出港してから約二日目。アークエンジェルは第8艦隊と合流するべく向かっていると、レーダーに反応があり識別を確認すると……それは味方の識別反応だったのだ。通信を繋げ──ブリッジでは第8艦隊先遣隊と話していた。
「──本艦隊のランデブーポイントへの到達時間は予定どおり、合流後アークエンジェルは本艦隊の指揮下に入り本隊との合流地点へ向かう…あと僅かだ無事に到達を祈る!」
そう相手の艦長が言うと隣りに居たスーツの男が話始める。
「大西洋事務次官ジョージ·アルスターだ、まずは民間人の救助に尽力してくれた事に礼を言う、あ〜それとその〜…救助した民間人名簿の中に我が娘、フレイ·アルスターの名があったことに驚き喜んでいる出来れば顔を見せてくれると有り難いのだが?」
するとブリッジにいたマリュー達はその事に驚きながらも隣りに居た軍人がフレイの父と話し始めた。
「事務次官殿?合流すればすぐに会えます!」
そうしてブリッジで話をしていた。艦内は早く合流出来ないかと待ち遠しく思っていたが…しかしレッドフードだけは違っていた。
「(そう都合よくはいかないんだよな〜)」
そして合流しようとした矢先…先遣隊ととアークエンジェルに警報が鳴り響く!、ザフト艦ヴェサリウスからMSが出撃した。その中にはジン3機とイージスがレーダーに映し出されておりアークエンジェルは先遣隊と合流し戦闘に入った。
キラ達は出撃するため格納庫へと向かう途中フレイが呼び止めた。
「キラ!戦闘配備ってどうゆうこと?先遣隊は!?」
「フレイ?分からない、僕にはまだ何も…」
「大丈夫よね…パパの船、やられたりしないわよね?…」
するとフレイは深刻そうな顔をし始めるも、後からレッドフードが来てフレイの頭をそっと撫でながら落ち着かせた。
「フレイ。大丈夫だって、こっからはオレやキラ達が行くからさ、な!キラ?」
するとキラはレッドフードに合わせる。
「そうだよ大丈夫だからフレイ…僕達も行くから!」
そう言ってその場を後にし格納庫に走って行った。そんな背中を見送りながらフレイは唯々父の安否を祈るばかりだった。
「さ〜て間に合うかどうかは時間との勝負だな…頼んだぜ
そう…レッドフードはこうなることを知っていた、故にラクスにある頼み事をしていた。
まだ先遣隊と合流する前──
『すまねぇラクス、ちょっち良いか?』
そこでは他の子供と一緒にギ●・ギン●ナムごっこをしていたラクスを呼ぶと。
『あらっ!レッドフード貴女もどうですか?一緒に』
『いやっやんねぇよ!?其れよりもちっと頼みがあって来たんだよっ!悪いがコイツ借りてくぞ?』
するとフレイ達はわかったと頷き、ヒルダとラクスを連れて行く。誰もいない部屋に移動した後、オレは改めて二人に頭を下げてあることを頼んでいた。
『それでどういった頼み事でしょうか?』
『あぁ。実はな頼み事っていうのは先遣隊と合流した際、間違いなくザフトと戦闘になる可能性が高い…そこでその戦闘を止めるためにお前さんの力を借りたいんだ』
オレが言うとラクスとヒルダはソレを静かに聞く。最初こそ驚きはしたもののラクスは静かに笑い、ヒルダはそんなお嬢様を見て察したのか少し溜め息をついていた。
『…分りましたわ、わたくしに出来ることであればお力をお貸しいたします』
『ありがとなラクス!』
『それでどういった事をすれば宜しいのでしょうか?』
『まずは戦闘が始まったらブリッジに行って──』
「──急ぎますわよヒルダ」
「はッ!このヒルダ・ハーケン、この命に変えてもラクス様をお守り致します!!」
「まぁ!ふふッ期待しておりますわ♪」
そしてラクスとヒルダはレッドフードの指示でブリッジへと向かっていたのであった。彼女の行動が正にこの戦闘を止めるための要。──それを信じオレ達は発進準備をしていた。
「おっしっ!いつでも行けるな!」
