おねえさん観察日記 作:あんとにー
「うーん……」
「どうしようかなぁ」
「でもなぁ、コレだとアレだし」
今日も僕はお姉さんの家へ来てしまった。今更だけどヤバいのかもしれない。僕は今急にそう思った。名前も知らないお姉さんの家で、お姉さんと二人っきり。
ヤバイ。どうしよう。お母さんにも学校にも、知らない人には付いて行かないでって言われてたのに。今更になって思い出して頭の中でいっぱいになる。
……付いていかないでって言われる理由は、悪い人だからだ。悪い人に付いて行ったら危険な目にあうかもしれないから。でも危険じゃなかったら良いんじゃないかな。良いよね、うん良いや。
僕はそう思う事にした。もし、お姉さんが危険で悪い人ならもっと早く何かしてる筈だもんね。少しホッとして、置きっぱだった宿題をやる事にした。宿題をやる為にお姉さんを待たせてるからさっさと終わらせないと。
「あーこれ二人じゃなきゃダメな奴だ。何処かにもう一人いないかなぁ」
見られている、絶対。だけど、僕は無視をした。何ならこっちに近づいて来ている。
「おーい、宿題はいつでも出来るけどお姉さんは有限だよ?」
そんな事を言いながら体がゆらゆらと揺らされた。……お姉さんって。
「友達いないんですか?僕もいないですけど」
なんか申し訳ないけど、お姉さんが友達といるイメージが出来ない。と言うかいるなら僕なんかと遊ばず、友達と遊ぶでしょ。きっと。だから僕なんかと構うんだと思う。
「私も今はいない、今はね。作ろうと思えば列が出来ちゃうからさぁ。私の前に」
「あ、あースゴイですねー」
「お姉さんの凄さ分かってないでしょ!」
ガオーッと猛獣のポーズを取るお姉さんを見ると、僕はアレを思い出して言ってみた。
「お姉さん、どうしてお姉さんの髪の毛は長いの?」
「それはねこの世界の不条理から身を守る為だよ」
「このせかいのふじょうり?どうして、お姉さんはいつも家にいるの?」
「それは家でできる仕事だからだよ」
「お姉さん。じゃあ、どうして僕を助けてくれたの?」
「ッ……」
それまですぐ返してくれたのに、そこで止まってしまった。暫く静かになった後、お姉さんは僕の方を向いて笑った。
「それは美味しそうなお前を食べる為だよ〜」
そのままお姉さんに抱きしめられて、動けなくてしまった。暑苦しい。
「分かった、分かりました!」
離して欲しくてそう言うと、離れてくれた。お姉さんの温度が消えて少し寒くなった。
「それ終わったら、アレ付き合ってね」
テレビを指差したお姉さんの言葉に、僕は返事をした。その後、宿題を終わらせてゲームをした。お姉さんは凄いゲームが下手だった。
ねむい