「はぁ~」
俺はため息をつきながら歩いていた。
「今日は調子悪いし運悪いしで気分下がりまくり~」
今朝は登校中に鳥のフンが頭に直撃するしコンビ二で弁当に使う箸をもらい忘れるし授業中の居眠りを全部阻止されるし体育の授業のサッカーでシュート失敗するしさっきも犬のフン踏むし最悪だよ~
「そういえば祥子のやつどうしてるんだろう?」
一か月半前ぐらいに祥子と会ってムジカのライブツアーのことを話していて都合が悪い日ばかりで唯一行けそうな日の博多公演は遠すぎて行けないからツアーの現地参戦は無理かなーって呟いたら「でしたら招待しますわ!交通費も宿泊費もこちらで負担しますわ!」ってめっちゃぐいぐい言われタダ同然で福岡に行けることとなりライブ前日に現地に着き観光地をあちこち巡り名物の食べものや料理もたくさん食べていい前夜祭をすごした。
だがライブ当日、ライブが始まった途端いきなりムジカ解散を発表しライブは中止、チケットは払い戻しとなり他のお客さんが泣きながら帰っていくのを見かけた。
俺は祥子たちに会いに行こうとしたけどそれどころじゃなく俺は会わずに東京へ帰った。
その後ニュースになったりSNSで色々と話題となったりして大変だったな。
祥子や睦に連絡したけど返事は一回も返ってこないし心配だ。大丈夫かなあいつら?
「二人以外のやつらもどうして…‥‥‥ん?」
サンシャインシティ前まで来て階段の方を見て見るとそこに階段に座って俯いている初華がいた。
「初華じゃん」
ちょうどいいや。あいつに祥子と睦のこと聞いてみるか。
「おーい、初華」
「?あっ、幸人君……‥‥‥」
少し元気のない声で俺を見る初華。
「大丈夫か?」
「う、うん……‥‥なんとか‥‥‥‥」
やはりムジカの解散が響いてるなこれは……‥‥
「なぁ、初華。ちょっと聞きたいk「幸人君‥‥‥‥ちょっといいかな?」えっ?ああ、うん」
初華に祥子のこと聞こうとしたけど途中で遮られたので向こうの方から先に聞くことにした。
「…‥‥‥最近、さきちゃんと連絡ってとれてる?」
「えっ?いや、通話アプリにメッセ送っても既読付かないし電話もでないし直接会えてもないな」
「そっか…‥‥‥」
俺の返答を聞いてさらに元気がなくなる初華。
「どうしたんだ?話聞こうか?」
「………‥‥さきちゃん、私の家で住んでたんだけどある日書き置きを残してどこかに行っちゃってね……‥‥」
「はぇ?」
お前ら二人で暮らしてたの?なんか訳ありそうだけど今聞かないでおくか…‥‥‥
「さきちゃん、今頃どうしてるかな…‥‥‥?」
「………‥‥なぁ、初華」
「なに?」
「お前、明日暇か?」
「えっ?えっと‥‥…‥‥明日は特に仕事も予定もないかな」
初華はスマホでスケジュールを確認する。よし、大丈夫そうだな。
「じゃあ、どっか遠くに行くか」
「えっ?
