【他作者様引継ぎ中】混沌を背負ったヤギがキヴォトスに参加しました。   作:ヤギに侵食されています。

1 / 4
実績【開放的!】
プロローグ(チュートリアル)


 

「はぁ……………………。」

 

「委員長…、少しお休みにな「いい」…はい。」

 

某日、ゲヘナ学園。

その中にある会議室の書類机にまるでバベルの塔よろしく積み上がった報告書類から、ヒナがとある少女を収めた監視カメラ画像を手に取って全員の前に掲げた。

 

「それで? 誰か彼女について知ってる人は?」

 

「「「……………………………」」」

 

が、誰も知らない。

 

「そう」

 

ある日突然現れた謎の人物。

 

ひび割れて黒ずんだ白のヘイローに、やや薄汚れた白と灰色のツートンカラーの髪。

誰しもが目をひん剥き不快と宣う嫌な雄叫び。

ベロ型グラップルで人を振り回し、頭突きでモノを吹き飛ばし挙句は…ミニガン二丁持ちでの一斉掃射。

 

思い出すだけでも精神が摩耗し疲弊する。

 

(なんで…こんな目に――)

 


 

――時は遡る事、会議の数日前。

 

最近巷で噂になり始めた「雑草処理のエキスパート」の全貌を知るべく、風紀委員会の面々は目撃情報の多い廃墟区域に訪れていた

 

「本当に、こんな場所に居るのでしょうか?」

 

「居ないなら別の場所を探せばいいだけ、集中して」

 

ズル…ズル…

 

「…誰だッ!!」

 

廃墟ビルの中から不審な音を聞いたイオリが警告射撃と共に声を荒げるも、誰も答えない。

 

「入ろう、居るかもしれない。」

 

「いっ委員長?正気か!?」

 

「さぁイオリ、委員長の言う通り突入してください!」

 

「だぁーもう分かったよ!!」

 

バシャン、と水溜まりを踏んで二人同時に暗い廃ビルに入り込むと、すぐ目の前の壁に文字が彫られて(書かれて)いるのを発見した。

 

「”ここから先、縄張り注意”…はん、不良か何かが「雑草処理のエキスパート」だなんて呼ばれてるだけか。」

 

「ヒナ委員長さーん、イオリ先輩ー、何かありましたかぁ~?」

 

「ああ!」

 

「壁に文字が――

 

チナツの声にイオリとヒナが答えようとした、その時―――――

 

「エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!!」

 

「ッ!!」

 

「な、なんだ?!」

 

咆哮、しかして人の雄叫びにも似た何かが木霊したのを聞いた風紀委員の全員が身構える。

 

「全員警戒体勢!!」

 

「ウ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

 

「なんなんだよ…くそっ!!」

 

「イオリ、落ち着いて……みんなもこっちへ!」

 

「委員長、前方に!!」

 

「……!」

 

「エ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」

 

アコに言われた通り前を見ると、ひび割れて黒ずんだ白のヘイローにやや薄汚れた白と灰色のツートンカラーの髪の少女が二丁のミニガンがポン付けされたジェットパックを身に着けかっ飛んできていた。

それを危険と見做し相手同様に瞬時に飛んで回避しようとするも、足が地面から離れたタイミングで何かに勢い良く引っ張られる。

 

「ぅあっ!」

 

「しまった、委員長!!」

 

「■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛■゛!!」

 

イオリはそれを受け止めようとしたが、地面にヒナの頭が叩き付けられる寸前に少女が方向転換…というより壁に激突したせいで今度は諸共チナツとアコの方向に吹っ飛んでいく

 

「二人ともソイツを押さえろ!」

 

「どうやって…わぁ!!」

 

「■゛■゛■゛■゛、ぐぇっ!!」

 

そしてそのまま脆そうな壁に見事に突き刺さった。

 

「…よぉし、壁に刺さっては何も出来ないだろうな。」

 

◆〇◆〇◆〇◆〇◆

 

「委員長、お怪我は?」

 

「ありがとう…大丈夫よ。」

 

「にしても…この非常識な装備、彼女は一体どこで手に入れたのでしょうか?」

 

「…っと。ミニガンはともかく…とてもじゃないけど、ブラックマーケットにこんな頓珍漢な物があるとは思えない。きっとほぼ全部自前ね。」

 

トリガを引くと無駄に舌の様な見た目でピンク色の強力な粘着シートが伸びるグラップル、ボンベ直付けの現場猫ジェットパック

どこをどう見てもブラックマーケット経由とは思えない、あからさまに手製の物だろう。

 

だが何故目の前の少女はこんな装備を持っているのだろうか?

