今回は初登場のあの子が出てきます。
「くそぅ!!ここも売り切れか!!」
俺は本屋を出て残念がる。
今日は大人気漫画『摩滅の剣士セイバー』の最新刊の発売日で本屋を5軒回ったがどこも売り切れていた。
「都内の本屋にはもう無いのか…‥‥?」
いや!まだだ!!必ずまだ売っているところがあるはずだ!!
「話の結末は俺が決めてやる!!」
摩滅の刃の主人公の刀一(とういち)の決め台詞を言って次の本屋へと向かった。
「はぁ、はぁ、はぁ…‥‥‥着いた!!」
走って数分後、次の本屋に辿り着き早速店内へ!!
「新刊売り場は‥‥‥‥あっちだ!」
漫画コーナーの新刊コーナーを見つけ摩滅の最新刊を探す。
「あった!!」
ラスト一冊だ!!
「摩滅の最新刊はオデノモノダー!!パンツハワタサン!!」
俺はダッシュで摩滅の最新刊を確保に向かう。
「うおおおおおおお!!」
あと少し!あと少しで!!
「取ったーー!!」
「あった!!」
「「ん?」」
摩滅の最新刊を手に取る手が二つで声も二つ重なった。
横を向くと帽子を被り眼鏡をかけた女の子が俺と同じく摩滅の最新刊を手に取っていた。
「あっ、すいません!どうぞ!」
「い、いえ!そちらが!」
「いえいえ!貴方の方が早かったので!どうぞ!」
「いやいや!そちらの方が!」
「そっちが!」
「そっちが!」
これじゃあキリがない‥‥‥‥こうなったら!
「ジャンケンで決めましょう!勝った方が買えるということで!」
「わかりました!」
「じゃあ、いきますよ~!最初はグー!ジャンケン、ポン!」
俺はチョキ!女の子の方は‥‥‥‥
「あっ、勝った」
グーだと!?勝利はチョキではなくグーだと!?
「そちらが勝ったのでこれはあなたの物です…‥‥」
「ほ、本当にいいんですか?」
「はい‥‥‥‥この藤田幸人、一度決めたことは曲げない主義なので」
「ん?藤田幸人?君、藤田幸人くんって言うの?」
「えっ?あっ、はい」
なんでこの子俺の名前を?
「ういちゃんが言ってたのって君だったんだね~」
「ういちゃん?」
「三角初華、というかsumimi知ってるよね?」
「sumimi?あー友達が好きなユニットだったかな?名前は聞いたことあるけど詳しくは知らないな~あんま興味ないけど…‥‥」
「ええ!?そんな~!」
「??」
なんで残念がるんだ?
「大丈夫か?わりぃな、アイドルのこととかあんまり詳しくなくて…‥‥‥」
「ううん‥‥‥はぁ~もっと頑張んないとな~」
「頑張る?布教活動を?」
「ちょ!ここまで言ってまだ気づかないの!?私、sumimiの純田まなだよ!!」
女の子改め純田まなは眼鏡を外した。
「本物のアイドルだ…‥‥‥」
「なんか反応薄くない?」
「まぁ、知り合いの先輩にアイドルとかプロのバンドグループの方々いるし今更有名人来てもそんなに驚かない」
「地味にすごいね君……‥‥」
「それより眼鏡外して自分のことsumimiの純田まなって言っていいのか?」
「えっ?あっ…‥‥」
周りの他のお客さんたちがヒソヒソ話しながらこっちを見ているぞ?
