祥子ちゃんがほんとしんどいしクソ親父も悪いわけじゃないしほんと辛い………
1話で正体バレすんの驚きだった。
けど、ここから本当の地獄だからね?
「じゃあ、撮影を始めまーす」
千葉県の郊外、広大な海を見下ろす崖の上でAve MujicaのMVの撮影が行われようとしていた。
だがなぜかスタッフはバイトで雇った幸人一人だけだった。
「ええ、よろしくお願いします」
「ね、ねぇ、さきt……じゃなくてオブリビオニス」
「なんですの?ドロリス」
「なんで撮影スタッフさんが一人なの?しかも幸人君だし……」
「ああ、それは……」
「私が説明しましょう」
「ティモリス」
「実は昨日の夜、撮影チームの方々が飲み会をしてその時出された生牡蠣を食して全員当たってしまったようでして」
「か、牡蠣?」
「替えを探したのですが中々見つからなくて困っていたところオブリビオニスが藤田さんに頼んだところ快く引き受けてくれたようで」
「ありがたいけど幸人君一人で撮影なんてできるのかな?」
「ご心配なく、幸人さんにかかればMVの撮影の一つできますわ」
「どこからそんな根拠くるの~?」
幸人がちゃんと撮影できるか不安になるオブリビオニス以外のメンバー。
「あの~大丈夫ですか?」
「すみません、問題ありません。撮影を始めましょう」
「は、はぁ………」
「皆さん、各自配置について」
ムジカのメンバーは崖の上の撮影位置へと移動していく。
撮影に向ける意気込みは十分というところだがそんな彼女たちを見ながら、幸人は内心こう思った。
「(MV撮影……いい仕事だ。祥子のやつが突然『知り合いのバンドのMV撮影のバイトして見ませんか?人手が足りなくて困っていて……お給料はそれなりの額がでますので』って頼まれたから引き受けたはいいけどなんでこんな崖の上なんだ?スタジオとかじゃなくて?)」
そんなことを考えながらも、幸人カメラを携えスタンバイしている5人の方へ歩いていく。
「じゃあ、撮りまーす」
撮影開始の合図をしカメラを回したところで……事件は起きた。
<……ミシッ>
「? 今何か音がしませんでした?」
「えっ?音なんてしなかったような……」
「みなさんどうし……うッ……うわァァァァァァ!!!」
何と、突然ティモリスの足元の崖が崩れティモリスは足を踏み外して、視界から消えていく。
慌てて、彼らの方へ駆け寄る残りのメンバーと幸人。
「ティモリスーーーー!!」
オブリビオニスにスカウトされバンドに入ったはいいがアニメ放送のカウントダウン画像の狂気染みた笑顔を立希に見られドン引きされそしてなぜか使っていたベースが爆発して新しく買い直したはいいがベースではなくコントラバスだったティモリスーーーー!!
「くっ、ティモリス……」
海に落ち消えたティモリスの最期が未だ信じられず、呆然とする一同。
「泣かないでオブリビオニス……涙という名の飾りは心の宝箱にしまおう?」
「ドロリス……」
「ティモリスのためにも、残った僕たちががんばるしかないよ!」
「……そうね。ドロリスの言う通り」
何とか気持ちを落ち着け、オブリビオニスが立ち上がった。
しかしその瞬間またしても、崖が崩れた。
「あっ……」
モーティスが足を踏み外し崖下へと落下していく。
「モーティスーーーー!!」
祥子を支えるためバンドに入ったはいいがOP映像や放送カウントダウン画像などにネタにされなぜか育てていたきゅうりが爆発!そよにも拒絶されもう不憫すぎるモーティスーーーー!!
