最強になって10日で力を失った   作:✛パグだフル✛

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こんにちは!
誤字脱字報告ありがとうございます。

読んでくれる方からの反応励みになります‼

※感想、誤字脱字報告お待ちしています。

えっ?誤字脱字は出来るだけ減らせって?
いや、チェックはしているんじゃが、減らんのじゃよ(;´・ω・)


世界の半分はあげられなくても身の安全くらいは保障します。

☆☆☆

 

俺が人酔いして寝込んでしまうというアクシデントはあったもののその後、買い物がつつがなく終わった。

 

ただ、俺が倒れてしまったことでファミルが家を出るのが予定より遅くなってしまったようだ。その点は非常に申し訳ない。

 

因みに家にいたアルスとリッカは10本程回復薬を作ったようだった。

本来なら錬金術師だけでも回復薬を作れるのだが、アルスとリッカはそこに回復魔法を付与することで効能をあげているみたいだな。

この作り方は魔弾と同じ作り方の筈だが、彼はそれを知っていてこの製法を選んだのか、それとも独学で行き着いたのか…………。

 

効能は打撲や裂傷なら十分治せるだけの効能がある。丁度、火属魔法【生命の花粉】と同程度の効能だな。

使い切りとは言え、一時的に【生命の花粉】が使えると考えれば十分破格の性能だろう。

勿論、もっと上等な回復薬も探せばあるが、殆ど出費がないということを考えればここまでコストパフォーマンスが良いものもない。

 

危険な冒険に出ず、安全に日銭を稼ぐだけなら十分だ。

 

 

 

それと、あの後、ユーリにあの男が一体誰を探しているのか聞いて見たのだが、

 

「もぉ、他の人の話をふいちょうしちゃいけないんだよ?ポデスタ、メッ」といわれてしまった。

 

ぐぅの音も出ないド正論だがもう少し、出来ればもう少し融通を聞かせて欲しかったなぁと思ってしまう。いや、子供相手に何を求めてるんだって話か。

 

……昼間の男は間違いなく只者では無かった。

少なくとも、普通に生きていればあれ程人を殺すことは無いだろう。

 

しかも、ファミルが顔を青くしていたことから、俺達と何も関係がないということはあり得ない。

 

出来れば【風鳥】を男に着けて探りを入れたかったのだが、あれ程の手練れであれば逆にこちらの場所を補足されかねないので断念した。

 

このまま関わり合いにならないのが一番だが。

俺は夕食を食べ終えた後、外に出る。

もう既に日は暮れている。

冷たい風が肌をくすぐる。

ユーリが教えてくれなかったのなら、ファミル本人に問い質すしかないだろう。

 

俺はファミルの帰りをジッと待つ。

既にファミルは俺の魔力感知に引っかかっている。

真っすぐこちらに向かっているようだ。

 

独り、外で待っているとレニスが扉を開けて俺の近くに来る。

出来ればファミルと二人で話したかったのだが、外に出て行った俺を心配してくれたのだろうか?一応、ファミルと話したいことがあると言って置いたのだが………。

 

「ポデスタ君、外にいると風引いちゃうよ?中で待ってよ?」

「うん…でも、僕、直ぐにファミルさんと話したいことがあって」

「う~ん、なら、私のわかる範囲でファミルのこと教えよっか?」

 

これは予想外な申し出だった。ファミルから直接聞くだけだとファミルが隠したいことは伏せられる可能性が高い。

初めにレニスに話を聞いておくというのはありだな。

 

「うん、わかった。ファミルについて教えて?」

 

俺はレニスに言われた通り、家に入る。

レニスも後に続く様に家の中に入る。

そして辺りを見回した。

 

俺もそれに習い辺りを見回す。リビングにはまだ、リッカとアルスがそれぞれ作業をしている。

リッカはいつも通り治癒魔法の練習だろう。アルスは魔法具の作成だろうか?

 

しかし、二人も人がいてはファミルについて話しづらいか?

