転生したと思ったらママになっていた件   作:大神降ろし

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お待たせいたしました。
続きをどうぞ。


第十話

 

 無事にハンターの登録が終わったシリウスはそのままハンターの仕事や規則についての講習を受けている。受付をしてくれた女性職員と共に別室へ移動し椅子に座っている。

 

「それではこれよりハンターの概要と規則について説明させていただきます」

「よろしくお願いします。あの、何で個室で?」

「本来なら受付でするのですが、あの状態でやるのはちょっと…」

「ああ~…何かすいません」

「いえいえ、お気になさらず」

 

 シリウスの記憶喪失を勝手に重く受け止めたハンター達の力強い目に晒される中での講習は流石に女性職員もする気にはなれなかった。幸い取引の仲介やハンターの会議などで使う個室が空いていたのでそこに逃げ込んだ。

 

「では改めまして説明させていただきます」

 

 ハンターの大まかな仕事の受け方などは宿屋で女将達に聞いた通りだった。

 ランクに分けられた依頼をこなしていく事で昇級クエストが受けられるようになり、それを達成すれば一つ上のランクへ上がれるようになる。ランクは下から七級、六級、五級、四級、三級、二級、一級に別けられており、上に行けば行くほど依頼の難易度が上がり報酬も比例して高額になる。ハンターの数も上に行けば行くほど少なくなり、最上級の一級は世界中合わせても三組しかいない。

 依頼の種類は薬草などの素材を取りにいく採取系、魔物退治などの討伐系、商人などを守る護衛系、商店の仕事の手伝いや一般家庭のお使いなどの労働系などがある。依頼に失敗すると報酬は無しで受注する際に支払う契約金も戻ってこなくなる。何より重いのは信用が無くなる事だ。ハンターにとって信用は重要なもので無くなれば依頼の受注しても向こうから断れる事もあるほど。他にも被害が大きい場合などは違約金を払わなければならなかったりと依頼失敗のペナルティはかなり大きい。

 

「ここまででご質問はございますか?」

「…ではいくつか。ハンターになったら戦争に駆り出されたりするんですか?」

「ギルドは国家より独立した組織なので種族間の争いには関与しない事になっています。もちろん不慮の事故などで巻き込まれた場合に限り、その場から立ち去るまでの間は戦闘は許可されていますのでご安心ください。まあ、巻き込まれないのが一番ですが」

「国からの依頼とかはあるんですか?」

「ありますよ。ギルド上層部の厳正な審査の元で受けるか否かを決めております。その場合の依頼は魔物の大群が押し寄せて国家滅亡の危機などのそういうレベルのものですから滅多に無いですね。一番最近のものでも百年以上前なので、無いと思ってもらっても構いませんよ」

「依頼人から直接依頼される事ってあるんですか?その場合は受けても大丈夫ですか?」

「そうですね、そういう場合もありますし受けてもらっても構いませんが、後々になってトラブルの元になる事がしばしばあるので可能であればギルドを通して頂いた方が安全かと思います。他にご質問などはございますか?」

「…いえ、大丈夫です」

「ではこれで講習は以上となります」

「わかりました、ありがとうございます」

 

 全ての講習を終えて個室から受付に戻ってきた。

 

「それではこちらを。ハンターの証のペンダントです。紛失されても再発行は可能ですがその場合は有料となりますのでご注意ください」

 

 シリウスは女性職員からペンダントを渡された。

 簡素なペンダントで現在のランクを表す素材でできており、シリウスのは一番下の七級を表している銅でできている。六級は銀、五級は金、四級は白金、三級はミスリル、二級はオリハルコン、一級はアダマンタイトでできている。

 

「ありがとうございます。それとギルドで素材を買い取ってくれると聞いたんですが」

「はい、できますよ。魔物の種類と部位、鮮度によって値段は異なりますが…」

 

 シリウスはカバンに入れていた村で略奪した毛皮の他にブラッドファングの牙と爪、ビッグホーンの角をカウンターの上に置いた。

 

「これなんですけど…」

「「「「「!?!?」」」」」

 