「もうダメですわ……私たちの夢という名の翼はもがれちまったですわ……」
2人も仲間がいなくなってしまいオブリビオニスは体を震わせて怯えた様子を見せる。
「ええ~?夢の翼とか笑える~www」
「アモーリス!僕たちの夢を否定しようと言うの!?」
「だって~もう私たち3人だけだよ?こんなんでバンドできるの~?」
「だから何だっていうの!?さきt……じゃなくてオブリビオニスのためなら僕一人でもベースやドラムだって演奏できるよ!」
「はぁ~?なにそれ~?ドラムの演奏を軽々しくみないでよね」
アモーリスとドロリスは熱くなり議論を始める。
だがそれが災いし、足元の異変に気付けなかった。
「二人とも!今すぐそこから離れて!」
オブリビオニスがそれを指摘しようとした時、
「音楽っていうのはたとえ……うわっ!」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
地面が崩落しアモーリスとドロリスは落下する!!
「ドロリスーーー!!アモーリスーーー!!」
ドロリスーーーー!!
祥子のためにバンドに入ったはいいがキャラの情報が少なすぎていまいちキャラがパッとしなくsumimiのまなからは「初華ちゃん、なんか変な感じがする」と言われたドロリスーーーー!!
アモーリスーーーー!!
祥子にスカウトされ自身の人気を上げるためにバンドに入ったはいいが初華以上に情報が少なくて作者の友人から「にゃむち?ああ、えっと……どんなキャラ?」と言われる始末!!アモーリスーーーー!!」
「何てことですの……キーボードの私しか残ってませんわ……」
オブリビオニスは呆然として地面に膝をつく。
「キーボードだけのバンドなんて意味を成しえませんわ………」
「おい、オブリビオニス」
「なんですの……?」
「しっかりしろよ!海の藻屑になってしまった4人のためにお前だけでも演奏してバンドを続けていくんだ!」
「け、けど……」
「それにキーボードだけのバンドなんて斬新だろ?ガールズバンド界に新しい旋風を巻き起こしてやろうぜ!」
「!!そ、そうですわね!」
幸人に励まされ立ち上がり再び演奏する気が起きるオブリビオニス。
「これからのAve Mujicaは私が歌って踊ってキーボードを弾く一人バンドとして……きゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
またしても地面に亀裂が走りオブリビオニスの足元が崩れた
「オブリビオニスーーーーーーーー!!」
幸人はとっさに走り出し落ちそうになったオブリビオニスの腕を掴んだ。
「藤田さん!?」
「ぐっ………」
腕を掴み引き上げようとするが体勢的に難しく支えるのがやっとの状態だった。
「放してください!あなたまで落ちてしまいますわよ!?」
「放すかよ……それに今度こそ助けるって決めたんだよ」
「!?」
幸人はオブリビオニスが祥子だということに気づいていた。
「なんでこのバンド結成したかとかお前に何があったかちゃんと聞きださないといけないからよぉ、絶対お前を助ける……!」
「幸人さん……」
「うぉっ!?」
崖が今にも崩れそうでこのままだと幸人も落ちてしまいそうだった。
「………ほんとうにお人好しで変な人ですわ」
「えっ?」
<バッ>
「なっ!?」
オブリビオニスは幸人から手を放す。
「幸人さん、どうかお幸せに……」
オブリビオニスは微笑みながらゆっくりと海に落ちていった。
「祥子ーーーーーーーー!!」
幸人の絶叫が響き渡りAve Mujicaは全滅した。
「…………はっ!」
私は目が覚めるとそこは自宅であるアパートの一室だった。
「夢でしたのね……」
新年早々嫌な夢を見てしまいましたわ……
「気分最悪ですわ……」
MV撮影に行って崖が崩れてみんな死んでしまうなんて最悪の悪夢ですわ………
「…………」
『絶対お前を助ける……!』
夢の中で幸人さんが崖から落ちそうになった私を助けようとしてくれたこと思い出す。
「……いえ、もう助けてもらおうだなんて……」
弱い私はもう死んだのですから誰かに助けてもらうことなど………
「にゃむちさん、あれはさぁ……」
「え~いいじゃん~衝撃展開は早いうちに出した方がいいし~」
「………えい」
「ええっ!?ちょ、なにこれ!?」
にゃむちの姿が消されその代わり「映す価値なし」の文字が出た。
「しばらくこれ映して反省してください」
「ええっ!?これじゃあ私の活躍見せられないじゃん!!」
「じゃあ、俺凧揚げしてしてくるんで」
「ちょ!ってか、ゆきおなんか怒ってない!?」