「ふんふん~」
今日もいい天気~バイト日和~この作品名はまいごびより~っと
「はぁ~」
「ん?」
立希のやつなんでため息ついてんだ?
「どうした立希?靴下を左右間違えて履いちまったか?」
「いや、そんなんじゃないって」
「じゃあ、なんだ?」
「……‥‥‥…‥‥言いたくない」
「そう言うなって~俺たち友達なんだし悩み相談くらい聞いてやるよ~」
そう言ってぐいぐい詰めかかる俺。
「だぁ~!もう!うるさい!!話すから近寄るな!!」
観念した立希がやっと話す気になった。
「実はさぁ‥‥‥…‥‥」
立希が話したことは以下の通りである。
昨日、学校でグループ活動をすることがあって一匹狼の立希は誰ともグループを決めれなくておまけに徹夜で作曲作業していたせいでめちゃくちゃ眠い状態だったらしく正直サボりたかったらしい。
そんな時にクラスの子たちが一緒にやろうと誘ってきたけど眠気MAXで機嫌が悪い立希はつい塩対応してしまったらしくその子たちを怖がらせてしまったらしい。
今回だけじゃなく以前から人から怖がられることがあった。
道を尋ねてきた中等部の子を睨みつけてしまったりここでのバイト中に接客していた時に注文してきたお客さんがビビりながら注文頼んでいたこともあったと。
「なるほどな~」
「私だって別にそんな怒ってるわけじゃないし‥‥…‥‥」
「無愛想すぎるんだよ。ほら、もっと笑顔笑顔~♪」
「うっさい」
「もう~そんな顔しないの~」
「……‥‥‥」
「つべた!?」
こいつ後ろ襟に氷入れやがった!!
「はぁ~冷たかった~お前何して…‥‥‥」
「はぁ‥‥…‥‥」
「………‥‥」
なんか落ち込んでるし怒るのは可哀想だな……‥‥
どうしたらいいのやら………‥‥
「‥‥……‥‥」
「……‥‥‥・」
バイトが終わり一緒に帰ることにした俺たち。
「なぁ、元気出せよ?」
「あーうん…‥‥‥‥」
「ほら、あそこの喫茶店でパフェ奢ってやるからよ」
「いらない……‥‥‥」
パフェじゃ元気出ないか~どうしよう~?
「んっ?」
ふと視線を横に向けると人集りができているのが見えた。
「なんだろうあれ?」
「さぁ?」
「気になるし見に行って見ようぜ」
「あっ、ちょ」
俺と立希は人集りの方へ行き人々の視線の先を見た。
そこにはスーツを着た二十代後半か三十代くらいの男性が立っていて周りにはサングラスをかけた真っ黒なスーツを着た屈強な男の人たちが並んでいた。
「代表!!」
「常夏代表!!」
周りの人達は男の人のことをそう呼んでいる。あの人、もしかして政治家かな?
「熱い声援ありがとう!みなさんの心の太陽が私のハートに火をつける!この炎が私の進むべき道を照らしてくれる!私は何も怖がらない!結び続ける!!」
「なに?あの人?」
「お前さんら知らないのかい!?」
隣にいたおじさんが急に話しかけてきた。
「あの人は奄美常夏。日本モモタロウ党の党首で次期総理大臣有力候補で支持率は今の総理の2500倍なんだ」
「2500!?」
「馬鹿じゃないの?」
驚きの数字を聞き驚く俺と呆れる立希。
「とにかくあの人が次の選挙で勝てばこの国は安泰だぞ!」
「ラッキーサンシャイン!!」
「「「「「「サンシャーーーーイン!!!!」」」」」」
「はっはっはっはっは!!!」
代表も周りの人達もテンションマックス状態である。
あ~俺も混ざりたい~!
「アレ見せて!!」
「アレ?」
なんのことだ?
「国民のご要望を叶えるのが私の仕事!お見せしましょう!」
そう言って代表は胸ポケットから犬、猿、雉の形をした折り紙を出し
「そぉれ!!」
代表はそれを宙に投げると
「おおっ!!」
「なにあれ!?」
折り紙はいくつも分裂し宙を自由自在に飛び回った。
どうなってるんだあれ!?
