まいごびより!   作:ムツヒロ

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お腹が空いたら~パンケーキを食べに行こう~
今回からいつもどおりに行きます。ではどうぞ。


立希とパンケーキ

「ふぅ~そろそろバイトが終わるな」

 

 

今日も忙しかったぜ~バイト終わったらなんか食べに行こうっと

 

 

「はぁ~」

 

 

「んっ?」

 

 

立希のやつまた元気ないな‥‥‥‥

 

 

「どうした立希?家の前の電柱にカラスの群れが止まっていてフンまき散らされたのか?」

 

 

「はっ?そんなんじゃないし‥‥‥‥」

 

 

「じゃあ、どうしたん?話聞こうか?」

 

 

「…‥‥‥実は‥‥‥」

 

 

立希が話した内容は最近学校をサボったり遅刻しまくったせいで担任や親に怒られこのまま続くとバイトやバンド活動禁止にさせられそうになっているということだった。

 

 

「そりゃあ大変だな‥‥‥‥まぁ、元気だせよ。ちゃんと学校行って授業受けてたらバイトもバンド活動も続けられるんだからよ」

 

 

「はぁ…‥‥‥そうかもね…‥‥」

 

 

「ありゃ…‥‥‥」

 

 

こりゃあ、相当落ち込んでるな…‥‥よーし、こうなったらここは俺が一肌脱ぐか!

 

 

「立希、お前ももうすぐバイト上がるよな?その後俺と一緒になにか食いに行かねぇか?俺が奢るからよ」

 

 

「は?あんたが奢ってくれんの?」

 

 

「ああ、なんでも好きな物食わせてやるよ」

 

 

「好きな物…‥‥なんでも?」

 

 

「あ、ああ‥‥‥」

 

 

こいつ、まさかめちゃくちゃ高いもの頼むつもりか!?兄貴みたいに金持ちじゃないし姉ちゃんみたいに平然と高級フレンチごちそうしてやるほど広い心じゃないぞ俺は!?

 

 

「じゃあ…‥‥‥」

 

 

立希はスマホ取り出し手早く操作し画面を見せた。

 

 

「ここに行きたい…‥‥」

 

 

「こ、ここは…‥‥」

 

 

立希が指名したお店、そこは…‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お待たせしました!二名様でよろしいですか?」

 

 

「はい、二名で」

 

 

「では、あちらのテーブル席へどうぞ!」

 

 

店に入り店員さんに案内された席へ行く俺と立希。

そしてこのお店はというと…‥‥

 

 

「わぁ~超かわいい~!」

 

 

「クリーム盛りまくってやば~!」

 

 

「このネイル良くない~?」

 

 

「いいじゃん!」

 

 

「どこでやったの~?」

 

 

生クリームが多めに盛られフルーツが乗ったパンケーキを見て喜んだりネイルを見せ合ったりする若い女性ばかりが多くいる……‥‥そう、パンケーキの店に来ていたのだ。

 

 

「へぇ~お前こういう店に行きたかったんだな~」

 

 

「悪い?」

 

 

「いや、全然」

 

 

怖い顔して睨むなよ。ウサギの群れの中に混じっているオオカミみたいだぞお前?

 

 

「一度こういうところ来てみたかったんだよ‥‥‥‥」

 

 

「へぇ~なら愛音と行けばよかったじゃん」

 

 

「あいつと一緒に行ったら絶対に揶揄われるでしょ‥‥‥‥」

 

 

「確かにそうだな…‥‥」

 

 

愛音と行ったら「へぇ~りっきーこういうところに興味あるんだ~」ってにやにやしながら言いそうだな。

 

 

「ご注文はお決まりですか?」

 

 

「あっ、えっと…‥‥‥」

 

 

注文を聞きに店員さんが来たのでメニューを開き何を頼むか決める。

 

 

「この妖精のパンケーキにイチゴをトッピングで。ドリンクはイチゴオーレで」

 

 

「私は‥‥‥‥この妖精の‥‥‥‥パンケ~キ~!

 

 

「うおっ」

 

 

そんなゾンビみたいな顔して注文すんなよ、こえーぞ。

 

 

「トッピングはバナナとチョコソースとバニラアイス…‥‥ドリンクはカフェラテを‥‥‥アイスで~!

 

 

だからこえーって!!お前そんなキャラじゃないだろうが!?