 女性職員と周囲にいたハンター達はその素材を見て驚いている。

 毛皮の方はまだいい。森に住む動物の皮をなめした物だからだ。シリウスには取れそうに無いが村から持ってきたのだろうから。

 だが、牙と爪と角の方は別だった。ビッグホーンは山や深い森の奥に生息しており足も速くとても一人では狩れるものではない。ブラッドファングの方がさらに問題だった。ランクが四級のハンターであっても戦闘は避けるほどで討伐にはかなりの苦戦を強いられるほど。そのブラッドファングの牙と爪が、ビッグホーンの角が目の前にある。

 

「どどどどどうやって!?」

「オイオイオイ!?マジかよ!?」

「おお~…ブラッドファングの牙なんて初めて見たぞ…」

「マジかよ…嬢ちゃん、一体どうやって…」

「あ~…角の方は折れたのを拾っただけで、牙と爪の方は襲われたのでこう、相打ち覚悟で」

 

 シリウスが入手の経緯を話すとその場にいたハンター達があ然としていた。

 

「…嬢ちゃん。おめえ、すげえな」

「ああ。百年に一度の逸材だぜ」

「いや、いやいやいや。言い過ぎですよ。爪で引っ掻かれましたし、ちょっとでも遅かったら死んでたの私ですし」

「いや、咄嗟の判断や諦めない根性はハンターには必要不可欠だ。嬢ちゃんは良いハンターになるよ。それと毛皮は売らずに取っといた方がいい。こいつは暖かいからな、寒い日には重宝するぜ」

 

 褒め称えるハンター達に気恥ずかしい気持ちになり、何とも言えない表情になったシリウスは言われた通り毛皮を回収した。

 

「あ、え、えっと、か、買い取りですね?少々お待ちください」

 

 女性職員は動揺しながらも何とか職務を全うすべく素材を持って受付の奥に入っていった。

 

「なんだ全部売っちゃうのか…もったいねえな…」

「鍛冶屋とかに行けば結構いい武器にしてもらえるぜ?」

「ああ、いや全部じゃないです。まだ何個かありますので。後、鍛冶屋ってどこですか?」

「鍛冶屋はな、結構離れた所にあるからなあ…中々説明し辛いぜ…ああ、町の地図があったな」

 

 中年男性のハンターが地図を持ってきて鍛冶屋の場所を示してくれた。中央にある広場から地図から見て左へ行き途中を右に曲がった先にあった。

 

「え~っと、この辺だな。ハンマーの看板があるし、なにより近付けばカンカンうるさいからすぐわかるぜ」

「わかりました、ありがとうございます」

 

 ハンター達と喋っていたら女性職員が換金を終えて戻ってきた。

 

「お待たせしました。ビッグホーンの角とブラッドファングの牙二本と爪五本。合計で66000リクルとなります」

 

 思ってもみないほど高額で売れてシリウスが目を見開いてビックリしている。

 

「内訳としましては角の方が50000リクル。牙が一本3000リクル。爪が一本2000リクルとなります」

「オイオイ。そんだけか?」

「そうだぜ。角なんて100000リクルぐらいするだろ?」

「牙と爪ももっとすると思うんだが…」

 

 シリウスとしては十分高いと思っているが周りのハンター達はもっと高いはずだと声を上げている。

 

「それに関しましては角の方は半ばで折れていますのでこの値段に。根本まであればおっしゃる通り100000リクルはくだらないかと。牙と爪の方は調べましたところ、かなり若い個体だそうなのでこの値段とさせていただきました」

 

 女性職員は流れるように値段設定の理由を話しハンター達も納得した。

 シリウスは金貨六枚と銀貨六十枚を貰いお金の入った袋に入れた。これだけでも一般家庭では大金で一年は働かずに暮らせるぐらい。だがハンターからすればそれなりの額止まりになる。武器などの装備が高いため一式揃えようとすればこれぐらいの額は軽く飛んでしまう。ゆえに金貨六枚を見てもいいなあと思う程度で済んでいる。これが他の町の人やハンターであれば邪な思いが浮かんだりともっと違う感想を持つ。

 