「なーーーーーっはっはっはっ!!私たちの絆は誰にも壊せない!断ち切れない!熱い思い!ドッカン大噴火~!!」
「「「「「「大噴火!!!!」」」」」」」
「なーーーーっはっはっはっはっはっはーーーー!!!」
なんかものすごいものを見たぞ俺たち。
それにしても人気者だなあの人‥‥‥‥あっ、そうだ!あの人に人気者になれる秘訣聞いてみよう!
「代表!ちょっといいですか!?」
「んっ?どうしたんだね?」
「実はここにいる俺の友達が‥‥‥‥って、あれ?」
いつの間にか立希がいなくなっていた。どこに行った?
「あっ!」
少し離れたところに歩いている後ろ姿が見えた。
「すいません代表!」
代表に謝り俺は人集りから抜けて立希のところに走っていく。
「おいおい!なんで行っちゃうんだよ!?あの人に人気者になれる秘訣聞いてみようぜ!?」
「嫌だ。なんか関わるとロクなことにならないし」
「ええっ~?」
せっかくお前の悩みが解決できそうなのに……‥‥‥
「なーーーーっはっはっはっはっはっはーーーー!!!」
「えっ?」
「まさか…‥‥‥」
あの笑い声まさか…‥‥‥!
「聞いたぞ!君の魂の叫び!!」
「うぇ!?」
「マジ!?」
某亀型怪獣の如く回転しながらジェット噴射で飛行する神輿に乗ってこちらに向かってくる常夏代表。
どうなってんだあの神輿!?
「この私が君に人気者のなんたるかを教えてあげようじゃないか!」
「えええっ!?」
「どうやら君は人に好かれたい、人気者になりたいようだね?」
「いや、人気者になりたいはないですけど………」
「常夏代表!こいつに教えてあげてください!ついでに俺も見学させてください!」
「いいだろう!ではまずは‥‥‥…‥‥」
「いや、いいです」
「あら?」
別方向を向いて帰ろうとする立希。
「おいおい!?せっか教えてくれるのにそれはないでしょ!?」
「いいって言ってるでしょ?お前みたいなやつ二人相手にするの疲れるんだって」
「人気者の秘訣その1!爽やかな挨拶!!」
「うわっ!?」
「いつの間に!?」
いつの間にか先回りして目の前に現れる常夏代表。
「まずは私がお手本を見せてあげよう!見ていたまえ!!」
そう言って常夏代表は通行人の人達に挨拶しまくっていった。
「こんにちは!限界を突き破れそうな天気ですね!」
「奄美常夏でございます!」
「ラッキーサンシャーイン!!」
陽のオーラを放ちながら挨拶していく常夏代表。立希にこれできるのか?
「さあ、君もやってみるんだ!」
「えっ!?え、えっと‥‥‥‥ら、ラッキーサンシャ…」
言おうとした途端急に震え始める立希。
「…‥‥‥やっぱ無理だー!!」
「あっ、おい!」
恥ずかしくて逃げだす立希。やっぱダメかー!!
「人気者の秘訣、その2」
「うわっ!?なんでいるの!?」
またしても先回りして現れる常夏代表。
「困ってる人を見過ごさない!」
それはつまり人助けってことか?
「ん?あそこに困っている人がいるぞ!!」
常夏代表はそう言って走り出す。よく見つけれたな。
「あーあ……‥‥」
女の子が服にアイスをびっしりとつけて汚してしまったらしい。
「私が来た!もう大丈夫!!」
<パチン!!>
常夏代表が指を鳴らすと部下らしき人たちがどこからともなく現れ簡易な試着室を建てて女の子をその中に入れる。すると
「わあ~!かわいい~!」
女の子はきれいなドレスに着替え手には魔法少女が持ちそうなステッキが握られていた。
「常夏代表、ありがとう!」
「ハハハハハ…どういたしまして、お姫様」
目線を女の子に合わせて笑顔でそういう常夏代表。
「むっ、あそこにも困っている人が!!」
またしても困っている人を見つけた代表。あんたは犬か?
