突如 黒いスカイグラスパー部隊に襲われたカガリ、そして輸送機から脱出したアスラン、彼らは脱出したは良いが近くの島に降り立ち出会う。
「ちょちょちょちょちょっ!!!…聞いて!!?話聞いて!!!?お願いだから!!先ずは…ほら話し合おう!!なっ!!?
「ふぅ…ふぅ……何だよ話しって」
良かった……話しは通じそうな奴のようだ。しかしコイツは何なんだ?あんなバカみたいな射撃速度といい……。
「おいっ!!……それで話ってなんだ!!まさか命乞いでもする気か!?」
「……俺は…君と戦う気は無い、今この状況で争っている時では無いだろ?今は一時休戦しないか?」
「………………フッ」
それを聞いたカガリはゆっくりと銃を下ろし、アスランを見て少しの笑顔を見せる。それを見たアスランは少し安心したのか…。
「(なんだ、案外分かってくれそうだな)感謝する、分かってくr」
「問答無用ぉぉぉぉぉ!!!!」
「なぁぁぁんでぇぇぇぇ!!?」
まさに油断を突いたカガリの策略、アスランも油断した己に強く叱責しながら、それでもアスランはカガリを説得試みる。だが何を寝言を言っていると言われ、結局は何度も銃撃戦を繰り広げた。
──それから約1時間後……
「た……頼むから!な!?こんな事しても時間の無駄だ……はぁ…はぁ…それに…ほらあれだ!腹も空いたろ!!?《種割れ中》」
俺はいったい何を言っているんだ……コイツまったく聞く耳を持たない奴だったとは!やはり……殺さないといけな…
「む……言われてみれば…」
「!!」
その瞬間…偶然にもそれに活路を開き、アスランはつかさず更に説得を試みる。
「俺たちが敵対しているのは理解している!…だが今だけで良い!救助が来るまで協力しないか?(頼む…分かったと言ってくれぇぇぇ!!!)」
アスランは諦めずカガリに対し、今は一時休戦をしないかと必死に提案すると、カガリは暫く考え…そして。
「……はぁ、しかたない……か、今だけだぞ!!」
アスランは心の中で、それはもう高らかなガッツポーズを決めながら今後のことを相談したのだった。
……………………
……………
………
「そう言えばまだ名乗ってなかったな、俺はアスラン……君は?」
「カガリだ……ん?アスラン?ん〜〜、どっかで聞いたような」
「どうした?」
するとカガリはアスランに近づき、まじまじと顔を見てきた。そう言えば…ラクス以外に女性とこんなに話したのは始めてだな……いやさっきから近すぎるだろ!。
「もしかしてお前、キラと知り合いだったりしないか?」
「っ!!!?キラを知っているのか!!」
「あ?あぁ、一緒の艦に乗っているからな」
……そう言えばよくよく考えてみると当然な事か、このベアッガイと一緒にいる時点で答えは分かっていた。
「(ならレッドフードも一緒か)…アイツ…キラは元気にしてるか?」
「当然だ、私と一緒に毎日死ぬ程しごかれてるからな!」
「そ…そうか、それを聞いて安心した…のか?それよりもあの黒い奴らは何者だ?お前の仲間じゃないのは分かるが」
「当たり前だ!!!あいつら…いきなり襲ってきやがって!!!」
「と言いつつ、全部撃墜してたよな?無双してたよな?」
「はっ!あんなのシュミレーションの敵よりも断然弱かったわ!!……最後は油断したけど///」
ま…どちらにしろコイツと…カガリと殺し合いにならないのは良かった、だが……奴ら何者だ?此方の位置が分かっていたように待ち伏せていた。いや……もう問題は無いか?コイツが撃墜したし…。
「それよりもソイツ返してくれ!」
「え?…あぁすまない」
「うむっ!大丈夫だったか?すまない怖がらせたな」
「チィー!」
アスランは抱えていたベアッガイをカガリに返し、その後は互い出来ることを見つけ行動した。アスランは救難を出すため海にビーコンを射出、その後機体を隠し…カガリには食料調達を頼んだのだが……
「おいアスラン!アスラン!見ろこれ!!」
アスランの作業がちょうど終わりかけた頃に、食料調達で海に出ていたカガリとベアッガイが魚を持って走ってきたのだが……下着姿だった為か直ぐ様アスランは顔をそらした。
「ちょっ///そんな格好で来るな!………なにコレ?」
「知らん!!ベアッガイが潜って獲ってきたんだ!!どうだ〜?おっさん顔の魚だ、気持ち悪いだろ!!」
ビチビチビチビチビチ!!!
