「…もう大丈夫かな?」
都市から脱出してそれなりに離れた所で後ろを振り向いて警戒するが、動物の気配以外は感じず追手が来る様子も無かった。
「助かった、のか?」
「いやまだだ。安心するにはまだ早い。もっと離れないと」
「その前に一旦休憩しようぜ。怪我をしてる奴だっているんだからよ」
「…確かにな。どこか休めれそうな場所があればいいが…」
休めれそうな場所を探して森の中を歩いていると少し開けた所に出た。
「あ、村がある。でも何かおかしいな…」
「…おそらく廃村だな。人の気配や匂いがせん。わずかだが血の臭いもする。盗賊にでも襲われたのだろう」
「そっか…でもまあ好都合かな」
「食料などは期待できんが、今は身体を休める方が先決か」
シリウスと元奴隷達は廃村に入っていった。
村長の家だったであろう一番大きい家に入り、奪ってきた物資から水や食料を取り出して料理を作ったり、水薬で怪我人を治したりし始めた。シリウスも助けた幼児の食事を作るために荷物から鍋と食料を取り出して料理を作り始めた。
「う~…ま~…」
「ポラリス、おはよう。ごめんね、起こしちゃって」
料理を作っていると物音でポラリスが目を覚ました。ぐずつきだしたのであやしながら料理を作り、時折幼児の方も見ている。幼児は身動きせずシリウスをただジッと見ており、シリウスは目が合う度に笑いかけている。試しに頭を撫でてあげるとされるがままで変わらずシリウスを見ている。
シリウスは二人を甘やかしながら料理を作り、お互いできたのは野菜の入った薄味のスープとパンだった。簡素な食事だが元奴隷達は味がほとんどせず具が無い冷たいスープとカチカチのパンの欠片しか貰えなかったので温かければそれでご馳走だった。
「ああ…温かい…」
「うめえ…うめえよ…!」
「ふえええぇぇぇ…」
「ふぐっ…このスープ、塩味が効いてるぜ…!」
元奴隷達は泣きながら一口ずつじっくり味わいながら食事をしている。
「ふ~、ふ~、ポラリス~、あ~ん」
「あ~」
「ふ~、ふ~、は~い、君も、あ~ん」
「…」
幼児は黙ったままだがシリウスをジッと見ながら口を開けてスープを飲んでいる。小腹が空いたのかポラリスも欲しがったのでシリウスはポラリスと幼児に交互に飲ませている。自分の分のスープは温くなっているがお構いなしに二人を優先させている。温かいスープで身も心も癒された辺りで元奴隷達がシリウスに向き直った。
「礼を言わせてくれ。君のおかげで我らは自由の身となれた。本当にありがとう」
「ありがとう!」
「この恩は一生忘れない!」
「ありがとう…本当にありがとう…!」
「君は我々の命の恩人だ!」
「いやいやいや!?い、言い過ぎですって!」
その場にいる全員から深々と頭を下げて感謝を伝えられてシリウスは感謝される事に慣れていないので慌てている。何とか頭を上げさせて改めて元奴隷達を見ると本当に様々なハーフがいる。
獣人のウェアウルフと竜人のリザードマン、エルフと鳥人のハルピュイア、竜人のリザードマンと獣人のミノタウロス、巨人のジャイアールとエルフ、竜人のドラゴニュートと獣人のケンタウロス、小人のポックルと獣人のケットシー等々、一人として同じハーフがいない。
「(色んな人がいるなー。流石異世界。あっ、ジロジロ見たら失礼か)」
「…今更だが、我々が気持ち悪くないのか?」
「え?何で?」
「何でって…そりゃ、オイラ達って、何というか…普通と違うだろ?」
シリウスが元奴隷達を見ていると不安に思ったのか、ウェアウルフの男性が恐る恐る聞いてきた。他の皆も気になるのかシリウスを見ている。目に浮かんでいるのは拒絶されるのではという恐怖と、もしかしたらという小さな希望だ。