 

 

「かしこまりました。只今パンケーキは十五分ほどお時間を頂いておりますがよろしいですか?」

 

 

「はい。大丈夫です」

 

 

「では、少々お待ちください

 

 

店員さんは特に気にせずに厨房の方へ行ってしまった。

 

 

「…‥‥‥」

 

 

「いやぁ~どんなのが来るか楽しみだな」

 

 

「そうだね……‥‥」

 

 

「……‥‥」

 

 

「……‥‥」

 

 

くっ、立希のやつ暖簾に腕押しで全然盛り上がらねぇ…‥‥十五分もこの空気で過ごすのかよ?

この調子じゃパンケーキが来ても変わんないぞ?

 

 

「(どうすりゃいいんだ?)」

 

 

なにか解決する方法は…‥‥‥

 

 

「キャハハハ!まじウケる~」

 

 

「撮るよ~」

 

 

「待って待って~!」

 

 

「はっ!」

 

 

これだ!これならいけるぞ!!

 

 

「おい、立希」

 

 

「なに?」

 

 

「せっかく行ってみたいお店に来たのにさっきから俺たちは全然楽しめていない。これじゃあもったいないしお店にも失礼だ。だから‥‥‥‥」

 

 

「だから?」

 

 

「俺は今から女子になる!」

 

 

「はぁ?」

 

 

「そしてお前はキャピキャピ系女子になれ!」

 

 

「はぁ??」

 

 

俺の発言に何言ってんだこいつ?みたいな表情をする立希。

だが、俺は止まらんぞ!!

 

 

「お前は今から『たっきー』だ。俺のことは『ゆきたん』と呼べ!!」

 

 

「はぁ???ちょっと何言ってんのか‥‥‥‥」

 

 

「ふぅ~‥‥‥‥ねぇねえ~たっきー!!どんなのが来るのか楽しみだね~!!」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってよ幸人……‥‥」

 

 

「幸人じゃなくてゆきたん!」

 

 

一人でやらせるな!ついてこい!!

 

 

「もう~妖精さんのパンケーキ~待ち遠しいな~!!ゆきたん、お腹ペコリーナ~!!」

 

 

「お待たせしました!!」

 

 

「うっ!」

 

 

このタイミングで店員さん!?ちょっと恥ずかしい!!

 

 

「こちら、妖精のパンケーキイチゴトッピングとバナナチョコソースバニラアイストッピングです!」

 

 

「うぉ!」

 

 

なんだこの尋常じゃないホイップクリームの量は!?すごいインパクトだぞ!!

見るからにふっかふっかなパンケーキいいぞ~!!トッピングのイチゴは砂糖で煮ているタイプか!!これもパンケーキに合いそうだ!!

 

 

「(俺、今パンケーキにかなり夢中だ!!)はっ!!」

 

 

「じー……‥‥」

 

 

しまった!つい、立希のことを忘れていた!!

 

 

「ごゆっくりどうぞ!」

 

 

店員さんが去った今、もう一度トライだ!私はゆきたん!今日はこの店のパンケーキを楽しみに‥‥‥‥

 

 

「かわいい~!!これってヤバくない~!?ホイップクリームが山みたい~!!あっ、たっきーのもすご~い!!チョコパな~い!!バナナ、アイスももりもりでアゲアゲ~!!テンション爆上戦隊ブンブンジャー!!!」

 

 

「ええっ‥‥‥‥」

 

 

「どう?たっきー?テンション上がるよね!?」

 

 

「えっ?あっ…‥‥うん…‥‥」

 

 

俺の押しにもはやYESしか言えなくなった立希。ふふっ、もう一押しだ。

 

 

「もう~たっきーたら~そんなテンション低めじゃなくって~!!」

 

 

「う…‥‥うん!そうだね~!!テンション上がる~!!」

 

 

ついに折れていつものツンケンきゃらじゃなくなった立希。今のお前ならスクールアイドルとかやれるぞ。

 

 

「だよねだよね!!あ~もう我慢できない~!!お腹ペコリーナ超えてお腹ペコペコリーのMAX!!さっそくいただきマーシャルアーツ!!」

 

 

まずは一口サイズにパンケーキを切り切りして~ホイップクリームののせのせ~イチゴものせのせ~!

 

 

「ほら、たっきーものせのせして~!!」

 

 

「う、うん……!のせのせ~」

 

 

「上手~!!パチパチからの~ミツバチブーン~!!」

 

 

「ゆきたん…‥‥超ウケる~!!」

 

 

俺の渾身の女子ギャグで完全にのってきた立希。よーし、いい感じになってきた!!

