魔法少女懲罰部隊   作:さしずめろん

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第1話

これから俺は教導官となるが気が滅入る、何故なら命令違反常習犯連中が集められ、結成された部隊、通称懲罰部隊(・・・・)に配属となるからだ。

 

きな臭い噂も相まって誰もなりたがらない、そんな時に新人で都合が良い俺が選ばれた、たとえ失っても痛手にならない、遊ばせている余裕はなく、しかし言うことを聞かない連中に割く時間もない、取り敢えず運用するための贄、それが俺だ。

 

なってしまったのならしょうがない、ウダウダしているよりは、さっさと顔合わせをして自室で書類仕事をしようと決意し、問題児の集まる部屋への扉を開けた、

 

「ウィ〜す、おつかれ〜」

誰かと間違えたのか?挨拶をするんだと関心していると。

「あんだ?最近の教導官は挨拶もできねぇのか?」

俺だった、少し遅れたが挨拶をする   

「ああ、すまない、俺は今日配属された車田蒼甫(くるまだそうすけ)だ、よろしく頼む」

「ところでさ車田教導官ちゃん、アタシ等何で魔法少女なんて呼ばれてたっけ?」

 

めちゃくちゃニヤニヤしながら肩まで組んでこんな問い詰められてるんだ?しかも基本を。

「魔法少女とは魔法が使える女の人がそう呼ばれる、彼女等の魔法でコーティングされた武器で無ければ攻撃が有効に効かないからだ」

「お勉強出来てまちゅねぇ〜偉い偉い」

「挑発のつもりか?だったら思い道理に行かない、そういうのは嫌いだからな」

「んだよ!つれねーなお前友達いないだろ?アタシが友達にってやろうかぁ?」

「余計なお世話だ」

終始ニヤニヤしながら軽口を叩く、若干の苛立ちを覚えつつも相手にしない調子に乗るからな。

 

ガチャリと扉が開く音がしそちらを振り返ると3人の女の子が入ってきた。

「おう、おつかれ〜かえってきたか」

「あぁの…これ持って来ました~」 

「あぁ、ありがとこれであれが捗るってもんだ」

「あーあ疲れた水持ってきてよ、みず」

「ほらこれ飲め」

「おいおい!だれだよアイツは〜新しいやつかぁ〜?」

「そうだよ、楽しみにしとけ」

ガヤガヤと賑やかになったな、正直やっていけるか不安だ、それに言葉の端々から何かを企んでいることは明らかで、嫌な予感がする。

 

「じゃあ新入りの教導官ちゃんが来たのでぇ〜自己紹介しよっか!アタシからね、徒花結花(あだばなゆか)よろしくね〜」

「わ、私は、大上万宝(おおかみまほ)です、よろしく」

「僕は萬羽咲希(まんばさき)、よろしくー!」

「オレは柴燈悠日(さいとうゆうか)だ」

「今日から教導官として配属された車田蒼甫(くるまだそうすけ)だ、よろしく頼む」

全員で4人、記憶していた人物資料と一致、それと関連して書かれた悪行の数々に頭を悩ます。

 

「それでぇ?いつ?」

「なにがだ?」

「しゅ・つ・げ・き」

「出撃か」

すると俺の肩に手を置き悠日が言ってくる。

「そうそう、その為に配属されたんだろ?」

「ああ•••そうだな、どうせ時間の問題だ明日だろうと今日だろうとあまり変わらないからな」

俺の裁量に任されている事はかなりある、これもそのうちの一つだ。この部隊の主目的で存在意義を伝える。

 

「現時刻を持って、懲罰部隊を正式に発足し、以後魔法の使用を禁止する」

そう言い切りポケットからスイッチを取り出し、押す、このスイッチは科学者兼魔法少女の陽翠穂香(ひすいほのか)が開発した、魔力供給遮断器で、要は変身できなくさせ魔法を使えなくさせる優れものだ。

 

「なっ!?なにしたんだよ!」

「あ、あれ?ま、魔力が•••つ、使えない!」

「あ〜?あっ、本当だ」

「まじかよっ!どうなってんだ!?このまま戦えってか!?」

「そんな訳無いだろ?科学者が開発し、適合者が使うことで力を発揮する、ならこちらで使えなくする事も可能だろう?」

 

