そして幼馴染であるあの男が黙ってるはずもなく‥‥…‥‥
「‥‥…‥‥はぁ……‥‥」
「ともりん?」
「どうしたの燈?ため息ついて?」
「実は最近ゆーくんがまともに会話もしてくれなくて顔もあんまり見せてくれないし…‥‥‥」
「ええっ!?あのともりん大好きゆっきーが!?」
「嘘だろ!?」
「朝起こしに行ってももう家出てるし‥‥‥‥学校終わってもどっか行っちゃってるし‥‥‥‥RiNGで会ってもろくに会話してくれないし……‥‥お休みの日も一緒に遊びに行かないしご飯も食べてくれないし…‥‥‥ゆーくん、私のこと嫌いになっちゃったのかな‥‥‥‥?嫌だよ‥‥‥‥ゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくんゆーくん……‥‥‥」
「わあああ!!ともりんが壊れた!」
「燈!落ち着け!あいつがお前のこと嫌いになるわけないだろ!?」
「ううっ…‥‥‥ゆーくん‥‥‥‥」
「どうしたのみんな?」
三人に騒ぎを聞いて近寄ってくる沙綾。
「あっ、沙綾先輩」
「実は最近ゆっきーがともりんを避けているみたいで‥‥‥‥」
「幸人君が?」
「先輩何か知りませんか?ほんの些細な事でもいいので知ってたら教えてください」
「うーん……‥あっ、そういえば幸人君バイト増やしたみたいだよ?」
「バイトを増やした?」
「うん。駅前のハンバーガーショップやつぐみの家の喫茶店や旭湯やラーメン銀河とかいろんなところでバイトしてるみたい」
「なんでそんな急にバイト増やしたんだろう?」
「私が知るわけないでしょ?先輩、教えていただきありがとうございました」
「どういたしまして。じゃあ私仕事に戻るね」
そう言って仕事に戻る沙綾。三人は改めて話し合うことにした。
「ゆっきー、なにか欲しい物でもあるのかな?」
「あいつのことだからガンプラやゲーム機とかじゃないの?」
「でもそれとともりん避ける理由関係ある?」
「確かに……‥‥」
「私に知られたくない買い物かな…‥‥‥?」
「ともりんに知られたくない物……‥‥うーん、わかんない~」
「こうなったら聞いてみるしかない」
そう言ってスマホを取り出し幸人に連絡する立希。
「‥‥……‥‥」
「どう?繋がった?」
「…‥‥‥だめ、留守だった」
「バイト中かな?」
「ゆーくん‥‥…‥‥」
「あいつ、燈にこんな思いさせるなんて‥‥‥‥!」
「ゆっきー、どうしちゃったんだろう‥‥‥‥?」
疑問と不安が交わり燈の誕生日が近づいてきたのであった……‥‥‥
「燈!」
「ともりん!」
「燈ちゃん」
「燈」
「「「「お誕生日おめでとう!!」」」」
11月22日、この日は燈の誕生日でメンバーがRiNGのカフェスペースでお祝いすることにしたのだ。
「み、みんな‥‥‥‥ありがとう…‥‥‥!」
「はい、これ!プレゼント!」
「私からも」
「はい、どうぞ」
「あげる」
それぞれが用意したプレゼントを燈に渡す。
「わぁ~すごい……‥‥!」
「燈、嬉しそう」
「当たり前でしょ?私があげたプレゼントが一番良くて喜んでるんだから」
「私たちのもあるんだけど~?」
「そんなことわかってるって」
「そういえば幸人君来てないわね」
「そうなんだよね~連絡もないし…‥‥‥」
「あいつ、燈の誕生日忘れてるじゃ?」
「いや、さすがにそんなことはないでしょ?」
「ゆーくん……‥‥‥」
<バァン!!>
「えっ?」
「なに!?」
カフェの入り口の扉が勢いよく開きそこにいたのは
