転生したと思ったらママになっていた件   作:大神降ろし

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第六十八話

 

「はぁ、はぁ…」

「ぜぇ、ぜぇ…」

「二人とも、大丈夫だかー?」

 

 テトラニーアを出発してシリウス達は王都に向けて道を歩いていた。道は平坦でなだらかだがシリウスとクルフは息遣いが荒くなっていた。

 

「はぁ、こ、こんなに、辛いとは、はぁ、思わなかった、ぞ…」

「ぜぇ、ぜぇ…」

「ま~」

「まま」

「…だ、だだい、だい、いじょじょ、ぶぶ…?」

「だ、だいじょーぶ…はぁ、はぁ…こ、この、程度ぉ…!」

「(プルプル)」

「だから無茶だって言ったのよ…カペラも心配してるわよ」

「ぐぬぬ…お、思いついた、時は、はぁ、行けそうって、思ったんだが…」

 

 テトラニーアを出発してから一時間ほど経った辺りからシリウスとクルフの息が荒くなり始め、二時間が経った現在は道沿いに落ちていたちょうどいい木の枝を杖代わりにしないと歩けないほど疲れ果てていた。

 

「そろそろ休憩するだか?」

「ぜぇ、ぜぇ…さ、さんせい…」

「はぁ、はぁ…い、いや、まだ、まだ行ける、ぞ…」

「まあまあ、一旦休憩するだ」

 

 シリウスはこの程度で根を上げてたまるかとまだ行くつもりだったが、見かねたエベッタが強引に近くにあった石に座らせた。

 

「はぁ、はぁ…くそっ、情けない…」

「…ご、ごめ、ごめん、んな、なな、さいい…」

「スピカの所為じゃないから気にしなくていいよ。しかし、このままじゃいかんな…」

「やっぱり台車とかに荷物を載せた方が良かったんじゃない?」

「でもそれだと手が塞がるから咄嗟のときに対応できん。荷物も無くしかねないしな」

「乳母車はどうだか?子供達を全員乗せられるだ」

「町中ならともかく、外で使える乳母車なんて無いだろ。それに子供達はちゃんと抱いていたいから嫌だ」

「ま~」

「まま」

「…ぅ、ぁ…」

「(プルプル)」

 

 膝の上で甘えてくるポラリスとアトリアとカペラと膝の上に座ったはいいがどうしたらいいか分からないスピカをまとめて抱き締めた。

 

「ぜぇ、ぜぇ…ふぅ…それなら、馬とかはどうだい?」

「それが一番無難だよな…でも馬って高いだろ?後餌代も掛かるし、町に入ったら厩舎に入れなきゃならないし、その使用料も掛かるんだろ?」

「まあ、確かに色々とお金はかかるけどその状態で歩くよりはいいと思うよ」

「うーむ…買うのも検討せねばならんな…ん?」

 

 シリウスが更なる出費に頭を悩ませていると何かが近づいてくる音と気配に気づいた。

 

「何か来るぞ。気をつけろ」

「ええ!?ま、魔物かい?」

「静かにしろ。一応武器を構えてろ」

「どっちから来るだ?」

「…あっちの丘の方からだな」

 

 全員が武器を構えて待っていると丘の向こうから小型の馬が走ってきた。

 小型の馬はポニーと言い現代と同じく大人でも人より小さい種類である。昔は運搬用として飼われていた事もあったが、普通サイズの馬の方が多くの荷物を運搬できるので次第に飼われる事が無くなり野に放たれて野生化していった。

 そのポニーの親子が走ってきており、その向こうからグラスウルフに乗ったゴブリンが数体追い掛けてきている。獲物を追い掛けてきたらしくポニーを囲むように追い立てている。ポニーが全力で走ればグラスウルフを撒く事も不可能では無いが、子連れなのでそれもできずあっという間に囲まれてしまった。

 

「狩りか」

「ど、どうするんだい?今のうちに逃げるかい?」

「いや、下手に動けば気づかれる。終わるのを待つぞ」

 