「返してこい」
「え〜〜〜〜〜……」
「え〜〜…じゃない!もっと他のチョイスはないのか!!?俺はコロニー生まれなんだぞ!?もっとこう……そう!樹の実とか」
「でも少ないぞ?海があるんだから食料なら魚だろ?」
「(ド正論!!)そ…そうだが、せめて見た目!!もっと普通の魚で頼む!!流石にこれは食欲を無くしてしまう」
「む?偏見はよくないぞ?」
「君に言われたくない!!じゃあ聞くがカガリは食べれるのか?」
「気持ち悪いから無理だな!!」
「偏見!!なら持ってくるな!?ゴー!!リリ〜ス!!」
「ちぇ〜、行くぞベアッガイ!!」
「チ〜!」
まったく……これで3度目だぞ!!何度ツッコませれば気が済むんだ、見た目がグロいものばかりか、おっさん顔の魚なんて初めて見たぞ……何よりあんな格好で走ってくるなよ///
「おーいアスラーン!!魚焼くから早く来いよ!」
「今行くよ!それよか、いい加減何か羽織ってくれ///」
「んぁ?お前はさっきから何を言っている?」
「何って、だから下着姿で///」
「………なっ!!?///ば…バカ野郎!!これは水着だぁぁぁ!!!///」
「へ?あぁ!すまn…ぶごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」
アスランがその先を言おうとした瞬間、赤面したカガリによる全力の平手をくらい、その瞬間…アスランは幼少の頃の母との記憶が突如よみがえる。
『アスラン』
『なに?お母さん!』
『貴方は将来、もしかしたらラクスちゃんが婚約者になるかもしれないから、絶対に女の子にしちゃいけないことを教えるわね』
『絶対にしちゃいけない?』
『そうよ、パトリックもそれをやってものすっっっ〜ごく!痛い目にあったの……だからね?アスランはそうならないように』
『はいお母さん!』
『ふふっいい子ね、それは……』
…………………
…………
……
ピイィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙
やかんの沸騰した音が響き渡目が冷めたアスラン。
「…ん……あ…ここは?」
洞窟?……そうだ、確か俺は…カガリと一緒に魚を食べてて…叩かれた頬を擦りながら起き上がると、外は既に暗くなっていた。
「焚き火…カガリは?」
何処に行った?そう考えながら取り敢えず沸騰したやかんをどかし、外に行こうと立ち上がると入口から人の気配がした為、直ぐに警戒しナイフをゆっくりと取り出す、すると現れたのはベアッガイを抱え、髪を結んでいたカガリの姿だった。アスランはそれを見て内心安心し、直ぐにナイフをしまった。
「ん?…アスラン、気がついたか!」
「カガリ、すまない…まさか気を失っていたとは」
「あ〜…こっちもすまん、私もつい強く叩きすぎた、まさかこんな暗くなるまで起きないとは…まだ痛いか?」
「この程度大したことはないさ、それよりも……水を汲んでいたのか?」
「ああ、ちょうど煮沸してたところだ」
「手慣れているな、コレもあの人に教わったのか?」
「まさか、これは前の仲間たちに教わったんだよ。そう言えば荷物にレトルトのコーヒーがあったがアスランも飲むか?」
カガリはそう言いながら荷物から袋を出し、コーヒーを淹れていた。
「貰うよ…ゴクッ…!美味いなこれ」
「だろ?エデンで買ったやつでな、私の密かなお気に入りだ。」
カガリと俺は暫く静かに飲んでいた、最初にあった時は………うん、まぁ…アレだ、かな〜り酷かったが……いざ話してみると。
「アスランは…」
「?」
「アスランは…良い奴だな」
「なんだいきなり、随分しおらしいな?」
「うっさい黙って聞け」
アスランはカガリが真剣な顔つきになっていたのを見て何となく察していた。
「お前に会う前、イザークとディアッカの二人に会って話をした。お前たちが何故…戦うのか、お前は戦争が嫌いなんだろう?お前、何度私が襲って来ても最後まで説得して私を止めようとしたから」
「当然だ、戦争が好きな奴はZAFTには居ない、いてたまるもんか…」
核を撃ち込まれ、一度は阻止されたものの、次また阻止できるかわからない。もしもあの時、核が打ち込まれていたなら母さんは死に、父さんもきっと人が変わっていた……俺も他のあいつらも好きで軍人なんてなりたくなかったさ、だが大切な人を守るために……反対を押し切ってまでZAFTに入ったんだ。
