この作品内だけでも救いがあってほしいと書きました。まじで休むのも大事だから……
「はぁ~バイト疲れた~」
今日もバイトで疲れた~早く家帰ってご飯食べようっと。
「ん?」
なんか少し先に人の集まりができてるぞ?
「なんだなんだ?」
俺は見に行って見るとそこには
「わぁ~!睦ちゃんだ!」
「かわいい~!」
「森みなみと芸人の若葉の娘さんだよね!?」
「テレビで見たことあるけどお母さんに似てて顔いい!
「あっ………えっと………」
睦がいて周りの人間からあれやこれや聞かれていた。
「ねぇねぇ、家ではお母さんとどんな話してるの?」
「やっぱお母さんと同じ女優目指してるの?」
「人気女優と人気芸人の子とか憧れる~!」
「ねぇねぇ、サインちょうだい!」
「写真一緒に撮ってもいい!?」
「あっ……あっ………」
睦は上手く返事ができていない……というか顔色悪くないか?もしかして体調悪いのか?
「ねぇねぇ睦ちゃん!」
「はい、こっちむいて!」
睦の状態も無視して一方的に話してくる人たちを見て俺はムッとした。
やれやれ、おらぁキレちまったぜ。
「睦!」
「あっ………」
俺は人を掻き分け睦の前に立ち
「よいしょ!!」
「きゃっ……!」
「発車ブーーーン!!」
睦をお姫様抱っこして走り出した。
「えっ、睦ちゃん!?」
「ちょ、ちょっと!」
「待って!!」
「うるせー!睦は疲れてんだ!人の気持ちも考えろバーカ!!」
俺は追いかけてくる奴らにそう言い放ちさらにスピードを上げていく。
「は、早い!!」
「追いつけない~!」
「遅え!俺の影でも踏んでろ!このノロマ共!!」
追いかけてくる人たちを振り切り俺は睦を連れて自分の家に向かった。
「よいしょっと」
家に着き睦を降ろす。
「…………幸人」
「あ~急にごめんな。平気?」
「う、うん………あっ……」
「おっと!」
睦は急にふらつき倒れそうになったので支えてあげる。
「大丈夫か?」
「うん……ごめん………」
近くで顔を見ると疲れた表情して目の下にクマできてるし汗も少し掻いてる。大丈夫じゃないよね?
「お前、体調悪いだろ?家で休んでいけ」
「で、でも…………」
「遠慮するな。家には連絡しといてやるから」
みなみちゃん‥‥‥‥いや、多分使用人の人が出てくれるか。
「あら~幸人お帰りなさい~」
「ただいま~」
母がやってきた。今日は仕事休みなんだ。
「あら、その子は?」
「ああ、俺の友達の若葉睦だよ」
「ど、どうも……‥‥」
「いらっしゃい~あら、なんか顔色悪いわね?」
「ちょっと疲れてるみたいだから家で休ませようと思って」
「あらあら~大変だわ~幸人、ベットで休ませてあげなさい」
「わかってるって、行こうぜ睦」
「うん……‥‥」
俺は自室に睦を連れて行って睦をベットに寝かせる。
「俺のベットで寝てていいからな」
「う、うん………」
<キュルルルル>
「あっ………」
「お腹空いたのか?」
「うん…………」
「じゃあ、ちょっと飯作ってもらうように頼んでくる。待ってて」
俺は部屋を出て台所へ向かい母にご飯を作ってもらうようにお願いしに行く。
「母さん~」
「あら、どうしたの?睦ちゃんは?」
「ベットで休ませてるよ。それより睦の分のご飯も作ってくれない?俺も手伝うからさぁ」
「いいわよ~五人分も作るのも全然大丈夫よ~」
「んっ?五人?夜帰ってくる父さん入れても四人分でしょ?」
「お姉ちゃん来てるから五人よ」
「ああ、そうなんだ」
玄関の靴の数見てなかったから気づかなかったぜ。
「さぁて、ご飯の準備しなきゃね」
「よし、やるか」
母さんと一緒に夕飯の準備をし始める。疲労回復できる美味いもの作ってやるか!
