「ふふふっ‥‥…‥‥」
「りっきー、なに笑ってるの?」
「やっと予約できたんだよ。燈が行きたがっていたアニマルカフェの予約が!」
「あー、最近駅前にできたとこだよね?人気で予約が中々とれないって」
「そうだ。前に燈が行ってみたいって呟いていたの聞いて今日の夕方に予約取ることができたんだ!」
「そ、そうなんだ……‥‥‥‥」
「燈、これ聞いたら驚くぞ~くっくっくっくっ…‥‥‥‥!」
「りっきー、笑い方怖いよー」
<ピロン!>
「あっ、ゆっきーからメッセージだ。なになに~?」
「動物と戯れる燈の姿、めっちゃ見たい!!そこの場面の写真をいっぱい撮るぞー!!」
「ねぇ、りっきー」
「なに?言っとくけど二人でしか予約してないからお前は来れないよ?」
「いや、それがともりん今日は来れないって‥‥…‥‥」
「はっ?なんで?」
「これ見て」
「?なっ!?」
スマホの画面にはトークアプリの幸人の個人メッセージ覧が映し出されていてそこに一枚の写真が送られていた。
その写真には電車の中でスマホを自分と燈に向け、なぜか笑顔でハリセンを持つ幸人と『ごめんね立希ちゃん』と書かれたノートを申し訳ない表情で見せる燈の姿が写っていた。
そしてメッセージには『燈は俺が預かった!悪いがアニマルカフェは愛音と行ってこい!』と書かれていた。
「二人でどこかにお出かけみたいだね」
「幸人ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「うんしょ‥‥‥‥うんしょ‥‥…」
「燈、大丈夫か?」
「う、うん、大丈夫‥‥…‥‥」
俺と燈は今都内から離れた田舎の山道を歩いていた。
なんでそんなところにいるのかというと燈が新曲の歌詞作りに行き詰まっていた&ゆるキャン△を見てキャンプしてーが丁度いい感じに合わさり燈の気分転換と俺の願望を満たすためキャンプすることにしたのだ。
「ちょっと休憩すっか」
「うん」
その辺にある石の上に座り休憩を取ることにした。
「ふぅ~」
「チィー、チィー」
「おっ」
今の声は………
「カワセミかな?」
「ゆーくん、あの声はメジロだよ……?」
「そうなの?」
あらら、外れちゃった。
「はぁ~喉乾いたな~」
飲み物飲み物~
「あっ、空だ……」
道中で全部飲んじまったんだ。しまった~
「この辺自販機無いしな~」
「ゆーくん」
「んっ、なに?」
「わ、私ので良かったら……」
「いいの?」
「うん」
燈………やっさしいいいいいい!!
「じゃあ、一口もらうな」
燈からミネラルウォーターのペットボトルをもらい一口飲む。
「んぐ……んぐ……ぷはっ!!」
水なのにめちゃくちゃ美味い!!燈の水最高!!
「ありがとな燈」
「うん」
「じゃあそろそろ行くか」
休憩を終え目的地であるキャンプ場へ向かう俺たち。
「父さんの知り合いが経営しているところで設備や調理器具とか充分揃ってるからな」
「テントとかもレンタルだったね………」
荷物が最小限で済んで楽チン楽チン~
「おっ、見えてきた」
「本当だ」
『山野中キャンプ場』とカバンが置かれていて目的地であるキャンプ場へ着いた。
「他のお客さんいないね……」
「そうだな」
どうやら貸し切りみたいだ。じゃあ燈と二人っきりで過ごせるな~
「よし、じゃあテント組むか!」
「うん……!」
レンタルで借りた組み立て式テントを出し組み立てていく。
「よし、できた!」
テントができてこれで寝床を確保した。
「これよりここをキャンプ地とする!」
「お、おー……!」
「では、燈隊員。料理をするために必要な火起こしに使う枝を集めてきてくれ!!」
「りょ、了解……!」
燈は落ちてる枝を拾いに行き俺は調理に必要な調理器具や食材などをリュックから出していく。
「今日のカレーはいつもとは一味違うぜ~」
燈、めっちゃ美味いカレー食わしてやるからな!
