ブルアカ短篇のごった煮   作:shyva

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 タイトルのノリがハリポタ。
 pから始まってvで終わる名前のサイトに投稿した物から、一部加筆修正しております。


ツバキと最強のお昼寝道具

 

「先生、最強のお昼寝道具って知ってる?」

 

 

 ふわふわボイスでそう話しかけてきたのは百鬼夜行のお昼寝研究部、もとい修行部の部長、春日ツバキだ。いつも眠そうな彼女がここまで真剣な表情をするほどの寝具。とても気になる。

 

 

「知らないなあ、どんなものなの?」

 

 

「ふふっ、とりあえず横になろ、先生」

 

 

 言われるままに寝転がる。草木がさらさらと風に揺れる音がする。ひんやりとした感触が背中から伝わってきた。

 

 近くに小川の流れる原っぱの真ん中はそよ風が心地良く修行にもってこいだった。

 

 キヴォトスではきちんと四季がある。外の世界では既になくなってしまった秋という概念が訪れているのを感じた。

 

 

「木漏れ日が気持ちいいね」

 

 

 話しかけてみるが、返事の代わりに聞こえるのは規則正しいツバキの寝息……ってもう寝ちゃった。

 

 ツバキはお昼寝部修行部の部長なだけあって、人一倍眠りにつくのが早いのだ。さすがは眠り姫。一瞬にして夢の中である。ぴくぴくと狸の様な丸い耳が揺れていた。

 

 

「……ん、あれ? あ、ごめん。気持ちよくって寝てた」

 

 

「えっと、最強のお昼寝道具ってなんのこと?」

 

 

「……それはね、抱き枕だよ」

 

 

 抱き枕というと、眠る時に抱きしめる用のでっかい枕のことか。

 

 この間、両面に美麗イラストが描かれたカバーを買おうとしたら、高すぎるとユウカに止められてしまったっけ。高くないんだけどなあ。

 

 

「ほら、先生。こっちへおいでー?」

 

 

 ツバキが横に寝転がったまま両腕を開いてこちらを見つめてくる。長い睫毛の一本一本まで数えられそうな程の至近距離。眠そうにとろんと蕩けた目に目線が引きつけられる。

 

 

「つ、ツバキさん?」

 

「ぎゅーっ」

 

 

 いともたやすく、ふたりの距離は零となる。ことキヴォトスにおいて先生は非力なもので、生徒たちに抱きしめられてしまっては抵抗虚しく、されるがままである。

 

 虚しい、全てはただ虚しいだけだ。

 

 でも、それは最善を尽くさない理由にはならない!

 

 

「あばれちゃだめだよー」

 

 

 窒息する! 溺れてる! 顔に胸を押し付けないで!

 

 そうして暴れているうちに、なんとか呼吸する余地を見つけられた。柔らかい物を顔に押し付けられると、隙間が完全に塞がれて全く呼吸ができなくなるので気をつけましょう。

 

 危うく死因:昼寝となるところだった。

 

 

「こうやって抱き合うとなんだか落ち着く。先生の匂い、すごく好き。」

 

 

「つまり、ツバキの言う最強の寝具って……」

 

 

「うん、先生のことだよー」

 

 

 このあと、めちゃくちゃ昼寝した。




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