転生したと思ったらママになっていた件   作:大神降ろし

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皆様、明けましておめでとうございます。
2026年、最初の投稿です。


第百四話

 

「俺達も色々準備してくる。まだ襲撃は無いと思うが用心しろ」

「分かりました。そちらも気をつけて」

 

 ルゥト達は襲撃に備えるために一度拠点に戻っていき、シリウスとエルフィナも宿屋に戻ってきた。

 

「何だかとんでもない事になってきたわね」

「すまんね、私の所為で」

「いいのよ、気にしないで。でも私も色々と準備しといた方が良さそうね。私は一度戻るけどシリウスちゃんはしばらく宿屋から出ちゃ駄目よ」

 

 エルフィナも準備のために泊まっている宿屋へ戻っていった。

 

「あんたのお人好しの所為でとんでもない事になってきたじゃないの」

「否定はしないが後悔もしていない。だが私も備えないとな。防御系の魔法は明日にも本を持ってきてくれるから、その間に今使える魔法と使えそうな魔法を確認するか」

 

 一人で勉強しようと思ったが、ポラリス達が離れたがらなかったのでベッドに座ってポラリス達と戯れながら勉強する事にした。

 

「ま~」

「は~い、なあにポラリス~?え~っと、使える魔法は…」

「ままー!あー、うー!」

「どうしたの~、アトリア~?使えそうな魔法は…」

「えっと…かあ…あぅ…」

「スピカ~、どうしたの~?遠慮しなくていいよ~…うん、今は無理だな。止めよう」

 

 魔法を覚えようとする度にポラリス達に呼ばれるので勉強はすっぱり諦めてポラリス達の相手を全力でする事にした。

 

「それ~♪むぎゅ~♪」

「あ~♪」

「あーい♪」

「あぅ…」

「(プルプル)♪」

「シャー♪」

「ワフ♪」

 

 目一杯抱き締めたり、頬擦りしたり、身体中を擽ったり、部屋を出て厩舎に向かいウェズンにも同じ事をしたり、皆をウェズンに乗せてお散歩したりとその日は家族で仲睦まじく過ごした。

 翌朝、朝食を取り終えて今日は何をするかを考えていたらエルフィナが大荷物を持ってやってきた。

 

「シリウスちゃーん、ポラリスちゃーん、アトリアちゃーん、スピカちゃーん、カペラちゃーん、ハダルちゃーん、リゲルちゃーん、ピーニ、おはよー」

「ば~」

「ふぃーばぁば!」

「おば、さま…お、おは、よう…」

「(プルプル)」

「シュー」

「ワン!」

「あら、おはよう」

「おはよう。荷物を持ってどうした?」

「あ、これ?今日から私もここで寝泊まりするから!」

「は?」

「いつ襲撃があるかも分からないから傍にいれば安心だと思って!気配とかそういうの全部分かるからシリウスちゃんも安全よ!」

「えぇ…分からんでもないけど…えぇ…」

「ぶー。何でそういう事言うのー?ぶー」

「ぶ~」

「ぶー!」

「ぶ、ぶー…?」

「(プルプル)」

「シャー」

「ワン!」

 

 膨れるエルフィナを真似てポラリス達も膨れて、カペラ達も真似をしようとして、カペラは少し大きくなり、ハダルとリゲルは頬を少し膨らませた。可愛らしい姿を見せる子供達には勝てずシリウスはエルフィナの滞在を認めるしかなかった。

 

「はぁ…分かった分かった。好きにしろ」

「やった。皆ー、これからはフィナおばちゃんも一緒よー」

「ば~」

「ふぃーばぁば!」

「おば、さま…」

 

 ポラリス達に抱き着くエルフィナを見ながらシリウスは昨日の勉強の続きを始めた。

 

「あらシリウスちゃん。何見てるの?」

「魔法が書かれてる本。使える魔法を吟味してる」

「へー。市街地で戦うなら、そうね…壁を作って進路を塞いだり、夜だったら光で目を眩ませたりかしらね。あ、そういえば昔仲間が路地裏にある物を魔法でくっつけてたわね。その魔法を地面に撒いたりもしてたわ。見た目は白くてベタベタしてたわね」

