「へぇ~次のガンダムの主人公はまた女の子か」
自室でポテチ食いながらスマホでガンダムの新作情報を見ている。
タイトル初見で読めるか?MyGO!!!!!の曲名ばりに難しいぞこれ
<コン コン>
「はーい?」
「ゆーくん…‥‥今、大丈夫‥‥‥‥?」
おっ、燈が遊びに来たようだ。ちょうど暇してたし二人でなんかするか。
「いいよ。入ってこいよ」
「うん」
燈が入室し俺の前に座る。
「さぁ、何して遊ぼうか?」
「あ、あの、ゆーくん…‥‥‥一つお願いしてもいいかな?」
「?」
なんだ?珍しいな、燈がお願いなんて。
「なんだ、言ってみろ」
「う、うん。えっと…‥‥‥ケーキの作り方教えてほしいんだけど‥‥‥‥」
「ケーキ?」
「クリスマスイブにあのちゃんたちとクリスマスパーティーするんだけど私がケーキ用意する係になったんだ…‥‥」
「ほう」
かなり重要な役割だな。ケーキはクリパの華だからな。
「普通にケーキ屋さんで買うのもいいけど‥‥…‥‥みんなとの初めてのクリスマスパーティーだしせっかくだから手作りのクリスマスケーキ作ってみんなと食べたいなって思って…‥‥‥」
「なるほどね‥‥‥‥」
ケーキ屋さんで売ってるケーキも美味いけど心のこもった手作りはもっと美味いからな。
「よし、わかった!一緒にケーキ作ろう!」
「う、うん……‥!」
「24日は午前中なら空いてるからその時教えてやるよ」
「わかった…‥‥!」
こうして俺は燈にケーキ作りを教えることにした。
ちなみに午後からは父さんの店の手伝いだ!イブは忙しくなるぞ~!
「よし!じゃあ、始めるぞ!」
「う、うん……‥!」
12月24日となり約束通りに燈にケーキの作り方を教えることになった。
エプロンをつけてケーキの材料は全て出してあるぞ。
「まずはボウルに卵を割り入れる」
「うん」
ボウルに卵を割り入れていく燈。
「グラニュー糖、はちみつを加えて」
「グラニュー糖とはちみつ……‥‥」
グラニュー糖とはちみつも加え湯せんにあてながら泡立て器で泡立る。
「お湯熱いから気をつけて混ぜろよ」
「うん…‥‥うんしょ…‥‥うんしょ‥‥‥」
泡立て器で一生懸命かき混ぜる燈。頑張れ!!
「人肌まで温まったら湯せんから外して更に筋が残るくらいまで泡立てるんだ」
「筋が残るまでだね…‥‥」
さらに泡立ててなんとか筋が残るまで泡立てることができたようだ。
「じゃあ次はそれに薄力粉を加えてゴムベラで混ぜて粉気が少し残る位で無塩バターも加えてよく混ぜ合わせろ」
「薄力粉を入れて混ぜる…‥‥‥」
あらかじめふるいにかけておいた薄力粉を入れ混ぜていく。
「ゆーくん、そろそろバター入れてもいいかな?」
「そうだな、入れようか」
粉気が残る位になったので無塩バターを入れてさらに混ぜる。
「よし、もういいかな」
「生地、いい色になったね‥‥‥‥」
ケーキ生地ができたのでそれをケーキ型に流していく。
「こぼさないように慎重にな」
「う、うん…‥‥‥」
焦らずゆっくりと生地を流し入れていき無事に入れ終わった。
「次はいよいよ焼くぞ~」
ケーキ生地を180度に予熱したオーブンで30~35分焼いていく。
「ここで一つやることがあるぞ」
「やること…‥‥?」
「ああ、美味しくなるように美味しくなーれ、美味しくなーれと3回唱えるんだ」
これをやるかやらないかで美味しさが違うんだよな~
「さぁ、一緒に唱えるぞ。美味しくな~れ、美味しくな~れ、美味しくな~れ」
「お、美味しくな~れ…‥‥美味しくな~れ…‥‥美味しくな~れ…‥‥」
燈と一緒に美味しくなる呪文を唱え焼き上がるまでに生クリームを作っておこう。
「ボウルに生クリーム、グラニュー糖を入れ氷水に当てながら混ぜていくぞ」
「ゆーくん、泡立て器は…‥‥?ケーキ生地作るのに使っちゃったから新しいの使う‥‥‥?」
「うんにゃ、クリームは泡立て大変だからこれを使う」
そう言って取り出したのはハンドミキサー。
これを使えば楽にクリームを作ることができるぞ!
