「はぁ~今日もいい天気~」
ただいま散歩中の俺。天気は快晴で外に出るにはぴったりな日だ。
「どこ行こうかな…‥‥‥んっ?」
あの後ろ姿は祥子だ。最近会えてなかったし話しかけてみよう。
「おーい、祥子」
「そんなはずないですわ……‥‥」
「?」
あれ?聞こえてない?
「おーい!!祥子!!」
「!?ひっ!」
「?」
なんだ?怯えた顔して?
「おい、祥子?」
「い、嫌‥‥‥‥来ないで‥‥‥‥」
「どうしたんだよ?」
「ウワァァァァァァァァ!!」
祥子は恐怖心でヘタレになった橘さんみたいな表情をして悲鳴を上げる。
「落ち着けって!俺だ、幸人だ!」
「!!ゆ、幸人さん‥‥…‥‥」
我に返り俺とわかり安堵する。
「どうしたんだよ。そんな怯えて?」
「い、いえ‥‥‥‥なんでもないですわ…‥‥」
そうは言ってるけど腕をぎゅっと抑えて震えている。これはなにかあったな……‥‥‥
「今いいか?」
「えっ?」
「最近会えてなかったし久しぶりにどこかでお茶しながら話でもしようや」
こんなところで立話するより喫茶店かどこかでお茶飲みながらゆっくり話した方が良さそうだからな。
「…‥‥いいですわよ。私も幸人さんとお話したかったところですわ」
「よし、じゃあ行こう」
「ええ…‥‥」
祥子を連れて喫茶店を探すことにした。
「どこかいいとこは…‥‥あっ」
足を止めると一軒の店を見つけた。
「『喫茶ドンブラリンコ』か…‥‥‥」
「変わった名前のお店ですわね‥‥‥‥」
「ここにするか」
「そうですわね」
俺と祥子はその喫茶店に入ることにした。
<カランカラン>
「いらっしゃい」
店の奥にあるカウンター席に若い男の人が本を読みながら座っていた。
いらっしゃいって言ってたからこの人がここのマスターかな?
「お好きな席へ」
「はい」
「ここにしよう」
俺と祥子は四人掛けのテーブル席に座った。
「よいしょっと‥‥‥‥うおっ!」
「どうしましたの?」
「すげぇ~!」
俺目に映ったのは棚に飾ってあるスーパー戦隊のロボットのおもちゃたちだった。
「あれはガオレンジャーのガオキング!ジュウレンジャーの大獣神やマジレンジャーのマジキング!下の段にはシンケンジャーのシンケンオーにトッキュウジャーのトッキュウオー!!デカレンジャーロボとキングオージャーも!!あっ、マスクマンのグレートファイブにタイムレンジャーのブイレックスロボもあるぞ!!」
歴代の戦隊ロボのおもちゃを見て興奮する俺。さすがにここまでは持ってないぞ!!
「…‥‥ふふっ」
「んっ?」
急に微笑む祥子。どうしたんだ?
「失礼しました。ロボットを見て喜んでる幸人さんが可愛らしくてつい」
「え、ええっ!?」
はずかちー!!同級生の女の子にそんなところ見られて笑われちゃったよお母さーん!!
「ご注文は?」
「あっ」
マスターがお水持って来て注文を聞きに来た。
「えっと、メニューは‥‥‥‥?」
「喫茶ドンブラリンコにないものはない」
「えっ?」
ないものはないってどういうこと?
「えっと‥‥‥‥じゃあ、牛丼ください。温玉付きで」
「幸人さん、ここは喫茶店ですわよ?」
「いや、なんでも出せるって言ってたから…‥‥さすがに無いですよね?」
「あるよ」
あるんかい!!ほんとにここ喫茶店かよ!?
「あと、いちごミルクも」
「はい。そちらは?」
「えっと…‥‥アールグレイのホットを…‥‥」
「かしこまりました。少々お待ちを」
注文を受け取り奥の厨房へ行ってしまった。
「変わったお店ですわね」
「そうだな」
マスターもなんか只者ではない雰囲気だし‥‥‥‥
「そういうえば祥子」
「なんでしょう?」
「お前、俺が話しかけた時なんか怯えてたけど‥‥‥‥なにかあったのか?」
「!!……‥‥え、えっと実は…‥‥‥」
祥子がなにかを話そうとした時
「こんにちはー宅配便です」
「あっ」
『桃太郎宅配便』の配達員の人が荷物持ってお店に入ってきた。
「はいはい」
「ハンコかサインをお願いします」
マスターが厨房から出てきてサインをして荷物を受け取る。
「ごくろうさま」
「じゃあ、俺はこれで」
配達員さんが店を出ていきマスターは荷物を開ける。
「来たか……‥‥」
「?」
なにが来たんだ?気になるな…‥‥‥
「幸人さん?」
「あっ、わりぃ」
祥子と話してる際中だったの忘れてた。
「気を取り直して話の続きをしよう」
「ええ……実は最近睦のことが怖くて…‥‥」
「睦が?」
あんな大人しいやつが怖いのか?
「上手く言えないんですけど…‥‥‥睦が違う人になって……‥‥それで…‥‥‥っ!」
喋っている際中に震え始める祥子。睦になにかされたのか?