「燈!!誕生日おめでとう!!!!!!」
パーティ用帽子とバースデーサングラスを装備し右手に少し小さめの白の四角形の箱と左脇にに大きめの茶色の四角形の箱を抱えた幸人が入ってきた。
「ゆ、ゆーくん‥‥‥‥?」
「幸人君、その恰好は…‥‥?」
「いや~これ作ってたら遅れちゃってさぁ~ごめんごめん」
幸人は箱を開けて燈たちに見せた。その中身は……‥‥
「これって‥‥‥‥」
「俺特製のバースデーケーキだ」
生クリームがたっぷり塗られていていちごが乗って金平糖が散りばめられ『燈 お誕生日おめでとう!』と丁寧に書かれたチョコプレートが中央にドンと置いてあるバースデーケーキだった。
「すごい~!これ、ゆっきーの手作り!?」
「そうだ!父さんに教えてもらって頑張って作ったケーキだ!」
「そういえば幸人のお父さんってケーキ屋さんだったな」
「そして、これは‥‥…‥‥誕生日プレゼントだ!」
ケーキを机の上に置き今度は茶色の大きな箱を見せる。
「あ、開けてもいい‥‥‥‥?」
「どうぞ」
幸人から開封の許可を得て包装紙を開いてみる燈。
「これ…‥‥‥!」
箱には白い立派な望遠鏡の写真がプリントされていた。
「新しい望遠鏡だ。いつもお父さんのやつ借りてるからそろそろ燈専用のやつがほしいかなって思ってそれにしたんだ」
「わぁ‥‥‥‥!」
「これ、結構高いやつじゃないの?」
「ああ、HGデストロイガンダム5箱分だ」
「いや、ガンプラに例えられてもわからないわよ」
「そこは給料うんヶ月分とかじゃない?」
「まぁ、いいじゃないのなんでも」
「ゆーくん…‥‥‥もしかしてこれ買うために…‥‥?」
「ん?ああ、バイトいくつか掛け持ちしててさ。燈と一緒にいれる時間全然なかったしサプライズで渡したかったのもあるし……‥‥‥」
「ゆーくん、私のためにそんなにバイトを……‥‥」
「寂しい思いさせてごめんな燈。また一緒に話したり遊びに行ったりしような」
「うん……‥‥!」
お互い笑顔で見つめ合う二人。そんなほんわかした空気に見てるこっちまで癒される他のメンバーたちであった。
「ぐぅ~‥‥‥……‥‥」
「………‥‥‥」
誕生日会が終わり解散することになりいつも使っている電車に乗っている私たち。立希ちゃんが「今日ぐらいは一緒に帰ってあげて」とゆーくんに言って二人っきりで帰ることになった。
「ゆーくん…‥‥お疲れみたいだね‥‥‥‥」
隣に座っているゆーくんは目を開けたまま寝ている。
ゆーくんはものすごく疲れた時は目を開けたまま寝るクセがあるのは昔から変わらない。私も最初はビックリしたな‥‥‥…‥‥
「目が乾いちゃうから瞼閉じといてあげよう……‥‥」
私はゆーくんの瞼をゆっくりと閉じさせてあげる。
「…………‥‥」
誕生日プレゼントのお金貯めるためにバイトいっぱいしておじさんにケーキの作り方教わってすごい頑張ったんだろうな…‥‥‥
「なにかお礼しなきゃ……‥‥」
でも何しよう……‥‥?ゆーくんそういうのいいとか言いそうだし‥‥‥‥
「あっ、そういえば‥‥…‥‥」
前にあのちゃんが貸してくれた漫画で女の子が寝ている男の子の頬にキスしてあげるシーンあった……‥‥これなら今できるよね…‥‥‥?
「じゃ、じゃあ‥‥…‥‥」
私はゆーくんの頬に口をゆっくり近づける……‥‥‥
「……‥‥‥‥…」
次のゆーくんのお誕生日、ちゃんとお返しするからね‥‥‥‥?
生まれてきてくれてありがとう…‥‥‥ただそれしか言う事が見つからない…‥‥‥