「………………んっ…‥‥‥」
幸人の部屋のベットで休ませてもらうことになりいつの間にか眠っていた…‥‥‥
「いい香り…………」
枕や布団になにかの花の香りがする……男の子が使ってるベットだから少し匂うかと思ったけど違った。
「ご飯なんだろう………」
幸人が料理上手なのは祥から聞いてるけど食べるのは初めてだ。
「……………」
部屋中を見てみると学習机と椅子と小さい机とクッション、本棚とプラモデルやフィギュアが飾ってある棚、ポスターやタペストリーが貼られている。
普通の家の子の部屋ってこんな感じなんだ………
「もう少しだけ寝よう…………」
私は寝ようと目を閉じようとする。けど
「…………ぁ………ぁ……」
「?」
何か聞こえる……?ドアの方からだ………
「はぁ……はぁ……はぁ……可愛い……♡」
「!?」
ドアが少し開いていてその隙間から女の人が鼻息を荒くしてこっちを見ていた。
「ひ、ひっ………!」
私は恐怖で眠ることができなかった。
「でぇやあ!!」
「おごっ!?」
幸人の声がして女の人が取れるのが見えて幸人が部屋に入ってきた。
「おっ、起きてるみたいだな。ご飯できたぞ~」
「幸人…‥‥‥今女の人が…‥‥‥」
「さぁ、こっちこっち」
幸人はスルーして私をリビングの方へ連れて行く。
途中廊下で毛布を被せた人型サイズのものが転がっていたけど見なかったことにしよう……‥‥
「母さん~睦連れてきたよ」
「あっ、睦ちゃん。ご飯できてるから食べましょう~」
リビングでは幸人のお母さんが机の上に料理をたくさん並べていた。
「これは……?」
「えっと、これはおくらととろろかけご飯でこっちは大根と梅肉の和え物。これは豚肉の甘辛炒めでこれはサムゲタン風スープね」
幸人のお母さんは料理の説明していく。どれも美味しそう…………
「美味そう~」
「あら、乃亜は?」
「寝てるよ。死ぬほど疲れてるから起こさないでって」
「あら~じゃあ私たちだけで先に食べちゃいましょう」
あの女の人、幸人のお姉さんだったんだ……‥‥寝てるというより寝かしつけたような気が‥‥…‥‥
「ほら、睦座れよ」
「あっ‥‥‥‥うん……‥」
「じゃあ、手を合わせて~」
「「いただきます!!」」
「いただきます…‥‥‥」
友達の家でご飯食べるのって初めて……‥‥どんな味がするんだろう?
「はむ…‥‥‥‥‥」
「睦ちゃん、料理の味はどうかしら?」
「‥‥…‥‥美味しい……‥‥」
幸人のお母さんの料理、本当に美味しい……‥‥母親が作った料理ってこんな感じなんだ‥‥‥‥
「よかったわ~いっぱい食べてね~」
「はい……‥‥」
「美味い!美味い!母さん、おかわりある?」
「あるわよ~」
「じゃあ、ちょうだい!」
「は~い、睦ちゃんは?」
「あっ、えっと…‥‥‥ください‥‥‥‥‥」
「は~い、二人分ね」
幸人のお母さんはお茶碗を受け取り炊飯器からご飯をよそってくれた。
「はい~幸人」
「サンキュー、母さん」
「はい~睦ちゃん」
「…‥‥ありがとうございます……‥‥…お母さん…‥‥あっ」
私、今うっかりお母さんなんて言っちゃった…‥‥‥ど、どうしよう‥‥‥‥!
「あ、あの‥‥‥‥私、今…‥‥‥」
「あらあら~良いのよ~お母さんって呼んでもいいわよ?」
「で、でも‥‥…‥‥」
「おいおい、母さん。睦を困らせるなよ~」
「あら、そう?燈ちゃん達からもお母さんみたいに思われてるけどな~」
「睦、気にしなくていいからな」
「う、うん……‥‥‥」
幸人のお母さんって優しくて面白い人……‥‥幸人に似ているな……‥‥‥
「私のこともお姉ちゃんって呼んでもいいわよ?」
「っ……‥‥!?」
私の背後にいつの間にかさっきの女の人、幸人のお姉さんが立っていて驚いた。
「もう起きたかのかよ」
「あ~幸人~!さっきはよくもやったわね!」
「勝手に人の部屋覗いて睦を怖がらせるからだろ!?このクレイジーサイコレズが!」
「なんですって~!?」
幸人とお姉さんが揉めようとしている。ど、どうしよう……‥‥?
