Mimic:模倣能力不定形型魔偽禍   作:千歳 瑠為

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忙しかったんです(言い訳)
投票のやり方を間違えた気がするなと思いつつ、報告書もどき+αです


EX.The report "Mimic"

不定形型魔偽禍 仮称「ミミック」

 

危険度 Cランク相当

高い学習能力を有する為、それ以上の強さに該当する可能性もある

今後、ランクをXに位置づけることも検討される。

 

能力「模倣」

流体の姿から水や鳥類、蟲、鱗を纏った人型などへの変化が確認されており、生物や物質を模倣する能力と思われる。

人間への擬態も可能と推定される為、今後、迅速な周辺の捜索が推奨される。

 

外見

何かに変化していることが多い為、特定の形は無い。

過去の例としては、液体から生物、鱗を纏った人型などがある。

色はその生物に合わせた色をしているが、戦闘時は虹色の光を放つ銀色であることが多い。

 

動向

○月◯日 12時25分頃

第一都市Z地区28番地より出現、ディステ・スターメンが対象を発見するも水路より逃走。

 

同日18時頃、同地区27番地より再び対象を確認。

スズメに擬態して飛行していた対象をアルバ・ナチュラが撃墜

ディステ・スターメン、アルバ・ナチュラが対象と接触、対象が言語を使用したが、それに応じることなくディステ・スターメンが対象を攻撃、交戦。

 

戦闘時、対象は直径50cm程のダンゴムシへと変化し、攻撃を防御。

アルバ・ナチュラが魔法で対象を貫くと、行動が変化し積極的な行動を開始。

崩壊した身体は複数のバッタへと変化。

ディステ・スターメンが追撃時に武器として利用していた瓦礫の塊に纏わりつき、ムカデやクモ、ナメクジへと変化。

それらによりディステ・スターメンが手放した瓦礫の塊にバッタとなった対象が殺到。

対象が腕の形を成し、瓦礫の塊をアルバ・ナチュラに投げつけるも破壊。

しかし、瓦礫の中より現れた大量のムカデによってアルバ・ナチュラが動揺、噛みつかれて意識を喪失。

その間、瓦礫を投げつけた腕が、全身が鱗で覆われた人型へと変化。

対象が残されたディステ・スターメンの攻撃を回避し、後ろに回り込み、後頭部を殴打。

行動不能となった所を、手に付いた牙で彼女の四肢を刺し、動きと意識を奪い、二名が敗北。

 

補足

交戦後、毒が体内に入れられたことを考慮し、検査した所、二人の体内から対象の魔力が確認された為、浄化が行われた。

二人の健康状態は良好、現在は経過観察中。

 

◯月✕日 10時15分頃

同地区21番地より出現した魔偽禍、仮称「ガーガーバード」*1が泡を吐き出した際に出現。

「ガーガーバード」の頭部をもぎ取る形で殺害。

霧のようになり姿を消した。

 

補足

「ガーガーバード」が泡を吐いた際、逃げていた少女がそれにより転倒。

しかし、対象の襲撃により結果的に無事生存。

転倒時の擦り傷のみの軽症であった。

「ガーガーバード」が消滅した後、対象が少女に視線を向けるが危害を加えることはなかった。

その後周囲の泡が消滅したが、これは対象の能力によるものか、ただの時間差によるものなのかは不明。

 

以降、対象の確認は出来ていない。

ミエル・アシュリーンによる対象の報告も確認されていない為、対象による犠牲者は今の所存在しないとされる。

 

 

 

 

 

 

───誰かの助けを呼ぶ声が、恐怖の悲鳴が、絶望に染まった表情が、肉が潰れ骨のひしゃげる音が、犠牲者達の血肉と絶望に歓喜の声を上げる獣の声が、私の脳内を埋め尽くす。

 

「はぁ···」

 

深くため息をつく。

これはいつものことで、もう慣れたことだ。

けれど、やはり気が滅入る。

 

これは私の過去の記憶ではない。

しかし、狂った妄想でもない。

これは未来、私だけが知りうる悲劇の未来だ。

 