「その魔法の名前は?」

「確か…リキッドグルー、だったかしら…?」

「リキッドグルー…リキッドグルー…合った。下級魔法か」

 

 リキッドグルーは物をくっつける接着剤のような物を生み出す魔法だ。エルフィナが言った通りの用法で使ったり、魔物の顔に付けて怯ませたり、武器を地面にくっつけたりとネタ魔法かと思いきや意外と使い道がある。

 

「(接着剤を飛ばす魔法って…)効果時間は短めだが、ちょっとした足止めには使えそうだな。覚えとこ」

 

 術式も円が三重だけなので簡単に覚えられたので試しに床に使わない布を敷いてそこに放ってみた。

 

「【リキッドグルー】。うわぁ…まんま接着剤じゃん…」

 

 布に半透明の白いベタベタした液体がへばりついており、シリウスが触ってみると指に引っ付いて離れなかった。

 

「めっちゃベタつく…本当に接着剤だな…何でこんな魔法を作ろうと思ったのやら…」

 

 製作者の意図が分からず困惑するシリウスだが、多分説明されても理解できなさそうなので深く考えないようにした。

 

「他の魔法は…あー…町の中で使ったら危なそうだな…今覚えてる魔法を組み合わせて使うしかないか」

 

 シリウスが今覚えている魔法は、ティンダー、レビテーション、マジックボルト、ライト、クリエイトウォーター、ファイアーボール、バブルブロー、ストーンダーツ、エアカッター、ライトニング、コールドウインド、フラッシュ、ダークヴィジョン、サンダースピア、フレイムスロアー、そしてさっき覚えたリキッドグルーだ。町の中で使うと家や道が壊れる可能性がある魔法が多いので、シリウスは組み合わせて使える魔法を考えている。

 

「道をクリエイトウォーターで濡らしてコールドウインドで凍らせて滑らせる。いけそう、採用。飛び掛かってくる相手にレビテーションで物を浮かせてぶつける、もしくは妨害する。いけそう、採用。リキッドグルーで物をくっつけてレビテーションで相手の上から落とす。いけそう、採用。地面にリキッドグルーを撒いて足止め。その際クリエイトウォーターで水溜りを作って分からなくする。いけそう、採用。クリエイトウォーターで大きな水溜りを作ってライトニングで感電。いけそう、採用。すぐに思いつくのはこのぐらいか」

「初級や下級の魔法を組み合わせて使う人なんて見た事が無いんだけど。シリウスちゃんは凄いわねー」

「使う魔力は少ない方がいいだろ?」

「そうなんだけどね。他の人はそんなに覚えられないし、もっと上の魔法の方が強くて見栄えが良いからそっちを覚えるわ。むしろよくそんなに覚えられるわね」

「気合いだそんなの。後は愛」

「素敵な理由ね、ふふふ…」

 

 子供達を守るためならどんな苦行ですら乗り越える自信があり、そのためなら術式の暗記ぐらいシリウスには容易い事だった。

 

「他に町の中で使えそうなのってあるか?」

「そうねぇ…うーん…あっ、物を浮かせてそれを足場にして屋根の上に上がるとかは?」

「それ、私がするよりエルフィナがした方がいいだろ」

「…それもそうね。他は…」

「ま~。ば~」

「ままー!ふぃーばぁば!」

「かあ、さま…おば、さま…」

「(プルプル)」

「ヒィン!」

「シャー」

「ワン!ワン!」

「取りあえず遊びましょうか」

「だな」

 