何故ここを根城にしていたのだろうか?

噂は本当だったのは良いが一体どうして「雑草処理のエキスパート」などと呼ばれていたんだろうか?

頭の中を駆け巡り、無数に廻る謎の解はすぐには出ない…ただ一つを除いては。

 

「んぬぉー…ボンバイエ!!」

 

ゴォッッ!!

 

「なっ…おい、逃げるな!!」

 

ガコッ!

 

「…まずくないですかあれ?!」

 

ガンッ!

 

「あんな大きさの銃を…2丁持ち!?」

 

「そっか、だから……………………」

 

 

ヒナの導き出した答え、それは―― 雑草処理とは、即ち敵の確実な殲滅。

 

 

そしてそのエキスパートとは、つまり――――――――

 

 

「皆、逃げるよ」

 

「え?」

 

「今あれを相手にすれば甚大な被害が出る…そんな事は私たちの望む事じゃないわ。アコ、撤退ルートをお願い。」

 

「は、はい!」

 

相手にならない。

 

「けどどうするんだよ!あのまま置いとく訳にもいかないじゃんかよぉ!!」

 

「仮にどうにかできても絶対に折れないだろうし…市街地に出てこない事を祈るしかないわね。」

 

「ヒナ委員長、こちらを。」

 

「えぇ、ありがとう。」

 

相手にしてはいけない。

 

 

 

 

 

只此処に留まってくれる事を祈りながら、弾丸の嵐を切り抜けた。

 


 

切り抜けた、筈だったのに。

 

(やっぱりこうなるのね…。)

 

「……あちこちで目撃情報が上がってる、もうこれ以上は無視できない。」

 

「だから…大人しくしてくれないかしら?」

 

「無理ですね…これが私の趣味なので!」

 

死屍累々の温泉開発部と風紀委員会、さらに爆発し無残な姿になった車や機械の山に立つ、煽り散らかした様な表情の少女。

説得の言葉は彼女に響かない。

 

「どうされました?動きに疲れが見えてますよ?」

 

「キキキッ…通りで風紀委員会が手こずる訳だ、砲弾の雨霰を直に受けて尚余裕で戦闘を継続とはな……む?どうしたイロハ?!」

 

『先輩、イブキがっ、イブキがァ!!』

 

「何ィ!?えぇい下がれ、一度イブキを安全圏に避難させろ!!」

 

『ッはい!』

 

生きた自動迎撃装置と化した雑草処理のエキスパートは、ノールックで万魔殿の生徒(獲物)を次々と薙ぎ倒していく。

 

(懐に入れば……)

 

「あなたが落ち付かないから動きが鈍るの…よ!!」

 

(よし、このまま――なっ!)

 

ズドォッ!

 

「…頭突き勝負です?私頭突き大好き!!」

 

(確かに懐に潜り込めた…なのになんで……そ、れに…意、識…が……。)

 

「まだまだ行きますよぉ?!」

 

(気絶…してる場合じゃない!)

「く…!!」

 

構える。

 

「ウ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

 

さらに守りを固める。

 

 

ズドンッ!

 

 

ドォンッ!

 

 

「ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ、はぁ…。」

 

「…自由って、良いですねぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例えどんな敵も 等しく雑草が如き障害に過ぎず。

少女は手に入れた自由を堪能する為に、今日も楽しくキヴォトスを東走西奔する。

 

掲示板orプロフィール

  • 掲示板
  • プロフィール
  • どっちでも
  • 両方
  • 無くていい
  • エ˝(確認用)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。