「ふふ………」
カレーの準備は順調だ………
「ゆーくん、ご飯いい感じにできてるよ‥‥‥」
「おう。カレーもいい感じにできてきてるぞ」
「今日は何のカレー……?」
「今日のカレーはずばり、実家のカレーだ」
「実家のカレー…‥‥?」
「そうだ」
実家のカレー…‥‥俺んちの特製カレーとは別で昔懐かしい母親が作ってくれた感じを思い出させるカレーだ。
ちょっと何言ってるかわからんと思うが黙って調理するところを見ていてくれ。
「まずは藤田家特製カレーにトマト缶とすり降ろした生姜をイン!!」
そして味見。
おおっ、見えるぞ!遠くから手を振るおふくろの姿が!(※俺の母親ではない)
「ここでウスターソースを少し…‥‥‥」
!!ウスターソースを入れたら遠くで手を振っていたおふくろ(※俺の母親ではない)が構えた!クラウチングポーズで!!
あと少しだ!!
「インスタントコーヒーとカレー粉をひとつまみ足して……‥‥」
きたきたきた!走ってきた!おふくろが!!(※何度も言うが俺の母親ではない)
ここまでくればあと一味…‥‥!
「最後は……‥‥これ!」
俺が手に取ったのはプレーンヨーグルトの容器。
こいつを入れたら実家のカレーの完成だ!!
「こいつを入れれば完成だ!」
「完成するんだね‥‥‥‥!」
しかしその時、カレーの完成にワクワクしている燈と目の前に迫る母の存在(※俺の母親ではry)その懐かしさに気を緩んでしまい
<ドポン!>
「えっ…‥‥!?」
「あっ…‥‥‥」
ドポン…‥!?今ドポンって!?
「ちょっ!」
スプーン一杯分入れるつもりが全部入っちゃったぞ!?
ま、マズい!早く掬い上げなきゃ!!
「うわわわわ!!」
俺はヨーグルトを慌てて掬い上げたが一瞬で半分以上が溶けてしまった。
せっかく目の前で迫っていたおふくろの味もスルー!遠い彼方へ行ってしまった!!
「ノーカン!!今のヨーグルトはノーカン!!」
「ゆ、ゆーくん、落ち着いて‥‥‥‥!」
母との再会(※俺のry)ならず!!
「これをこうして…‥‥‥よし!できた!」
夕飯を食べ終えると辺りはすっかり真っ暗になりライト光がなかったならなにも見えない。
今から天体観測しようと組み立て式の望遠鏡を組立て設置する。
「燈、望遠鏡の用意できたぞ」
「ありがとう…‥‥」
「じゃあ、星座の解説お願いしますね燈先生」
「うん」
「まずは‥‥‥‥あの星座は?」
大きな十字架の形に星々が並んでいるやつを指名する。
「あれは‥‥‥‥白鳥座」
「白鳥座‥‥‥‥デネブだったけ?」
「うん、そうだよ‥‥‥‥」
「じゃあ、あれは?」
はくちょう座から南に行くと少し小さな十字架の形に並ぶ星々ある。
「あれは‥‥‥‥わし座だよ」
「わし座ね。アルタイルだっけ?」
「うん。七夕のひこ星であそこにあること座‥‥‥ベガはおりひめ星って呼ばれてるよ」
「おおっ、てことはこの三つはまさか‥‥‥‥」
「うん…‥‥‥夏の大三角だよ」
星座に詳しくない俺でも知っている有名な並びだ。
こうして見るのは初めてだ。
「燈、他のも教えてくれ」
「えっと‥‥‥‥こと座のから西の方にアルファベットの「H」のような星が並んでいるのはヘルクレス座で‥‥‥ヘルクレス座から西にある星が七つきれいな半円形を描くように並んでいるのがかんむり座で‥‥‥‥ヘルクレス座の頭上から南に向かって将棋の駒のような形みたいに星が並んでいるのがへびつかい座で……‥‥あっ、あそこの赤く輝く明るい星がさそり座で‥‥…‥‥」
燈は次々と星座の名前を言っていく。
さすが天文部だ。
「それであそこのが……‥‥あっ、流れ星」
「マジ!?どこ!?」
「あっ、あそこ…‥‥‥」
燈が指指す方を見るとキラリと一瞬光るものが見えた。
「ほんとだ…‥‥‥あっ、また流れてきた!」
願い事しなくちゃ!新しいガンプラが欲しい!新しいガンプラが欲しい!新しいガンプラが欲しい!