「(登録と素材の買い取りは終わったな。次は町の散策と買い物かな?)じゃあ私は行きますね。色々とありがとうございました」

「ん?何だ嬢ちゃん。もう行くのか?」

「はい。町の散策もしてみたいし、色々と買う物もありますので」

「なら、俺が案内しようか?」

 

 ヴァレットが善意100%で声を掛けてきた。

 

「え?いや、ご迷惑ですし大丈夫ですよ」

「なに気にするな。どうせ暇してたしな。よし行くぞー」

「え?あ、ちょ」

「じゃあな嬢ちゃん」

「またな~」

 

 ヴァレットに背中を押されそのままギルドを後にしたシリウス。その背中に暢気な声を送るハンター達だった。

 

「すみません、わざわざ案内してもらって」

「やる事もないから気にするな。じゃあまずは、鍛冶屋に行くか。今の時間ならおやっさんは店にいるだろうから会えると思うぜ」

 

 ヴァレットは鍛冶屋の店主と知り合いらしく行動も読んでいた。シリウスはヴァレットの後を追いながら町を眺めている。

 

「…おっと、そういや自己紹介もちゃんとしてなかったな。俺はヴァレット・イグナー。四級のハンターだ。よろしくな」

「シリウス・ノクティーです。こっちはポラリスです。改めてよろしくお願いします」

 

 遅まきながらも互いに自己紹介し町の案内に戻った。

 

「ここは大通り。後ろの中央にある町長の館の周りをグルっと囲んで走ってる。道に迷っても大通りに出れば何とかなるから安心しな。こっから右の方に武器防具を扱う店や薬を扱う店が多く並んでる。左の方は市場とか宿屋とかが並んでるぜ」

 

 ヴァレットはそう説明しながら武器防具や薬を扱う店の方へ向かっている。

 装備を新調して有頂天な者や、ショーケースに並んでいる見本の装備を熱心に見ている者や、露天で店主と値段交渉で白熱している者や、買った水薬を一本一本確かめながらカバンに仕舞っている者など多くのハンターがいた。水薬を買いに来ている町民もいるがハンターの方が圧倒的に多かった。

 

「ん?よう、ヴァレット!何してんだ?」

「おう、こっちの新人を案内してるところだ」

「おいおい、随分若いじゃねえか。大丈夫か?」

「なーに、この歳で魔物を退治してる新進気鋭だぞ?」

「へ~、若いのに大したもんだな…」

「あはは…どうも」

 

 ヴァレットの顔見知りのハンターにかなり持ち上げられた紹介をされて苦笑いしかできないシリウスだった。

 

「おっと、呼び止めて悪かったな。じゃあまたな」

「おう、また飲もうぜ」

 

 ハンターはヴァレットと別れて雑踏の中に消えていった。

 

「後でこの辺の店も覗いてみるか。さてこっちだ」

 

 ヴァレットは店が多く並んでいる通りから路地へ入った。道が狭くなったがシリウスが想像するような暗く危ない雰囲気があるような路地裏ではなく、日の光は少ないものの暗く危ない雰囲気は漂っていない。人の往来は表よりは少ないがちゃんとあり、巡回の兵士も歩いているので安心である。

 そのまま歩いていたら金属を叩くような音が聞こえ始めた。近付くにつれ音は大きくなりハンマーが描かれた看板が見えた。

 

「着いたぜ、ここだ」

 

 ヴァレットは慣れた様子でドアを開けて中に入りシリウスも後に続いた。

 

「おやっさん、入るぜ」

「ん~?なんだ、ヴァレットか。何の用だ?」

 

 ヴァレットが声を掛けた相手は背が低く髭を蓄えたドワーフだった。肌は火に焼けて褐色になり金属を打つ用の大鎚を振るうので筋骨隆々のマッチョだった。

 

「あん?なんだなんだ、ここはガキが来るような所じゃねえぞ。さっさと帰んな」

 

 シリウスに気付いた店主は厳つい顔をさらに顰めてシリウスを追い出そうとしている。

 

「待て待て、おやっさん。こいつは客だ客。俺はただの付き添いだよ」

「はあ?何言ってんだおめえ」

 

