おねえさん観察日記 作:あんとにー
あの日から、僕はお姉さんの家へ良く行く様になった。そして今日もいつも通りお姉さんの家へと来ていた。
ピンポーンと鳴らしてから少しすると毛布に包まって顔だけ出したお姉さんが出て来た。
「おはよう……何で今日こんな寒いの」
震えながら、お姉さんはそう言って僕を出迎えてくれた。寒そうなのでさっさと靴を脱いで家の中に入る。本当にさむい。
「きょうは雪が降ってるからだよ」
いつもの通り、温かい紅茶を入れてくれるお姉さんの背中にそう僕は答えた。学校から帰る時には、もう雪は積もっていて皆が雪合戦をしたり雪だるまを作っていた。でも僕は寒すぎてそれどころじゃなかった。さっさと家に帰りたくて急いだ結果二回転んだ。
「あー、だからシャワー浴びたんだ」
「え」
何でシャワーを浴びた事を知ってるの?僕がお姉さんをそんな思いでじっと見つめると、お姉さんは手を振って教えてくれた。
「シャワーの音が聞こえたんだよ、実は今日その音で目覚めたんだ。だからおはようって言ったでしょ?」
なるほど、確かに最初おはようって言われた。そうだったのかと納得する。そう思っていると、お姉さんにコップを渡される。そこにはいつもの紅茶の色じゃなくて、茶色い何かだった。
「これは?」
「ココア。甘ったるくて美味しい冬の敵だよ。それともいつものが良い?」
そう言って、手を伸ばして来たので慌ててコップを掴んで飲む。
「あちっ」
急いだせいかめちゃくちゃ熱かった。でも寒かった体が少しあったまった気がする。
「あーあ、ごめんいじわるして。取らないからゆっくり飲みな」
そう言われても真正面に座られてじっと見られると、とても飲みにくい。でも言いにくいので、後で日記にお姉さんは意地悪だと書いて我慢する事にする。
「で、今日も学校はつまらなかったから来たの?それとも……」
「お姉さんに会いたくて来たの?」
やっぱり、お姉さんは意地悪だ。
「もちろん、学校ですよ。お姉さんはついでです」
嘘は言ってない。あれから何も変わってない、ただお姉さんの家に来て話すだけ。それだけだ。でも、それが何だかとても楽しい……
気がする。よくわかんないけど。
「本当かなぁ?怪しいぞ〜」
お姉さんは首を傾げて、こっちを見る。
その視線に耐えられなくなって、本当ですと言ってそっぽを向く。そのままこたつ布団の中に入ると温かい。
「いやぁ、外には出たくないねぇ」
「そうですねぇ」
ぼーっとしながら僕は答える。気持ち良くてうとうとしてきた。
「このままずーっといたいねぇ」
「そーで……」
「ありゃあ寝ちゃったか、こたつで寝ると身体が冷えるよ」
そんなお姉さんの声が聞こえた気がした。