「わわわわ!マズい!とりあえずこれ買って早くお店出よう!!」
「えっ?でも…‥‥」
「はい!レジへゴー!!」
「あ~れ~!!」
純田まなに手を引っ張られ漫画をさっさと買ってお店を後にした俺たちであった。
「はぁ~!やっぱ摩滅は面白いな~!」
「だよな!」
俺たちは本屋の後に駅前のMrs.ドーナツへ入りドナーツを食べながらお茶を飲み摩滅の最新刊を一緒に読んでいた。
「聖刀が全部集まって覇王刀『玄須聖刃』になるシーンいいね!」
「ああ!全聖刀の力使えるのすげーよな!!十二魔柱の一人の魔架座倒したし!」
最新刊の感想を言い合い盛り上がる俺たち。
「幸人君は好きなキャラは誰?私は雷の刀士の賢斗くんかな~」
「俺はやっぱ主人公の刀一かな?炎の技使うのかっこいいし!」
「賢斗くんが闇堕ちして復活したの悲しかったな~」
「まさか闇の刀士が主人公の師匠だったのは驚きだったな!」
「光の刀士、ユリのものまね!光あれ~!」
「マスターブジンのものまねやりまーす。まぁ、良いでしょう」
「あははは!似てる似てる!!」
時間を忘れるほど摩滅のトークが盛り上がっていった。
「はぁ~幸人君って面白いね~」
「よく言われるよ」
「それに摩滅好きでこんなに語れる人と会えるのも初めてだよ~」
「そうなのか?」
「うん。私、芸能活動であんまり学校行けてないし周りのみんなは恋愛系の漫画やアニメやドラマばかりの話で合わなくてさぁ……‥‥」
「そうか」
まぁ、摩滅って少年誌で連載されている漫画だし内容もシリアス寄りでグロいシーンもあるから女性向けではないな。
「女子なのにこんな作品読んでて変だよね」
「そんなことないぞ」
「えっ?」
「俺だって女子向けの恋愛ラブコメ漫画を読んだりする。好きになることに性別も年齢も国籍も関係ない。自分が好きだって感じたらそのまま好きになっていけばいい。それで周りに薦めていけば周囲も理解してくれるはずだ」
「幸人君‥‥…‥‥」
「摩滅、初華にも薦めてやれ。絶対ハマるはずだ」
「うん!ういちゃんにも薦めて見るね!」
笑顔になるまな。やっぱ、アイドルは笑顔でなくちゃね。
「あっ、そろそろ仕事に行かなくちゃ!じゃあ、幸人君また摩滅トークしようね!」
「おう、またやろう」
「これ、私の連絡先!いつでも連絡してきてね!」
まなはトークアプリのIDが書かれた紙を置いて急いで店を出て行ってしまった。
「ふぅ、オールドファッションうめぇ」
これ食ったら摩滅の最新刊探しの旅に出なくちゃな。
「遅いなまなちゃん……‥‥」
ラジオの収録でスタジオに来ている私。そろそろ収録始まるのにまなちゃんがまだ来てない…‥‥‥
「すみません!遅くなりました!」
「あっ、まなちゃん」
そう思っていたらまなちゃんが来た。
「遅かったね」
「うん!ちょっとお話してて…‥‥」
「お話?なんの?」
「漫画の!あっ、そうそう!私、藤田幸人君にあったよ!」
「えっ?」
その名前を聞いて私は一瞬思考が停止した。
「ゆ、幸人君と会ったの…‥‥?」
「うん!幸人君って面白いし摩滅も好きでお話盛り上がっちゃってつい時間忘れちゃって話してたら遅れちゃったんだ~」
「ふ、ふーん……‥‥それで他に何かしたの?」
「ううん、漫画のお話しただけだよ」
「‥‥……‥‥」
「まなちゃーん!ちょっといいかな?」
「あっ、今行きまーす!ういちゃん、ちょっと行ってくるね!」
「あっ、うん…‥‥‥」
スタッフさんに呼ばれて一旦収録ブースから出るまなちゃん。
「‥‥…‥‥あいつ…‥‥」
さきちゃんだけじゃ飽き足らずまなちゃんにまで手を出すなんて…‥‥‥
「許せない……‥‥」
私は手を握りしめて彼に対する憎悪の念を飛ばした。早くあいつをなんとかしないと‥‥……‥‥
アークナイツコラボやってんね。
ただ僕はやってないのでボイスとか聞けんけど…‥‥‥