「いや別に普通だし何とも思わないけど。むしろそんな事を聞かれて戸惑っているけど…」
「「「「「!!」」」」」
首を傾げながら本心を言ったシリウスに皆は衝撃を受けている。
同族はおらず他の者から迫害され、最初は受け入れてくれていた両親も育つにつれ周囲からのやっかみで心を病み見捨てられ、行く当ても無く放浪していると捕まり酷い扱いを受けて、見世物にされ気味の悪い物を見るような目で見られ続けた。心身共にボロボロになり世の全てに絶望した事もあった。
「…う、うえええぇぇぇん…!」
「…うおおおぉぉぉ…!」
「ふぅっ…!ぐうぅぅっ…!」
「あ、ああ…あああぁぁぁ…!」
「え!?ちょ、ど、どうしたの?だ、大丈夫?」
「…大丈夫だ。何でもない…何でもないんだ…」
一人が泣き出したのを皮切りに皆泣き始めた。顔を覆って泣く者や人目も憚らず泣く者や嗚咽を漏らさないよう耐える者など皆泣いている。シリウスと話していたウェアウルフの男性も片手で目を覆って震えている。
「…私もか?」
「え?」
「私でも何も感じないのか…?」
シリウスがどうすればと戸惑っていると話しかけてきた者がいた。彼女はミノタウロスとハルピュイアの父親と、エルフとドラゴニュートの母親から産まれたクォーターだ。四つの種族の特徴を併せ持ち、尚且つ歪さがどこにも無い普通に産まれてきた世界で唯一の奇跡のような人だ。
「え、うん。何も感じないし普通だよ」
「…っ!」
「ぬお!?ど、どうしたの?」
突然抱き締められて戸惑うシリウスだが、クォーターの女性は何も言わずにシリウスを抱き締め続けた。
世界から拒絶され続けた彼ら彼女らだったが、シリウスの何気ない言葉に救われた。
「…すまない、みっともないところを見せた」
「いや、別にいいけど…大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
皆一頻り泣いた後、涙を拭ったがまだ数人ほど涙目になっている。
「えーっと…取りあえず今日は休もっか?皆も疲れただろうし」
「そうだな。あれだけの騒ぎを起こしたんだ。多少は猶予もあるはずだ」
奴隷商から盗んだ物資の中から毛布を取り出し各自に配り始めた。シリウスも荷物から毛布と布を取り出し布を敷布団代わりにしてポラリスと幼児の下に敷いて毛布を優しく掛けた。シリウスは着ている外套を毛布代わりにして二人の隣に寝転んだ。
「じゃあ、おやすみ」
「ああ、おやすみ」
元奴隷達に挨拶して目を瞑ろうとしたら幼児と目が合った。幼児はただシリウスを見つめており、シリウスは優しく微笑みポンポンとお腹を優しく叩いている。しばらくシリウスを見つめていたが眠気がきたのかやがて眠り、二人が眠ったのを見てシリウスも目を瞑った。
翌朝。
窓から差す朝日に目を覚ましたシリウス。腕の中で眠るポラリスと幼児を見た後、周りを見回すと元奴隷達がちょうど起きたところだった。いつもと違う風景と状況に疑問に思っている者もいたが、すぐに脱走した事を思い出した。
「うー…朝か…ん?」
「あれ?ここは…?」
「…ああ、そうだったな。もう怒鳴られる事も無いのか…」
「…おおっ!?そうだ!逃げ出したんだった!」
夢ではなく現実だとはっきり分かり、朝から喜び生き生きとしている。
「おはよう」
「おう!おはよう!」
「おはよう!」
「おはようございます!」
朝の挨拶をするだけでも嬉しいのか満面の笑顔だった。
「…う~…ふえええぇぇぇ…」
「ふおっ!?ど、どうした?」
「な、泣いてる!?ど、どうしたら…!?」
「あー、大丈夫だよ。は~い、ポラリス~。おしめ変えようね~」
起きたと思ったら泣き出したポラリスに元奴隷達はびっくりしてアタフタし出したが、シリウスはいつも通りおしめを変えた。