「落ち着け、今ここに睦はいないから」
「ええ、わかってますわ…‥‥‥でも怖くて‥‥‥‥」
「祥子…‥‥‥」
トラウマを植え付けられて怯えてるな…‥‥どうしたらいいのやら
「おまたせしました」
「あっ」
マスターが注文した牛丼といちごミルクとアールグレイのホットを持って来て机の上に置いていく。
「こちらもどうぞ」
「えっ?」
祥子の前に置かれたのは青いゼリーの上に、さくらんぼの乗ったバニラアイスが重なってグラスに入っているパフェみたいなスイーツだった。
「サービスです。では、ごゆっくり」
マスターはそう言ってカウンター席の方に行きまた本を読み始めた。
「とりあえず、いただこうか」
「そうですわね…‥‥‥」
俺は牛丼を祥子はパフェみたいなスイーツを食べることにした。
「美味いな」
「このパフェみたいなのも美味しいですわ」
牛丼チェーン店のやつより美味いぞ。家庭の味みたいな感じだ。
「はぐはぐはぐ」
温玉も割ってまろやかにしてさらに美味くなったぞ。
「幸人さん」
「んっ?」
「口の周りにご飯粒いっぱい付いてますわよ?」
「ほんと?」
「ええ、拭いてあげますからじっとしててください」
祥子がナプキンで拭いてくれる。小さい子じゃないから自分でできるのに…‥‥‥
「全部取れましたわ」
「サンキュー。あっ、お前も口にクリーム付いてるぞ?」
「えっ?」
「今度は俺が拭いてやるよ」
今度は俺が祥子の口についているクリームを拭いてやることにした。
「っ//////////」
「よし、拭けた。って、どうした?顔赤くして?」
「い、いえ、何でもありませんわ///////」
「?」
変な奴だな。
「いちごミルクもうめぇー」
「顔が近かったですわ…‥‥‥」
祥子はなにかぶつぶつ言ってるな。今日の祥子は忙しいね。
「……‥‥美味しいですわねこの紅茶」
「祥子」
「はい?」
「ちょっとは落ち着いたか?」
「?え、ええっ…‥‥」
「そうか。もし、睦になにか言われたら俺に相談しろよ?二人が仲良くないと俺心配だからさ」
幼馴染同士なのに仲悪いなんて嫌だからな。俺と燈はケンカしたことないからさぁ。
「幸人さん…‥‥ありがとうございます。けど、まだ大丈夫ですのでご心配なく」
「おう、わかった。あんま無理するなよ」
「はい」
そんな話をしながら飲み物を飲みながらご飯やデザートを食べていったのであった。
「すいませーん、お会計お願いします」
食事もお茶も飲み店を出ることにした。
「あっ、俺が出すよ」
「えっ?で、ですが…‥‥」
「誘ったのは俺だしバイト代も入ったからいいって」
今の俺の財布はめちゃつよだから安心なされ!
「はい、ちょうどね」
「ごちそうさま。また来ますね」
「あっ、ちょっと待って」
「?」
マスターに呼び止められ足を止める俺と祥子。
「そこの子にこれをあげるよ」
「これは?」
「入浴剤だよ。リラックスできるよ」
マスターがくれたのは『天野温泉の素』と書かれた入浴剤の袋だった。
「あ、ありがとうございます・・・・・・」
「どういたしまして。また来てね」
マスターからのご厚意を受け取り店を出る俺たち。
「不思議なお店でしたわね」
「ああ、また来たいな」
羽沢珈琲店に続くお気に入り喫茶が増えたな。
「…‥‥‥幸人さん」
「んっ?」
「今日はお茶に誘って‥‥‥‥お話も聞いてくださりありがとうございました」
「おう、どういたしまして」
「…‥‥‥またなにかありましたらお会いしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、いいぞ。いつでも来ていいぞ」
「ありがとうございます…‥‥‥では、私はこれから仕事ですので失礼致しますわ」
「おう、頑張れよ」
祥子と別れ俺はとりあえずロ〇トで買い物しに行くことにした。カーテンの上のシャーってなるやつ売ってるかな?
「………‥‥…」
今日は久しぶりに幸人さんに会えましたわ。相変わらずお元気そうでなによりでしたわ。
『そうか。もし、睦になにか言われたら俺に相談しろよ?二人が仲良くないと俺心配だからさ』
「……‥‥」
今の睦は怖いですわ‥‥‥‥話すのも躊躇ってしまいますわ‥‥‥‥
「けど、いつまでも逃げているわけにはいきませんわ」
絶対に睦を元に戻してみせますわ。
幸人さん、あなたを巻き込むわけにはいきませんわ。私の力で解決してみせますわ。
「……‥‥‥‥…‥‥」
『今度は俺が拭いてやるよ』
「っ/////////////」
あの時幸人さんの顔がかなり近かったですわ。もう少しでキ…‥‥‥
「お、お風呂に入りましょう//////////」
お風呂に入ってさっぱりしましょう。
「そういえばあのお店のマスターさんにもらった入浴剤使ってみましょう」
袋を開けて入浴剤を浴槽の中に入れた。
「緑色に変わりましたわ‥‥‥‥あれ?」
この黒くて細いのはなんですの?
「なにかの果物の皮かしら?」
お風呂に花や果物を入れるのを聞いたことあるから多分それでしょう。
「多分、体にいいものに違いありませんわね」
体と頭も洗い浴槽に入る。はぁ~温まりますわ~
「さ、さきちゃん!お風呂にもずくが入ってるんだけど!?」
「なんですの‥‥…‥‥?」
「!!(なにこのさきちゃん!?オーラを纏ってまるでゴンさんみたい!!)」
「今の私ならあのコ〇ッケもどきのモーティスに勝てますわ‥‥‥‥」
「(こんなさきちゃん見たことない‥‥‥‥かっこいい////////)」
祥子ちゃんのケアもしておかないとね。
祥子ちゃん、君はもしや幸人君に…‥‥‥おっとこれ以上は言わない方がいいね。
では、また~