「なぁ、立希」
「なに?」
バイト中今日の相方である立希に話しかける。
「ここでアレが出るって噂知ってる?」
「アレってなに?」
「いやだからアレだって」
「アレだけじゃわかんないし」
おいおい、人が優しい言い方にしてやってるのに・・・・・仕方ない普通に言おう。
「これだよ、うらめしや~」
「はぁ?」
「だからお化けが出るって噂だよ」
「お化け?」
「ああ、なんか第六スタジオで電気が勝手に消えたり誰もいないの声が聞こえたり女の霊を見たりとかそんな噂が出てんだよ」
「そんなの噂でしょ?幽霊なんているわけな「わあああああああああ!!りっきーーーー!!ゆっきーーーーーー!!」愛音?」
愛音が楽奈の手を引きながらこちらに走ってきた。
「どうした愛音?」
「で、で、で、出たんだよ!!第六スタジオで!!」
「なにぃっ!?出たのか!?」
「う、うん!!第六スタジオで楽奈ちゃんと一緒にギター練習してて!そしたら急にスタジオの電気が消えてなんか呻き声が聞こえてそしたら髪の長い女の人が急に現れて急いで逃げてきたんだよ!!」
「マジか!!」
とうとう知り合いに幽霊を目撃した者が現れたぞ!!これは只事じゃなくなったぞ!?
「ど、どうしよう?」
「どうするって・・・・・・・・・・」
「安心しろお前ら」
「幸人?」
「俺の知り合いにこの手の問題を解決してくれる人がいる。今連絡するからスタジオの方で待っててくれ」
「知り合い?一体どんな人なの?」
「まぁ、待ってなって」
俺はそう言ってスマホを取り出しあの人に電話をする。
「もしもし?」
「遅いねゆっきー」
「何してんだあいつ?」
「りっきー、燈とそよは?」
「燈は日直で遅くなるって言ってたしそよも用事で遅れるって連絡あった」
「二人が来る前に解決しなきゃ!」
「まだ幽霊出るって決まったわけじゃ「いや、これは間違いなく霊の仕業でしょう!!」誰!?」
「お待たせみんな」
「ゆっきー!この人だれ!?」
「この人は俺の師匠だ」
「師匠!?」
「私は五つの星の力を宿せし退魔師プラチナスターシャイン星田!!」
白のお坊さん服を着て五つの宝玉が付いた数珠を首にかけた男の人ことプラチナスターシャイン星田師匠が名乗った。よし俺も続くぜ!!
「そして俺が一番弟子のミスティック藤田!!ハッ!!」
俺も名乗りを上げかっこいいポーズをとった。決まったぜ!!
「愛音、警察と救急車呼んで」
「うん、わかった」
「おいおい、なんでそうなる?」
「幸人、お前変な奴だとは思ったけどとうとうここまで壊れるとは・・・・・・・・・・」
「あとその人胡散臭いし完全に不審者じゃん」
「なっ!師匠が不審者だと!?失礼だぞ!?」
「いや、こんな格好してヘンテコな名前してヤバいやつに決まってるだろ」
「てか、ゆっきーなんでこんな変な人の弟子になってるの?」
「ああ、それか。ちょっと前に街中を歩いていたら道端にこの人が倒れてて介抱してあげたお礼に俺の体に憑いている悪いものを祓ってあげるって言われてやってもらったらなんか肩が急に軽くなってさぁ、この人の力はマジですごいって思って弟子入りしたんだよ」
「やっぱ不審者だ」
「道端で倒れてる時点でもうね・・・・・・・・・・・」
「幸人、やっぱおもしれー男」
愛音と立希は師匠を不審者扱いし続けるな・・・・・・・・こうなったら実際に師匠の力を見てもらうか!!
「師匠!!こいつらに師匠の力を見せてやりましょう!!」
「そうですね。実際に見せた方が理解しやすいでしょう」
師匠はそう言って目を閉じ両手を合わせぶつぶつと呪文のようなものを唱え始めた。
「はんにゃひょっとこおかめへのへのもへじ~じゅげむじゅげむぱいぽぱいぽのしゅうりんがん~りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん・・・・・・・・・・・・あらたかーーーーーっ!!」
「うわっ!?」
「びっくりした!?」
「師匠どうでした?」
「見つけました・・・・・・・・・あそこに邪悪な気を感じる!!」
師匠が指さした方を見た。そこには機材などが置かれているスペースだった。
「あそこに霊が!?」
「ええ、この世に未練を持った霊ですね」
「嘘!?ほんとにいるの!?」
「そ、そんなわけないでしょ」
「りっきー、なんで私の後ろに隠れてるの?」
「お前が見えやすいように後ろに下がっただけだよ!」
「師匠!さっそく祓いましょう!!」
「任せなさい。はぁ~!」
師匠は霊を祓うあの技を出そうとした。来るぞ!五つの星の力を込めたあの技が!!
