本作も出番増やしたろか!!
「‥‥‥‥‥」
珍しく喋らず大人しい俺。その理由はというと‥‥…
「幸人さん、アシスタントしてくれてほんと助かりますよ。週刊誌の連載と月刊誌の読み切りの締め切りが重なってしまって‥‥‥…もうほんとダメかと思いましたよ」
「まかせとけーい」
俺がバイトしているカレー&貝汁の店の常連でマンガ家である女子高校生の藤都子の家にデリバリーを届けに行ったら漫画の締め切りがやばいらしく急遽アシスタントとして手伝うことにしたのだ。
「派遣でアシスタントさん頼もうと思えばできたんですけど、私って人見知りで知らない人とのコミュケーション苦手なので幸人さんがデリバリー届けに来てくれて良かったですよ」
「いいってことよ」
店長にも事情話して今日は上がらせてもらったから今日は徹夜でもいけるぜ。
「あっ、バイト代はちゃんと出しますので」
「おう。あっ、蚊」
蚊が飛んでいたので手でしっしと払ったその時
<バシャ!>
「あっ‥‥!」
横に置いてあったペットボトルのお茶を盛大にぶちまけてしまいそれが作業中のタブレットにかかってしまった。
「(や、やべぇ!!)」
俺は急いでティッシュでタブレットを拭いたが画面は細く太い黒線が入って動かなくなってしまった。
「(ま、マズい!!タブレットの弁償もだけど原稿が!!)」
バックアップってとってあるのかな!?とりえあえずなんとかしないと!!
「幸人さん、どうかしましたか?」
「ウェッ!?」
やばい!タブレットと原稿だめにしたことがバレちまう!かくなる上は!!
「あーーーっ!!蚊が飛んでる!!死ねや!クソ害虫!!」
俺はそう叫びながら壊れたタブレットを思いっきり机に叩きつけ破壊した。
「あっ」
「あっ」
やべぇ、選択を間違えちまった。テヘペロ☆
「これが幸人さんの幼馴染の子ですか‥‥…可愛いですね」
「はい‥‥…‥」
俺はそう返事をした。都子は椅子に座りながら燈が映っている写真を見ている。
ちなみに今の俺はなぜかパンツ一丁の姿だ。
「燈にだけは手を出さないでくれ‥‥…」
「なら、どうすればいいかわかりますよね?」
都子はそう言って一つの紙袋を俺の前に置いた。
「はい‥‥…」
俺は頷き紙袋の中に入っている衣装を出して着替え始めた。
「おおっ‥‥…‥!」
「どうだ?」
「似合ってます!似合ってますよ幸人さん!!」
俺は執事とかが来ている燕尾服に着替えて都子の前で披露した。
「いや~私は全然気にしてませんけど幸人さんが原稿をダメにした償いがしたいからってどうしてもって言うから~!ほんと全然気にしてませんからね私は!あはははは!!」
都子は笑いながらそう言ってるけど目は笑ってなかった。いや、ほんとにすんませんでした。
「やっぱり素材いいですよ幸人さん!今度出す新キャラのモデルになりますよ~!」
「そ、そうか~?」
いや~そういうこと言われると照れますな~
「じゃあ、外行きましょうか」
「えっ?」
「撮影ですよ!燕尾服着た幸人さんの!!今度の話に使う背景素材の撮影も兼ねて外に行きますよ!さぁ!レッツゴー!!」
「は、はぁ‥‥…」
なんか無駄に熱いなこいつ。漫画家って撮影とか取材になるとこうなるもんなのか?
ということで外に出て近くの公園に行くことにした俺たち。
「いいですよ~!今度は腕組んで木にもたれかかってください!」
「ほい」
言われた通りに腕を組んで木にもたれかかる。
「いいですね~!いいですよ幸人さん!!じゃ、じゃあ!今度はジャケット脱いでネクタイ緩めて胸元のボタンだけとって寝転がってもらっていいですか!?」
「お、おう‥‥…」
だんだん注文がエスカレートしてきてるな‥‥…
「ん~なんか足りない‥‥‥…あっ、そうだ!」
都子はなにか閃いてバックからミネラルウォーターの入ったペットボトル取り出しキャップを開けると
「えい!!」
「うぉぷっ!?」
いきなり俺に水をかけてきたぞ!?
「ちょ!急に何を‥‥!?」
「いいですよ!シャツが濡れ透けて胸板がうっすら見えるの最高ですよ!!」
「はぁ?」
都子は鼻息を荒くしながら写真を撮っていく。
こいつの漫画って全年齢向けの健全なやつだったよな?
