再び彼女に会うことで、少しでもそれを紛らわすことが出来ると。

しかし、それが正しいのかは自分自身ですらも分からなかった。

 

昨日と同じように夜空を仰ぐ。

夜空は変わらず星々が輝いていた。

しばらくそうしていると、再び私は声をかけられた。

 

「あれ、キミ、朝ぶりだね」




やっと言語習得
必要なルビが減って良かった、事故が減る

主人公以外の視点の有り無し、あるいは優先度について

  • 報告書風
  • ディステ(メイド服の魔法少女)
  • ルースト(お姉さん)
  • チョコミントヘアーちゃん(アヒルの時の)
  • そんなのよりも主人公視点で更新しろ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。