「は~い、二人とも?ケンカはダ・メ・よ?」
「あっ、はい…‥‥‥」
「ごめんなさい…‥‥‥」
幸人のお母さんの一言で大人しくなる二人。笑顔なんだけど黒いオーラーが出てるのは絶対言えない‥‥…‥‥
「あっ、そうそう。職場の人からプリンもらったんだわ~デザートにみんなで食べましょう~」
「いいね!」
「わーい!プリンだー!!」
「プリンでそんなにはしゃぐなんて子供ね~幸人は~」
「いいじゃねぇか。プリン嫌いな奴なんていないっしょ」
「はいはい」
「はぁ~待っててくれよプリンちゃん~」
幸人の顔がすごい緩んでいる………‥‥
「…‥‥‥ぷっ‥‥‥‥!」
「あっ、睦ちゃんが笑ったわ~」
「ええっ!?なんで笑う!?」
「あんたが変な顔してたからでしょ?睦ちゃんもっと笑っていいわよ!」
「やめてーーー!!」
幸人や幸人のお母さんやお姉さんと食事‥‥‥‥楽しいな…‥‥‥‥…
「よいしょよいしょっと」
夕飯を食べ終え、睦は家に泊まることになった。
睦が風呂に入っている間に布団を出しておこう。
「これでよしっと」
布団も敷いたし俺はこっちで寝て睦はベットで寝てもらおう。
<ガチャ>
「幸人…‥‥‥着替え貸してくれてありがとう………‥‥」
お風呂から上がり俺の私物の『鉄華団』と書かれたTシャツと短パン着て部屋に入ってきた睦。
「どいたしまして。もう寝るか?」
「うん……‥‥まだ寝足りないかも…‥‥‥」
「じゃあ寝るか。睦はベットの方な」
「うん‥‥‥‥ごめん…‥‥‥ベット使っちゃって…‥‥‥」
「いいって。お客様に床で寝てもらう訳にはいかんからな」
それに少し良くなったとはいえまだ疲れとか残ってそうな気がするな……‥‥
「じゃあ、電気消すぞ」
「うん…‥‥‥‥」
部屋の電気を消して暗くし俺は布団に入って睦は自分のギターを抱えて寝ている。月明かりが部屋にかかって少しだけ部屋の中が見える。
「‥‥……‥‥」
「……‥‥‥‥」
静かだなー睦のやつはもう寝たのかな?
「‥‥…‥‥幸人、まだ起きてる…‥‥‥?」
「おう、起きてるよ」
まだ起きてたか。まぁ、そんなすぐには寝れないよな。のび太じゃあるまいし
「…‥‥‥今日は…‥‥‥ありがとう……‥‥ご飯や泊めさせてくれて…‥‥‥」
「良いってことよ。なんかお前辛そうで苦しそうな顔してたからさぁ…‥‥‥たまにはリフレッシュしないとな」
「………‥‥‥」
「…‥‥‥バンド、頑張ってんだってな」
「‥‥…‥‥知ってたんだ」
「ああ、あれだけ話題になりゃあ俺でも知っちゃうって」
『Ave mujica』、祥子が作ったバンドで睦、初華、海鈴、にゃむちさんがメンバーにいて今波に乗っているバンドだ。
今まではマスクを付けて名前もなんか難しい名前に変えてライブでは演奏前に劇みたいなのやってたっけ?
この前の武道館ライブで正体明かしてたな~その時はめっちゃ驚いたな~
コスイべの時に勝負ふっかけてきたオブリビオニスがまさか祥子とは……‥‥てか、あいつはユキ仮面が俺ってこと気づいてないのか?
「睦」
「……‥‥何?」
「今のバンドは楽しいか?」
「…………‥‥」
無言が続く‥‥‥‥なんか聞いちゃまずかったかな?
「‥‥‥‥私、小さい時からギター初めて……‥‥頑張って練習もしたけど‥‥‥‥ギターを上手く歌わせられなくて……‥‥」
「‥‥…‥‥」
理想の音が出せない、上手く弾ける自信がない……‥‥睦はそれで悩んでいるのか……‥‥
「そのせいであの時も……‥‥‥私、どうしたらいいんだろう……‥‥」
「…………‥‥‥」
俺は睦の話を黙って聞き少しの間考えた。
「‥‥‥‥自分が楽しんで弾いてみたらいいんじゃないか?」
「…‥‥‥えっ?」
「物事ってさぁ、まずは自分がワクワクしないと上手くいかないもんだよ。俺もさぁ、初めてコスプレイベントに参加した時に周りにクオリティが高いコスした人達ばかりで自信無くしちゃいそうになったけど、『好きなキャラの恰好したい』『キャラになりきってみたい』って思ったらワクワクした気持ちが溢れ出たのよ」
「‥‥……‥‥」
「それから衣装作りやメイクの仕方とか夢中で調べてワクワクしながら準備してイベント行っているうちに楽しくなって周りからもすごいって言われるようになったし自信もついたよ」