『はいっ!』
『そんじゃま、お先にお二人さん!』
そう言ってムウのメビウスゼロが発進位置へと移動し。
『ムウ·ラ·フラガッ!メビウスゼロ出撃する!!』
そして次にストライクが発進位置に付く。
『キラ・ヤマト!ストライクッ行きます!!』
最後にレッドフードもそれに続く。
「それじゃオレも行きますか…レッドフード!アストレイ ミラージュフレーム行くぜっ!!」
レッドフードとその機体ミラージュフレームサードイシューが出撃し、先遣隊とザフトのMSの戦闘が行われている中、先遣隊はメビウスを出撃させてこれを迎撃に出たが、ザフトのMSには手も足も出ず次々と撃墜されていった。キラ達は一刻も早くそれを止めるべく応戦していく。
その頃アークエンジェルのブリッジでは戦況の不利に焦りだしていた。
「このままでは先遣隊は全滅するわっ!」
マリュー達がそう言っていた時だった。突如ブリッジに二人の……ラクスとヒルダが強引に入ってきたのだ。
「お忙しい中失礼しますマリュー艦長?」
「なっ!?何故貴女達が!!」
その入ってきた少女はラクスだった。ナタル達もマリューの声に気付きラクスの方へと目を向けた。
「何をしているっ!?今は戦闘中だ!!」
「そんなことは百も承知だよッ!!少し黙ってな!!!」
「ッ……何だと貴様──」
「二人とも落ち着いてくださいまし……私に策が御座います」
『!!?』
ブリッジにいたクルーはラクスの言葉に驚く中彼女は笑みを向けて話を続けた。
「艦長?お願いがあります」
「おっ…お願いって一体?…」
するとラクスは──。
「はいっ♪それは…」
ストライクはイージスと戦闘中、メビウスゼロとアストレイでジンを一機…また一機と無力化していきながらフレイの父親が乗っている艦を守っていた。──すると全周波放送が入った。
『わたくしはラクス・クライン、プラント最高評議会議長シーゲル·クラインの娘…直ちにザフト並びに連合軍との戦闘行為を中止してください。繰り返します、直ちに全ての戦闘行為を中止してください』
『なっ!この声はラクス様!!?』
するとザフトはそれの放送を聞いたザフトは戦闘を止めていき先遣隊も戦闘行為を停止していった。レッドフード達もそれを聞きいており安堵の溜め息をついた。
「うへ〜…間に合ったか。だがコッチの艦は余り良くないな、取り敢えず退艦させなきゃやべぇ…此方アークエンジェル所属レッドフード!直ちに総員退艦しアークエンジェルへ向かわれたし。繰り返す──」
するとノイズが入りながらも通信越しで兵士たちの声が聞こえてきた。
『──感謝する!これより退艦した
すると次々と救命艇で脱出しアークエンジェルへと向かった。オレ達はその護衛をしていきながら生存者の救出をしていき戦闘は…呆気なくも幕を下ろすのだった。
「(は〜…何とかフレイパパの生存ができたから良かったが、結局先遣隊は壊滅とはな…)」
レッドフードの目の前にはほぼ全滅と言ってもおかしくない状況だったからだ。そしてアークエンジェルへ戻ったレッドフード達は……。
「キラっ!………大丈夫だったか?」
「あ……レッドフードさん、すみません僕…あのイージスとの戦闘に集中し過ぎて」
「いいって!むしろ良く足止めしてくれたよ!あんがとな」
すると向こうからフレイの声が聞こえ、オレ等は声の方へ視線を向けると兵士の中にスーツを着た男性が佇んでいた。
「パパ…パパ〜!!」
「フレイ!!心配かけた…フレイ……あぁフレイ!……無事で良かった!!」
フレイ達は泣きながら抱き合い再開を果たした…。
「良かったな…フレイちゃん」
「はいっ…っ!そう言えばラクスとヒルダさんは!?」
キラはラクスの事を思い出しブリッジへと走って行った、するとフレイ達はレッドフードに気づき走ってきたかと思えば抱きついて来た。
「ありがとうっ!…パパを助けてくれて、ありがとう!ぐすっ…」