俺がレニスを見上げるとレニスが俺の頭を撫でてくる。

 

「私の部屋で話そうか」

「わかった」

 

 

俺達はレニスの部屋へと移動する。

レニスはベットに腰かけ、俺はレニスの部屋に置いてあった椅子に座らせてもらう。

 

「さて……何が聞きたいかな?」

 

ふむ、何が聞きたいか、聞きたいことは山ほどある。

レニス、アルス、リッカ、ユージ、フォージ、ユーリ、それぞれが拾われた背景。

この家を建てるための金はどうやって捻出したのか(まぁ、それは恐らく狩人としての収入だろうが)後はファミルがどうやってあれだけの力を付けたのか、挙げればきりがない。

ただ、今一番知りたいのは………

 

「ファミルさんは何で、身寄りのない子どもたちを養ってるの?」

「それは、う~ん、それを話すには私とファミルの出会いから離す必要があるかなぁ?」

「二人の出会いですか?」

「うん」

 

そうして、レニスは語りだした。自分の出生とファミルの出会いまでを。

 

☆☆☆

 

物心ついた時から親はいなかった。

屋根も無かったし、服もボロボロで食べるものにも正直困っていたんだと思う。

お兄ちゃんは食事を持って来るっていってボロボロになりながら、パンや果物を取って来てくれた。

 

それでも、私にはお兄ちゃんがいてくれればそれで良かった。

そもそも、外の世界にそこまで詳しくなかった私は母親だの家だの、そんな温かみのあるものは知らなかったから……私が知ってるのはお兄ちゃんの温かみだけだった。

 

あ、でも、もう一つ好きなものがあった、それが牛乳。

小さい頃から、牧場の牛さんから少しだけ貰って飲んでたんだ。

 

ただ、ある日お兄ちゃんがあの場所には行くなっていったの。

当時の私は何で行っちゃ駄目なのか、そもそも、どうやってお兄ちゃんが食料を集めてきてるのかも知らなかったから、お兄ちゃんの言いつけを破って牧場に向かった。

だけど、何時もなら誰もいない時間の筈なのに、その日は牧場主が入り口に立っていたの。

 

「てめぇらがこそこそ牛乳やチーズを盗んでたコソ泥か」ってね。

 

そして、農業フォークを振り上げてきた。

私は何が何だか分からなくてその場で動くことが出来なかった。

 

その時、お兄ちゃんが走ってきて、牧場主に体当たりをして牧場主を怯ませたの。

そして、お兄ちゃんを振りほどこうとする牧場主に必死にしがみつきながら私に向かってこう言ったの。

 

「早く逃げろレニス‼」って。

 

私はその指示に従って走って逃げた。家族を置いて、助けてくれた兄を見捨てて、走ったの。

走って、走って、逃げて逃げて、逃げて。

そして私は生き残った。

 

でも、私には生き抜く術がなかった。

ご飯をどうやったら手に入れられるのかも分からなかったし、当然、学も無かった。

私はどんどん衰弱していった。

 

そして、「きっと、ここで死ぬんだろうなぁ」って思っていた所でファミルと出会った。

ファミルは私にご飯を恵んでくれた。

そして、家を建て、私と似た境遇の子供を受け入れられる場所にするんだって言ったんだ。

 

これが私とファミルの出会い。

 

☆☆☆

 

「そうだったんだ。」

 

レニスとファミルの出会い、というかレニスの過去について聞いた俺は頭の中でこれまでの情報を整理していく。

レニスと出会って、ファミルはこの家を建てた。

当時のレニスは話を聞く限り、特異な力や、特技はない。

つまり、善意でファミルは家を建てたことになる。

 

これまでの話、レニス、アルス、リッカ、フォージ、ユーリ。

彼らの顔とファミルへの態度を思い返していく。

 

そして、昼間の男。

俺はそれらを組み合わせていく。

 

もしかして、いや、だとすると………。

俺は今まで考えもしなかった新たな可能性に辿り着く。

 