 ヴァレットが擁護するも全然信じなかった店主だったが視線をシリウスに向けた時、首元にペンダントが見えた。

 

「オイオイ、こんなガキがハンターだって?世も末だなおい」

「なんだおやっさん、噂を聞いてないのか?」

「はんっ、こんな穴蔵にいてそんなのが入ってくると思ってんのか?」

「それもそうだな。実はな…」

 

 店主は噂を知らなかったのでヴァレットが説明し始めた。止めてほしいと思っているシリウスだが止める術が浮かばなかったので何とも言えない表情のままでいる。話を聞いているうちにドンドン眉間に皺が寄っていく店主にシリウスは若干ビビり始めている。店主から目を逸らしてポラリスをあやしながら店の中を見ている。

 金属を溶かすための炉や鍛造するための金床、武器を磨く砥石、乱雑に置かれた剣や斧などの武器、樽に入れられている研磨待ちの武器、防具を着せられたマネキン。シリウスが思い描いたファンタジーの鍛冶屋がそこにあった。

 

「ほえ~(すげえ…マジファンタジーじゃん)」

 

 口を半開きにして間抜けな表情をしながらお上りさんみたいに店の中を見回している。

 その様子をヴァレットは微笑ましそうに見て、店主はしかめっ面を止めて何とも言えない表情を浮かべている。

 

「…あれでハンターが務まるのか?」

「はっはっは、まあいいじゃねえか」

 

 本当にハンターができるのか不安になった店主だったが、ヴァレットから話は聞いたので客には変わらないと思い直した。

 

「ったく…おい、そこのガキ。さっさとこっちに来い」

 

 店主は頬杖を付きながらぶっきらぼうにシリウスを呼びつけた。シリウスは機嫌を損ねると作ってくれないかもと思い早足で近付いた。

 

「…で?ヴァレットが言うには素材を持ってるんだって?」

「あ、はい。え~、これです」

 

 シリウスはカバンからブラッドファングの牙を二本と爪を五本、机の上に置いた。店主はそれを一つずつ手に取って隅々までじっくりと観察した。

 

「…確かに若い個体だな。もう少し歳をとりゃデカくなって硬くもなるからメインで使える武器ができたんだが…」

「まあ、いきなりそんないい武器を持っても良い事は無いぜ?まずはそれなりの物からの方がいいだろ?」

「それはそうだな。これなら短剣サイズができるが、おい、それでいいのか?」

「はい、それでお願いします」

「ふん、まあ良かろう。打ってやる。こいつなら…三日後にはできるから取りに来い。わかったならさっさと帰んな」

「わかりました、ありがとうございます」

 

 最後まで頑固で不器用で愛想が無い職人の店主は仕事に戻った。シリウス達に背を向け金属の鍛造を続けたので二人は店を出た。

 

「おやっさんは口が悪いが悪い奴じゃないんだ。ただ不器用なだけさ。勘弁してやってくれ」

「大丈夫です、わかってますよ」

「すまないな。よし次行くか。って俺が決めちゃ意味無いな。何か買いたいもんはあるのか?」

「そうですね…歩きやすい靴とか、まあまあ頑丈な服とか…後は日用品ですかね」

「靴と服か。それならこの辺にもあるぜ。ハンター御用達だから多少の事じゃ壊れたりはしないぞ。こっちだ」

 

 ヴァレットはハンター用の服や靴が売っている店へ足を向けシリウスはそれに付いていった。再びハンター達で賑わう通りに出れば目的の店はすぐそこだった。服と縫い針と店名が描かれた看板がある店で透明のガラスで仕切られたショーケースにはハンターが着るような実用的な服が並んでいる。

“ミネアの服飾店”

 何故かハートがたくさんあしらわれている看板に店名はそう書かれていた。

 

「ここだ。店主は変わってるが良い奴だから安心しろ。腕も確かだしな」

 

 ヴァレットは躊躇なく店に入っていった。

 

「いらっしゃ~い♪ミネアのお店へようこそ~♪」

 

 そこにいたのはドギツイ化粧をして身体をくねらせている筋肉質のオネエだった。身体のラインが浮き出るぐらいピチピチの服を着こみ、違う意味で目に毒である。

 

