ヘリオポリスコロニー
ピピ!ピピ!ピピ!
『ハロハロ、仕事!仕事!』『オキロ!オキロ!』
輸送船ガランシェール操舵室内…この静寂な宇宙に一隻の宇宙船。ブリッジで一人雑誌を顔に被せて寝ていたが、途中ハロによって渋々起こされてしまった。大きなあくびをしながら二度寝したい衝動を抑え小うるさいハロの方に目を向けた。
「ふぁ〜ぁ、んだよもう到着か?…」
すると通信機が鳴り始めその通信を繋げると、聞き覚えのある男の声──。
『こちら、ヘリオポリス管制室。そちらの名と艦船名を述べられたし。繰り返す、こちら…』
「あー…こちら輸送船ガランシェール。船長『レッドフード』だ。入港許可してくれ」
『……確認しました。いつもご苦労様ですレッドフード。入港許可します』
「おう!ありがとな。今日もご苦労さーん」
少し笑いながら通信を終え、ハロ達に船を入港させるために指示を出した後、彼女は静かにため息をついた。
「C.E.71年1月25日………ようやく…原作の始まりだな…」
そう…ここは、いやこの世界は皆が知るあのロボットアニメ
機動戦士ガンダムSEED
………その世界なのだから………
ヘリオポリス宇宙港に輸送船ガランシェールを停泊させたのち、いつも通り輸送した物資を船から下ろし受け取りの確認をしていた。この世界に来てどれ程の月日が経ったのだろうか…手慣れたこの輸送屋の仕事にもだいぶ愛着が沸く程度か、タブレットを操作し、何時も通りにここの受取人からサインをもらっていた。
「はいよ、今日の荷物はこれで終わりだ。いつもの受け取りの確認してくれや」
「わかりました。えぇっと…はい!確かに確認しました。いつもありがとうございます!」
「おう!そっちもいつもご苦労さんだな。さて、今日もこれで仕事終わりだし、久しぶりにアイツらんとこにでも行くか」
「なんです~?また男漁りですか?」
「ばっか、ちっげーよ!またってなんだまたって!ンなわけねーだろが。それよりもおめぇこそいい加減大好きなシータちゃんにでも告ってこいや!」
「ちょっ!?それ言わないでくださいよ~!!」
「あっはははは」
既に顔馴染みになるくらいの仲となるのか。そんな雑談をしながら港から離れ、ゲートを通りコロニーの町へと歩いていった。
「さ・て・と…さっそくキラ達んとこでも顔出しに行くとしますか。あんま悠長なこといってらんねぇし」
そして俺は懐から通信機を取り出し船に通信を繋げた。
「ハロ聞こえているか?『ハロハロ!』念のためガランシェールを何時でも緊急出港できるようにしといてくれ。それと俺の機体の方も頼むぜ?』
『ガッテンデイガッテンデイ!』『ハッキングハッキング!』
「くれぐれも頼むぜ。俺はちと野暮用を済ませてっくからよ」
『リョウカイ、リョウカイ!』
相変わらず頼りになる奴らだなぁ!
「んじゃまず車を拾いに行きますか…確かこの時間だと教授んとこに行っているはずだが…ん?ありゃぁフレイ・アルスターじゃねえか?そんであちらさんは、っと…おっ!」
通り過ぎた車を見た後、乗り場の方へ目を向けると目の前の三人組を見つけ、ハッと気付き声を上げて呼んだ。
「おーい!キラ!ミリー!トール!久しぶりだなー元気してたかー!」
「ん?あれって…あっ!!フーさん!!久しぶり~!!」
「よっ!ミリー元気元気~。相変わらずおまえさんはかわいいな~このこの~!」
「えへへ///」
「よっ!トールも見ねぇ内にちぃとばかし男前になったんじゃ……すまん気のせいだった」
ガクッ!