「ねぇ、レニス。ここって子供が減ったことはある?」

「え…、ないけど」

 

そうか、そういうことか。

 

そこまで考えた所で、レニスの部屋がノックされる。

 

「お~い、レニス帰ったぞ~。」

 

ファミルの声だ。

丁度良かった俺もファミルに事の真相、いや俺の推理を聞いて欲しかったところだ。

 

レニスはファミルに気づき、ドアを開ける。

ファミルは俺がレニスの部屋にいたことに驚き目を丸くする。

 

「ポデスタ、ファミルと一緒にいたのか」

「うん、そうだよ。ファミルについて聞きたいって言ってたから。」

 

ファミルの問いに答えたのは俺ではなく、レニスだった。

ファミルはレニスの答えに首を傾げる。

 

自分の何がそんなに気になったのか心底不思議そうな顔だ。

 

「うん、実はファミルさんに直接聞きたいことがあるんだ」

「それは、まぁ、良いけど、俺がポデスタに話せることって何だ。

あ、それと俺もポデスタに聞きたいことがあったんだ。何でそんなに魔法が……」

 

そこまで言いかけた所でファミルは話を中断し、上を向く。

俺もそれと同時に屋根よりも遥か先、空へと視線を向ける。

膨大な魔力反応、推定で木属魔法【竜巻(トゥルボー)】の発動準備。

 

俺は咄嗟に【操風(ヴェントゥス)】を発動し、攻撃に備える。

勿論、【竜巻(トゥルボー)】を【操風(ヴェントゥス)】で防ぎきることは不可能。

だが、多少なら威力を軽減できる。

やらないよりはましだ。

 

とはいえ、それも焼け石に水。

無情にも解き放たれた何者かの【竜巻(トゥルボー)】によって、結界はおろか、俺の【操風(ヴェントゥス)】も掻き消されたのだった。

 

 

 

 

 

暗闇の中で目を開ける。どうやら瓦礫の下敷きになっているようだった。

ただ、魔力反応を見る限り家は粉々になっているが、俺達は全員無事だった。結界のお陰か。

取り敢えず、【操土(フムス)】を使い崩れた家屋を持ち上げる

それにより、俺達がいた場所に歪な土のトンネルが出来上がった。

 

「皆さん、無事ですか?」

 

俺はレニス達に問いかける。

すると、それぞれ返事が返ってくる。

 

「ああ、お陰で、瓦礫からも解放された。」

「私も、大丈夫」

「助かったよ」

「ふぇぇぇぇぇ、こ、こわ、こわかったよぉぉぉぉぉぉぉぉ」

「ほら、ユーリ泣かないで」

 

幸い他の人たちにも怪我らしい怪我は無いようだ。

ユーリは大泣きしているが、怪我はしていない。急な浮遊感と閉塞感、暗闇にびっくりしたのだろう。隣にいるフォージにあやされている。

ただ、それと同時一人足りないことに気づく。

いや、襲撃があった時点でこうなることは分かっていた。

 

「リッカがいないね」

「ああ、俺が連れて帰る。皆はここに居てくれ」

 

そう言って、立ち上がるファミル。

しかし、そこで待ったをかける

 

「連れて行くのなら自分も一緒に行っても良いですか?」

「いや、駄目だ。危険な戦いになる。子供は連れていけない」

「ですが、リッカが今どこに居るかもわからないですよね」

「……それは」

「俺が今【風鳥】に追跡させています。それに」

 

俺がそこまでいった所で【土車】が颯爽と現れる。

最高のタイミングだ。

 

「俺なら足を用意できる。少し小さいですが、今からでも追いかけることは可能です。」

 

ファミルは俺の言葉を聞き、頭を押さえて、考え込む。

とはいえ、それも数秒のことだ。

ファミルは直ぐに俺の方を向くと、眉間に皺を寄せてゆっくりと頷く。

 

「わかった。よろしく頼む」

 