「って、あら~!ヴァレットじゃないのよ!久しぶりじゃない!元気してた?」

「ようミネア。お前も相変わらずだな」

「もちろんよ!あたしはいつでもパーフェクト!なんだから!」

 

 店主のミネアはヴァレットと知り合いで気さくに声を掛けている。ヴァレットも慣れているのかウインクを飛ばすミネアに一切動じていない。

 

「今日は客を連れてきてな」

「ん?あらあらあら!可愛らしいお嬢ちゃんじゃない!まあ!さらに可愛らしい赤ちゃんまで!」

「頑丈な服が欲しいらしくてな。お前の店ならいいのがあるだろ?」

「んもうっ!そんなに褒め殺しにしちゃって!そう言われたらあたし、張り切っちゃう!」

 

 ミネアは改めて客であるシリウスを見た。

 ターエル周辺の村娘としては上位に入る美少女なのだが、如何せん髪や肌の手入れを怠っている。これはよろしくない。何よりよろしくないのは服である。泥や汗などで襟や袖の先が汚れている。言語道断である。必ずや自身のパーフェクトな腕で最高に仕上げて見せるとミネアは決意した。

 

「んふふ♪腕がなるわ~♪あら、いけないわ。あたしとしたら自己紹介するの忘れちゃってたわ。あたしはミネア・トーネスよ。よろしくね♪」

「シリウス・ノクティーです。こっちはポラリスです。よろしくお願いします」

 

 ハートを飛ばすようにウインクしながら挨拶してきたミネアにシリウスは内心うわあ…とか思いながらも平静を保ちながら挨拶した。ミネアは内心はどう思っているのかわからないが、決して表に出さず悟られないようにしている礼儀と気遣いができるシリウスにミネアは笑みを濃くした。

 

「ふふふ♪シリウスちゃんとポラリスちゃんね。よろしくね♪あたし、あなた達が気に入ったわ♪」

「?」

 

 突然の気に入った発言に首を傾げるシリウスだったがミネアは答えずに採寸を始めた。

 

「じゃあまずは採寸するわね。じっとしててね~。あ、ポラリスちゃんはちょ~っとだけこっちで待っててね」

「じゃあ俺は表で待ってるからよ、終わったら声を掛けてくれ」

「あ、はい。わかりました」

 

 ヴァレットは外へ向かい、ポラリスはミネアが持ってきた布で作った即席の赤ちゃんベッドの上に置かれた。ミネアはテキパキと動きシリウスがポラリスを気にしている間に採寸を終えた。あっという間に終わったのでシリウスは驚いているが、ミネアは早速どんな服にするか考えている。

 

「う~ん、どうしようかしら?ペンダントがあるからハンターなのよね…と言う事はある程度戦闘もあると想定して…血や泥が掛かっても洗えば落ちるように…ああ!あの素材を使えば…それをベースに随所に後はあれとあれを使って強度を…数着はいるから…素材が足らないわね。後で依頼を出さないと。後は…そういえば普段着とかは持ってるの?」

 

 思考の海に沈んでいたミネアは突如浮上し、ポラリスをあやしているシリウスに声を掛けた。

 

「え?あ、はい。今着てる物と似たようなのが二着ほど」

「ダメよ!女の子は綺麗に着飾らなきゃ!綺麗になるのは女の子にとって義務なのよ!」

「えええぇぇぇ…」

 

 トンデモ理論を繰り広げてきたミネアにシリウスは嫌な表情を隠さなかった。

 シリウスにとってオシャレは程遠い物である。最低限、周りから変な目で見られなければそれでいいと思っており、そこにお金を掛けるよりもっと他で掛けたいと考えている。

 シリウスの表情を見たミネアは決意した。なんとしてもこの頑固娘を可愛く尚且つ綺麗にして見せる。自分のパーフェクトな腕にかけて。

 ミネアの戦いはこれからだ!

 




中途半端ですが長くなりそうなので一旦ここで切ります。
打ち切りになりそうな終わりですがまだまだ続きます。
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