 シリウス達は草むらに身を伏せて隠れながらその光景を見ていた。

 

「ギャギャギャ!」

「グギィ!グギャギャ!」

「ブルル…ヒヒィーン!」

 

 取り囲んで痛めつけようと嗜虐心たっぷりな表情で弓を射かけようとしていたゴブリンに向かってポニーの親は意を決して突っ込んだ。

 

「グギャア!?」

「キャイン!?」

 

 ゴブリンもグラスウルフも不意を突かれて動けずポニーの突進を受けて吹き飛んだ。

 

「ギギャ!?ギィ!」

「ウルルル…アオーン!」

 

 思わぬ反撃を受けて怒ったゴブリン達とグラスウルフ達は手加減を止めてポニーを嬲り殺しにすべく殺到した。

 

「ヒヒィーン!」

 

 己の命を犠牲にしてでも我が子を守ろうとしている親の姿をシリウスは瞬きせず見続けている。親は奮戦したが矢を次々と射られ動きが鈍ったところに足を噛まれて地面に倒されてしまい打つ手が無くなってしまった。

 

「ブルルル…ヒヒーン」

 

 せめて子供だけでも逃がそうと放置され蚊帳の外にいる子供の方を見て嘶いている。子供は逃げるように言われてもその場から動こうとせず、親が嘶いた事でゴブリン達も子供の存在を思い出し親の目の前で子供を殺そうと思いつき子供に近づいている。

 

「…二人とも悪いな。私は行くぞ」

「えっ!?な、なんで!?」

「あんな光景を見せられて私がジッとしていると思ったか」

 

 始めは可哀想だが弱肉強食の世界ではよくある事だと思って見ていたが、シリウスが思う親としてあるべき姿を見せられて居ても立っても居られなかった。一人でも戦う気満々のシリウスを見てエベッタとクルフはお互いに見合うが、仕方がないと言わんばかりに溜め息を吐いて立ち上がった。

 

「すまんな二人とも。まずは一体!【マジックボルト】!」

「グギャア!?」

「キャイン!?」

 

 不意打ちで子供に近づいていたゴブリンとグラスウルフをマジックボルトで倒した。

 

「ギキィ!?」

「でやあああぁぁぁ!」

「ギャン!?」

 

 奇襲を受けて固まっているところにクルフが気合と共にグラスウルフに槍を突き刺し、グラスウルフが倒れた事でゴブリンは地面に叩きつけられてそのままクルフに止めを刺された。

 

「おりゃあ!」

「ギャア!?」

「グギ!?ギャギャ!」

「ギキィ!ギギャ!」

「うるせえ!」

「ギギャア!?」

「せりゃあああぁぁぁ!」

「ギャイン!?」

 

 子供の安全を確保した後は親を取り囲んでいるゴブリンとグラスウルフを一体ずつ確実に倒していった。奇襲を受けてから態勢を立て直す事ができず、残ったゴブリン達は逃げる事しかできなかった。

 

「やっただ!」

「よし!修行の成果は出てるぞ!」

 

 喜ぶ二人をよそにシリウスは倒れた親の元に駆け寄った。胴体には矢がいくつも刺さって血が止めどなく流れ、脚は相当強く噛まれた所為で肉が抉られ骨が見えている状態になっていた。

 

「無理、か…」

 

 素人から見ても助からないと分かるぐらい傷は酷くシリウスは暗い表情で俯く。子供は倒れている親に近づき顔を擦り付けて起きるように促しているが親には立つ気力すら残っていなかった。親は何とか頭を持ち上げて子供をあやすように顔を擦り付けていたが、やがてシリウスの方をジッと見つめた。

 

「…何だ?まさか私に子供を託すっていうのか?」

「ブルルル…」

 

 肯定するように嘶く親は返事を待つようにシリウスをジッと見つめ続けている。

 

「…今さっき初めて会う奴に託すなよ…助けたから信用できるって思ったんだろうな…分かった、その子は預かるよ」

 