俺はその言葉を聞き終えると、新たに二体目の【風鳥】を生み出す。

そして、その上へと飛び乗る。

流石に【土車】に二人は乗れない。

しかも、あれは滅茶苦茶揺れるから好きじゃないのだ。

 

すまん【土車】

 

俺達はそれぞれ、【風鳥】と【土車】に乗り、襲撃者を追っていく。

 

追っていきながらファミルに問いかける。

 

「リッカは奴隷ですね?」

 

俺の問いにファミルは俺を睨みつける。

 

「リッカは奴隷なんかじゃない。そもそもアトレータの奴隷制はとっくに廃止されている

「そうですね。だが、奴隷商を殺したのは事実だ。」

 

 

ファミルは俺の言葉に俯く。

初め、俺はファミルは何らかの犯罪に関与しているものとみていた。

いや、実際に犯罪には関与していたが、それも俺が考えていた形とは違った。

 

「お前は奴隷として売られていくはずだったリッカを見つけ、奴隷商を殺し匿った。

奴隷の禁止されたこの国で奴隷商が出来る時点で相当な力を持った商会だと理解していたからだ。

 

お前の判断は正しかっただろうよ。

 

しかも、匿う場所は人の寄り付かないスラム街。それも結界の張ってあるあの場所なら万に一つも危険がない。そう判断したんだろう?」

「……」

 

ファミルは答えない。俺はその沈黙を肯定と受け取り話を続ける。

 

「それに仮に街の外で殺したのであればどの町にリッカが逃げ込んだのか、或いはどの町で匿われているのか、モンスターに襲われたのかその特定から入らなければいけない。死体もモンスターが勝手に食べるだろうし、悪くない手だ。」

 

実際、今まで目撃情報は無かったんだろう。

リッカ自身、警戒して家の外に出ようとしなかったようだしな。

 

「だからこそ、あれだけの手練れが来たとも言えるが。」

「そこまで分かるのか?」

「別にそう変な話じゃない。今までの見聞きした情報を繋げただけだ。丁度、あの男がやったようにな」

「あの男?」

「ああ、買い物の途中で出会った男のことだ。何で奴がリッカについて尋ねて来たと思う?」

「え、いや……って!何でリッカについて聞かれたのを」

「そんなもの、言われずとも分かる。それで、何故だと思う?」

「う~ん、いや、分からん。何でなんだ?」

「お前が自分とは全く似ていない子供を連れていたからだよ。

恐らく、男は初め孤児院に顔を出したんだろう。ま、この街には無いから、近隣の街の孤児院だろうがな。

 

ここで手掛かりがなく向こうは焦っただろうな。

そこで、次は個人的に似たようなことをしているもの好きを探したんだろうさ。

一応言って置くがお前みたいなもの好きはそうはいないからな?

金に余裕もないし、そもそもどこの馬の骨とも知れないガキを家に招くような奴がいない」

 

だからこそ、絞り込むのは簡単だっただろう。

特に、狩人として、活動している武闘派だと知られた時点でもう殆ど黒だ。

 

「…そうか。」

「ま、後は鎌をかけられた時にもっとしっかり嘘を吐いておくんだったな」

 

まぁ、ファミルは嘘の吐けない性格なのだろうが。

 

「そう言えば、君は一体何者なんだ?」

「あ、ああ、そうか、ここまで来たら名乗っておくか。俺は魔王ポデスタ。まぁ、元魔王だがな。そうだ、俺も言いたかったことがもう一つあったんだ。

ここでリッカを助けても顔が割れた以上また襲われるリスクはある。

 

 

 

そこで、だ。

お前、俺の部下にならないか?そうすれば安寧を享受できるだけの力をやろう」

 

俺は妖しく笑う。魔王時代の魔王スマイルだ。

これで落ちなかった奴はいない。

いや、勧誘したの天翔魔法の使い手のクエストだけなんだがな。

 

 




こんにちは(唐突)
現在、魔眼の勇者視点の物語も書いています。

https://syosetu.org/novel/338758/
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