「はぁ‥‥…眼福眼福~」
「なぁ、もういいか?服濡れちゃったし帰って着替えたいし‥‥…」
「待ってください!最後のメインディッシュがあるので!!」
「メインディッシュ?」
「そう!それは‥‥…ここです!」
「ここって‥‥」
都子の指さした方、そこは小汚い公衆トイレだった。
「はだけて濡れた服のイケメンが小汚い公衆トイレに入るシチュエーション‥‥ありすぎですよ!!」
「いや、意味わかんないし」
「では、行きましょうか!」
「えっ、ちょっと!!」
腕を掴まれ公衆トイレ(男の方)へと連れ込まれる俺。
ちょ、これ以上はマズいですって!!夜子先生!!!!
「じゃあね、愛音ちゃーん!燈ちゃん!」
「うん!またね!」
「またね‥‥…」
学校帰りの燈と愛音。仲のいいクラスメイト達と別れ二人で帰ることになった。
「ともりん、今日家行ってもいい?」
「うん…‥いいよ」
「課題終わらせたら一緒にスプラであそ「公衆トイレは君さ!あそこを出して~!なんて!あはははは!!」えっ?何今の歌‥‥‥‥って、あれ?」
変な歌声が公園の方を見る愛音。そこには‥‥‥‥
「あのちゃん…?どうかしたの‥‥‥‥?」
「あれってゆっきーだよね?」
「あっ、本当だ‥‥…」」
公衆トイレに入って行く幸人と都子を目撃する愛音と燈。
「燕尾服着ていたけど‥‥てか、女の子と男子トイレ入っていったよね?」
「うん…‥‥」
「まさか…‥‥!」
愛音は二人の様子を見てこんな想像をし始めた‥‥‥‥
『お嬢様、ここなら誰来ませんよ』
『ここは‥‥なんて汚いとこ!!』
『汚れてますけど誰も来ませんからご安心してください。では、いけないことをしましょうか』
『藤田‥‥…ええ、しましょう!もう私たちは使用人と令嬢の関係ではないわ!』
『はい。では‥‥‥』
『んっ‥‥…』
「きゃーーー!!ダメだよゆっきーー!!」
「あ、あのちゃん!?」
変な妄想をして走り出して行ってしまう愛音、それを追いかける燈だった。
「はぁ‥‥…今日は楽しかった~」
私は自宅に帰り自室のベットに倒れこんだ。
「いい素材が手に入ったし最高でした~」
幸人さんのあんな写真やこんな写真も撮れて満足でした。
「‥‥…‥‥‥‥」
彼の写真を見つめあの時のことを思い出した。
ビオラさんに利用されていたことを本人に聞かされたあの日、自室で泣きじゃくっていると彼が部屋に入ってきた。
『おい、大丈夫か?』
『ひぐっ…‥幸人さん?』
『あられ達から聞いた。色々大変だったな』
『うぐっ…‥今はほっといてください。陽のあなたを見ていると彼女のことを思い出してしまうので‥‥…』
『‥‥…‥‥』
私はほっとけと言うが彼は無言で近づいてきて‥‥…
<ギュッ>
『えっ?』
優しく私を抱きしめた。
『泣きたい時は泣いて全部吐き出せ。そうすればすっきりして明日は笑顔になる』
『‥‥‥‥幸人さん‥‥‥‥』
『大事な常連さんのアフターケアーサービスだ。俺の胸貸してやるから泣いてけ』
『うっ‥‥‥うわああああああんんんんん!!』
私は思いっきり彼の胸で泣いた。
幸人さんは何も言わずに背中をさすってくれた。
「‥‥‥‥‥‥‥温かったな‥‥‥‥」
あの時の彼の温もりを今でも思い出す。
その後に作ってくれたご飯もとっても美味しかったのも…‥
「あんなことこんなことされたら大抵の女子は惚れちゃいますよ‥‥‥‥」
彼は宮永さんと同じお陽キャ様だけど意外と気配りもできて人の気持ちにも寄り添ってくれて裏表ない優しい人だ。まるで太陽のような人でビオラさん以上の輝きを放っている。
きっとモテるんだろうな‥‥…‥あんな人と付き合えて結婚する人は幸せになりそう…‥
「って、私は何を考えてるんですか////////」
はぁ~!顔が熱くなってきた!シャワー浴びて今日はもう寝ましょう!!
16歳展やポップアップショップもいこーぜ!!
作者は来週行く予定!!