「はいスッキリ。ポラリス~、おはよう~」
「ま~」
「ママですよ~♪」
スッキリしてご機嫌となり朝からイチャつくシリウスとポラリスを見て元奴隷達も笑顔になっている。
「おっと、そうだった。起きてるかな~?」
一緒に寝た幼児を見てみるとすでに起きていたのかシリウスと目が合った。
「起きてた。おはよう~」
「…」
幼児は無言だったがシリウスはお構いなしで幼児の頭を優しく撫でている。
「…って、あら~。やっちゃったのね。じゃあ君もおしめ変えようか~」
幼児もポラリス同様粗相をしてしまったが、シリウスは怒る事無く笑顔で綺麗にしておしめを変えた。
「ふっ…さて、水を汲みにいくから何人か手伝ってくれ」
「おう、分かった」
「俺も行く」
「分かりました!」
ウェアウルフの男性は数人と共に井戸に水を汲みにいった。他の者達は毛布を畳み外に出て朝日を浴びている。
「すぅ…はぁ…こんな気持ちで日光を浴びれるなんて何時ぶりかしら?」
「ほんと…気持ちいい…」
改めて自由を感じ晴れやかな表情で日光浴をしている。
「汲んできたぞ」
「いやー!水浴びなんて何ヵ月ぶりだ!」
「サッパリしたな!」
「あ、ずるい!自分達だけ先に!」
「私も!」
「ヘッヘッヘ!水汲みをした奴の特権ってやつさ!」
「取りあえず顔を洗え。水浴びをしたい者は後で井戸の方でしてこい」
他の家から持ってきた桶で汲んできた水で皆顔を洗い、何人かは水浴びをしに井戸へ向かった。シリウスも顔を洗ってそのままおしめを洗濯して軒下に干している。
「…なあ、毎回洗ってるのか?」
「当然でしょ」
「大変じゃねえの?」
「全然。私はママだから。子供のためにするのは当然でしょうが」
「ほへぇ…スゲェな」
「むしろそこまで感心される方が戸惑うんだけど…」
「あー…胸糞悪い話になるんだが…オイラ達、子供を売る親を何回も見てきたからさ…」
「…何で我が子を捨てるかね。そっちの方が理解できないよ」
「オメエさんの方が正しいと思うぞ」
「そうよ。私達も理解できないし」
「…真面目な話、重税で食えなくなったからだろうな。子供を守る余裕すら無くなって自分の事だけで手一杯になったのだろう」
「…それでも理解したくない」
「それがいい。そんな事を理解する必要なんてない」
話しながら家の中に戻り朝食の準備に取り掛かった。メニューは昨日と同じスープだがそれでも皆笑顔で食べており、シリウスもポラリスと幼児に食べさせている。
「ふぅ…サッパリして腹も膨れた。清々しい気分だぜ」
「だな。後は服だが…荷物に何か無かったか?」
「えー…あるのは食料と酒と金目の物と…こんな服なら合ったぞ」
「そんな趣味の悪い物を着るぐらいならこのままでいい」
「だろうな。こいつは売ってしまおう。どうせ端金だろうけどな」
奴隷商のお気に入りかは分からないが、無駄な装飾がゴテゴテに付いてドギツイ色合いのローブは売却が満場一致で決定した。荷物の中には武器もいくつかあったが、どれも儀礼用や装飾用の物ばかりだった。
「さて…皆、そろそろ真面目な話をしよう」
ウェアウルフの男性が言うと皆が周りに集まった。
「今後の方針だが、できるだけ早くここを離れた方がいい」
「どうして?やっぱり追手?」
「そうだ。しかも奴隷主がプトグロアだから猶更だ」
「プトグロア?」
「代々奴隷業で栄えている貴族だ。位階は伯爵だがかなり金を持っていて逆らえる者がほとんどいない。裏社会にも顔が利くから時間が経つと逃げるのも困難になる」
「うわぁ…表も裏も顔が利くって厄介どころじゃないな」
「その通りだ。幸い今回のオークションには参加していないらしいから少しだが猶予はある」