俺は自身の過去の経験を睦に話していく。
「自分が夢中になること、自分が楽しむってことが上手くいくことに必要不可欠なことだと思う。睦もギターを楽しんで弾けば、そのギターも歌い出してくれると思うぞ」
「……‥‥できるかな私に‥‥‥‥それにもしみんなが望んでいるものと違うものだったら‥‥‥‥」
「周りの目なんか後から考えたらいい。まずは自分だ、自分に期待しろ。自分のコトをワクワクさせる、そっからしか何も始まらないぞ?」
「…………‥‥自分に期待‥‥…‥‥」
「そいで自分がそうなりたいと思って行動してればいつか理想の自分になれる。 なりたい自分になればいいんだよ、森みなみと若葉の娘じゃなくて若葉睦としてなりたい姿にさ」
「……‥‥‥……‥‥」
「それに、俺は好きだぜ。お前の弾くギター」
「‥‥‥‥えっ?」
「一つ一つの音が正確で優しくてなんだかそれが当たり前みたいに響いてる感じが良くてさ、俺はすげぇと思うぜ」
音楽素人の感想になっちゃうけど睦のギター演奏はすごいと思う。
あれだけ上手いなら武道館で演奏できるのも納得だ。
「わりぃ、偉そうに話しちゃって」
「……‥‥大丈夫‥‥‥‥」
「もし、悩んでることとかあったら俺に相談しろ。解決できるかはわからないけど誰かに話すだけでも少しは気が楽になるからさ」
「……‥‥‥うん、そうする‥‥‥…」
「じゃあ、おやすみ」
俺はそう言って本格的に寝ることにした。
「‥‥……‥‥」
幸人とお喋りしてからどれくらい時間が経ったんだろう…‥‥‥私はまだ眠ることができていなかった…‥‥‥
「……‥‥楽しくギターを弾く…‥‥」
さっき幸人に言われたことを思い出す。私、今まで楽しみながらギター弾いたことなかったかも‥‥…‥‥
「楽しく弾けばこのギターも歌ってくれるのかな……‥‥?」
そうすればなりたい私になれるのかも‥‥…‥‥自分に期待する、自分をワクワクさせることが大事か……‥‥
「……‥‥‥」
私はギターを手放しベットを出て幸人のいる布団に入った。
「…‥‥‥‥‥」
幸人に抱きつく。ギターと違って柔らかくて温かい‥‥…‥‥
「幸人‥‥‥‥ありがとう…‥‥‥」
幸人は変な人だけど…‥‥‥面白くて優しい…‥‥‥私のことをみなみちゃんとたぁくんの娘としてじゃなくて若葉睦という一人の女の子として見てくれるし…‥‥‥CRYCHIC解散後もこうして接してくれて一緒に遊んでくれるし……‥‥
「それにここは…‥‥落ち着く‥‥‥‥」
幸人の家にいるとなんだか心が落ち着く…‥‥‥家の地下室以外でこんな気分になれるのは初めて…‥‥‥
「幸人のお母さんもお姉さんも優しくて……‥‥ご飯も美味しい‥‥‥‥」
またここに来たいな…‥‥‥‥‥
「……‥‥‥‥どういう状況だこれ?」
朝になり目が覚めると俺の布団に睦が入っていてギターの代わりに俺に抱きついて寝ていた。
「まぁ、気持ちよさそうに寝てるからいいか‥‥‥‥」
気持ちよさそうに寝息を立て安心したような顔で寝ている睦を見て状況整理するのをやめた。
「俺ももう少し寝るか」
「幸人~睦ちゃん~朝ご飯できたわ…‥‥‥あらあら~」
「睦ちゃん!一緒に食べまし‥‥‥‥ああ!!」
母さんと姉ちゃんが部屋に入ってきた。ま、まずい!今のこの状況は!!
「まだ寝てていいから~あとは若い二人でごゆっくり~」
「わ、私の睦ちゃんが幸人に汚された!!うわああああんんん!!」
「ちょ、ちょ!!」
不純なことはしてないよ!!あと睦はあんたのもんじゃないし!!
「誤解だーーーーーーーー!!!」
「‥‥‥‥じゃあ、お邪魔しました‥‥‥‥」
「睦ちゃん、また来てね~」
「睦ちゃん!今度は私の家に来てね!!」
「は、はい……‥‥」
「睦。俺、応援してるからな。頑張れよ」
「‥‥‥‥うん、じゃあね幸人……‥‥」
「ああ、また遊ぼうな!」
私は幸人の家を出て今日の仕事へ向かった。
「‥‥…‥‥‥‥」
幸人の家のある部屋を見つめる。
「‥‥……‥‥長く続くといいな…‥‥‥」
幸人とのこの関係が‥‥…‥‥
本編がほんとにしんどい……‥‥3話は特に‥‥‥‥睦ちゃんがモーティスに食われるとシーンはまどマギのマミさんのシーンを思い出したわ。
この作品内では少し心を落ち着かせてもらったぜ睦ちゃん。