フラガとか聞いてない   作:もう何も辛くない

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PHASE73 裏切り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ、は…」

 

 目の前の惨状に、アスランは呆然と声を漏らすので精一杯だった。

 

 パトリックと話し終えたアスランは、カナードと共に工廠へと向かい、それぞれ受領したジャスティスとハイペリオンについての説明を受けた後、マニュアルを受け取った。

 カナードの方は元々乗っていたハイペリオンとそこまで大きな違いがなかったのか、マニュアルを流しで一通り読んだ後にすぐどこかへ行ってしまった。

 

 アスランはというと、マニュアルを読むよりも先にどうしても行きたい所があった。

 機体の最終チェックが終わるまでまだ時間が掛かるという事もあり、マニュアルを読む前にそちらへ向かう事にした。

 

 それが今、彼がいる場所─────クライン邸だった。

 

 すでに官憲の手によって捜索された後で、邸宅は変わり果てていた。

 ガラスは割られ、調度品は引っ繰り返され、棚の中身は乱暴にぶちまけられている。

 今のこの有様から、かつての優雅で落ち着いた在りし日の光景を思い出すのは難しかった。

 

 ここまで…破壊の限りを尽くす必要があったのだろうか?

 国家反逆の疑いを掛けられているとはいえ、ここに暮らしていたのは前最高評議会議長と、プラント全土が愛した平和の歌姫だ。

 彼らへ向けた敬意も、愛も、膨れ上がった憎しみの前ではこうも容易く失われてしまうものなのだろうか─────。

 

 戸惑いと空しさを覚えながら、アスランは中庭へ出る。

 しかし、庭も同様にこれ以上もなく荒らされていた。

 

 丹精に育てられた庭木、美しい花々、それらは全て無惨に蹴散らされていた。

 

 何故─────何故、こんな事が平然と出来る…!?

 

 アスランの中で憤りが生まれ始めたその時、かさこそと葉の擦れる音がした。

 

『マイド!マイド!』

 

 驚き振り向いた先で、ピンクのハロが跳ねていた。

 跳ねるハロの下では、白いバラの花びらが無惨に散っている。

 アスランは歩み寄り、ハロを捕まえようとした─────が、ハロはひらりと彼の手を躱す。

 

 ただでさえ片手を負傷しているアスランは、上手くハロを捕まえられない。

 手を伸ばし、伸ばした手を躱され、それを繰り返している内に微かに生まれた苛立ちが、アスランの口を開かせる。

 

「ハロ!」

 

 嗜める様にロボットの名前を呼ぶ。するとハロは突然目を点滅させ、突然方向を変えてアスラン目掛けて飛んできた。

 

「っ!?」

 

 アスランは慌ててキャッチして、まだ目を点滅させるハロを見つめる。

 

「俺の声に反応した…?」

 

 どうやらアスランの声紋に反応するようにプログラムされてたらしい。

 しかし、一体何故─────?

 

「っ…!」

 

 ハッ、とアスランは先程までハロが跳ねていた場所を振り向く。

 

 踏みにじられた白いバラの花─────アスランの脳裏に、かつてこの屋敷を訪れた時にラクスが話した言葉を思い出させる。

 

 ─────この花は、わたくしが初めて歌った劇場ですの。

 

「あそこか…っ!」

 

 一体何のつもりでこんなメッセージを残したのか。

 罠かもしれない─────そんな懸念が過りつつも、この誘いに乗る事にアスランは迷わなかった。

 

 荒らされ果てた邸宅に何故か残っており、そして同時に何故かアスランの声に反応するようプログラムされたハロ。

 そしてそのハロの傍らにあった白いバラの花─────。

 

 それらに込められたメッセージを理解したアスランは、ハロを抱えて急ぎ邸宅を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()─────それがあの白いバラの名前であり、そしてラクスが初めてコンサートを開いたホールの名前でもあった。

 