「そんなひどいですよ!!フーさ~ん!!」
「なっはっはっ。ごめん、ごめんて(笑)」
そして最後にキラの方を見て静かに頭を優しく撫でる。他の人から見れば姉が弟の頭を撫でているその光景に皆はくすりと笑みをこぼし、それに気付き恥ずかしそうに頬を赤く染めていた。
「よっキラ……お前さんも元気してたか?」
「もうっ…子供じゃないんですから、会うたびに頭なでるのはちょっと///」
「あ~!キラってば顔真っ赤にして可愛いんだ~」
「ホントだ。顔真っ赤になってら!」
「なっはっはっは!」
「もうっそんなんじゃないんだってば///!!」
皆にからかわれ照れ臭そうに怒るキラ。そんなコイツらが戯れる光景はいつみても見ていて飽きない。ここ最近仕事のせいで会いに来れなかったから余計に…。
「そういやお前ら、今から教授のとこに行くのか?」
「そうなんですよ!カトウ教授ったら、また研究の手伝い押し付けてきて…もう大変なんですよ!」
「今から私たち教授の所にいくんです。」
「おっ?そうなのか。そりゃちょうどいいや。なら一緒に行こうぜ?おれもそっちにちと用があっからよ。」
「やった!!みんなも喜びますよ!じゃ早速行きましょうよキラ、トール!」
「はいはい。わかったから落ち着けって」
ちょうどいいときに合流できたな……俺を含めて4人で車に乗り、研究所まで車を走らせた。しばらくするとトールが口を開きキラに話し始める。
「そういやさっきの話どうなんだよ。お前が聞けないってなら俺が聞いてや・る・よ」
「しつこいよ!トール!」
「なんだなんだぁ?恋バナかキラさんよ!俺にも聞かせてくれやトール。」
「そうなんですよフーさん、実はキラてb「トーーーー-ルゥ!!」」
「「HAHAHAHAHA」」
俺とミリアリアはおかしくて大笑いし、そうしていた内にゲートをくぐり抜け建物へと入っていったのであった。そして一同は車を降り、大学の研究所が借りている建物の中に入ると、そこには荷物が廊下に積まれており少し狭い廊下を歩きながら俺達は部屋の前に来て扉を開けた。するとそこに二人の学生が世間話をしながら作業していたのだ。
「うーす」
トールが挨拶して入っていくと、二人の男子学生が手を止め視線を向けると待ちかねたように笑みを見せ立ち上がる。
「あっ、キラやっと来たか……ってレッドフードさん!?お久しぶりです。いつこっちに?」
「よぅ色男、久しぶりだなー。元気そうで何よりだ!今日着いたばっかでな、キラ達とはついさっき会ったばっかなんだ。」
「わ~♪フーさんだ!ヤッホー」
「よ!カズイヤッホ~!おめぇは相変わらず変わんねえな!」
「いやーそれほどでもないかな~」
「んだよそりゃ!なっはははは」
するとカズイも気が付きレッドフードが二人と話していると、キラは室内に違う人の気配を感じ隣に目を向ける。そこには知らない人が壁にもたれ、いかにも怪しい雰囲気を漂わせており、こちらを見ていたトールはカズイに小声で聞きに行った。
「誰?」
「あー教授のお客さん。ここで待ってろって言われたんだと」
「ふ~ん」
「それで教授は?」
「これ教授から預かってる、追加とかって」
そういってキラに渡すとキラがとても嫌そうにして受け取っていた。よっぽど面倒臭いのか顔にでる程だったらしく断ろうにも彼の立場からではそれも言い出す事は出来ないだろう。
「何なんだ?どうせモルゲンレーテの仕事の方だけ…」
「興味ないよ…フレーム設定モジュールの改良、とにかくプログラムの解析さ」
すると重苦しい空気となる事を瞬時に察したトールは、何かを思い出し即座に暗い顔しているであろうキラの首に腕を回した。
「そんな事より…手紙の事聞けぃ!」
「ちょっちょっちょい!トールくるじい!」
サイはそれを聞き首をかしげ、ミリアリア達もその話題を思い出した事で先程までの重い空気は消え、いつも明るい雰囲気へと変えていった。だが一方で教授の客人はキラたちの話を聞くに耐えなかったのか呆れていると、奥の扉に目を向けその扉まで足を運び扉の前まできて取っ手に手を伸ばし開けようとするが──やはり鍵が掛けられており中に入る事は出来ず静かに溜め息を吐いていた。
「ははっ♪おい。お前r『PPPP』!!?」
レッドフードが話しかけた瞬間、緊急アラームが鳴り始めキラ達は何事かと視線を向け聞いてきた。
「どうしたんですか?レッドフーd「しっ!静かにしろ!」!?」
彼女は一括し皆が押し黙る。普段の彼女を知るキラ達から想像できない顔つきだったらしく、それを見た一同は瞬時に何かあったのだと察した。
『ザーーーザザ、キンーザーーケイホーザー』
「ハロ!ハロ!おいっ!……こりゃまずいな」
強力なジャミングが発生し、通信が途切れ途切れとなっており、より一層緊張が走る。その一方──コロニー外付近では静かに迫る一隻の戦艦が近付きつつあった。
「………時間だな」
「抜錨!ヴェサリウス発進する!」
仮面の男が言うと…それを合図にそれは動き出す。それはザフトが保有するナスカ級高速戦闘艦・ヴェサリウスが発進しコロニーの方へと動き出すのであった。