魔法少女懲罰部隊   作:さしずめろん

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第6話

「お久しぶりです、陸佐殿」

「ああ、訓練生以来か、時の流れは速いものだ」

大まかな階級しか言わないのは、どんなに苦しくても会っていないとしらばっくれる為だ、今回がそれに当たる。

 

「すまないな急に呼び出したりして」

「いいえ、それで今回はどの様なご要件で?」

「単刀直入に言う、魔法少女懲罰部隊は本当の懲罰部隊になるかもしれん」

「馬鹿な•••名ばかりの部隊の筈ですが?」

「其の筈だったのだがね、とある事がキッカケでそうは言ってられん事になりそうなのだ」

「そのことは聞いても宜しいので?」

 

「無論イカン事だ、だがお前は知っていなければならん」

「そうですか、ではお聴かせ下さい」

「ほう、君は嫌がると思ったのだがね」

「曲がりなりにも彼女達と接して、悪く無いと思い始めていますから」

それを聞いて嬉しそうに頷く陸尉。

「そうかそうか、あの他人に興味が無かったお前がな」

「興味が無かった訳では有りません、対象がいなかっただけです」

 

「では本題に入ろう、我が国は敵性国家の攻撃を受けている」

「まぁ•••そうでしょね、世界が混乱している今が絶好の機会でしょうから」

「それだけなら良かったのだがな、どうやら敵国は特殊部隊を使い、我が国の魔法少女を拐い、部品として使用している」

「•••信じたくない話です、しかしどうやって言う事を聞かせているのですか?」

「私もだよ、薬を使って壊していると結果が出たのだ」

「そうですか」

「ああ、そして懲罰部隊の話になる、その特殊部隊を追跡し廃人生産工場を破壊する案が出ている」

 

「それを懲罰部隊にやらせると•••正直に申し上げますとその提案をした奴は馬鹿ですよ」

「ああ、素人にやらせる事ではない」

「それに風の噂では新たな兵器が発見されたとか」

「ああ非公式部隊で先行運用されているシロモノだ」

 

「起動実験に何人も犠牲が出た物をですか?」

「よく知っているな、危険だぞ?」

「ただの噂です」

「そうか噂か、それなら仕方ない、アレは魔法少女よりも強力な兵器だ、ならばその部隊にやらせればいい」

「それでも懲罰部隊にやらせようと?」

「未だ案が提案されているだけだが、秘密裏にして外交で有利を取りたい連中が押し通そうとしている」

「成る程、軍事作戦に素人が首を突っ込んだ来たと」

「故に今ならばどうとでも出来るのだ」

 

「陸佐殿は動けないと」

「わしは顔が広くてな、故に動けん」

「それで私がどうにかしろと?荷が重すぎます」

「なに、相手は政治家だ」

「この事を公表するぞと脅せば良いと」

「少なくとも上層部は動かん」

言外に言ってる事を、オレに都合の良いように推察すると、政治家と自衛隊の上層部は動かないと言う事か、そいつがどれだけ喚こうが俺の所までは届かない、黙殺されるからということか。

 

「そうですか、しかし未だ対談の時間は残っていますね」

「ハハ、お前は話が速いからな、任せがいがある」

「成る程、私がここに来たのは陸佐殿の仕業でしたか」

「なんのことかサッパリだ、所で最近の魔法少女や新兵器•ギアの死亡例を知っているか?」

ここからが本題ということか。しかし新兵器の名前まで明かすとなるときな臭い。

 

「いいえ、そういった情報は遮断されていますので」

「人付き合いが無いだけを良く言うな、上手く敵にやられた体にしているが、その全ては敵性国家にやられたものでな、敵には殺されていない事が明らかになった」

思わず立ち上がる俺、陸佐がまぁまぁと座るように促す。

「気持ちは分かる、まさか敵は捕らえるだけで殺しはしないという事実にわしも驚いたよ」

「しかしながら何故判かったのですか?」

「わし自身も又聞きでしか無いが、重要機密で明らかとなったらしいのだ」

「そっちの方がよっぽど外交で使えるだろが!」

思わず口に出たらしく苦笑いする陸佐、同じことを思っているようで何も言わない。

 

「どっちも外交で使えるのは確かだ、しかしながら刺激しすぎるとな」

少し頭を冷やす、黒いことをしているは我々も同じということか。

「しかし疑問が残ります奴らは一体何をしているのか•••」

「これも又聞きになるがな要塞を建造しているのだとさ」

「要塞を?それは危険では?」

「ああ、だがな奴らの領域に入っても何もしてこんのだ」

「•••言葉もありません、結局大国の汚い部分を表面化しただけだと?」

「結果だけを見るとな、しかしあの当時は脅威だった•••それは事実だよ」

「内部に侵入は?」

「したさ、そこで生体ポットと呼ばれる機械の中に死んだと思われていた人々が保存されていた」

「それ自体は朗報ですね、混乱を弄んだ連中以外は」

 

「暗い話は終わりにしよう、ここからは面白い事だ」

「面白い事?」

「ああ、紀元前より前の事らしい」

「紀元前より前ということは生物が居なかった時代まで遡ることになります」

「正しくそうだ、そしてコレはあの敵の話にもギアの話にも繋がる」

「宇宙人説が有力な今の時代で否定材料が出てきたのですか?」

「そうだな、ある意味でそうで、ある意味で違う、其の者が言うにはだがね」

「それで具体的には何処まで遡るんですか?」

「ビッグバンの前迄だよ」

 

「そんなバカな――」

「実はビッグバンが人為的に引き起こされたものであるらしい」

「•••物が無いのに爆発はしない、良くわかりますがね」

「あれ等とギアは我々の人智を遥かに凌ぐものだ、そして神話と繋ぎ合わせると」

「奇妙な一致ですか」

「例えばノアの方舟を生物遺伝子が保存された艦として考えた場合」

「大洪水がビッグバンで乗り込んだ動物が保存されていた遺伝子ですか」

「そしてアレが意図しない形で生き残ったか、あるいはテラフォーミングのための機械かだ」

「要塞や生体ポット群を築くような建築技術があり、人類に攻撃しない」

「疑問は尽きないがあくまでも推測の域を出ないが、誰かと話すのは楽しいだろう?」

「まぁ、興味深いですがやはり、信憑性がないですね宇宙人説でも同じことが言えますから」

「フッフッお前は宇宙人説がいいのか?」

「そういう話ではありませんよ、コレ自体に興味がないだけです」

 

壁に掛けられている時計をチラ見して予定された時刻が迫っていた。

 

「ここまでのようですね」

「やはり時間は速いな、おお、忘れるところだったこれを」

差し出されたのは手紙だ、それを受け取り敬礼する。

「部隊のことはお任せをこちらで処理します」

「ああ、任せた」

そう言って陸佐は退室し俺は椅子に深く座り長いため息を吐く、敵が引き起こした騒動で全世界で5億人以上が死んだ、それは死ななくて良かった数でもあった、人間を殺し己が利益を追求する。

それ自体は歴史が証明している事実だが、隙があれば殺しを仕掛ける国々を前にやり場のない憤りを覚える、しょうがないと口にするのは簡単だが奪われた側からはフザけた話だ。

 

そしてこの先また繰り返す事も容易に想像が付き今回の騒動で更に加速し、行き着く先はと考えを巡らせ、人類のカウントダウンを聴いた気がした。

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