「火水木金土!!五つの星の力お借りします!!パーフェクトスターウェイブ!!はぁーーーーーーーーっ!!」
手で星を描くようにした後両手で三角形を作り技名を叫ぶ師匠。出た!師匠の必殺技!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・今ので霊は成仏しました。もう大丈夫です」
「いや、なんも変わってないんだけど?」
「いや変わっただろ!」
「どこが!?」
「部屋の空気とか!」
「わかんないよ!!」
「やっぱこのおっさんインチキ霊媒師じゃん!!」
「インチキだと!?立希!!取り消せよ今の言葉!!」
俺たちがわーきゃー騒いでいたその時
「ねぇ、みんな」
「なに?楽奈ちゃん」
「あそこ、なんか動いてる」
「「「えっ?」」」
楽奈が指を指す方を見ると何かの上に布が被っていてそれがもぞもぞ動いていた。
「ひぇぇぇぇっ!?」
「なんかいる!?」
「そんな!霊は祓ったはず!!師匠!!」
「ええ!邪悪な気はもう感じない!!」
じゃああれはなんなんだ!?
「・・・・・・・・・・ううっ・・・・・・・・」
「呻き声が聞こえる・・・・・・・・!」
「んっ?今の声は・・・・・・・・・・・・・」
「ちょ、幸人!?」
俺はもぞもぞ動く物体の方へ近寄り布を取った。そこには
「なんだ、燈か」
「ううっ・・・・・・あれ、ゆーくん?」
後頭部を押さえた燈がいた。動いたものの正体は燈だった。
「燈!?」
「ともりん!?なんでそんなところに!?」
「あっ、えっとね、スタジオ入ろうとしたらこの布を踏んで滑って転んじゃって気を失っちゃって・・・・・・・・・・・」
「ええっ!?」
「燈、頭大丈夫!?」
「う、うん・・・・・・大丈夫」
「電気が消えたのは燈が転んだ拍子にスタジオの電気スイッチを落としてしまって呻き声は燈が頭の痛みで呻いてたものだったのか・・・・・・・・・・・・」
「なるほど」
「どうしたのみんな!?なんか騒がしいけど!?」
「あっ、凛々子さん」
凛々子さんが騒ぎを聞いてスタジオに入ってきた。
「いや、このスタジオで幽霊が出るって聞いて幸人がこの変なおっさんを連れてきて除霊するって・・・・・・・・」
「えっ、誰この人!?」
「どうも、プラチナスターシャイン星田です。さっき除霊が完了しましたのでもう安心ですよ」
「は、はぁ・・・・・・・・・・」
凛々子さんが呆れた顔をしてるのを見てると手に持っているポスターに目がいった。
「凛々子さん、そのポスターは?」
「これ?キャンペーンが終わったから剥がしたポスターよ」
そう言ってポスターを広げて俺たちに見せた。
「あっ!私が見た髪の長い女の人の幽霊!!」
「へっ?」
「幽霊の正体ってまさか・・・・・・・・・・・」
ポスターに写っているマイクを握り笑顔で歌っている髪の長い女の人、それが愛音が見た幽霊の正体だった。
「結局そういうオチ~?」
「なんだよ~」
「はぁ~なんか疲れた」
「?」
「えっ、ちょ、みんな!?」
「ゆーくん!?」
床にへたっと崩れ落ちる俺たち。楽奈はハテナマークを浮かべきょとんとして凛々子さんと燈は俺たちのことを心配する。
「これにて一件落着~さぁ、みなさんもご唱和しましょう!あらたか~!」
「この人ほんとなに!?」
「あ、あらたか・・・・・・・?」
「てなことがあったんだ」
「へぇ、そうなんだ」
幽霊騒動があった数日後、私はそよりんとお茶している。
「そよりん、なんか興味なさげ?」
「うん、だって私そういうオカルトに興味ないし信じてないし」
「ええっ~そうなの?」
「うん、それにそんな変な現場にいなくて良かったって思ってるわ」
「そよりんだけ上手く回避したよねー」
「なに、その顔?」
「別にー?」
「それより幸人君は?今日はバイトお休みらしいけど」
「ゆっきーはあの変なおじさん・・・・・・・お師匠さんのところへ修行しに行ってるよ」
「幸人君、いよいよかなりヤバくなってきたわね・・・・・・・・」
「う、うん・・・・・・・・そうだね・・・・・・・・・・・・」
「ねぇねぇ、知ってるこの噂?」
「?」
「ああ、知ってる知ってる!このライブハウスの第六スタジオで幽霊が出るって噂でしょ?」
「うん!なんか小さい女の子幽霊が出るらしいよ?」
「怖~い!」
「でも最近はあんまり聞かないんだよね~なんでだろ?」
通りすがりの女の子二人組の会話を聞く私。えっ、ちょっと待って?小さい女の子?
「どうしたの愛音ちゃん?」
「えっ、やっ、べ、別に!?」
それに最近聞かなくなったって・・・・・・・まさかあの人って本物の・・・・・・・!?
「さぁ今日も霊験あらたかしよう!!」
「あらたかー!!」
「ゆーくん、なんか楽しそう・・・・・・・・!」
オリ主、幸人は普通の人間ではありません
変人です!