私達魔法少女は魔偽禍から人々を守ることが使命。

しかし、何の予兆もなく現れる魔偽禍達には遅れを取ってしまう。

それによって間に合わず命を落とす人もいるだろう。

けれど、未来でその人の死ぬ間際の様々な情報は、私に未来予知という形で伝えられる。

 

私の役割は、その未来予知から魔偽禍の発生場所を伝え、そこへ派遣するべき魔法少女について意見を出すことだ。

意見を出すと言っても、最も未来について詳しく理解しているのは私自身なので、多少の変更はあれども、ほとんどそれがそのまま通る。

 

これが、私達魔法少女が魔偽禍による被害を今まで食い止められている秘密。

最高機密として扱われ、これを知る者は限られている。

 

しかし、未来を知り、魔法少女を派遣したとしても完璧に何もかもが上手く行く訳ではない。

未来予知から得られる情報は時間、場所、犠牲者、そして魔偽禍の視覚的情報。

つまり、正確な魔偽禍の能力は分からない。

なので、その魔偽禍の強さを見極めて派遣する魔法少女を選定する必要がある。

また、一度見た未来は、魔法少女の派遣を決定して未来が変えられた後であろうと二度と見ることが出来ない。

 

それらの要因により、魔偽禍が隠していた力に気づけず、犠牲者が出ることもあった。

家族を失う人々やそれにより心に傷を負った魔法少女も居た。

 

けれど、それを防ぐ為に一部の強力な力を持つ魔法少女だけを派遣すれば良い訳でもないのだ。

魔偽禍は世界中で1日に何体もの発生が確認されている。

彼女らでは捌き切ることは不可能。

出来たとしてもいつか過労で倒れてしまう。

 

「···アルバ」

 

彼女は魔偽禍から人々を守りきれず、心に傷を残した者の一人だ。

決して彼女が悪い訳ではなかった。

私が新人の中で優秀だった彼女の力を過信し、魔偽禍の強さを見誤ったせいだった。

しかし、その結果彼女は自分は人々を守るのには相応しくないと思うようになった。

そして、今では彼女は無気力となり、努力をしなくなった。

 

それにより、彼女は件の魔偽禍に敗れた。

命に別状はないと聞いてはいる。

直接的な面識は無く、私が一方的に彼女を知っているだけなのだが、彼女のことは今でも気がかりだった。

 

あの魔偽禍はまだ私の未来予知には現れていない。

つまり、少なくとも今の所は人間を殺そうと行動したことはないのだ。

しかし、他の魔偽禍を瞬殺している為、高い戦闘能力を保持していることには変わりない。

なので、殺そうと思えば人間などいくらでも殺せる筈で、単純に弱いから人を殺さないという訳ではないのだ。

この魔偽禍は何を思ってそのような異常な行動をとっているのだろうか。

 

「···それよりも、さっきのを伝えておかないと」

 

私はそんな思考を断ち切ると、スマホを起動し、未来予知の魔偽禍の報告や派遣する魔法少女の選定を始めた。

 

『ミエル、無理しないでね』

「いつものことだよ、無理なんてしてない」

 

そんな私に契約精霊のバンシーが心配そうに声をかけた。

若干寝不足気味な気もするが、私は元気だ。

···少し心が疲れているだけで。

けれど、1日に何度もあのようなものを見ているのだから仕方がないとしか言いようがない。

それでも、私はこの仕事をもう何年も続けてきた、だから大丈夫だ。

 

『でも、ちゃんと休んでね』

「うん」

 

彼女の気遣いに小さく返答をし、私は作業を続ける。

 

いつか、彼女は過去の傷を乗り越えるだろうか。

だが、私は信じたい。

心に傷を残したあの事の後も、彼女は魔法少女としての活動を続けてきているのだ。

今もきっと、彼女の心の奥底では情熱の炎が静かに燃えているのだと。

*1
この魔偽禍については別の報告書を参照




人を殺そうとすると寧ろ死ぬことになるという罠
それとアルバさんが普通に戦うと主人公が負けるので、精神面でのナーフの言い訳、実力不足でごめんなさい

ルーストさん視点はいつかやります
ディステさん視点は多分やるかもしれません
チョコミントヘアーちゃん(名称未定)は今後出ない可能性が高いですね、多分
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