 ペンキが剥げかけた看板の掛かるホールの前で、アスランは停めた車を降りる。

 降りる前に、躊躇いつつも手に取りコートの下に隠した拳銃を確かめながら、ホールへと続く道を進む。

 

 古くなったドアをなるべく音が立たないよう慎重に開け、中へ身体を滑り込ませる。

 

 中は真っ暗で、床には埃と割れたガラスが散らばっていた。

 アスランが足を進ませる度に、足元で割れたガラスが音を鳴らす。

 

「─────」

 

 ふと、ホールへと続く防音ドアが微かに開かれ、そこから光が漏れているのを見た。

 

 誰かが居る。その誰かが、()()()だと確信したアスランは歩く足を速める。

 防音ドアを開け、中の様子を窺う─────舞台にはスポットライトが灯っていた。その舞台の上で、誰かが一人立っている。

 

 男だ。舞台の上で天井を見上げながら立ち尽くすその男は、まるで誰かを待っているかのように─────否、事実待っているのだ。

 ここに来るであろう人物を─────そう。アスラン・ザラを。

 

『ハロ、ハロ!』

 

「む」

 

 その時、アスランの手から飛び出したハロがぴょんぴょん跳ねながら、舞台の上に立つ男に向かって飛んでいく。

 ホール内に響き渡ったハロの声を聞き、舞台上の男が振り返った。

 

 客席を転がり、やがて辿り着いた男の周りでハロが跳ね回る。

 

 その様子を眺めていた男が、不意にハロが跳んできた方─────アスランが開けた防音扉の方へと視線を向けた。

 

「シーゲル様─────」

 

「やはり、君が連れて来てくれたか。すまなかったね。直接ここへ来てくれとは、到底言いに行けない状況に陥ってしまったものでな」

 

 舞台上に立つ男─────シーゲル・クラインは、ラクスが浮かべるものと微かに雰囲気が似た笑顔で、ホールの中へと足を踏み入れるアスランを出迎えた。

 

 そんなシーゲルの悪びれない態度が、アスランの癇に障った。

 

 この人は─────あんな事を仕出かしておきながら!

 

 コートの下に隠していた拳銃を取り出す。

 ここから出さずに済むのが一番だと考えながらも、目の前で悪びれない()()()()に対して怒りを露にしながら、冷たい銃口をシーゲルへと向ける。

 

「シーゲル・クライン!スパイを手引きしたというのは、本当なのですか!?」

 

 ホールの階段をゆっくりと、一段ずつ降りていきながらアスランは問い掛ける。

 決して銃口の照準を外さず、いつでも貴方の命は奪えると、主導権を主張しながらアスランはシーゲルに答えを求める。

 

「スパイを手引きしたつもりはない。が、フリーダムを譲渡したのは本当だ」

 

「っ─────!」

 

 アスランの問い掛けに対し、シーゲルはまたも悪びれの無い態度で答える。

 

 目を見開き、そして込み上げる憤りが否応なしにアスランの目に怒気を滲ませる。

 

「何故だ!貴方なら、あの機体に何が搭載されているか知っている筈だ!」

 

「知った上で渡した。そうすべきだと感じたから」

 

「貴方はっ!!」

 

 引き金に掛かる指が震える。

 

 この人は─────本当に分かっているのか!?

 あの機体に備わったエネルギーの強大さを。プラントにとって諸刃の剣だという事を。

 もし、万が一あの機体が、エネルギーが地球連合軍側に渡ってしまえば─────!