 皆を連れて厩舎へ向かいウェズンに乗って歩き回ったり、鈴の入った木のボールを皆で転がしたり、即席で作った布のボールを投げてウェズンとリゲルが取りにいったり、皆でピーニを追い回したりとたくさん遊んだ。一頻り遊んだ後、シリウスとエルフィナはポラリスがカペラをビヨーンと引っ張ったり、アトリアがウェズンの鼻を揉んだり、スピカがハダルとリゲルに顔を舐められたりと子供達同士が仲良く遊んでいる様子を眺めている。ちなみにピーニは追いかけ回されて疲労困憊で荷物の中で伸びている。

 

「シリウスちゃん。もし戦う事になったら、前は私が何とかするから絶対に前に出ちゃ駄目よ」

「時と場合による」

「むー!駄目ったら駄目!」

「時と場合による」

「もー!」

 

 エルフィナに言われたが、その時になれば前に出る気満々なシリウスに頬を膨らませているエルフィナ。頬を膨らませてシリウスを見るが撤回する気が無い事が分かり溜め息を吐いた。

 

「…まあ、すり抜けられたりしたらそうも言ってられないからこれ以上は言わないけど、本当に気をつけてね。相手は多分プロだから少しの躊躇が命取りになるから」

「分かってる。この子達を守るためなら私は何だってする」

「あ~、う~」

「(プルプル)」

「うーえー!もにゅもにゅー!」

「ヒィン」

「シュー」

「ワフ!ヘッヘッヘ!」

「わ、わ、わ…!ぁ、ぁぅ…」

 

 笑顔で楽しく遊んでいる子供達を守るためならば、己の手を血で汚す覚悟を決めているシリウス。シリウスの覚悟を決めた目を見て一瞬悲しい表情を見せたエルフィナだが、同情などはその覚悟に失礼だと思い直した。

 

「…そう。なら、これ以上は言わないわ」

「すまんな」

「いいのよ。あっ、いけない。シリウスちゃんの部屋に泊まる事、まだ宿屋の人に言ってなかったわ。ちょっと行ってくるわね」

 

 エルフィナは宿屋の中へ戻っていき、シリウスはそのまま子供達を見ていた。ものの数分でエルフィナは戻ってきたが手に本を持っていた。

 

「シリウスちゃん、さっきそこでセレムと会ってこれを渡してくれって」

「言ってた魔法の本か」

「それともう一つ。すれ違った男からこれを渡されたわ」

 

 エルフィナから魔法の本と共に折り畳まれた紙片が渡された。開くとドラゴンファングからの情報が書かれていた。

 

「情報だ。相手はサヌワットで人数は二十人以上。その中に〈人食い〉がいる…〈人食い〉?」

「そんな…!?」

 

 〈人食い〉がいると聞き、エルフィナは顔色を変えた。焦燥を隠せず目を泳がせながら必死に打開策を考えている。

 

「(〈人食い〉だなんて聞いてないわよ…!?どうする?相手はウェアウルフ。隠れても匂いで察知されるし、正面から戦うのも自殺行為…どうすれば…!?)」

「エルフィナ?〈人食い〉って誰だ?」

「…〈人食い〉ガディヌ。裏社会でもっとも危険な男って言われてるわ。異名から何となく察してると思うけど、それ以外にも普通のウェアウルフよりも身体は大きくて力もとても強いの」

「そうなのか…後、続きが書いてあった。軍に働きかけて動かすとも書いてあった」

「それならちょっとはマシになるかもね。ほんのちょっとだけど」

「王都の軍なんだからそれなりに強いんじゃ…いや、もしかして戦闘経験ゼロのお飾りだったり…」

「正解。もっと詳しく言うと王城の警備がそれね。貴族の子供が箔を付けるためになるような部署なの。王都の警備もイザコザの仲裁ぐらいだからそこまで期待できない。本当に常駐の王国軍が来てくれるならサヌワットの構成員は何とかなるけど、〈人食い〉は…」

 

 エルフィナが相手でも相当キツいらしく、シリウスも内心ヤバいと思い始めてきた。

 

「エルフィナですらそうなんだから、やり合えそうな人は軍にもいなさそうだな」

「全くいない訳じゃないのよ。ただ今は時勢が悪くて王都にはいないのよね」

 