「お荷物、お持ちします」
「すいません…あれ?常夏代表!?なんで…?」
重い荷物を持ち道を渡りづらそうにしていたおじいさんに荷物を持ってあげて一緒に道を渡ろうとして挙げる常夏代表。
道に勝手にレッドカーペット敷いていいの?
「本当に助かりました常夏代表」
「人として、当たり前のことをしただけです」
おじいさんの手を握りまたしても素敵な笑顔でそういう常夏代表。
「さあ、君もやってみろ!人生はずっと上り坂!苦しいよな?つらいよな!?だけど、今日は昨日より高いところにいるんだ。だから!自分を信じて!」
「ああ…‥‥もう…!ほっといてよ!」
松岡〇造ばりに暑苦しくぐいぐいくる常夏代表に怯み全力疾走で逃走する立希。
「お、おい!」
その後を追う俺。もう!めんどくさい奴だな!!
「はぁはぁ…‥‥どこに行ったんだあいつ?」
見失ったか?いや、そこまで遠くには行ってないはずだが…‥‥‥
「あっ」
見つけた。自販機でカフェオレ買ってるのが見えた。
「おーい!!」
「!?なんだ、幸人か…‥‥‥」
常夏代表だと思って一瞬ビクッとなったが俺だとわかり一安心する立希。
「なぁ、逃げんなよ?せっかく代表が人気者の秘訣教えてくれてるのによぉ?」
「私は別に人気者になりたいわけじゃないし‥‥‥‥それに私にはあんなことできないし‥‥‥‥」
あちゃ~完全に自己否定しちゃってるよ。どうしたらいいんだ?
「きゃ~!!」
「!?」
「なんだ!?」
悲鳴が聞こえする方を向くとそこには女の子が今にもトラックに轢かれそうな状況が目に映っていた。
「あ、危ない!!」
俺は助けようと走り出そうとするが
「っ!!」
俺より先に立希が走り出し女の子方へ向かう。
「間に合えっ!!」
立希は女の子を抱きかかえ歩道にダイブし救出に成功する。
「ふぅ……‥‥」
「おーい!立希!大丈夫か!?」
「なんとか‥‥‥‥‥」
立希も女の子も無事のようだ。
「見ていたよ!君の行い!なんという親切、なんという自己犠牲精神!」
「代表!?」
またしてもいつの間にか現れる常夏代表。
「やっぱり、君はできる人間だった!」
「大げさですよ‥‥‥‥」
「いえ、助かりました!本当にありがとうございます!」
「ありがとう!お姉ちゃん!」
「えっ…‥‥?」
女の子とそのお母さんに感謝されお礼を言われる立希。
「この子の未来は、君の正しい行動によって守られたんだ!君ならなれる!人気者に!」
「人気者……‥‥」
「そうだぞ!お前ならなれるぞ!」
「なんか……いける気がしてきた!」
俺と常夏代表の激励を受けて自信を持ち始めた立希。
「ありがとうございます常夏代表!!私、なんだか自信がでてきました!!」
「そうか!それはよかった!なーーーーっはっはっはっはっはっはーーーー!!!」
「私たちまだ選挙権なくて投票できませんけど応援してます!」
「俺もです!」
「ありがとう!これにて万事解決!!ラッキーサンシャイン!!!」
「「サンシャイーーーン!!!」」
こうして人気者になれる秘訣を教えてもらい自信を持ち始めた立希。
なんかよくわからないけど解決できたしよかったよかった。
後日
「みんな!18歳になったらちゃんと選挙行け!そして日本モモタロウ党に票を入れろ!」
「り、りっきー?どうしちゃったの?」
「いきなり選挙って…‥‥‥」
「ゆーくん‥‥‥‥立希ちゃんどうしちゃったんだろう?」
「まぁ、いいことあったんだよ」
「いいこと?」