「オイラ知ってるぜ。確か隣国の何かのパーティーに招待されたって。見張りがぼやいてたのを聞いたぜ」
「本当か?それならまだ希望はあるな。少なくとも裏からの追手で大物が出てくる可能性は低くなった」
「その前に行く当てはあるの?」
「ああ、それなら大丈夫だ。自由都市アールレディアに行く」
「アールレディア?」
「知らんのか?なら説明しよう」
自由都市アールレディアはオルティナで唯一種族差別が無い都市だ。世界最大級の貿易港で世界中から多種多様な種族が集まる。各国の要人なども足を運ぶので他の都市より警備が厳重で、他種族間の諍いを止める事もよくあるので兵士の強さも相当強い。
「そんな所があるのか…知らなかった。でも向こうもそこに行くって思わない?」
「確かにそうだ。だがアールレディアには独自の法が合ってな、入ってしまえば手出しはできなくなる」
「あそこは色んな種族が集まるからな。奴隷とかの差別は全面禁止されてるんだ。だから多少危険でもそこに行くんだ」
「アールレディアに行けば本当に自由だ…!」
「もう怯えながら暮らさずに済む…!」
「問題はどうやってアールレディアまで追手に捕まらず行くかだが…」
「だいぶキツクね?」
「確かにかなり厳しいが…それでも何とかするしかあるまい」
ブーナガストからアールレディアまでの距離はかなりあり、馬無しでは一ヵ月以上は掛かる。直線距離でもかなりあるが、途中で山や川があるので迂回しなくてはならず余計に時間が掛かり、休息や補給も考えるとさらに日数は掛かってしまう。
「ところで君は、っといかん。自己紹介をするのを忘れていた」
「はっ!?そういえば!?」
「色々合ってすっかり忘れてたぜ…」
今の今までお互いの名前すら知らずにここまでやってきていた。
「私はシリウス・ノクティー。この子はポラリス。よろしく。君の名前も後で考えないとね」
「あ~」
「…」
「俺の名前はラーゼル・エルザンドだ。よろしく頼む」
「オイラはイグロイ・ディナードだ!よろしくな!」
「私の番ね!」
「違います!次はワタシです!」
「いやオレだ!」
「ちょちょちょ!?順番、順番に!?」
皆我先にとシリウスに自己紹介しようと殺到し、シリウスはもみくちゃにされている。順番に自己紹介しているが二十人ほどもいるので名前と見た目を覚えるのも一苦労だった。
「ぬおおおぉぉぉ…!」
「あー…別に急いで覚える必要は無いぞ」
「いや、そうはいかない。名前を間違えるなんてそんな失礼な事をするわけにはいかない…えーっと…ラーゼル、さん?」
「そうだ、ラーゼルだ。覚えれてるじゃないか」
「オイラは?オイラは!?」
「あー…えー…イグロイさん?」
「おう!そうだ!ガッハッハッハ!」
「ワタシ!ワタシは!?」
「オレもオレも!」
「あー、皆、落ち着け。名前を呼ばれたいのは分かるから少し落ち着け」
再びシリウスに殺到する皆を何とか引き剥がして続きを話し始めた。
「先の続きだが君、いやシリウスはこれからどうするつもりだ?」
「あー、それね…どうしよっか…」
「一緒に行きましょう!」
「それがいいわ!」
「待て待て。確かに共に行くのは喜ばしい事だが本人の意思を尊重せねばならん」
「んー…一緒に行きたい気持ちはあるけど…皆と私の体力にやっぱり差があると思うんだよね」
「あー…確かにな。オイラ達は見た目はどっちつかずだけど、中は良いとこ取りみたいなところがあるからな」
「なら疲れたらワタシが運びます!」
「いや、それでお前が疲れたら意味が無いだろ」
「なら俺の背に乗せるのは?」
「色々考えてくれるのは有難いんだけど…皆に迷惑を掛けたり、足を引っ張るのはちょっと…それで捕まったら一生後悔しそうだし」