「お前たちがNジャマーを落としたせいで地球をめちゃくちゃにされて、国の電力などが駄目になって……そのせいで施設も止まって治療出来ず、多くの人が死んだ。それを聞いて私はお前たちが血も涙もない奴らだ!……そう思い国を出てゲリラに参加した。」
「……………」
「ヘリオポリスでお前たちがあの機体を強奪して、コロニーを破壊したのは……許せない。だけどレッドフードにそれを話したら奴はこう言ったんだ……」
それは北アフリカ砂漠を離れ、カガリはキラたちと共にひたすら訓練に明け暮れていた時だった、甲板で休んでいたカガリとレッドフードは時間潰しにコロニーを破壊したZAFTの事を話し、カガリはレッドフードに怒りをぶつける様に話した。
『あぁ?ZAFTが人の心が無い?……ぷっ…はははははっ!』
『何が可笑しい!!私は真剣にっ!』
『はぁ〜、いやぁごめんごめん……あのなぁカガリ、ちっと例え話をしようか。もしもお前の住んでいる故郷の近くで、自分たちを殺す為の兵器を作っていたら……お前はどうするんだよ』
『決まっている!!逃げるかそれを止めたり、破壊する……ぁ』
『なあ?お前だってそうするだろ?コロニーに住んでる奴らはさ、コーディネーターだけど、人間なんだよ……オレらと同じ人間なんだ。家族を守る為にあいつらは必死でさ、また地球の奴らが核を撃ってくるんじゃないかって……皆怖いんだ、家族を失うのがさ』
『…怖い?』
『そうさ、コロニーを破壊したのだって故意にやった訳じゃない、あいつらも想像してなかった事態だった。許せとは言わない……といっても中立と言っておきながらモビルスーツを作っちまったそっちも悪いなぁ〜』
『それは!……そうだが』
『なぁカガリ……お前は何のために戦ってるんだ?』
レッドフードの話にカガリはその後も自分は何のために銃を取ったのか 今一度考えていた。なぜあいつらは
「私はそうしてお前たちを血も涙もない奴らだと……勝手に決めつけていた。現にアスランは昼間私が襲っても決して殺そうとしなかった」
「俺がお前を油断させて、騙して殺そうとしているって言ったら?」
「……それは嘘だな」
「なぜそう思う?俺はコーディネーターだ、お前たちとは違うし、敵を油断させる方法なんていくらでも教わっている」
「だってお前、本当は私を殺そうと思えば何時でもできたし、私がいなくても生き残れだろう?」
こいつマジで言ってんのか!!?こっちはガチで死にかけたわ!!てかほぼ崖に近いあんな斜面を走りながら正確に頭を狙い撃ちしてくる奴なんて俺初めてだわ!!!……そうツッコもうとしたが既の所で強く思い留まり、平常心を保ち続けた。
「……なんだ?」
「私を見るお前の目はその…アレだ…優しかった///」
「ばっ!///正気かお前!?だから油断させるためだって!」
「私はいろんな奴を見てきた、人を見る目には多少自信がある。お前は…優しい奴だ、だがお前はまた…戦場に行けば沢山の地球軍を殺すんだろ?」
「…………そうだな、少なくともお前とは戦いたくないな」
アスランはそんな返事をし、暫く沈黙が続く。
「はぁ……もう止そうこんな話、明日は早いからお前はもう寝ていろ……ほら」
「あっ……あぁ」
アスランはそう言ってブランケットをカガリに渡し、そして彼女は何も言わず横になって少しずつ眠りについた。アスランもそれを見ながらようやく緊張が解けてしまったのか、彼は突如襲う眠気に耐えきれず目を閉じ眠ったのだった。
………………………………
二人が洞窟で眠っている中、反対側の島の砂浜に上陸する無数の影がゆっくりと近づきつつあった。
『『『『『……………………』』』』』
島に上陸した彼らはバックから装備を取り出し、完全武装で待機してどこかに連絡していた。
『こちらFから本部へ……海岸付近に墜落したスカイグラスパーの残骸を発見、パイロットの死体……無し、これより捜索を開始する』
『本部からFへ、上陸を確認……パイロットの捜索……生存を確認しだい──
『『『『『──了解──青き清浄なる世界のために──』』』』』
そして彼らは島に入りカガリたちの居る洞窟へ向かうのだった。だがその部隊はまだ気付いていない──遠くの茂みから彼らをじっと睨見つけ、白い息を吐きながら敵意を剥き出す──その狼の存在を……。