 了承したと分かるように親の鼻先を撫でるシリウスに親は安心して力が抜けたのか地面に静かに横たわった。

 

「ブルブル…ヒィン!」

「ブルルル…」

 

 子供は親を起こそうと懸命に頭を擦り付けるが親は既に自分の死を受け入れたのでただ子供を静かに見つめている。やがて親は子供に看取られながら静かに息を引き取った。子供は親が死んだ事を受け入れられないのか、悲しそうな声で鳴きながら未だに起こそうと頭を擦り付けている。シリウスはそんな子供の首筋を撫でながら黙祷している。シリウスの後ろではエベッタとクルフも沈痛な表情を浮かべている。黙祷が終わりシリウスは子供を撫でながら立ち上がった。

 

「…埋めてやるか。悪いがもう少し待ってくれ」

「オラも手伝うだ」

「僕もやるよ」

「そうか?すまんな」

 

 三人で穴を掘りそこに親を丁寧に埋葬した。墓石は石を重ねただけの簡素なものだが一応墓だと分かるものにはなった。シリウスは墓の前で改めて黙祷した。

 

「…さて、行くか。君はどうする?」

「ブルルル…」

 

 墓ができて親を埋葬するまでシリウスの背後でジッと見ていた子供は墓から離れようとしなかった。

 

「…そうだよな、離れたくないよな」

「シリウス、どうするだ?」

「その子を頼まれたが…付いていきたくないのなら無理強いする気は無い」

「置いていくのかい?」

「無理矢理連れて行くのはちょっとな…幸いテトラニーアに近いから比較的安全…だと思いたい。どっちにしろ私はその子の意志を尊重するだけだ」

 

 シリウスは付いていく気が無い子供に後ろ髪を引かれながらも出発した。

 

「はぁ、はぁ…」

「ぜぇ、ぜぇ…」

「二人ともー、頑張るだー…およ?シリウス、後ろを見るだ」

「はぁ、はぁ…う、後ろ?」

 

 息を切らせながら一時間ほど歩いた辺りで振り向いて二人を励ましていたエベッタが何かに気づいた。シリウスも後ろを振り向くとそこには先ほどの子供がこちらに向かって歩いてきていた。

 

「君は…もういいのか?」

「ブルルル…」

 

 シリウスが近づくと子供は怯えるように震えて一歩下がった。

 

「そうだよな、初対面で信じろって方がおかしいよな。でも、私は君の味方だ。何もしないよ」

 

 シリウスは右手を差し出しながらゆっくりと子供に近づいた。子供はシリウスを見続けており鼻先に差し出されたシリウスの手をジッと見つめ、やがてシリウスに近づき手に触れた。

 

「よしよし」

「ブルルル…」

「う~?」

「う?」

「…ぅぅ…な、なな、なに、に、なに、そそ、それ、れ…?」

「この子はな、馬っていう動物なんだ。優しく撫でてあげたら怖くないよ~」

「(プルプル)」

「あんたはまーた拾って来たの?元の所に戻してきなさい」

「ちゃんとそだてるから!めんどうぜんぶみるから!」

「何で子供みたいな口調で言うのよ!?私はあなたのお母さんじゃないわよ!」

「ママは私だ!」

「知ってるわよ!何よこの茶番は!?」

 

 シリウスを信用する事にし撫でられて気持ち良さそうにするポニーの子供とそれを興味津々に見ているポラリスとアトリアと見た事が無い生物に怯えるスピカと新しい友達が増えたと素直に喜ぶカペラとシリウスと茶番劇を繰り広げるピーニ。

 

「また増えたみたいだね…シリウスは一体何を目指してるんだろうか…」

「おー、そうなのかー。よろしくなー」

「…君は相変わらずだね」

 

 シリウスが買おうかと悩んでいた馬が奇しくも手元にやってきた。だが背の低いポニーの子供なので乗馬はもちろん、重い荷物を持たせるのには期待できそうになかった。

 

「その辺りはどうするんだい?」

「そうだな…軽いけど嵩張る物とかを持ってもらおうかな。後で手綱も買わなくちゃな」

 