 現在オルティナ王国は隣国のガルディスとシードールとの関係悪化で国境付近では互いの軍が集結していて一触即発の空気に成っている。将軍などは皆国境付近に滞在しており、今の王都は空に近い状態だ。

 

「…エルフィナとルゥトさんなら何とかなるか?」

「うーん…私が翻弄して彼が前衛を務める…どう、かしらね…こればっかりは分からないわ」

「絶対そのサヌワットが雇ってるだろうから私を狙ってるだろうな…いや、狙ってるのは子供達か。なら私はご飯か」

「そんな事絶対させないわ…!」

 

 シリウスとポラリス達は必ず守ると気炎を上げるエルフィナはシリウスに気づかれないよう心の中で覚悟を決めていた。

 

「(シリウスちゃんとポラリスちゃん達は何があろうと守る…守ってみせる…!たとえ、この命尽きようとも…!もう、誰も…私の前で殺させない…!)」

 

 万が一の時はシリウスを庇おうと悲壮な決意を固めているエルフィナにシリウスは何となく嫌な予感がしてエルフィナを見た。

 

「…?どうした?」

「え、何が?」

「いや…何となく嫌な予感というか、何というか…」

「何でもないわよ。どうすればいいか考えてるだけよ」

「…なら、いいんだが」

「(危なかったわ…ほんの些細な事にも気づくのね…)」

 

 エルフィナの僅かな変化にも機敏に反応し掛けたシリウスを何とか誤魔化したエルフィナだが、シリウスの勘の鋭さに内心冷汗を掻いていた。エルフィナの変化に少し疑問を持ったが取りあえず脇に置いたシリウスは、スピカがリゲルに押し倒されて、ポラリスとアトリアとカペラとハダルもそれに便乗してスピカの上に乗り、ウェズンもスピカの服を甘噛みしている姿を見てほっこりしながらスピカ救出のために立ち上がった。

 

「わぁ…!?わ、わ、わ…!?」

「ワン!ワン!ヘッヘッヘ!」

「シャー」

「(プルプル)」

「あーい♪あーう♪」

「あ~♪う~♪」

「ブルルル…ヒィン」

「おやおや、ふふふ…スピカ~、大丈夫~?」

「あらあら、ふふふ…」

 

 皆に伸し掛かられてどうすればいいか分からずあたふたしているスピカの可愛らしい姿や、スピカに抱き着いたり、引っ付いたりして楽しそうに笑っているポラリスとアトリアとカペラとウェズンとハダルとリゲルの愛らしい姿にシリウスとエルフィナは笑いながら近づいた。

 

「か、かあ、さま…わ、わ、わ…!?」

「ふふふ。皆~、ママも交ぜて~♪」

「ま~♪」

「ままー♪」

「(プルプル)♪」

「ヒィン♪」

「シャー♪」

「ワフ♪」

「あーん、ずるーい。おばちゃんもー」

 

 もみくちゃにされているスピカにシリウスとエルフィナも参加した。スピカと抱き着いているポラリス達を諸共二人で抱き締めて左右から頬擦りをしている。

 

「か、かあ、さま…お、おば、さま…ぁぅ…」

「んっふふふ♪ぎゅ~♪」

「あらあら、ふふふ♪ぎゅー♪」

 

 嬉しいやら恥ずかしいやらで顔を赤くするスピカが可愛くて抱き締める力を強くするシリウスとエルフィナ。

 

「今日は考えるのは止めよう」

「そうね。今日は煮詰まったからまた明日考えましょう。きっと良い案が浮かぶわ」

 

 時間はあまり無いが焦っても良い考えは何も浮かばないので残りの時間をポラリス達に使う事にした。その後は遊び疲れて眠るまでスピカを中心にポラリス達を目一杯抱き締めた。

 

「あ、かあ、さま…」

「どうしたのスピカ?」

 

 お昼寝から起きて夕食を取り終えて部屋に戻ってきた時、スピカに呼ばれたのでポラリス達をエルフィナに任せてスピカに向き合うシリウス。スピカは顔を俯かせて服を掴んでもじもじして中々話し出さなかったが、シリウスは何も言わずに待ち続けた。