「…確かにな」
「…うーむ、やむを得ん、か…」
「うぅ…離れ離れになるなんてイヤです~…」
「もう会えないとかじゃないから。遅れるけどアールレディアに行くから」
「…ホントですか?」
「ホントホント」
「…なら、待ってます」
シリウスと離れたくない者達を何とか説得して別行動する事になった。その後も話し合いは続きラーゼル達は二手に別れて時間は掛かるが比較的安全な迂回するルートを通って自由都市アールレディアへ向かい、シリウスは予定通り王都へ向かいその後にアールレディアへ向かう事になった。
「よし、取りあえずの方針は決まったな。早速準備を始めよう」
「村に何か使える物がないか見てくる」
「私も行くわ」
「オレも行くぜ」
「オイラは水を汲んでくる。悪いが手伝ってくれ」
「分かった」
それぞれが動き出したのでシリウスも出発の準備に取り掛かった。干していた洗濯物を取り込んで水を補給して荷物を纏めた。
「次の町で君の服を見繕わないとね…いや、その前に名前か」
「その子も連れていくのか?」
「まあね。助けたんだから最後まで面倒を見ないと」
「お名前は何て言うのですか?」
「あー、まだ決めてないな…どうしよう…うーん、名前、名前、女の子の名前…(星に関する名前がいいよな。私もポラリスも星だし)」
先ほどおしめを変えた時に幼児の性別が分かった。シリウスは天井を見上げて考えており、その場にいる皆はそれを静かに見守っている。
「(シリウスは一番輝く星。ポラリスは北極星。輝く星、明るい星、恒星、だったかな?そこから何か…う~ん…あれは確か)…アトリア、だったかな…?」
「アトリア?その子の名前か?」
「いいんじゃね?」
「とっても良いと思います!」
「良い響きだ」
シリウスが口に出した名前候補は皆に好評だった。
現代日本ではアトリアはみなみさんかく座の一つでみなみさんかく座で最も明るい恒星だ。
「…君はそれでいい?」
「…」
アトリアで決まりそうな空気になっていたが、一応確認するために幼女に聞くがシリウスを黙って見つめるだけだった。
「(…まあ、取りあえず仮の名前としておくか。もしかしたらちゃんとした名前があるかもしれないしな。)じゃあ、君の名前はアトリアだ。アトリア~」
「…」
命名が決まり幼女がアトリアとなった。シリウスはアトリアの頭を優しく撫でておりアトリアはシリウスを見つめている。
「…さて、皆準備はいいか?」
「大丈夫だ」
「こっちもだ」
「大丈夫です!」
「いつでもいいわ!」
準備が整ったので十人ずつに別れて各自荷物を持ち家の前に立っている。これから自由都市アールレディアへ向けて出発する。
「ここで一旦お別れだ。シリウス、君には本当に感謝している」
「もういいってば。それにアトリアを助けるついでみたいなものだったし」
「そのついでにオイラ達は命を救われたんだ」
「そうです!嫌だって言っても感謝します!」
「この恩は一生忘れないからな!」
「え~…」
自分との温度差が激しくて若干引き気味なシリウスだったが、短い時間ながらも皆と一緒にいた事で何を言っても無駄だと悟っている。
「では出発だ。シリウス、いずれまた」
「またなー!」
「また会おう!」
「アールレディアで待ってるぞ!」
「絶対会いに来てくださいね!」
「元気でねー!」
「気をつけてねー!」
「皆も気をつけてねー!」
森の中へ消えていく皆の姿を見えなくなるまでシリウスは手を振り続けた。
「…行ったな。さて、こっちも行くか。ポラリス~、アトリア~、行くぞ~」
「あ~」
「…」
ポラリスをおんぶ紐で抱っこし、アトリアは左腕で抱き上げてシリウスは次の町へ歩き始めた。