「………‥‥」
次の日になり池袋駅前で初華を待つ俺。
「幸人くーん!」
「あっ」
帽子を被りサングラスをかけて身バレ防止もバッチリの初華がやってきた。
「お待たせ!待った?」
「いや、そんなには。じゃあ、行こうか」
「うん」
初華と合流し駅内に入って切符を購入し電車に乗る。
「今日はどこまで行くの?」
「それはヒミツ。まぁ、楽しみにしてろよ」
今日の行先はあえて教えずに俺の案内に任せることにしている。
「次は総武線に乗り換えるぞ」
「うん」
総武線・千葉行きの電車に乗り換える。
「千葉に行くんだね」
「ああ」
今から行くところは人が多くないところだから人目を気にすることないからな。
その後、千葉駅から内房線の館山行きの電車に乗り換え一時間ちょっと乗り続けた。
「着いたぞ」
「結構遠くまで来たね」
目的地に着いて電車を降りる俺と初華。ここ竹岡駅は、房総半島でも屈指の眺望を誇る無人駅で東京湾を見下ろし富士山も見えるのだ。
「わぁ~すごい~!」
「ふふふ、だろ?」
東京じゃこんな景色見れないからな。
「よし、海見に行くか」
「いいね」
駅を出て歩くこと数分。海水浴場まで来た俺達。
シーズンが過ぎて人は全くいなかった。
<ザザ~ン>
「波の音がいいね」
「ああ、潮風もいい匂いだ」
はぁ~海パン持ってくればよかったな~泳ぎたいな~
<グゥ~>
「あっ」
初華の腹の虫が鳴った。そういえばもうお昼だったな。
「昼飯にしようぜ」
俺は持ってきたシートを広げ座り同じく持ってきた弁当箱を二つ出した。
「これ初華の分」
「ありがとう」
弁当を渡しお昼ご飯をたべることにした。
「これ、幸人くんが作ったの?」
「ああ」
「すごい~そういえばさきちゃんも幸人くんは料理上手って言ってたな」
「そうなんだ。じゃあ、食おうぜ」
「うん。いただきます」
俺の手作り弁当を食べ食後にコーヒーを飲みながら海を見つめる俺達。
「きれいだね海」
「そうだな」
青く広い海を見ながらそう呟く俺と初華。
こんな景色見ていたら昨日の嫌な事や悩んでることもちっぽけに見えてくる。
「………‥‥…さきちゃんどうしてるんだろうかな?」
初華がまた祥子のことを思いそう呟いた。
「……‥‥そばに居ない時は、もっとそばに居てくれる」
「えっ?」
「俺のじいちゃんが言っていた言葉だよ。どんなに離れていて傍にいなくてもここでちゃんといてくれるって」
俺は自身の胸に手を当ててそう言う。
「ここで……‥‥」
「あいつも訳もなくお前の前からいなくなったりしないだろ?」
「‥‥…‥‥」
「また会えるよ。信じてやれよ幼馴染を」
「……‥‥そうだね。私、さきちゃんのこと信じて待ってみるね」
「そうか」
悩みが晴れたのか笑顔になる初華。悩みが解決してよかったな。
「幸人くん、浜辺で走ろうよ!」
「おっ、いいね」
「行くよ!」
走り出す初華。俺も後を追うように走り出す。
「あははは~待て待て!!」
「待たないよ~!」
ラブコメのワンシーンみたいに追いかけっこする俺と初華。あっ、俺達カップルじゃないからね。
「ただいま~」
仕事を終え自宅に帰ってきた初華。
「あっ、待っててくれたんだね。ごめんね、遅くなっちゃって」
リビングに入り誰かと会話する初華。
「今からご飯作るから待っててね」
台所に向かい夕食を作り始める。
「おまたせ~できたよ~」
ミートソーススパゲッティの入った皿を二つ持って机の上に並べる。
「いただきます」
手を合わせてスパゲッティを食べ始める。
「うん、美味しい。あれ、どうしたの?食べないの?じゃあ、私が食べさせてあげるね」
初華はフォークでスパゲッティを巻きフォークの先端を向ける。
「どう?美味しい?えっ、ほんとう?わぁ~嬉しいな~いっぱい食べてね、さきちゃん」
初華は向かい側に席に座る祥子……‥‥にそっくりな人形にそう話しかける。
「デザートにプリン買ったから食後に食べようね♪」
初華は人形の祥子と楽しく夕食を食べていくのであった。
「うふふ、さきちゃん♪」
ご飯を食べ終えて一緒にお風呂にも入ったし今日はもう寝ることにした。
「今日の撮影も疲れちゃったよ~でもさきちゃんの顔見たら疲れもふっとんじゃったよ」
さきちゃんが戻ってきてくれて嬉しいよ。ずっと家にいていいからね。
「幸人くんの言った通りだね」
信じて待っていたらちゃんと帰ってきてくれたよ。さきちゃんはやっぱり理由もなくいなくなったりしなかったね。
「…‥‥‥それにしても彼ってさきちゃんとどういう関係なんだろう?」
前にさきちゃんに幸人くんとどういう関係でどんな人なのか聞いてみたら「幸人さん?彼は友人で明るく優しく面白い人ですわ」って言ってたな。
「でも‥‥‥…」
幸人くんのこと話す時のさきちゃんのあの安らいだ笑顔はなんか引っ掛かる。私と話す時よりもいい顔していたな……‥‥
「さきちゃんって幸人くんのことを‥‥…‥‥」
いやいや、そんなことないよね?さきちゃんに限ってそんなこと……‥‥‥
「…‥‥‥さきちゃん、もう私の前からいなくならないでね?」
ずっと一緒にいようね?ずっとずっと…………………………………‥‥‥‥‥‥‥
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと
アニメムジカどうなっちゃうの!?あと三話でどう占めるんだよこれ!?