俺を睨みつける少女達を無視し続けて話す。

「そもそもこの部隊が発足した経緯だが、問題行動を起こした魔法少女を収監し更生を促すことだ」

「そんなの知らないし?アタシ等何もしてないんですけどぉ?」

諦めたのか?喚くことを止めた結花は今度はしらばっくれる、彼女しか喋らないが代表ということだろう。

「なら、罪状を読み上げるが良いか?」

ヒソヒソと話し合いを始めて数分、結論が出たようで結花が前に出てくる。

「一応聴いてあげる」

「そうか、まず全員同一の罪状だが公務執行妨害だ、これは任務の妨害や持ち場の無断離脱等が原因で、戦線を放棄せざるを得なくなったので該当している、公務執行妨害になっているのは未成年だからだ、異議はあるか?」

「ないわ、だって事実だし〜」

「そうか、なら次は個別だ、徒花結花、上官を脅迫した脅迫罪、同僚の持ち物を盗んだ窃盗罪、備品の一部破壊や壁に落書きしての器物破損罪、カメラ撮影禁止区域での無断撮影とSNS上に無断投稿した情報漏洩は窃盗罪とし、その際に持ち出した手榴弾等の危険物取扱違反等だ」

「上官はセクハラしてきたし、借りてただけだし、ストレスでムシャクシャしてたし、煽られたから証明するために撮っただけだし」

 

はぁ、とため息一つで済んだのを自画自賛した。

「セクハラについては第三者の目撃証言が複数あり意見も一致していた為、冤罪となった、その後の脅迫した事実も同様に複数の目撃証言がある、同僚の窃盗については自衛隊による補填にて不問、ストレスによる備品の破壊は好意により不問、情報漏洩と危険物取扱違反は擁護出来ずだ」

正直この沙汰は呆れる程の優しい判決だ、禁止区域での撮影で結構ヤバい物が写っていた、すでに削除済みだが口封じに()なくなってもらう(・・・・・・・・)ぐらいには。

 

「ん〜僕は遠慮しとくよ、指揮官も言いたく無いだろうしね」

「ちょっと!私は言われたんですけどぉ!」

「僕は格が違うんだよね〜、悪い意味でさ、それでも聴きたい?」

「うっ•••い、言いたく無いなら、良いわよ」

萬羽咲希、彼女に関しては殺人未遂罪、同僚に対する強姦罪等が中心で実刑も受けていて、入れる場所は此処じゃないだろって思う。

 

「万宝はどうする?」

「わ、私は、良いよ?」

「そうか、大上万宝、虚言で部隊を半壊させた虚偽報告、虚偽の報告で同僚に罪を擦り付けた名誉毀損等だ、他にもあるが大体同じ様な罪だ」

逆に心配されるレベルで虚偽報告をしている、精神病院に行くように周囲も上官も言ってるが、本人が泣きながら嫌がっていたのと当時、一人でも多くの魔法少女が欲しかった上層部が噛み合い現状維持。

 

「君に関してはPDSDの患者として専門病院に行って欲しいが、複雑な事情も相まって此処に配属されているので、俺からは何も言うことは無い」

戦局が安定してきた頃には厄介者として扱われ、病院側からは魔法少女という事で暴れられたら誰も止められず受け入れ拒否され、部隊をたらい回しにされた末にここに来た、それに魔法の力を使えなくしても、暴れて自分自身を傷付ける可能性もあるので安定している現状維持で一致した。

「だが、ここに来てからはだいぶ改善された様だな」

「わ、私は、い、いつも本当の事を言ってますよ?」

俺には分からん、結花は怪訝そうな目で万宝を見ている。

 

「俺?暴力だよそれで十分だろ?」 

コイツは暴力に抵抗がない、戦功も多いが罪状も多い、何がとは言わないが全体的にデカイ、所謂お察というやつだろうな。

 

「まあ、何はともあれお前達は懲罰部隊で、カリキュラムを受けながら生活をしてもらう」

子供だからと養護出来ない事もあるが、子供を戦場に出してしまったという負い目もあるので、自分達のせいで歪めてしまったのなら、矯正するのも自分達でということで発足した。

 

誰もなりたがらないのは問題が起きるのが目に見えているし、問題が表に出た時、組織は切り捨てる気が透けて見えたから。

 

だから俺が、切り捨てても何も痛まないのが俺で、問題のある人間を一纏めにし切り捨てる、自身の未来を案じて問題を表沙汰にしてくれるなと思いながら、己の自己保身が上層部と同じな事に気が付き、これは俺にとっての教導でもあり懲罰部隊でもあった。

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