 

「あ…な、んで、みん、な、わ、たしに、えっと…ぎゅっ、て、する、の…?」

「それはね、皆スピカの事が大好きだからだよ」

「ど、して…?」

「スピカが家族だからだよ」

「かぞ、く…」

 

 自分がポラリス達から好かれる理由が分からず戸惑っていたが、シリウスから大好きな家族だからだと教えられた。

 

「で、でも、わ、わ、たし、な、にも、して、ない…」

「何かしてなくても、ただ一緒にいてくれるだけで嬉しいのが家族なんだよ。だから気にしなくてもいいんだよ」

「い、っしょ、にいる、だけで、うれ、しい…」

 

 シリウスに教えられた事を繰り返し呟くスピカを抱き上げて、ベッドの上にいるポラリス達の所へ連れていった。

 

「ほーら、ママとスピカお姉ちゃんが来たわよー」

「ま~」

「ままー」

「(プルプル)」

「シャー」

「ワン!」

「お、おね、え、ちゃん…?」

「そうだよ。スピカは皆のお姉ちゃんだよ。だから皆スピカが大好きなんだよ」

「う~?ね~」

「ねぇねー!」

「(プルプル)」

「シュー」

「ワフ!」

 

 スピカの事を皆お姉ちゃんと呼んで手を伸ばしており、スピカは戸惑いながらも近づくとギュッと抱き締められたり、手を握られたりしている。

 

「ぁぅ…」

「ふふふ…さあ皆、そろそろ寝るよ~」

 

 皆を寝間着に着替えさせて一緒のベッドで眠った。

 

『(家族?愛?それがわしを弾き飛ばした力だというのか?…分からん…なら直接確かめるまでよ…)』

 

 その様子を一部始終を見ていた者がいた。

 スピカの心の奥底に弾き飛ばされた“スピカ”だったが消滅しておらず、スピカが見聞きしたものを退屈そうにずっと眺めていた。弾き飛ばされた当初はシリウスへの罵詈雑言など恨みつらみを吐き出し続けていたが、この頃は何故そうなったのかをずっと考えていた。スピカ経由で見ていれば何か分かるかもしれないと本来なら微塵の興味も無いシリウス達の生活を観察していた。だがいくら見ても何が原因か分からなかったので遂に重い腰を上げる事にした。魔力を練り上げて術式を展開すると辺りが光に包まれた。

 

「…ん?ここは…?」

 

 シリウスがふと気がつくと寝間着のままで真っ暗な空間で一人でいた。

 

「はて?確かに皆と一緒に寝たはずなんだが…ああ、これ夢か。それにしては何も無いな。どうせならポラリス達の夢が見たかったんだが」

「普段あれだけ戯れておいて、まだ足らぬというのか貴様は」

 

 真っ暗闇に一人佇んでいたら背後から声がした。シリウスが振り向くとそこには呆れた表情をしているスピカがいた。

 

「スピカ?…いや、違うな。誰だあんた?」

「ほう…一目見て違うと分かるか。ならば話は早い。本来なら貴様のような者に名乗らんのだが、今回は特別だ。ありがたく思え」

 

 “スピカ”はニヤリと嗤い自己紹介を始めた。

 

「我が名はウィクネシア・エーウィス。人はわしを“虚無の魔女”と呼ぶ」

 

 高らかに、そして見下すように、シリウスが自身の名を知ってどんな反応を示すのかニヤニヤしながら待っている。

 

「…色々聞きたい事とか、言いたい事とかはあるが取りあえず置いておく。まずこれだけは言っておく」

「?」

「スピカの姿であれこれするのは止めろ」

 

 スピカの姿で嗤ったり呆れたりと表情豊かにされると非常に抵抗があった。“スピカ”、ウィクネシアを見た第一声が想定外だったので、ポカンとした表情になるウィクネシアだった。

 

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