「さぁ、これを使え!」
「う、うん…‥‥!」
ミキサーを受け取りスイッチを入れる燈。だが
「……‥‥あれ?」
「どうした?」
「スイッチ入れたけど動かない…‥‥‥」
「えっ?ちょっと貸して」
ハンドミキサーを返してもらいスイッチを一旦切ってもう一度入れるが動かない。
「あ、あれ~?」
繰り返し切っては入れてを繰り返すがハンドミキサーは動くことはなかった。
「もしかして壊れちゃった…‥‥‥?」
「かもしれんな……‥‥」
このハンドミキサー昔から使ってるやつだから寿命来ちゃったかもな…‥‥‥
「ゆーくん、どうする‥‥‥‥?」
「うーん…‥‥‥あっ、そうだ!」
俺はいいことを思いつき自分の部屋に行きある物を取りに行って戻ってきた。
「燈!ハンドミキサーの代わりにこれを使え!」
「こ、これって…‥‥‥」
俺が持ってきたのは爆竜戦隊アバレンジャーでアバレンジャーが乗るロボ『アバレンオー』のDXおもちゃだった。
「このロボの背中のスイッチを入れると腕のドリルが回るんだ」
スイッチを入れるとアバレンオーのドリルとなっている腕が回転し始める。
この回転でもうやることかわかってるよな?
「さぁ、このドリルの回転でクリームを泡立てるんだ!」
「え、ええっ‥‥‥!?」
「早くしないとクリーム固まっちゃうぞ!!」
早くアバレンオーを使ってクリームを泡立てるんだ!!
「仕方ない!俺がやる!!」
俺はアバレンオーの腕のドリルをボウルに突っ込もうとした。
「だ、だめ‥‥‥‥!」
「燈!?」
「ロボット壊れちゃう…‥‥!」
燈がアバレンオーを奪い取り泡立てを阻止する。
「……‥‥‥ご、ごめん。俺なんか慌てたみたいだ」
「大事なロボットだから大切にしよう…‥‥‥?」
「はい‥‥…‥‥」
もう少しでアバレクッキングをするところだったが燈に止められなんとかしないで済んだ。
結局泡立て器で手動で生クリームを混ぜていきなんとかクリームもできた。
<チーン!>
「焼けたな」
スポンジが焼き上がったのでオーブンから取り出していく。
「わぁ‥‥‥!いい匂い‥‥‥‥!」
「いい色に焼き上がったな」
きれいなきつね色をしたスポンジを見て上手く焼けたことを確認する。
そこから少しの間冷蔵庫で冷まして次はスポンジにクリームを塗ったりいちごを置いていく。
「中にもクリーム入れるからスポンジ切ってへらでクリーム塗っていくぞ」
スポンジを横から半分に切りそこにクリームをへらで広げるように塗りカットしたいちごを散りばめて切ったもう一つのスポンジで蓋をするように置く。
「そして全体にクリームを塗って行く」
スポンジのきつね色が見えなくなるまで満遍なく塗っていきあっという間に真っ白になった。
「次に上部分に絞ったクリームを置いていくぞ」
絞り袋にクリームを入れてこれを押すと先が尖がったきれいな形になる。
「お手本見せてやるからよく見ておけよ」
「うん」
「袋を優しく握ってちょっと出すくらいの感じで回転させる…‥‥‥ほいっと」
「ゆーくん上手‥‥‥‥!」
きれいな形をしたローズバッド(バラのつぼみ)が一つ出来上がった。
「さぁ、燈の番だ。やってみろ」
「う、うん…‥頑張る…‥‥!」
燈は俺の教えた通りに絞り袋を握りクリームを出していく。
「こうして…‥‥‥あっ、失敗しちゃった…‥‥」
「大丈夫大丈夫、やっていくうちに上手くなるから」
「うん……‥次こそ‥‥‥‥!」
再びクリーム絞りに挑戦する。今度こそ上手くできますように!
