アニメがいい燃料となっています!
「えっ、どういうことですの!?出演の取り止めって!!」
『申し訳ないがセットの予算とスタジオの都合上そちらに合わせるのが難しくて…‥‥‥なのでこの話はなかったことにしてくれ。それじゃあ』
「あっ、ちょっと!」
通話相手であるテレビ番組のプロデューサーの方は通話を切ってしまった。
「くっ……‥‥!」
出演するはずだったテレビ番組の出演を向こうの都合で無かったことにされた。
「Ave Mujicaも勢いがついてきたと思ったのに…‥‥‥」
このままではいけませんわ。新しい曲と脚本を書かなくては!
<プルルルルルル>
「あっ……‥‥」
スマホの着信音が鳴り画面を見ると赤羽警察署の方からだった。
「はい‥‥‥‥豊川です‥‥‥‥」
電話に出ていつも通りの内容を聞いていつも通りの返事をする。
「‥‥‥‥わかりました。すぐに向かいます…‥‥‥‥…っ!!」
通話を終えスマホを投げる。
「あのクソ親父また!」
父がいつも通り飲み潰れて路上で倒れていて警察に保護されたようだ。
「なんで…‥‥‥なんでこうなるんですの!」
いいところまで来たのに一気に落とされる!なんでいつもこうなってしまうの!?
CRYCHICの時だって……‥‥!
「……‥‥‥私、どうしたらいいんですの?」
<キュイイイイインンンン‥‥‥‥>
「えっ……‥‥?」
あれは先程道で拾った球‥‥…‥‥…いきなり光輝きだしましたわ。
「きれい‥‥……‥‥」
私は球の輝きに吸い寄せられるようにゆっくりと歩み寄り球を手に取った。
「私の願いを‥‥…‥‥叶えてくださる?」
そして私は球に願いを告げた。
「はぁ~どこいったんだよ‥‥…‥‥」
球がどこかへ行ってしまってから一週間以上が経った。
あの後みんなにも探してもらったり交番に落とし物として届けてもらってないか聞いたりしたけど結局球は見つからなかった。
「ちょっと、ちゃんと仕事してよ」
「わーってるよ。けどなんかモチベがな~」
「凛々子さんにチクるよ?」
「ちゃんと働きます」
俺は球のことは一旦置いといて仕事に戻った。
バイト代減らされたくないからね。
「へい、らっしゃい」
「幸人君、ここラーメン屋さんじゃないからね?」
燈と愛音とそよがいるテーブル席に水の入ったグラスを置いていく。
「わぁ~すごい~!」
「何見てんだ?」
「Ave Mujicaの最新MV見てるの!演出もすごいし演奏も最高なの!」
「へぇ~」
Ave Mujicaって前にライブ行ったけど演奏すごかったし演劇みたいなのもあってすごかったのを覚えているぞ。
「ライブ行ってみたいけどチケットの倍率高そう~でも絶対当ててやる!」
「当たるといいわね」
「あのちゃん、当たるといいね‥‥‥!」
「ありがとう~!」
チケット抽選か~倉雄なら高確率で当ててくれるから外れても連番してくれるし頼んでおこうかな?
「おーい、注文聞いていいか?」
「あっ、忘れてた!えっとね……‥‥」
みんな球のことよりAve Mujicaに夢中だな。俺はいまだに球のことを思い続けてるよ…‥‥‥
「うーん……‥‥‥無いか~」
バイト帰りに球を探しまわっている。
一週間以上も探しているけど見つからないな~
「はぁ‥‥‥‥今日はもう帰るか‥‥‥‥」
「幸人…‥‥?」
「はい?あっ‥‥‥‥」
声がした方が向くとそこには睦がいた。
「何してるの?」
「あっ、ちょっと探し物しててさ」
「どんなの?」
「えっと…‥‥‥真っ黒い球」
「球?」
「ああ。見てないか?」
「見てない‥‥‥‥」
「そうか……‥‥」
「探すの手伝おうか…‥‥?」
「いや、大丈夫。もう暗いし明日また探すよ。じゃあな」
睦と別れ俺は家に帰ることにした。
「球‥‥…‥‥」
幸人が探してる球ってどんなのなんだろう?黒いって言ってたけど…‥‥‥
「祥、いる?」
事務所に着いて会議室に入ったけど祥はいなかった。
「どこいったんだろう‥‥‥‥?」
来てって言われたから来たけど…‥‥‥
「‥‥…‥‥わね」
「えっ…‥‥?」
隣の部屋から祥の声が聞こえた。
「誰かと話してる…‥‥?」
誰か来てるのかな?
「…‥そうですわね…‥なら、そうしましょう‥‥‥‥」
「誰と話してるんだろう‥‥‥?」
私はこっそりドアを少しだけ開けて中の様子を見た。
「あれは…‥‥‥」
祥が話している相手、それは真っ黒い球だった。
「(あれって、もしかして幸人が言ってた球?)」
なんで祥が?それになに話してるんだろう?
「この世界を…‥‥‥きれいに壊してあげましょう‥‥‥‥」
「!?」
世界を壊すって‥‥‥!?よくわからないけどなにか嫌な予感がする‥‥‥!
「幸人に伝えなきゃ…‥‥‥!」
私は祥にバレないように部屋を出て幸人に電話をかける。
『睦?どうした?』
「幸人‥‥‥!大変!祥が!それに幸人の言ってた球が!」
『!?どういうことだ!?球が見つかったのか!?』
「祥が球を持っていて‥‥‥‥それに様子がおかしくて‥‥‥‥」
『どういうことだ?』
「球と会話してて‥‥‥‥それで世界を壊すとか言っていて…‥‥」
『なんだって!?とりあえず今すぐ向かうからどこにいるか教えてくれ!』
「えっと場所は‥‥…‥‥」
私は事務所のあるビルの住所を幸人に教えた。
『わかった!今行くから待ってろ!』
「う、うん……‥‥」
幸人は急いで来てくれるみたいで通話を終えた。
「幸人、早く来て……‥‥」
「睦?」
「!?」
背後にいつの間にか祥が立っていた。
笑顔だけど怖い…‥‥‥
「そんなところになにをしているんですの?」
「え、えっと‥‥…‥‥」
「まぁ、いいですわ。それより睦に見せたいものがりますわ」
「!!」
祥は後ろに隠していた右手を出しそこには黒い球があった。
「この球はどんな願い事も叶えてくれる魔法の球ですわ」
「あっ‥‥‥ああ…‥‥」
私は恐怖のあまり体が動けなくなっていた。
「睦、あなたにもこの球の力を見せてあげますわ」
「い、いや……‥‥」
私は逃げることができず球は輝きを放ち私の意識はそこでなくなった‥‥…‥‥
睦ちゃん、いい子なのに可哀想…‥‥祥子ちゃんと同じく救われてほしい。