 

「私は彼を─────ユウ君を信じた。彼ならきっと、この世界を変えてくれるだろうと」

 

「ユウ─────!?」

 

 シーゲルの口から出て来たその名は、アスランにとって切り離す事が出来ない意味を持つものだった。

 

 ユウ─────スピリットのパイロットであり、キラの想い人。

 そして、アスランがこの手で殺した筈の男の名─────生きていた?だとしても何故、それがプラントまで流れ着き、シーゲルがユウという男の為にプラントを裏切るという所にまで行きつく事になるというのだ。

 

 いや、それよりも─────

 

「世界を変える?そんな眉唾物の為に、貴方はプラントを裏切ったというのか!?」

 

「私はプラントを裏切ったつもり等ない。私は、ただこのままではいけないと、行動を起こしただけだ。私でなくとも、誰かが長引く戦争の流れに逆らう行動を起こさなければ、どちらかが滅ぶまで争うものになってしまう!」

 

 アスランが勢いを強めて問い詰めると、シーゲルも負けじと声を張り上げた。

 

「君は、久しぶりに戻ったこのプラントで何を見た?」

 

 その問い掛けは、アスランの背筋に後ろめたいような戦慄を齎した。

 

 ()()()()と手を出した核の力、成立しているようで破綻している論理の下で押し付けられた罪、それを口にする者達を拘束する事で押さえ込まれた反対意見。

 

「君ならば分かる筈だ!蔓延る憎悪をパトリックは止められない─────止める気がない!広がる殺意を助長させ、勝つ為にと叫びながら、このままでは()()()()()()()()が、()()()()()()()になってしまう!」

 

「その為に、自国を危険に晒してもいい理由にはならないっ!」

 

 あぁ、確かにフリーダムを託したのがあのスピリットのパイロット─────ユウであるのなら、そう易々とあの機体を奪われたりはしないのだろう。

 

 だが、事に絶対はない。

 

「万が一、フリーダムが地球軍側の手に渡ってしまったら!?その可能性を貴方は考えなかったのか!」

 

「アレがあれば、地球のエネルギー問題を解決する事が出来る」

 

「馬鹿な…!あのエネルギーがそんな優しい使い方をされると!本当にそう思っているのか!?」

 

 アスランの脳裏に過るのは、核の火によって焼かれたユニウスセブン。あの悲劇を二度と起こさない為の、Nジャマーではなかったのか?

 

 例えNジャマーによってどれだけ多くの人の命が奪われたとしても、それによってシーゲルがどれだけ大きな罪悪感を抱いていたとしても─────いずれシーゲルが言う地球のエネルギー問題を解決しなければならない時が来るのだとしても、それは少なくとも()じゃない。

 

「核を再び手にすれば、地球軍は嬉々としてまたプラントへ核を撃ち込んでくる…!それがどうして分からない!?」

 

「…」

 

 そう、()ではないのだ。パイロットとして最前線に居たからこそ、アスランは敵へ殺意を向けると同時に、敵から向けられる殺意を感じ続けて来た。

 

 殺意、憎しみ、戦場は負の感情に満ちている。

 それらを経験し続けて来たからこそ、アスランは断言できるのだ。

 

 地球軍の手にNJCが渡った場合、シーゲルが言ったエネルギー問題の解決になど使われる筈がない、と。

 

「…信じたくはありませんでしたが、本当に貴方はプラントを裏切ったようだ。私と来て頂きます」

 

「それは、命令かね?」

 

「いいえ。これは、俺の意思だ。俺は、貴方を許す事が出来ない」

 

 銃口を向けるアスランと、向けられるシーゲル。

 二人の視線が混じり合い、ぶつかり合う。

 

「シーゲル様!」

 

「っ!?」

 

 その時、どこからか抑えた声でシーゲルへ向けた警告の声が発せられた。

 それと同時にホール内に銃声が響き渡る。

 

 シーゲルは入口へと目をやり、アスランも反射的に銃口をそちらへと向けた。

 

 数人の男達がばらばらと駆け込んでくる。男達は舞台上のシーゲルを客席から取り囲むようにして近付いてきた。

 

「ご苦労様でした、アスラン・ザラ」

 

 近付いてきた男達の内の一人が、慇懃な調子で声を掛けて来た。

 

「流石はクライン嬢の婚約者ですな。こちらの手間を省いてくださって、助かりました」

 