「こうして…‥‥‥できた…‥‥!」
「すごいじゃんか燈!」
今度は上手くできたみたいだ!こんな早く上手くできるなんてすごいぞ!!
「この調子で時計周りして絞っていこう!」
「うん…‥‥!」
その後もきれいなローズバッドの形をしたクリームを咲かせていきケーキの上部分にはきれいなバラ畑となった。
「よく頑張ったな燈!」
「ゆーくんがわかりやすく教えてくれたからだよ」
「それでもすごいって!じゃあ、仕上げにいちご乗っけてくぞ!」
最後の仕上げに切ってないいちごを乗っけていきついに完成!!
「できたー!!」
「ケーキ、できたね‥‥‥‥!」
「ああ!!おっと!!」
俺は時計を見てそろそろ父さんの店の手伝いに行かないといけなくなった。
「燈、俺そろそろ行かないといけないから!」
「あっ、う、うん…‥‥!」
「みんなとクリパ楽しめよ!!行ってきまーす!!」
燈に家の鍵渡して急いで父さんの店に急いで向かった。
「クリスマス~クリスマス~みんな楽しみクリスマス~」
「愛音、そっち終わった?」
「もう少しで終わるよ~」
「立希ちゃん、料理の準備終わったよ」
「よし、あとは燈がケーキ持って来てくれれば…‥‥‥」
「クリスマスパーティーできるね!!」
「りっきー、抹茶ある?」
「あるからつまみ食いするなよ」
「み、みんな、お待たせ‥‥‥‥」
ケーキを持って中に入るとあのちゃんたちがすでにパーティーの準備をしていた。
「あっ、ともりん!」
「いらっしゃい、燈ちゃん」
「燈、こっちはもう準備終わってるからすぐに始められるよ」
「燈、早く」
「あっ、うん…‥‥‥」
机の上には美味しそうな料理が並んでいて部屋の隅には飾り付けしてあるクリスマスツリー、壁にはリースがかけられていてクリスマス一色になっている。
「じゃあグラス持って!」
「はい、燈」
「ありがとう立希ちゃん」
「メリークリスマース!!」
「「「クリスマース」」」
「ク、クリスマース…‥‥!」
ジュースの入ったグラスで乾杯しパーティーが始まった。
そよちゃんの作った料理とっても美味しいしあのちゃんは盛り上げてくれて立希ちゃんは料理取り分けてくれたりジュースのおかわりを注いでくれたり気遣いしてくれて楽奈ちゃんは料理食べさせてくれたりギター弾いてくれたりとても楽しいパーティーになった。
「そろそろケーキ食べよう!」
「そうね。持ってくるわね」
そよちゃんがケーキの箱を持って来てお皿やフォークや切り分け用ナイフも用意した。
「じゃあ、開けるよ」
「わぁ~!」
「おー」
箱を開けると私が作ったケーキが姿を現した。
「美味しそうなケーキ……‥‥」
「切り分けるわね」
そよちゃんがナイフで上手にケーキを切り分けお皿に乗せていく。
「いただきまーす!」
ケーキを食べ始めるみんな。見た目はいいけど味は大丈夫かな‥‥…‥‥?
「はむ‥‥‥‥」
「……‥‥美味い!」
「ほんと、美味しいわねこのケーキ」
「!!」
みんな美味しいって言ってくれた……‥‥!
「ともりん、このケーキどこの!?すごく美味しいよ!」
「あっ、え、えっと……‥‥それ、私が作った…‥‥‥」
「えっ!?手作り!?」
「う、うん……‥ゆーくんに教えてもらいながら作った…‥‥‥」
「幸人君に教えてもらったのね」
「燈、美味い」
「ありがとう‥‥‥‥」
「………‥‥」
「立希ちゃん……‥‥?」
立希ちゃんだけずっと黙ってるけど…‥‥‥もしかして美味しくなかったのかな?