「‥‥…‥‥ふぅ~願い事三つ唱えるの大変だぜ~」
「そうだね」
「燈は何お願いしたんだ?」
「え、えっと…‥‥‥秘密…‥‥‥」
「そっか~」
気になるな~燈の願い事。
「よし、じゃあ寝るか」
「うん」
俺たちはテントの中に入り寝ることにした。
「それじゃあ消灯」
ランプの明かりを消しテント内は暗くなった。
「いや~それにしても美味かったな~焚火で焼いたマシュマロ」
「うん、美味しかったね……‥‥」
あのトロリとした食感で甘~いのが口の中で広がるのいいよね~
前からやってみたかったんだよね。
「燈、明日の朝ご飯もカレーになっちゃうけどいいか?」
「うん、大丈夫。ゆーくんの作るカレー美味しいから‥‥‥」
「そうか‥‥‥‥」
そう言ってもらえると嬉しいぜ。
まぁ、ヨーグルト入れ過ぎて俺の作りたかったカレーとは違うけどね。
「……‥‥…‥‥ねぇ、ゆーくん」
「なんだ?」
「覚えてるかな‥‥‥‥?幼稚園の時にゆーくんといっしょにたくさんのカメムシ捕まえたの」
「あー覚えるぞ」
燈と一緒に大量のカメムシを捕まえて家に帰ったら母親にめちゃくちゃ怒られたっけなー
「手が滅茶苦茶臭くなったけな~」
「うん、私の手も臭くなってお母さんに怒られたな…‥‥‥」
「燈もか……‥‥あっ、じゃああれ覚えてるか?小一の時に原っぱ行って四葉のクローバー探して二人で合わせて六十六個集めたの」
「うん、いっぱい見つけたよね…‥‥」
あと六が一つあったら不吉な並びになるけどね…‥‥‥
「あっ、五年生の時の運動会のクラス対抗リレーの時覚えてる?」
「おう、覚えてるぞ」
「ゆーくんがアンカーで私たちのクラスは最下位だったでしょ‥‥‥‥?」
「そうそう、俺もこれは一位無理だなって思ったけどな」
でも燈の応援があったおかげで自分でもわからないくらいの超スピードで走ったから逆転して一位になったんだよな~
「あの時のゆーくんすごい速かった……‥‥」
「そうだな……‥‥あっ、あとさぁ…‥‥‥」
それから俺と燈はこれまでの人生振り返りその晩は思い出話を語り明かしたのであった。
「んぅ………‥‥うんまぁい!」
次の日、俺は朝食のカレーを温め直していた。
「やはり、二日目のカレーは美味いな」
一晩中寝かしたから美味くなってるぜ~
「ゆーくん、おはよう‥‥…‥‥」
「おはよう、燈」
「ゆーくん、これ見てほしい…‥‥‥」
「んっ?」
燈から歌詞ノートを受け取り中を見る。
「新しい歌詞できたんだ」
「う、うん……‥‥」
おおっ、いい感じにできてんじゃないか。
「曲名は決まってるのか?」
「う、うん…‥‥‥‥曲名は……‥‥」
『端程山』誕生秘話回でした(嘘)
アニサマ行く人は楽しんできて!!