 

 

「たっきー!食べよう~!!」

 

 

「食べよう~!!」

 

 

「妖精のパンケーキがお口に向かって飛んでいきまーす!!」

 

 

切り分けたパンケーキがお口の中にダーイブ!!

うわぁ~なにこれ~!?ふわふわのパンケーキの生地と優しい甘さのホイップクリーム、それにイチゴの甘酸っぱさが合ってうまみざわ純一郎~!!

 

 

「よ~し!私も妖精のパンケーキ~お口に向かって出発~!あっ!」

 

 

食べようとしたパンケーキを皿の上に落としてしまうたっきー。

 

 

「もう~たっきーたら~ドジ~!!」

 

 

「あっ~妖精さん着地失敗~てへぺろ!!」

 

 

「どんまいたっきー!がんばがんば!!」

 

 

ふふふっ、今のテヘペロ顔を写真に撮ってみんなに見せて~まぁ、そんなんことしたら確実に殺されるからやめようっと。

 

 

「あーんっ‥‥‥‥う~ん!!バナナとチョコ最高~!!アイスも合う~!!大正解~!!あげみざわ幸太郎~!!」

 

 

「それ、ちょっとちょうだ~い!ゆきたんのもあげるから~!」

 

 

「え~いいの~?そうだ!あーんしてあ・げ・りゅ♡」

 

 

「じゃあ~同時に同時に~!せーの!」

 

 

「「あーん!!」」

 

 

お互いのパンケーキを食べさせ合うたっきーと私!う~ん!たっきーのパンケーキも美味しくてうまうまウマ娘~!!

 

 

「「美味しい~!!幸せ~!!」」

 

 

女子になりきったおかげで完全にこの店にとけこんだ私たち!!やったー!!ハナマル満開ー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「……‥‥‥」

 

 

「‥‥…‥‥」

 

 

店を退店し正気に戻りお互い無言のまま歩く。さすがにやりすぎたな‥‥…‥‥

 

 

 

「…‥‥あのさ」

 

 

「ん?」

 

 

「パンケーキごちそうしてくれてありがとう…‥‥‥その‥‥‥‥元気出た」

 

 

「お、おう…‥‥‥」

 

 

素直にお礼を言う立希。いつもはツンツンしているけどこういうかわいいところもあるんですよこの娘は。

 

 

「あっ、でも」

 

 

「でも?」

 

 

「もし、今日のこと誰かに喋ったらあんたを殺すから」

 

 

「!?」

 

 

デデン!!という音が俺の脳内に響き渡る。あっ、これは生存フラグですね。

 

 

「じゃあ、私今からバンド練行くから」

 

 

「おう、頑張…‥‥‥いや…‥‥たっき~!がんば!!」

 

 

もう一度ゆきたんを憑依させる俺。さすがにたっきーで返してくれんとは思わんが‥‥‥‥

 

 

「‥‥…‥‥‥‥ありがとう!ゆきたん!」

 

 

「!!」

 

 

まさかたっきーになって返してくるとは!!お前、意外とノリいいじゃねぇか!!

 

 

「ふふふふ~!」

 

 

「あはははは~!!…‥‥‥!?」

 

 

ふと、誰かに見られていることに気づき斜め横を向くとそこにはギターケースを背負った愛音がいた。

 

 

「ゆ、ゆっきーとりっきー?」

 

 

「あ、愛音……‥‥」

 

 

「こ、これは…‥‥‥そのだな……‥‥」

 

 

「わ、私…‥‥‥何も見てないから!!」

 

 

そう言い残しその場を早足で去って行く愛音。完全に見られたなこりゃ……‥‥

 

 

「……‥‥‥」

 

 

「‥‥……‥‥幸人」

 

 

「なに‥‥‥‥?」

 

 

「あいつの今見たことの記憶無くなるまで頭叩いてくる…‥‥‥」

 

 

「えっ?」

 

 

そんな物騒な事言うとどこから出したかわからないドラムスティックを持ち猛ダッシュで愛音の後を追う立希。

 

 

「お、おい!待てよ!!」

 

 

あいつの頭はドラムじゃないぞー!!?

 

 

 

 




本家より狂気さが感じられない…‥‥‥(まぁ、男女で入店しているし)

昼メシの流儀が今期で一番面白いかもしれない。
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