そして隣にいたフレイの父親は涙を流しながらレッドフードの手を取り何度も握手をしてきた。
「ありがとう娘を守ってくれて感謝する。お陰で娘と再開を果たすことができた」
嬉しいのは良いのだが…
取り敢えずその鼻水どうにかしてください…
ブリッジではマリュー達はラクスの今後の話をしていた。此方にラクスがいる以上ザフトは無闇に攻撃が出来ない状態。だがしかし、これ以上彼女をここに置いておくことも出来ない以上──
「今回貴女のお陰で何とか全滅は免れたけれどもその後はどうする気なの?」
「無論、わたくしはザフトへ戻ります…そうすれば彼らもこれ以上戦闘はしないはずですし、わたくしがさせませんわ」
「ラクスッ!大丈夫だったかい!?」
ブリッジにいると聞いたキラはラクスのことを心配し、急いで来たのか息を切らしていた。そしてレッドフードやムウもブリッジに入ってきた。
「キラっ!大丈夫ですわ…ご心配お掛けしました」
「いや〜何とか全滅は免れたな」
「流石だなラクス。助かったよ」
「ですがもう少し早ければ…」
ラクスは少し落ち込んでいた。それは戦闘で負傷したであろう双方の兵士達の事だった。
「ラクスのお陰で助かったんだ、ありがとう」
「キラっ…お役に立てて良かったですわ!」
そしてヴェサリウスでは…ジンに乗っていたパイロットやアスラン達がブリッジに集まっていた。
「クソッ後もう少しの所でっ!!」
「あの機体は新型でしょうか?データベース照合もにも存在しないとなると…《G》以外の新型でしょうね」
するとクルーゼはその機体の肩のエンブレムを見ると…。
「このエンブレム…間違いない。やはりあの人の……
『!?』
「あぁ、間違いないお前達も知っているだろう、機体を変えたとはいえアレの実力は今も未知数だ、正面切って戦った所で蹂躙されるのはコチラだ…そして何よりあちらには今ラクス・クラインがいる、コレがどうゆう意味か分かるか?」
それを聞いたザフト兵士達は今現在為す術もないと落ち込んでいた時だった。
「足つきから通信ですっ!」
『!!』
クルーゼは透かさず通信機を付ける。
「繋げろっ!」
「ハッ!」
『コチラはアークエンジェル所属ストライク!ラクス・クラインを同行引き渡す!但しナスカ級は艦を停止、イージスのパイロットが単独で来ることが条件だっ!』
「コレは一体…」
「……ふむ………」
アークエンジェルでは格納庫でラクスを連れてザフトへと引き渡すためにシャトルに乗る前だった、そこにはアークエンジェルのクルーは勿論ベアッガイ達にヘリオポリスの避難民達が集まっていた。
「皆さん今まで黙っていて申し訳ありませんでした…」
「そんなっ!私達は気にしてないよ?」
「そうそう!と言うかとっくに皆気づいてたし!」
『まぁねっ』
「あらっ?」
そう実は結構前から皆さんラクスがザフトの人間だと薄々勘づいており気付かぬふりをしていた…。
「まぁそうだろなぁ…」
「え!?知らなかったの私だけ!!?」
「お前なぁ…」
フレイを除いてはだが…。
「私、コーディネイターに対して偏見あったけど…貴女と会えて良かったわ…ありがとう」
「フレイさん…わたくしも貴女に会えてとても良い時間でしたわ」
するとラクスはフレイに抱きつき彼女も最初は戸惑いながらも抱き返していた。だがしかし時間は長くは続かない。
『ラクス様、そろそろお時間が……』
基地から持ってきていたジン・ハイマニューバをヒルダが操縦し準備もできた、後はラクスを連れて行くだけ──ラクスは他の人達との別れを言いながらシャトルへと歩いて行く。
「それでは皆さんっ!またいつか会いましょうっ!」
レッドフードは機体に乗ったキラに通信を入れる。
「キラ!お姫様を頼んたぜっ?」
『はいッ!それでは行ってきますっ!』
キラ達はザフトのナスカ級の許へ向かっていった。