「…父上の命令ですか」

 

「えぇ。貴方ならばもしかしたら、シーゲル・クラインの居場所を突き止められるのではないかと」

 

 父に利用されていた─────その事実が、アスランの胸中に冷たい風を呼び起こす。

 

 だがその事実は逆に、ある意味アスランを開き直らせる事となる。

 アスランはなおもシーゲルへ近付く男達に対し、銃口を向けた。

 

「…何の真似です?」

 

 そのアスランの行動は予想外だったのか、表情に戸惑いを浮かべながら男達が動きを止める。

 

「その男は国家反逆罪の逃亡犯です。やむを得ない場合は射殺、と命令も出ているのですよ。それを庇うおつもりですか?」

 

 随分と早く事態は進んでいるらしい。当事者への尋問もなく、時間を掛けて検証も行わず、都合の悪いものを消し去ってしまおうという意図がまるで隠れていない。

 

「庇うつもりはない。ただ、もう少しだけ話がしたい」

 

「…貴方の都合など、我々には知った事ではない」

 

「なら、好きにしてみるといい」

 

「っ…」

 

 暫しの睨み合い─────アスランは目の前の男だけでなく、その周囲にいる男達へも注意を向ける。

 男達がいつ自身へ殺意を向けても即座に反応が出来るよう、リーダー格の男のみ見ている様に見せかけながら内心身構える。

 

「…いいでしょう。少しだけ待って差し上げます」

 

 この場で銃撃戦、というのも覚悟した直後、リーダー格の男が片手を上げて合図をしながら一歩下がる。

 

 彼らは決してシーゲルを逃すつもりはないのだろう。

 とはいえそれはアスランとて同じ事。彼らと同じく、シーゲルをここから逃がすつもり等、毛頭ない。

 

 だがあと少しだけ…心の奥底で燻る迷いを打ち消す為にも、もう少しだけこの男と言葉を交わしたかった。

 

「国家反逆─────この罪状には、貴方が犯した本当の罪以外のものも含まれているのでしょう。素直に投降して頂けるのなら、貴方の側に立って父に対して弁護を行う事も出来ます」

 

「悪いが、いらぬ気遣いだ。…君の言う通り、私はプラントを滅びの危機に晒した。だがそれを承知の上で彼に賭けた私に、もう引き返す道はない」

 

「…」

 

 シーゲルから発せられた拒絶の言葉に、アスランの中に僅かに残った迷いが打ち消されていく。

 

「私からも最後に一ついいかね?」

 

「えぇ、どうぞ」

 

「…君はこれから何を思い、何の為に戦う?」

 

 アスランに向けて発せられる視線は、彼の心の中にあった疑問を見透かしているかのようだった。

 

 父の率いるプラントの向かう方角に対する疑問─────しかしその疑問はすでに昇華され、アスランは一つの答えを出していた。

 

「プラントを守る為に俺は戦う。もし、父がそれにそぐわない方向へ舵を切った時は─────俺が撃つ」

 

「…そう、か」

 

 アスランはずっと、自分の為だけに戦い続けて来た。

 キラを自分の元に連れ戻そうとして─────キラの隣で寄り添うユウが憎くて、八つ当たりの様に殺そうとして。

 身勝手な戦いの果てに、アスランはニコルという仲間を殺してしまった。

 

 その経緯の先で出した彼の答えに、シーゲルは一瞬目を見開いた後、その言葉を噛み締めるように閉眼して顎を引く。

 

「悲しいな、アスラン。かつての君ならば、父を殺すなんて言葉は吐けなかった筈だ」

 

「俺はもう、大切なものを失いたくないだけだ」

 

 勿論、父がそんな事をする筈はないと信じたい。しかしもし、先程言ったようにそうなった場合には─────アスランは迷う事なく、父へと銃を向けるだろう。

 

「だがアスラン。申し訳ないが、君には私の所へ来て貰う」

 