「‥‥…‥‥ごい」
「えっ?」
「すごい‥‥‥‥こんなケーキ食べたことないよ燈……‥‥」
立希ちゃんは涙を流しながら美味しそうにケーキを食べてる。と、とりあえず美味しいってことかな‥‥‥?
「今まで食べたケーキがクソみたいだ‥‥‥‥」
「そこまで言う?」
「立希ちゃん、涙と口の周りのクリーム拭きなよ」
「りっきー、きったな」
と、とりあえずみんな喜んでくれたみたい…‥‥‥ゆーくん、やったよ…‥‥‥!
「う~さむさむ~」
すっかりと暗くなった街中を歩く俺。
父さんの店の手伝いも終わり家に帰る途中だった。
「しっかし、世間はクリスマスなのに働き者がいっぱいいるな」
ケーキやチキンやクリスマスグッズを売る人や飲食店の客引きの人がいっぱいいるな~
まぁ、俺もさっきまで働いていたんだけどね~
「手伝いのお礼でケーキとまさかこれも貰えるとはな…‥‥‥」
父さんの店のケーキをたくさんもらいその後商店街に行ってなぜかサケを張り切って売っている魚屋さんを見て手伝ったらお礼にサケの切り身もらえた。
クリスマスはチキンよりサケ食えってか?わかってるじゃないか魚屋さん!!
「家に帰ったら料理して…‥‥‥んっ?」
あの後ろ姿は…‥‥‥
「おーい!!」
「?あっ、幸人さん……‥‥」
俺が見つけた人物、それは祥子だった。
「偶然だな、こんなところで」
「ええ、そうですわね‥‥‥‥幸人さん」
「なんだ?」
「その恰好は?」
「ああこれ?バイト先の衣装そのまま着て家に帰ろうと思ってさ」
俺の今の恰好はサンタ服に頭にサケの切り身の形をした被り物を被った状態である。
「サンタはわかりますがなぜサケの切り身なんですの?」
「クリスマスはサケ食べるんじゃないのか?」
「誰が言ったんですかそんなこと?」
「サーモンシャケキスタンチン」
「誰なんですのその方は!?」
「農林水産省に認められたサケ」
「ちょっとなに言っているのかわかりませんわ…‥‥‥」
「?」
クリスマスでサンタに次ぐマスコットキャラだぞ?知らないのか?
「祥子も家に帰る途中だったのか?」
「えっ?ええ、そうですけど‥‥‥‥」
「なら、これやるよ」
「えっ?」
俺はケーキの入った箱を一つ祥子に渡した。
「ケーキだ。父さんの店の手伝いのお礼でたくさんもらって食べきれないからさ」
「い、いいんですの?」
「ああ、むしろ貰ってくれると助かる」
早く食べないと腐っちゃうしこの量食べきれないからな。
「………‥‥わかりました。では、いただきますわ」
祥子はケーキを受け取ってくれた。
よし、これで一つ減ったな。
「ついでにサケの切り身もいる?」
「いえ、ケーキだけでいいですわ」
「そう。じゃあ、俺帰るから!いいクリスマスを!!」
「え、ええ…‥‥‥」
祥子と別れ家に向かって小走りで向う。
よし!一人のクリスマスだけど料理とケーキ食べながらポケットの中の戦争見よう!!
「すごいですわね…‥‥‥」
家に帰り幸人さんから頂いたケーキの箱を開けると中から立派なブッシュドノエルが出てきましたわ。
「幸人さんのお父様が作ったケーキ……‥‥」
よくできてますわね…‥‥‥
「さっそくいただいてみましょう」
私は包丁でブッシュドノエルを一人分に切りフォークでひと口サイズに取り口の中に入れた。
「!!」
すごく美味しいですわねこのブッシュドノエル。チョコのクリームの風味がちょうどよく甘すぎない感じがいいですわ。
「………‥‥‥」
今年のクリスマスはケーキを食べたり親しい人達とパーティーすることなんてないと思っていましたのに……‥‥‥
「幸人さん、ささやかなクリスマスプレゼントをありがとうございます」
今日ぐらいは幸せな気分で過ごしてもバチは当たりませんわね。
みなさん、良きクリスマスをお過ごしください!
そしてクリスマスはサケ食えよ!!