 シリウスは手綱代わりにロープをポニーの首に掛けて、天幕などの荷物を背中に括り付けた。

 

「どうだ?大丈夫か?」

「ブルブル…」

「大丈夫そうだな。何かあれば言えよ。さて、行くか」

 

 ポニーの首筋を撫でた後シリウスは気合いを入れて荷物を持って再び歩き始めた。ポニーはロープに引っ張られながらシリウスの後ろを素直に付いていっている。シリウスの荷物の数%程度を持ってもらったがそれでも先程よりは全然変わった。

 

「さっきよりは大分と楽になった。君のおかげだな」

「ブルルル…」

 

 感謝と労いを込めて首筋を優しく撫でると気持ちいいのか目を細めている。

 

「ぜぇ、ぜぇ…ぼ、僕の、荷物も…」

「おいおい。この子はまだ子供だぞ。お前の荷物も持たせたら潰れるだろうが」

「ぐ、ぐぬぬ…」

 

 ぐうの音も出ない正論にクルフは沈黙した。その後はちょくちょく休憩を入れつつ歩き続け、日が暮れ始めたので野営地を探す事にした。

 

「見つからんな…そっちはどうだ?」

「見当たらないだ」

「うーん…やっぱり歩く速度が遅かったか。仕方がない、良さげな場所を探すか」

 

 旅人などがよく使っている野営地はまだ先なので比較的安全そうな場所を探し始めた。だが中々見つからずその場所を見つけたのは日が落ちる寸前だった。丘と丘の間にあるちょっとした窪地みたいな場所で近づかなければ窪地の中は見えないようになっている。反面、包囲されれば成す術もないが他の開けた場所よりは幾分マシだった。

 

「…時間も無いからここにするか。襲われたら一溜りもないが」

「こ、怖い事言わないでくれよ」

「大丈夫だ!何とかなるだ!」

「君の前向きな性格が羨ましいよ…」

 

 道中で集めておいた枝を組んで火を付けて焚き火をおこしてから各々天幕を張ったり周囲に鳴子を張ったりした。

 

「フッフッフ…見たまえこれを!」

「おー、新しい天幕を買っただか」

「ああ。依頼の報酬が少し余ってたから思い切って買ったよ。一人用だけどこれで寒い思いをしないで済むよ」

「そういうのはハンターになった時に全部用意しておくもんだぞ」

「ぐふっ!?」

 

 シリウスの正論の刃がクルフの心を抉りクルフは胸を抑えて膝を付いている。シリウスはクルフを放置して鍋に水を張って食事の準備をしている。適当な大きさに切った野菜を鍋に入れてスープの素を小さく千切って入れた。後は野菜に火が通るのを待つのみでその間にポニーの食事を準備する事にした。

 

「この子は何を食べるんだ?」

「ポニーは大体草を食べてるわ。野菜なら何でも食べるわよ」

「そうか。数があるのは…ナガニンジンか。これは食べれるか?」

 

 ナガニンジンをポニーに差し出すと初めて見たのか匂いを嗅いだりして検分している。大丈夫そうだと分かるとナガニンジンを少し齧った。

 

「ブルルル」

「大丈夫そうだな。ほら、たんとお食べ」

 

 ポニーはシリウスの手からナガニンジンをドンドン食べていく。

 

「計三本か。これぐらいなら大丈夫かな。足らなくなったらその辺の草で我慢してもらうことになるが」

 

 使っていない器に水を入れてポニーに差し出すと喉が渇いていたのかあっという間に飲み干した。追加で入れてあげた後はできあがっていたスープを器によそって食事を取り始めた。

 

「ポラリス~、あ~ん」

「あ~」

「アトリア~、あ~ん」

「あー」

「スピカ~、あ~ん」

「…ぁ」

「カペラ~、あ~ん」

「(プルプル)」

「スープ、温まるわー」

「うぅー、肉が食いたいだー…」

「言わないでくれよ。僕も食べたくなるじゃないか…」

「ソーセージ、腸詰めを買えば良かったんじゃないか?それなら少しは持ち歩けるだろ?」

「「はっ!?その手が!?」」

「まあもう遅いが。諦めるんだな」

「「うぅ…肉ー…」」

 