「っ─────!」

 

 ほんの少し考えれば、シーゲルがここへ一人で来るなどあり得ないなんてすぐにでも分かる。

 だからこそアスランは彼の手に握っている拳銃を持ってここへとやって来た─────が、シーゲルとの対談の末に抱いていた警戒心が薄れてしまっていたのは否めない。

 

 シーゲルが拳を握った右手を持ち上げる─────それは合図だった。

 直後、鳴り響く一発の銃声。アスランの背後で何かが飛び散る様な音と、どさりと何かが倒れ込む音。

 その二つの音の正体が何なのか、振り返らずとも彼はすぐに悟った。

 

 常人の枠を外れたアスランの聴力が、銃声が発せられた場所を特定する。

 背後の桟敷席へと銃口を向け、椅子の影から顔を覗かせていた男へと発砲─────一発で頭を抜かれた男が背中から倒れ伏す。

 

「何をしている!照明室だ!」

 

 アスランが撃った方へ視線を向けながら、呆けた反応をしているパトリックの配下達の鈍さに苛立ちながら声を上げる。

 

 直後、再びホールに銃声が反響し、二人目の胸が撃ち抜かれる。

 

「くっ…!」

 

 次々とパトリックの配下達が撃たれていく。アスランも反撃を試みるが、傷が完全に癒えていない上、味方として頼りたい相手が呆気なく撃ち殺されていくこの状況で出来る事はほぼなかった。

 

 辛うじて生き残ったパトリックの配下の一人と並びながら、ホール内の座席を利用して射線を消すので精一杯だった。

 

 そんなアスランを、舞台上からシーゲルともう一人─────銃撃戦が繰り広げられている間にいつの間に来ていたのか、執事服姿の男がシーゲルの傍らに立って見降ろしていた。

 

「アスラン、私の元へ来て貰えないだろうか。こちらへ来るのであれば、殺しはしない」

 

「ふざけるな…っ!誰がプラントを裏切った貴方となんてっ!」

 

「…残念だ。()()()()()()()

 

 セルヴェリオスと呼ばれた男が、上着の裏に手を突っ込むとそこから拳銃を取り出しアスランへと向ける。

 アスランも咄嗟に銃を向けるが、引き金を引く前にセルヴェリオスと呼ばれた男によって放たれた銃弾が、手から銃を弾き飛ばす。

 

「っ…!」

 

 衝撃によって痛む手を押さえながら、アスランは自身に銃口を向ける執事を睨みつける。

 

 ─────ここまで、なのか…!?

 

 銃口の奥は暗い闇─────中から凶弾が発せられるまで、残りコンマ数秒とないだろう。

 

 アスランは、刹那の後に齎される死を覚悟する─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鳴り響く銃声。

 

 人体を貫く弾丸。

 

 アスランは呆然と目を見開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 血に染まった胸を手で押さえながら、後ろへ数歩よろめいたのは─────その身に執事の銃弾を受けたのは、アスランではなく()()()()

 

 自身に向けられた銃口と、その手に自身を撃った銃を握る、全幅の信頼を置いていた筈の執事を呆然自失の眼で見つめながら、震える唇を動かし、擦れた声を発するのがやっとだった。

 

「セルヴェリ、オス──────」

 

 執事の名を呼んだのを最期に、背中から倒れたシーゲルは、何が起きたのかを理解し切る前にその命を事切らせてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アスランからすれば、ユウという人物は単なるキラの想い人であって、実際に言葉を交わす事もしていない相手をシーゲルの様に信用なんて出来る筈もない訳で…。
何でどことも知れない奴を信じて核エネルギーを渡してしまうんだ!?って反応にそりゃあなる。その結果、アスランの覚悟が更に加速するという。

そして、シーゲルはやっぱり死んじゃいました。しかも信頼していた近侍に裏切られるという、言っちゃ悪いけど原作よりも死に方が間抜けというか…。
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