給食部特製弁当はいかが? 添加物いっぱいで腐らないよ〜! 作:ヘイロー壊れたんじゃないの~?
現実世界め……
更新すらこんな状況ですので感想への返信ができませんことをご容赦くだせぇ……もらった感想はニヤニヤしながら全部読んでおります
「ふう、今日もなんとかなったわね。お疲れ様」
「あいよ〜!」
「お疲れ様です」
昼時をちょっと過ぎて、皆が立ち去った食堂で給食部の3人並んでひと息つく。
いつもの光景だ。
このあとは注文を確認して配達ルートを決めて……
「ごきげんよう、給食部の皆さん」
「……あ、ハルナ達だ」
今日の光景はいつもと少しだけ違うみたい。
先頭のハルナに続いて美食研究会の面々が次々と食堂入り口から顔を出す。
きっとまた珍しい食材の情報を入手したんだろう。
さて、フウカを縛らなきゃ。*1
「ちょ、ちょっ! なんで毎回毎回そっちにつくわけ!?」
「ごめんフウカ。かわいそうだけど、調理場をこれ以上爆破されたら部費が尽きちゃう」
「コクさんは話が早くて助かります☆」
「私は助からない!」
俺達の流れるような連携によってわずか10秒で簀巻きになったフウカをアカリが抱えて歩きだす。
最初の数秒こそもがいてたけど、すぐに大人しくなって俺をゴミを見るような目で見つめながら*2運ばれていくフウカを見送ったあと、ハルナが振り返ってメモを渡してきた。
「コクさん、後で人数分の配達をお願いしますわ。メニュー、時間と場所はここに」
「りょ~かい! あ、完成した料理、俺とジュリも貰っていいかな?」
「もちろんです。美食は良き理解者と分かち合ってこそ、格別の味わいとなるのですから」
なんだか最近のハルナ、今までにも増して楽しそう。良いことでもあったのかな?*3
フウカ拉致の頻度も明らかに上がってるし。
それが良いか悪いかで言えば、まあ、良いに決まってるよね!*4
「給食部ね~! 天ぷらに合うものセット5人前お待ち!」
「ちょうどいいタイミングですわね」
他への配達を終わらせたあと、白米、蕎麦、酢の物、茶碗蒸し、その他色々……天ぷら定食を店で頼んだら出てきそうなものを色々揃えて指定の場所にたどり着いた。
5人前と言いつつ俺とジュリの分も追加で持ってきてある。
フウカ? 今だけは美食研究会だよ。
庭園みたいなところに給食部の調理カーを停めて油で何かをパリパリの天ぷらにし続けるフウカの邪魔にならないように、その隣で持ってきた物を温めたり蕎麦を茹でたりしてできたてに近い料理にしていく。
ハルナに冷めた白米なんか出したら爆破される*5。冷めても美味しい弁当ってのが売りなんだけどなぁ。
そのハルナはというと、なんだかんだで調理場に立ったら楽しそうにしているフウカを満足げに見つめている。
「いい感じに揚がってるねぇ、あれが今回見つけた食材?」
「はい。この時期にしか咲かない特別な花ですわ」
花か。日本でもやってるところはあったっけ。種類によっては噛むと蜜が滲み出して美味しいとかなんとか……聞いたのが最低でも16年以上前だから記憶がアレだけど。*6
ところで、さらっと言ってるけど特別な花を揚げちゃっていいのかな。
「土地の所有者とは交渉済みです。どうぞご自由にと仰っていました☆*7」
「なら大丈夫そうだね」
なんて話をしているうちに合計7人分*8の天ぷら定食が出来上がった。
「いただきます」
みんなで並んで花の天ぷらを口に運ぶ。
うん、野菜の天ぷらとはまた違っていいね。ちょっとの渋みのあとに、昔聞いていた通りの甘さがあとからきて、蕎麦つゆと合いそう……やっぱり合う。
薄いから食感はほぼないけど、そこを衣が補ってくれてる。
「よろしければこちらもどうぞ」
「ありがとうジュリ~!」
しかも例のドリンクまで出て来た。最高だね!
「わぁ、これ美味しいんだよね!」
「分かってるねぇズーミィ!*9ほらジュンコも!」
「いや、えっと……飲み物あんまり飲むとお腹いっぱいになっちゃうから! せっかくの珍しい食材だし?」
「そっか、小食だったっけ」
「そうなの!*10」
「じゃあここに置いとこうか! 飲みたい人はご自由にって事で!」
何故か皆がほっと息をついたような……? 気のせいかな。
「それにしても……美味しいのはもちろんだけど、みんなで食べると楽しいね」
「……ええ。味は変わらない筈なのに、確かな違いがそこには生まれる……こうしていると食の奥深さをより実感しますわ」
「ハルナの好物はたい焼きだっけ? 今度美味しいあんこの材料でも探しに行こうか」
「ええ、是非」
話が弾むと食が進む。
ハルナやズーミィが言うように、美味しさが分かる人と分け合ってこそ、って言うのはあるかもしれないね。
それにしても、花ってここまで美味しく食べられるんだねぇ。タンポポとかは刺身にひっついてるのよく見るけど。
「うん、やっぱり美味しい。今まであまりやってこなかったのは、もったいなかったかなぁ……一見すると食材って感じじゃないもんね」
「そうですわね。他にも……例えば、鹿を始めとする動物の角は薬膳料理や、単純に出汁をとるなど様々な調理方法で食べられていますし」
ヒトの食への探究心ってすごいね。ゼボン*11って実在したら美味しいのかなぁ?
ん? 角? 角といえば……
「ねぇジュンコ、ちょっとその角、削らせてくれないかなぁ?*12」
「嫌に決まってるでしょ*13」
「削れてるのがわからないように全体的にちょっとずつやるからさぁ」
「削られるのが嫌って言ってるの!」
「じゃあズーミィ」
「いやだよ〜!」
「アカリ」
「それ以上近寄らないでください☆*14」
フウカとジュリは……かわいそうだし除外で。*15
あ、3人とも逃げた。
「レックスウィリー!*16」
「何がレックスよ! ただの原付きでしょうが!」
「むしろスピード下がってませんか?」
「でも自分で走るより楽チンだよぉ、ずっと追いかけられるねぇ! ウヒャヒャヒャ!*17」
「こないで〜!」
なんて高笑いしてみたものの、逃げることに関しては流石というべきか。
狭いところに逃げ込んだり、あとすんでのところであえて急停止してかわされたり、グレネードで迎撃されたり……気づけば辺りは焦土寸前。
結局、一般からの通報を受けて駆けつけたヒナにまとめてぶっ飛ばされるまで1人も捕まえることはできなかった。
残念。いやまあ半分はギャグだけどね? 半分は。
「……助けなくてよかったの?」
「せっかくの料理を冷ましてしまってはいけませんので」
「あんたたち本当にそういうところドライね……*18」
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