 肉が好きな二人はしょげた顔をしながらスープとパンを食べ、シリウスはそれを呆れた表情で見ている。食事を終えて片付けも終わった後は自由時間となった。

 エベッタは荷物を整理し、クルフは槍を整備し、シリウスはポラリス達と遊びながらジャイアントスネークの卵を布に包んで懐に入れて大事そうに温めている。

 

「…一応温めているが、果たしてこれで孵るんだろうか…」

「多分大丈夫だと思うけど…私もよく知らないのよね」

「う~?」

「う?」

「…ぅ…?」

「(プルプル)?」

「ブルブル…」

 

 シリウスが首を傾げると膝の上にいるポラリスとアトリアとスピカとカペラが真似をして首を傾げた。ポニーはシリウスの傍で草を食みながらのんびりしている。

 

「ごふっ!?」

 

 愛娘達の可愛らしい動きはシリウスにクリティカルヒットした。大袈裟に仰け反って鼻から愛が溢れるのを必死に耐えている。

 

「ま~」

「まま」

「…ぁ、ぇぅ…」

「(プルプル)」

「ブル?」

 

 シリウスの奇妙な動きを見て心配したのかポラリス達はシリウスを呼びながら服を掴み、ポニーも何事かとシリウスの方を見ている。

 

「~~~!!(くうううぅぅぅ!?追撃が来るとか聞いてないんだけど!?ぬおおおぉぉぉ!耐えろ!耐えるんだ私!)」

 

 シリウスを心配した行動は今のシリウスにとって致命的だった。鼻を押さえながら何とか耐えたもののギリギリだった。

 

「はぁ、はぁ…あ、危なかった…」

「何をやってるのよ…」

 

 危機一髪だったシリウスを呆れたように見るピーニ。

 そんな事をしていたらそろそろ寝る時間となったので始めにシリウスが火の番をする事となりエベッタとクルフは天幕に入って眠った。シリウスは毛布で膝の上で寝ているポラリスとアトリアとスピカとカペラを包んで寒くないようにしてから焚き火に枝を投げ入れている。ピーニも毛布の中に潜り込んで寝ており、ポニーはシリウスの傍で立ったまま寝ている。

 

「(馬って立ったまま寝るんだっけ?横になって寝るんじゃなかったか?分からん…)」

 

 馬の生態をふわっとしか知らないシリウスは疑問に思いつつも問題無さそうなので気にしない事にした。

 

「(相変わらず星が綺麗だ…そういや、この子の名前も考えないといかんな。何か…いや、それ以前にこの子は男の子か?女の子か?それによってはかなり変わるぞ…はっ!?卵の子の名前も考えないといけないんだった!うごごご…!できるだけ早く何か思いつかねば…!)」

 

 男の子でも女の子でも行けそうな名前を二つ考えねばならず頭を悩ませるシリウスだったが、交代の時間まで悩み続けたが中々良い名前は浮かばなかった。

 

「(駄目だ、何も浮かばん…今日は何も浮かばん)…寝るか。君もおいで」

「ブルルル…」

 

 今朝方親を失ったばかりの子供を一人にするのは気が引けたのでポニーを天幕の中に入れた。元々三人用でポニーの背丈も低いので普通に入れた。

 

「じゃあ寝るか。おやすみ」

「ブルルル…」

 

 シリウスは抱きかかえていた子供達を敷いた布の上にそっと置いてその横に寝転んだ。ポニーは眠ったシリウスをジッと見ていたが、やがて膝を折ってシリウスと同じように寝転んだ。馬が寝る際に寝転ぶのは危険が無い時だけでポニーはシリウスの傍は安全だと認識したようだった。実はまだ起きていたシリウスは薄目を開けて寝転んでいるポニーを見て微笑んだ後眠った。

 

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